2021年個人的に一番嬉しかったのは久しぶりにあたしンちの新作単行本が発売されたことです。あたしンちは子供の頃から読んでいて大学卒業くらいの時に休載したんですが、自分のお金で単行本を買うようになってからは、年一回の発売日がちょうど誕生日に近かったので自分へのプレゼントとして買っていたんです。なので休載が本当に悲しくて、空白の6年が体感として10年に感じるくらい長かったです。それからのAERAでの連載復活のニュース、そして今年になっての単行本化はとっっっても嬉しかったです。しかもその発売日がちょうど私の30歳の誕生日だったので、まるでタチバナ家のみなさんに祝福されているかのような気持ちになりました。 待っている間はあんなに長かったのに、新刊を読んだら「お久しぶり感」がゼロでした。あたしンちの世界もコロナ禍になっていて、お母さんはAmazonで買い物してるし、お父さんはUber eatsを使おうとしてるし、しっかり現代にアップデートされてるのに、いつもと同じタチバナ家の日常にするっと入り込める。こんなに自然な続編を私は他に知りません!でもこれはいつも「当たり前の日常」を汲み取って形にしてきたけらえいこ先生だからこそ成せる技だと思います。これからはいつもの面白さにプラスしてあたしンちの絶妙な進化も楽しめるなんて最高です!!
現住所は東京ですが、魂は奈良県民なので全力で推したい作品がこちら。 「倭まほろば郷土研究部」、通称「奈良マジエモい部」の活動を通して、奈良の歴史や現在の見どころ、名産やグルメなどを楽しく知ることのできる4コママンガです。 ヒロインの春日大社の神鹿が化けた姿であるハルヒノさんは、ウマ娘ならぬシカ娘といった風情(不敬)。普通の人には人間にしか見えないハルヒノさんですが、東京から転校シてきた主人公の中西ちあきくんにだけは本来の姿に見えてしまうところからふたりの少し特別な関係性も始まりほんのりほんのり進展していきます。 最初は基本を押さえて奈良公園や東大寺などの超有名どころから始まりつつ、ならまちミジンコブンコのスパイスカレーなど近年人気のスポットも登場。 「斑鳩、明日香、吉野もお薦めだぞ」 と、私の故郷である吉野を推してくれるハルヒノさん、推せます。 十津川の谷瀬の吊り橋は高さ54mで全長は300m近く風の強い日には渡るのもかなり怖いですがDQウォークでもランドマークに指定されたところで迫力満点ですし、1巻後半でフィーチャーされる洞川は街全体が昔ながらの温泉街の独特の雰囲気が強く漂っていて素晴らしいですし、作中で描かれる面不動鍾乳洞はRPGのダンジョンのような風情もあってライトアップは綺麗ですし何よりそこに辿り着くために乗るトロッコが非日常感満載で楽しいところなので、ぜひ一度観光に行ってみて欲しいですね(饒舌早口)。 4コママンガですが、1ページまるまる使ったワイドタイプであり背景がかなり精緻なので、舞台探訪欲を掻き立てられます。実際に現地に行ってみたら、ほぼ同じ景色が広がっているので感動することでしょう。 1300年の歴史を身をもって知るハルヒノさんがガイドしてくれる奈良紀行は、とても豊かで楽しい学びです。逆に、そんなハルヒノさんが現代文化に触れるときのギャップの面白さも良い感じで描かれています。 魂が奈良県にある方には問答無用で、そうでない一般の方にも日本の歴史や文化が詰まった作品として推せますし、また奈良に旅行に行く際にはお供として携えていって欲しい作品です。 なお、単行本巻末にはおまけとしてかわいさマシマシなハルヒノさんらの初期デザイン案が載っていますが、個人的には現行のカッコよ美しさマシマシなハルヒノさんがより好きです。
『バード』や『GAMBLE FISH』の青山広美さん原作の美少女頭脳戦マンガということで、注目していた作品。いつだって私たちは『トーキョーゲーム』の幻影を追い求めているのです。 ところが、1話を読んだだけで「一発逆転の頭脳決戦」というサブタイトルから想像するよりも断然パワフルな作品だと理解しました。 ・「覇道学園」(通称「外道学園」「反吐学園」)というネーミング ・喧嘩十段で9人のタマを潰したという令嬢 ・その令嬢が上空1万mでドアの開け放たれた飛行機の中、生身で風圧に対抗してドアを閉める ・一列になったり二列になったりする機内 ・さくらうめさんの描く女の子は基本的にかわいいのに突然作画が適当になる ・クラスは20人のはずなのになぜか最初の投票は30人いる ・典型的な狂った富豪がいるのはまだしも数が多すぎる ・破骨島のアクセスや立地が悪すぎる上にあれだけの数の富豪たちが快適に生活できるライフラインや設備があるのか謎 などなどツッコミどころが多すぎて追いつきません。 その後も、カウントダウン残り1秒で開けたら1秒で全員脱出は無理なので不合格なのでは? 数学って聞いただけで恐ろしくて眠れなくなるとは? などなど常に疑問符が浮かび続けます。 ピアノが得意な美人の楓さんとの百合展開なども期待できそうな展開でしたが、完全にそれどころではありません。 破天荒さが目立ちますが、 「問答無用のエゴイスト! 掟破りのマキャベリスト!」 のような疾走感のある言い回しなどは癖になります。 『彼岸島』などを楽しめる方にお薦めしたい作品です。
