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吉川きっちょむ(芸人)
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2021/12/27
ネタバレ
待ち構えてる食虫植物の罠のような香りがするぜ!
『娘の友達』の萩原あさ美先生の新連載と聞いて読んだら最高でした! 漫画の編集者男性・縦山が主人公。 企画の提案や原作も務めるクリエイター型の編集者と、作家のやる気を出させて出るものを待つマネージャー型の編集者でいうと主人公は後者のタイプ。 体調を崩した先輩編集から引き継ぎ、売れっ子女性作家・横沢先生を受け持つことになったが、出会いから波乱の予感で…? 『娘の友達』は、妻を亡くし家族の父親としての役割や会社の中間管理職としての役割などすべて投げ出したくなっていたところへ娘の友達が甘い香りを放っていて誘い込まれて二人で堕ちていくような少しエロティックでサスペンスのような家族ドラマのようなお話でした。 今回も、倒れ込んだ横沢先生を助ける形から始まってますが、これはすべて彼女の策略なのか…? 横沢先生は編集の縦山の情報を調べぬいていたはずなのに知らないふりしてたり、体調を崩した前の担当者の先輩も気になりますし、横沢先生を知る大学の同級生にも何かあるっぽいししかもしれも良くなさそうな?ことっぽいし、気になることてんこ盛り第1話! 縦山を虜にして人生吸い出して作品の題材にしようとしてるとか…? タイトルの『編集の一生』がどう効いてくるのかな。 あと、横沢先生の下の名前が出てきたところを全部のコマでちょうど隠すようにしているのが地味にすごく気になります。 何かの伏線でしょうか…? あと横沢先生、色っぽすぎますって!
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2021/12/24
ネタバレ
これはいい読切漫画だ…!
大学生の佐治は講義室でぶつかったかわいい女子の山野さんと知り合い、漫研で漫画を描き、部員に映画に誘われ観に行く。そんな日常を過ごしていたが、ふと日常の隙間に違和感を覚えることが増えていき、山野さんと出会うたびに混乱は加速していく…。 「チェンジマーク」とは、映画などでフィルムを切り替えるために約15分ごとに画面端に出る黒い点のこと。 いまはフィルム上映が減っているため、見る機会も減っていると思いますが、名画座などフィルム映画をかける映画館へ行けば見られるかと思います。 それにしても素晴らしい読切漫画体験でした。 日常の延長に潜む非日常が、この緻密な絵によって違和感が際立ちより深く楽しめました。 この時代に生きていたわけではないので分かりませんが、その時代に流れる空気まで描かれていたように感じます。 映画と今回のテーマを絡めたような作品というのは案外あると思うんですが、もう少しメタ的な話やファンタジー的な話やコメディになっている印象がある中で、ここまで地に足つけて真正面からカオスにしつつシリアスに成立させていることにとても力を感じました。 これから追っていきたい作家さんの一人になりました。 次回作も楽しみです! これはどちらにとっても完全なネタバレなのでタイトルもふんわりさせますが、作者からは怒られたあの80年代のアニメ映画を彷彿させる話で、めちゃくちゃテンション上がりました!
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2021/12/22
ネタバレ
思わぬところから始まる女子の友情
主人公の好きな絵師の絵をツイッターに無断転載しているアカウントを発見したが、そのアカウントぼ写真に写り込んだものが自分と同じクラスの葉山だと分かるものだった。なぜそんなことをしているのか、どういう人物なのか観察しながら追っていくと少しずつ彼女のことが分かってきて…。 一軍のような集団の中で微妙に取り残されている子が葉山さんで、彼女らから「あの子ってちょっとズレてるよね」、といった悪口を盗み聞いてしまう主人公と葉山さん。 主人公もそもそも人とあまりうまくいかないタイプで漫画部でもいつも一人。 そんなある日、葉山が主人公がいる漫画部に忍び込んで主人公の描いた漫画を読んで続きはないの?というところから二人の話は始まる。 葉山が小さいころは絵を描くのが好きだったが、親や中学のやつらに下手だと言われた話をすると主人公が 「ふーん つまんないこと言うやつもいんだね。」「これから上手くなんのにね!」 とあっさり言ってのける。 これがとてもよかった。 いい見開きだった。 誰しも最初は素人だし、なにをやるにも下手なのは当たり前だ。 人の芽を摘むようなものいいは周囲にはやめてほしいが、何も持たない人はおいていかれるような気がしたり自分より秀でたりしているものを見るとケチをつけたくなるものだ。 いい友情が始まったなと思える読み切りが好きなのでとても好きだった。 他人に何を言われようが自分の未来を創るのは自分だ。 それを忘れないでおきたい。
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2021/11/25
めちゃくちゃ期待値の高い近未来戦国新連載!!