トレンドに入っていたので早速読んでみました。それなりに面白かったですが、なぜこんなにバズっていたのか自分にはよくわかりませんでした…^^;
ので評判悪くてショック! と思ったら読切があったのか あーこれは確かに…ww 否定的なコメが分からなくもない 連載の方は、フリーダムな居心地のいい関係って感じで大好きです
女の子がとってもむちむちしています。 昨今の高校生は成長がよいですなあ!と大声で言う謎の人になりそうです。 前作の「ド級編隊エグゼロス」も少し読んだのですが、そちらと比べると露出は控えめです。 ストーリーは、過去をやり直す系とラブコメが混ざっています。 女の子の見た目が出るところが出ていて、さらにやわらかそうなので、ちょっぴりエッチに思えます。 主人公の蝶野くんは過眠症のようです。 過眠体質は人生を損している気持ちになると、過眠症の子が言っていたのを思い出しました。 主人公くんのように、人生経験の不足を気にして奥手になるなどはなかったようですが、休憩時間も寝なければ体がもたなかったり、眠いといえばミンナあることよと言われ、思うことはあったようです。 過眠というハンディがない世界でやり直しをする主人公くん。 うまく青春するんだよ!
疲れたときは食べて一息つくのが一番ですね。 ひたすらさまざまなシチュエーションで、さまざまな料理が提供される。 ただそれだけなのに、ほのぼのします。 料理がつやつや美味しそうなのも良いです。 ウィンナー目玉焼き丼と私が呼ぶ、『よつばと!』のとーちゃんが作っていたご飯が出てきて、「このごはんは元気が出るよね〜」と思ってしまいました。 半熟目玉焼きに醤油をたらりして、黄身を崩して卵かけごはん風に食べても、ウィンナーにケチャップをつけて、ケチャップライスになったところを食べても、目玉焼きとウィンナーだけを食べる贅沢をしても美味しいので好きです。 この漫画が、「食えば元気出る。元気が出ればがんばれる。がんばれ!!」と押し付けがましく感じないのは、くまさんのおかげでしょう。 がんばれないときは立ち止まって休めばいいんです。 ちなみにこの本がレシピ系漫画本と気づかず、最初の「料理をする上での注意事項」がどんな意味を持つのかわからず、まじまじ読み込んでしまいました。 料理をする上での注意事項だけが書かれていました。 めんつゆの濃度は確かに重要です。我が家は4倍濃縮でした。
かつて週ジャンで「烈!!!伊達先パイ」や「ジュウドウズ」を連載されていた近藤信輔さんの新作です。 暴力的な意味で過激なシーンが含まれていても問題ない人ならどなたでも読んでほしいし、特に上記の過去作が好きな人(私もそれ)には絶対読んでほしい。 作者さんが生き生きと「真に描きたいもの」を描いていらっしゃる感がビシビシ伝わってきて、究極の「ここにしかない」を味わえます。 絵柄はそのままに画力がめちゃくちゃ上がっているのでプロの底力を思い知らされます。奥行きがある。 登場人物の体温を感じるし、iPhoneの小さい画面で読んでも容赦なく心わきおどらされる。こんなによいものを無料で読めてしまうのはもどかしいので一刻も早くお金を落としたい。現時点で課金するには先読みするしかないのでありがたく先読みさせていただいています。 早くコミックスが出てほしい。 こういう 登場人物が生きている漫画がなんだかんだで一番面白い。 コミックDAYSにて毎週月曜更新連載のおかげで月曜日が楽しみで仕方ない。健全な生活が手に入ります。 アプリだけでなく、ブラウザでも読めます。 おすすめです。
根拠があるわけではなく肌感覚だけどこういうヤバい人が増えたように思う。ついでに肌感覚どころかめちゃくちゃ主観だけどこういうヤバい人のところまではこの作品は届かないし刺さらないんだろうなとも思う。 環境が悪いからといってみんなこうはならんよね〜やってることは最低だから同情はできないよね〜という正論だけ述べて思考停止するのは楽だけど、それじゃ解決にならんよねと思う。だからといって何ができるわけではなく、こういう人に会わないように自衛しよ…という意識だけが高まっていく。 そして世界は分断されていくんだなあ……。 ラストも含めてどう受け止めていいかわからない。後戻りのできないモンスターになってしまった方が生きやすいような気もする。