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近未来の日本が舞台の新たな戦国時代、そして軍師の成り上がりを刮目して見たい! 令和末期から日本の斜陽を描いていき、日本の衰退と世界的な戦争、新型ウイルス襲来、相次ぐ震災、政治・経済の腐敗堕落、民衆の蜂起と暴力、といった具合に近未来のことにしてもリアルな「最悪な状況」が日本へ降りかかり、人口は1/10以下に減少し文明は明治初期レベルへ戻り、事実上の日本滅亡へと至る。 まだこれで5ページ!! そして!! 日本は、「大和」「武凰」「聖夷」の三つの国へと別れ覇権を争う三国時代に突入するのだが…。 日本三國(にっぽんさんごく)見た感じのざっくり三国の領土の分け方。 「聖夷」北海道~東北、北陸あたりまで 「武凰」宮城~関東、静岡、岐阜あたりまで 「大和」愛知、滋賀、福井から西側、四国、九州。首都大阪都。 主人公は、そんな領土争いの前線からは離れた「大和」の愛媛群で、知恵・知識を生かして平和に農業を取り仕切っている三角青輝(15)。 ここからいかにして、主人公が「日本再統一」へ名乗りを上げていくのかはぜひ大ボリューム83ページの第1話を読んでいただきたい!! 冒頭から香ってきていた血の匂いは当然…。 これは完全に、聡明な軍師による復讐と壮大な戦国成り上がりものの大作がスタートを切った感あってテンション上がりました! 個人的には、これを過去の歴史ものとせずに、近未来だけど文明が退化した状態で行われる戦争・領土争いというところがすごく好きで、歴史ものは歴史ものですでに正解があって答え合わせ的な面白さや再解釈もあるんですが、現在の現実から地続きな創作の歴史ものの方が好みかもしれません。 要するに、めちゃくちゃ楽しみということです。 地域別の特色も今後の展開に関わりそうで気になりますね。 「聖夷」北陸と北海道というかつての日本屈指の穀倉地帯。だが冬は厳しい。寒冷化した現在は? 「武凰」領土は狭いけどかつての首都東京を含むので人口が多いのかも?あと広大な関東平野もある。 「大和」聖夷と同じくらいの領土?だけど、他と面している国境の長さが一番短いから防衛のコストもかかってなさそう。大陸と貿易することがあったら有利かも? 松木いっか先生、ブラインドサッカーと多様性を描いた『ブクロキックス』もとてもよかったんですが、この1話読んだらここから本領発揮してきたのか!?と思わざるを得ません。 作品自体のことではありませんが補足で、担当編集が『映像研には手を出すな!』や『チ。ー地球の運動についてー』を立ち上げた方というのもさらに期待値を上げています。
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2021/11/12
ネタバレ
いつだって外野は歳相応に私を大人にしたがる #読切応援
待ってました! 新田彰先生の新作読切! 子供の頃、弟が生まれたらまだ本人が小さくてもお姉ちゃんにならなくてはいけなかったモモ。 少しだらしない夫と結婚し、苗字が変わり、職場でもそれなりにベテランになってしまい後輩に持ち上げられたり、ただ過ごしているだけでも周囲や環境は自分を大人として押し上げていってしまう。 子供の頃に子供でいられる時間が短かったせいなのか、男が女をそうさせるのか、周りは「私」を無責任でいられる子どもでいさせてくれない。 無責任に誰かに依存して寄りかかっていていい存在でいたいだけなのに。 「男なんてみんないくつになってもガキなんだから」 「…じゃ 女はみんな大人なの?」 女性が男性に向けて言う「男はほんとガキなんだから」とは決定的にニュアンスが違って上の言葉には、ある種の開き直りのような「男がガキでいられるよう女が大人になって面倒見てくれなきゃ」という押しつけがましさを感じる。 その後に続く言葉でも、勝手に分かったようなことを言って「私」を、「女」を、勝手に大人にさせようとしてくる。 不倫なんて無責任な関係に大人も子供もなかったはずなのに。 家に帰ると夫は文句は言うくせに歯医者には行かず、洗い場もそのまんまだ。大人になんかなりたくないのに。 子供でいたかっただけなのにきっとそれはもう一生叶わないんだろう、というのがどうしようもなくやるせない。 なんとなく周囲に合わせて、顔色伺って、無難な毎日を繰り返して、大きな不満はないけれど、否応なく年月は重なって、年相応の人物像にならなきゃいけなくて。 いっそすべて捨ててしまえば、とは考えても実行には移さないんでしょう。 いまの生活もそれなりに大切だから。 自分が少しだけ我慢すれば済む話だから。 でも、たまにはガス抜きさせてよって不倫もする三十代女性のリアルということなんでしょうか。 いろいろと考えさせられました。
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2021/10/22
逆シンデレラな陰キャ男子たちが運命の美少女(?)登場にザワつく…!