こういう思考回路の人はネットによくおって、その原因を乱暴に分類すると人生起因説と人生無関係説になる。 どらちかというと前者のように描かれたわけだが、漫画なので特に反対意見はない。 次に、人生起因説のうち主な説を乱暴に2つあげると、鬱憤蓄積者の被害者意識説と成功者の特権意識特権無意識説になる。 どちらかというと前者のように描かれたわけだが、あくまで漫画なので描き方に反対するわけでは一切ないし、彼のような人生(ラストはともかく)かつ思想の人は一定割合いるとは思う。 しかし、実社会では後者の方が割合としては多いのではないだろうか? 統計的根拠として、特に権威主義国家の支配者成功者層の主張や振る舞いは主人公と同調している(中露イランなどはフェミ団体を弾圧解散させている)。理論的根拠は長くなったのでやめておく。
※ネタバレを含むクチコミです。
エロサスペンスです。順風満帆の主人公がママ友との不倫をきっかけに人として越えちゃいけない色んな一線をガンガン越えていく話。もう止められない進め!な状況が主人公を追い詰めてく。 エロシーンも生々しくてエロいんだけどすべてに狂気を感じる。それも含めて名場面が多過ぎてクラクラします。ちょこぺたぴんとか墓場のシーンとか…超インモラル!読み応えがあり過ぎます。
・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 主人公2人が小学生だから、ジュブナイルの要素を取り入れたスリラーサスペンスだと確信しました。 ・特に好きなところは? 本作の主役である隼人と星太の純粋さ、隼人の義姉(実は隼人の未来の嫁?)にあたる麗奈のツンデレぶり(隼人の母親の上位互換に該当するキャラクターとも)。 ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 前作『生者の行進 Revenge』に引き続く形で、非常にネガティブなテンプレ描写(陰湿なイジメ、毒親による児童虐待etc.)および鬱展開を克明かつ徹底的に取り入れている分、心理描写は細密に描かれています(見る人が見れば)。 出来るなら、綺麗に完結してほしい漫画だと思っています。 ※一巻読了のコメントです。
1番エロい干支を真剣に考えた事はあるか? 2023年は卯年。卯はウサギだからバニーガール。 巳年はヘビだから、なんか妖艶なセクシーガール。 寅年は、野生っぽい感じのワイルドガール。 干支に関連した女の子達を集めてA◯B48みたいにしてアイドルデビュー。 こんな妄想を考える夜があっても良いじゃないか。
いまや、『ボーイズ・オン・ザ・ラン』も『アイアムアヒーロー』も映画化し、雑誌の看板漫画家になった花沢健吾のスペリオールでの新連載。 女子高生が海辺でたわいない会話をしているところからスタートする。 これが何の話かなかなか分からないまま進行するが・・。 タイトルは第一話目の演出のためか、表紙や目次にすら「新連載」としか出していない。 一話目を追っていくとハッとする風景描写でバンと出てくる。 新連載で雑誌の最後のページなんて聞いたことねーぞ、しかも花沢健吾でしょ?なんなの?と思っていたらコレだ。 電子ではたまにあるが、雑誌では個人的には初見な気がする。 でもおかげさまで、いつ来るんだろうと思ってほぼ全ページめくってしまった。 これもある意味雑誌の戦略なのかもしれない。 ヤンマガでの花沢健吾先生の新連載『アンダーニンジャ』と共に楽しみ。 『アンダーニンジャ』がどっちかというと日常に寄り添っているなら、こちらは少しハードめなSFかもしれない。
藤崎版銀英伝のデータブックを出して欲しいです 集英社さん希望します
都会に住む人が、田舎にしかない自然や忙しなくない時間の流れに憧れを抱くケースは多々あります。かくいう私もそのひとりでした。 本作の冒頭で、長野の名もなき林の中で裸足で川に入り青空の下で清冽な空気に全身を浸した瞬間に主人公の麻胡(まこ)が ″困ったな まだ帰ってもないのに またすぐここに来たい″ という想いが浮かび上がり、そしてその直後に ″そっか 「また来たい」んじゃないや″ と気付いて、夫に「東京で働いて長野に住む」と宣言し二拠点での生活を始めていくシーンが描かれます。ここにまず大きな共感を覚えました。 私も吉野山の世界遺産になる程の絶景と空気の美しさにほぼ同様の想いを抱いて、移住しつつ何かの際には東京へ出向いていた経験があるので正に「まだ帰ってもいないのにまたすぐここに帰りたい」「何なら永住したい」という感覚になりました。コンクリートの山によって空も狭まった場所で疲弊していると、緑の中で呼吸することで人間に還れる感覚があるんですよね。 ただ都会には都会にしかない便利さや人が集まっているが故に催される営みもあり、それはそれで大きな価値です。仕事を含めた多くのことがインターネットを介しリモートで行えるようになってきてはいても、どうしても大きなイベントは都会中心で(最近はそういったものもオンラインで行われるようになってきましたが)、リアルの場に行かないと人との生の交流という真価は味わえません。田舎に憧れ田舎で暮らしてみてから初めて解る都会の良さや田舎の大変さもあります。 ″梅ささみ一本だけ焼いてもてなしていただくのって 都会のうれしさだったのね″ の部分も高解像度です。 そしてこの作品でも描かれている部分ですが、人付き合いは田舎で暮らす上での大事な課題です。最近でも話題になっている事件がありますが、その土地の権力者が大変な人物だと大きな苦労を強いられることになります。上手く行けば良いのですが、ずっと住む上では死活問題です。 しかしながら、そういった部分はあったとしても、夜に見える美しい星空ひとつでお釣りがくるものでもあるんですよね。人の世の事柄など、全て些末になり吹き飛んでしまうような。私も引退したら田舎に居を構え直したいです。 この物語の中ではコロナ禍という状況というのがひとつのキーポイントとなっており、その中での夫婦間の関係の亀裂の入り方、そこから取り直して共に進んで行こうとする瞬間の細やかな機微などにイシデさんらしい良さがよく出ています。夫婦に留まらず、人と人とが上手くやって行くために大切なことがいつも描かれているところが好きです。 また、木曽の名産「酸茎(すんき)」を使った新たな名物を作ろうとするところの楽しさなども。麻胡のフードライターという職業はイシデさん自身食べるのが大好きであることから設定されたそうですが、同じく食べることが大好きな私は豊かに描かれた食べ物のシーン全般興味深く読めました。 舞台となる長野も個人的に思い入れのある地なので、非常にfor meな作品でした。麻胡と扇の夫婦が、どのような壁にぶつかってどのように乗り越え、どのように人生を満喫していくのか。続きもとても楽しみです。
めちゃくちゃ面白いですねー! これは令和の新しい教師像とも言えるんじゃないでしょうか。 学校の先生といえば、「夢を持て」とか「諦めるな」とか「夢の力を信じろ」とか力強く生徒の背中を押すような熱い言葉をかけるのが一般的なイメージがあります。 でも、このマンガは一味違って、夢を見る残酷さ、そのリスクを先生が徹底的に調べ上げて、夢を否定してるとも取れるような手厳しいことを言ってくるんですね。 挙句の果てには「夢にはくれぐれも気をつけてください」、「夢は人を殺しかねない」と生徒に言う。 そして、この先生が何故こういう指導方法なのかというと、実は元キャリアコンサルタントなんですね。 だから生徒にとっては厳しいかもしれないけど、敢えて良い部分だけじゃなくて客観的な事実としての夢の危険性を伝えてたってことが分かるんです。 夢を追いかけるリスクを聞いても夢に突き進む生徒たちですが、一時的に望んだ仕事をできるようになっても仕事によっては数年後に心身ともにボロボロになってたりする。 そんなときにそっと会いに来て前向きに諦めることを教えてくれて、新しい道を一緒に探す手助けをする。 夢を諦める手助けをする教師って聞かないので新しいし、面倒見よくていいですよね! 「ビッコミ」でも読めますね! https://bigcomics.jp/series/a9c40aa96eed5/
「お前なんて安い低層階に住んでるくせにっ!」 子供同士の喧嘩ですら、こんなセリフの出てくる世界の何と歪なことか。 Twitterで大人気の窓際三等兵さんが原作の、タワマンを舞台にした群像劇です。 野球少年の息子を持つ九州から引っ越してきた淵上家の舞の視点から始まり、瀧本家、堀家の3つの家庭の様子を中心に描いていく構成となっています。 田舎では誰もそんな話はしていなかったのに、東京に来たら皆が子供の受験の話で持ちきりというのは大いにあるあるでしょう。私も、都心で育ち小学校6年生のころには半分くらいの生徒が登校しなくなりそれぞれ家庭教師や塾で毎日12時間以上勉強しているような環境にいたので、理解できる部分は非常に多いです。 夫の勤め先・年収・学歴や、子供の成績・特技、住んでいる階層など、すべてにヒエラルキーを作り終わりなき不毛なマウント合戦が繰り広げられる世界はそこらのホラーよりよほど恐怖に思えます。これが現実にも存在するので恐ろしいです。読んで、恐らく死ぬほどマウントを取られ続けて心を擦り減らしてきたであろう母に思わず改めて感謝してしまいました。 ただ、この作品の面白いところはステレオタイプなマダムとマウントバトルするだけではなく、それぞれの家庭の外から見た部分とは違う内情が描かれていくところです。どんなに華やかに思えたり羨ましいと思えるところでも、その裏には何があるか解らないというのもまたリアルです。そして、逆に元々は普通の田舎の家庭であった淵上家が都会の文化に染まり狂っていくところも見ていて苦しいですが見ものです。グラハム子さんのかわいい絵柄がクッションになっていますが、総じて現代の「人間」が色濃く描かれています。 ある種、今のタワマン最高層並に豪奢な生活をしていた友人の家庭の闇を直視した経験もあるので「幸せとは何だろう」「それは相対比較し続けた先に見つかるものなのだろうか」と考えずにはいられません。タワマンに限らず、SNS全盛で人間は羨望や嫉妬という感情を抱きやすい時代です。皆『ブッダ』や『咲-Saki- 阿知賀編 episode of side-A』を読んで、他人と比べて苦しむことから解き放たれて生きれば良いのにと思わざるを得ません。それができないから苦労するのもまた真理なんですけれども。 余談ですが、「第4章 嫌よ、埼玉なんて住みたくない」というサブタイトル、そして「埼玉はね みんな色々抱えてるのよ」というセリフが愛しくて堪りません。
シャオロンが、かっこよすぎます、漫画と、我々だが、コラボして、よかったです( ・∇・)
ほっぺたのZは、いったいなんの印なんだ!? 原作にない伏線か?! と混乱しながら読んでいたのだけど、コミカライズを「封神演義」の藤崎竜先生がしていたと知って理解。 あのZマークは、かわいいほっぺたマークだったのか…と少し気が抜けてしまった。 小野不由美先生の「屍鬼」をコミカライズした本作。 言葉を重ね、少しずつ 少しずつ、あちらこちらの状況や心理描写など、精巧に描かれる先生の作品。 作品自体はコミカライズのほうが少し軽いノリで、小説版はじわじわと迫りくる重々しいかんじ。 どちらかというと重々しすぎて、劇画調で描かれても違和感がなかったかもしれない。 「屍鬼」は、登場人物がやたら多く、さらに個性的な面々も多く、漫画だとどうなってしまうんだろうと思っていたら、個性的なキャラクターイラストでたくさんの人物が描かれていてびっくり。 静心が想像していたより若々しい雰囲気で、冴子はイメージ通りだった。 冴子の両親初登場時は、「これが見たかった!!」と心のなかでガッツポーズ。 既に小説の方を読んでいるので、フンフンフーンと軽い気持ちで読めたのだけど、初見だったら無料で読めた14話の後が気になって仕方なかったと思う。
金髪ツインテ成績優秀巨乳幼なじみ……ひとつひとつはヒロインらしい要素なのに、全部合わさると負けヒロインになっちゃうのが不思議です。 姫ヶ崎さん、めちゃくちゃかわいいです。 パンツにスカート挟まってるのにプライド高いし、うっかりラッキースケベを提供しちゃうのに扱い悪いし、負けヒロインを凌駕するほどの負け仕草をたくさん披露してくれます。 不憫通り越してアホの子では…と思うこともしばしば。壁の穴にハマる回が好きすぎます。 負けヒロイン姫ヶ崎さんに対して、正ヒロインムーブをぶちかます榊さんもまたかわいい。 黒髪ロングの清楚系クールビューティーかと思いきや、こちらもまた面白すぎる魅力があります。 我々は負け続ける姫ヶ崎さんを見守ることしかできないのか…いや実はそうでもないかも…?というラブコメ要素と、勝っても負けても面白かわいいヒロインたちが楽しい作品です。
数年前からコアコミックスのコンビニ本が電子化されていますが、どのくらい売れているのかデータを見たことがなく、語る人も少ないので気になっています。BLが電子化で飛躍的に伸びたように、こうしたアングラな本も電子との相性は良いのではないかと思っているのですが。 中身はいつものコアコミックスのコンビニ本なのですが、この手の本としては玉乃井ぺろめくりさんによるかわいい表紙イラストが異彩を放っています。 昨年から世間を騒がせた、広域連続強盗の「ルフィ事件」を代表する闇バイトについてなど最新のトピックも扱われています。闇バイトに応募してくる若者は、元々の生い立ちから不幸があり貧困で知的弱者が多いと赤裸々に語られる様はまさにこの世の闇です。 偽名で生活保護を不正受給する人を取り締まれない理由、令和のヤクザ事情、実家のような安心感を覚えるマグロ漁船体験記などなど、時代は変わっても不変である人間の本質から生まれるさまざまなエピソードが描かれます。 アイドル業だけで食べていけないアイドルたちのとある副業での悲惨なエピソードは、「あ、この話は某作品で出てきたやつだ!」と進研ゼミのCMのような反応が出ました。やはり、マンガはあらゆることを教えてくれます。 テレビ業界の最底辺である派遣ADを描いた話は、フィクションのようですが非常にリアルでどこにでもありそうなエグい内容だなと。 「マンガを読むと社会がわかる」とは某元首相の言葉ですが、まさにそれを体現しているようなこのシリーズは一度は読んでおくと良い社会勉強になると思います。特に、こうした作品に登場するような人物とは無縁の生活を送って大人になり政治などに携わっている方には読んで欲しいです。
内容がただの酒飲み漫画で草 まぁジャンプの読者層がオッサンってことなんだろうな(自分もそう)
粉チーズ好きだけどパスタにかける程度の使い方しか知らなかったな、こんどスニッフして生産者の努力を直に感じてみよう。 とはならないけど面白かった。よくわかんないけどチーズ食べたくなった気はする。
結婚して5年目の御子柴雅之・エリ夫妻は夫婦としてそれなりに幸せに暮らしていますが これまで子供を作ろうとはしていませんでした。 夫の雅之は、「妻は子供を望んでいるけど自分の収入のせいで我慢させている」と思い込んでいるのですが、妻のエリは我慢しているでもなんでもなく純粋に「子供を産みたいと思っていない」だけでした。 雅之が“女性は子供を欲しがるものだ”という固定観念をもっていたこともあり「そろそろ子どもを作らないか」とエリに提案するのですが、その提案がエリを苦しめる発端となってしまいます。 子供を作らないという夫婦の生き方は“DINKs”とも呼ばれ、現実でも少しずつ認知されてきてはいますが、この作品はそんな**「子供を産まない生き方」**を望んでいたエリが直面する苦悩を描きつつ、夫婦における“子供を作る”という選択肢に対する様々な価値観を描いていく作品です。 1巻まで読了
最後の長義のあの苛立ちはなんだろう。安定に叱られて本当は「けなすつもりで言ったんじゃないよ」と言いたかったのではないだろうか。だがかえって言い訳臭くなるのが嫌で火に油を注ぐような虚勢を張ってしまった。そして自ら本丸と距離を感じてしまったことに不快感を感じたのだろうか。
多分出ません...完結はしてないし、後書きにも5巻で〜と言ってるので続き出す気はあったのかも? ブラコンの姉とシスコンの弟がひたすらイチャイチャしてるラブコメで、友達もシスコンとブラコン、登場する兄妹(姉弟)は全員ブラコンシスコンと業が深い内容 作者の絵が好きで当時読んでいたが、気づいたら続きが出なくなり、作者はVtuber事務所やってて、Vのイラスト描いたりと完全に出ない雰囲気がぷんぷんする... 白泉社と何かあったのかしら... 続きは読めないですけど、ラブコメとしてはかなり良く、キャラも可愛いしちょっとエロも入ってるしと万人受けしそうな内容 あ、俺もお姉ちゃん欲しかったわぁ...と思った事ある人は読んでおくといいですよ
吉野家でいちばん好きなメニューは特朝定食なんですが、この作品を読んだらさすがに牛丼が食べたくなりました。 牛丼愛の深さももちろんですが、主人公2人の微妙な距離感が、徐々に縮まり家族になっていく様子がよいのです。心温まります。 そして育ち盛りの高校生の食欲に微笑ましくなります。 お金はないけどたくさん食べたいとか時間をかけずにパワーチャージしたいとか海外出張の帰りで日本の味がすぐに食べたいとか、いろんな人のいろんなニーズを牛丼屋さんは支えているんだなあと感じました。何気なく食べてたけど牛丼屋さんに感謝ですね。 これは吉野家の宣伝マンガとばかり思ってたんですが、純粋に作者さんが吉野家好きだから描いてる作品らしいですね。愛深い。
千代ちゃんの恋は叶うのか?! という方向にいくと見せかけて、いつものペースに戻ってコメディ展開。 ローレライさんとの進展は?! と言う方向にいくと見けかけて、いつもの爆睡展開。 恋はコメディにするための一つの要素であって、それ以上でもそれ以下でもない。 よくわかっていらっしゃる。 このまま連載作家の野崎くんと、愉快なアシスタントたち路線を続けてほしい。 あと、たぬきがしゃしゃり出すぎるマンガは、ちょっと読んでみたい。
歌手が良い
齢11歳にして王となったザーフィラ。 彼女を支えるのは幼い頃から面倒をみてくれた、叔父と宰相補佐の二人。 大人の男性二人に大切にされてキャッな展開になるのかと思いきや、叔父と宰相補佐のふたりは婚約しており(未公表)、ザーフィラもふたりのイチャつきに慣れている様子。 跡継ぎの問題がなければ、同性同士のお付き合いも結婚も大きな障壁にはならない世界なんだろうか。 そして、「私が子供のせいで‥」と卑屈になりそうになるザーフィラが、「私は王だから」と心奮い立たせ、頭を働かせ、壁ドンしそうな勢いでカッコよい王様っぷりを見せるのもたまらない。 ザーフィラ、がんばれ!と、応援したくなるような漫画です。 Twitterに掲載されている読切が、コミックス第一話となります。 第二話以降もすてきな展開なので、興味を持った方はぜひ読んでみてください。 きっと、「え?あなたそうなるの?」とびっくりできます。 https://twitter.com/motoimo/status/1659393447680430082?t=gejvH4cVZZjpuLTeZ6VHBA&s=19
ストレスの多い職場に蔓延るイジメを最強女子が駆逐するお話っぽいけどひと味違います。 一見真面目で大人しそうな女性・はすみが持ち前のサイコパスっぷりで頭のおかしなイジメを楽しみつつ乗り越えていくお話。 イジメのレベルも無視とか仕事押し付けるとかじゃなく、虫食わせたり服脱がせたり普通に大犯罪。 サイコパス女子が馴染んじゃうのも納得してしまいます。 正義感の強い女の子がイジメられるのは胸糞悪いですが、はすみはその状況すら楽しんでさらに上回るのでエンタメとして消費できます。いやまあ胸糞は悪いけど……。 小悪魔教師サイコの心春先生と戦わせてみたいです。
続きは?
6年間引きこもっている上に月に20万以上の請求を負わせる息子。 高校を中退しそうになっているパパ活をしている娘。 そんな子供たちを放棄して不倫に専心する夫。 よそからは「子供が2人いて順風満帆の家庭を営んでいる主婦」と思われていながらも、内情は完全に破綻した「失敗家族」となっていて、半ば諦念しており限界に近づいていた妻が主人公の作品です。 ある日、夫が連れ帰ってきた上司の傍若無人な振る舞いに遂にブチ切れてしまい発作的に殴ったら死んでしまって、それまでバラバラだった家族が「殺人を隠蔽する」という目的で結束していくクライムサスペンスです。 普段、いがみ合っていたり無関心同士であったりしても、そこに共通の外敵となる存在が現れると結束して対処に向かうのは非常に人間的だなと思いました。 『マイホームヒーロー』はまだ明確に自分の家族が下手すると殺されるかもしれない危機が迫っていましたし相手はプロの手合いでしたが、本作は日常の延長線上にある言ってしまえば「嫌な言動をされただけ」で一般人を殺してしまっているところが差異化されているところです。 推理小説に造詣が深いでもなく、特殊な環境で鍛えられた経験もないごくありふれた家族が、自らが犯した犯罪をどう露見させずにやり過ごしていけるのか。 それまでバラバラだった家族が殺人を機に結束する部分もあれば、それを機に決定的に壊れてしまうものもあり、そこの収集もどうなっていくのか気になります。
角川のドラゴンJr. に連載されていた漫画です。 ①原作 三条陸 (ダイの大冒険などの原作者) ②ビジュアライザー 木村貴宏 (勇者王ガオガイガー・コードギアス などで有名な超アニメーター) ③作画 戸橋ことみ (イラストやキャラデザでも有名) 豪華過ぎるやろ! 最強スーパーロボット英雄・バレンの『息子』ゼットが主人公。超強大な力を持つ甘ったれクソガキをメイド兼教育係のエメロールさんや友人達が絆を深めながら矯正するドタバタコメディ。 甘やかしまくりダメ保護者のスパロボ達もゼットを想う気持ちは本物。弱い人間であるエメロールさんを見下す事なく信頼して暖かい家庭を築いています。クソガキ主人公もイザとゆう時は家族や友人の為に超パワーで大活躍。本作の見せ場となっています。でも1番の売りはエメロールさんの健全サービスシーンかな… 漫画の方向性はお色気とセリフを減らしまくって対象年齢を下げてほっこりエピソードを増やした「仮面のメイドガイ」みたいな印象。 別名義の「ウルトラマン超闘士激伝 完全版」などと比べても三条陸テイストはあまり感じません(大戦の回想シーンとか時々それっぽい場面はあります)が、各エピソードは綺麗にまとまっていてキャラクターも魅力的。安定しています。 しかしドラゴンjr廃刊の影響か日常回で唐突に終了。「え…これで終わり?」が正直な感想でした。もっと続きを読んでみたかったです。
晃司のその後が気になる
デビライザーが凄い
特殊なアクセサリーが武器になったり、風起こしたり召喚獣呼んだりと、烈火に続く厨二全開のアクションものかつファンタジー これもある意味異世界転生もの? まず設定のARM(アクセサリーが武器になったり)が最高に厨二で大好物 ダガーや剣や槍になったり、特殊な能力満載のアクセを使って戦い、国を救うために敵の軍団とトーナメントバトルしてくのは個人的にはめちゃくちゃ楽しかった 残念なのは、最後の方がかなり急ぎで話しを畳んでいってる感が強くて、もっと丁寧に終わりまでいって欲しかった 烈火のキャラ?を匂わせたり、似たキャラが登場したりと安西ワールドは他作品と微妙に繋がってる伏線みたいの張ってあって個人的にはそこも好き ナナシの匂わせは何も語られなかったのはちょっと残念だけど...
・読んだ直後に思ったこと ※一番大事!※ 群馬県の高崎市はパスタが盛んなところなんだな。ただ親父のナポリタンは美味いのか不味いのかわからんまま終わってしまった。ミートソースのトマトの話は面白い ・特に好きなところは? 小麦アレルギーの女の子にアレルギーが出ない小麦を使ったパスタを振る舞うのだがちょっとアレルギーが出る確率が高いところ。詳しい数字は忘れたけど確か70%は平気と言うが30%はアレルギーは出るんだぞ。30%は高くね? ・作品の応援や未読の方へオススメする一言! 言いたいことの9割はこのクチコミで書かれていますhttps://manba.co.jp/topics/33419 第一話で今まで勤めていた店を辞めて親父の店に行き料理人として成長する話になるのかなと思っていたが出張料理人みたいな感じでうまそうなパスタを作るマンガだった。俺が料理漫画でハンバーグを作るのに力士の体を揉む修行したり、ジュゴンを料理したりするみたいのに慣れすぎているせいで刺激は足りなかった感じもあるが、近所に主人公の望月ケンのパスタ屋があったら週3ぐらいのペースで食べに行ってるとは思う
人間とヒト。 同じ人間でも、人権が剥奪され家畜当然に扱われる「ヒト」の存在が当然の如く存在する世界。 ヒトとなった人間は、人間のペットにされたり、強制労働や薬物実験などに使われる。 そして最終的には、家畜の餌になる。 この胸糞悪くなるエグイ世界観。 1話で、人間とヒトが区分けされる適正結果なるものが主人公のもとにきて、人間ではなくヒトとして判別されてしまう。 そこから、目が離せないほど怒涛の展開。 ヒトとして強制収容された先で、さらに分別がおこなわれ、主人公はコード「G」と判断され、このランクのヒトは人間たちの道楽であるデスマッチのショーに出場させられるという流れ。 ヒトとして、生き残りをかけて戦っていく。 世界観のえぐさもさることながら、息もつかせない設定や衝撃的な展開の数々に釘付けです。 世界観にも謎が多いし、あと人間だったころの友人(主人公に生き残るヒントを与えるなど、この世界の仕組みを知っていそうな存在)も謎があって、今後の展開が楽しみです。 できれば一気読みを推奨します。
2021年個人的に一番嬉しかったのは久しぶりにあたしンちの新作単行本が発売されたことです。あたしンちは子供の頃から読んでいて大学卒業くらいの時に休載したんですが、自分のお金で単行本を買うようになってからは、年一回の発売日がちょうど誕生日に近かったので自分へのプレゼントとして買っていたんです。なので休載が本当に悲しくて、空白の6年が体感として10年に感じるくらい長かったです。それからのAERAでの連載復活のニュース、そして今年になっての単行本化はとっっっても嬉しかったです。しかもその発売日がちょうど私の30歳の誕生日だったので、まるでタチバナ家のみなさんに祝福されているかのような気持ちになりました。 待っている間はあんなに長かったのに、新刊を読んだら「お久しぶり感」がゼロでした。あたしンちの世界もコロナ禍になっていて、お母さんはAmazonで買い物してるし、お父さんはUber eatsを使おうとしてるし、しっかり現代にアップデートされてるのに、いつもと同じタチバナ家の日常にするっと入り込める。こんなに自然な続編を私は他に知りません!でもこれはいつも「当たり前の日常」を汲み取って形にしてきたけらえいこ先生だからこそ成せる技だと思います。これからはいつもの面白さにプラスしてあたしンちの絶妙な進化も楽しめるなんて最高です!!