超楽しみな新連載が始まりました…!!!! どの読切もいつもめちゃくちゃ好きだった安彦晴先生がついに連載です!これからどうなっていくか楽しみでしょうがない! クラスの半分もいたイケメンが停学になった日にちょうど、美少女のような転校生が「男子校」にやってきて残りの陰キャたちがザワつく! が、陰キャゆえに!動かない!!動けない!! イケメン陽キャたちは二週間後には停学が終わり、登校し始めてしまう! この二週間はどうなるのか!? とりあえず、1日目は……何も起きず!!! なんだこれ!深美森羅(しんら)の正体も目的も1話目に分かるし、問題は陰キャたちですよ!! それぞれに自分こそが!と心に秘めているもののそれを表に出せるのか!? 声を掛けられるのか? 安彦晴先生は以前からもにょもにょした男子たちを描くのがめちゃくちゃ上手かった半面、女子をかわいく描くのも上手いので、嬉しいです! 『五月に隕石、六月には京都』も芋男子3人組と女子3人組の違う視点から違う事実が浮かび上がってきてよかったですよね~ https://twitter.com/haruabiko/status/1186732590595600384?s=20 『塾での平田』も陰キャの違う側面が垣間見れてしびれました! https://twitter.com/haruabiko/status/1258605099552657408?s=20 『狛犬送り』も超かわいくってもう最高だった~ https://twitter.com/haruabiko/status/1393158855937253379?s=20
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2021/10/13
ネタバレ
この読切が含まれた短編集を早く出してほしいくらい最高! #読切応援
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めっっっちゃいい読切でした!!!! 面白かったです!! 再婚した親とそれぞれについてきた同い年の少女。 二人は決定的に合わず喧嘩ばかりのまま中学生になったが…。 喧嘩っていっても、女の子だから口喧嘩とかちょっと陰湿なものだったりするのかなと思われるかもしれませんが、ゴリゴリの武闘派でぼっこぼこ殴り合います。 この絵柄だからかわいく見えるのも面白いです。 二人は美しく賢く育っていくんですが、関係性は平行線で学校でもバシバシ殴り合うもんだから浮いちゃって引かれちゃうわけです。 そんなときに両親があの子たちは家に友達を連れてきたことがない、と心配する声を聞いちゃってどうにかしないといけいない、と共謀し始める。 運良くという運悪くというか何も事情を知らない男子の転校生がやってきて、二人でどうにか仲良くして家に連れ込もうという展開になっていく話です。 この時点でもうすごい面白いし、この関係性は見たことないです。 転校生の男子もまた一癖あって、簡単にはいけないんですよね。 なんか、いいなー、いいなーって思いながら読んでました。 何がいいって、片方がいじめるというわけでもなく、やられたらその分互いにやり返す、完全に対等なんですよ。 二人とも両親には心配させたくないから、家の中でも見えないところでやりあったり、学校でも先生にはバレてないんじゃないでしょうか。 ただ、マジでやりすぎてて周囲にビビられてるのが笑っちゃいます。 だから友達いないんだ!と。 そして、二人とも基本的には優しいから自分たちの気持ちより両親を心配させまいとちゃんと動けるのがいいんですよねー。 間に挟まれる転校生もいろいろ経験してるからすっごい疑うし、でも二人は無理させないし、どうこうしたいわけではない。 ただ友達になりたいだけ。 こうやって、他では補えないここだけの彼女らだけの関係性が組みあがっていくのが本当に最高でした!
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2021/10/12
ネタバレ
社会のどこかのあなたへ寄り添う優しい話と強烈なユーモア #読切応援
岡田索雲先生の妖怪読切シリーズの新作。 今回のお話も、現代社会の一場面を切り取ったような話を妖怪に語らせていて社会批判とユーモアを合わせたような作りになっていてすっごくよかったです。 https://comic-action.com/episode/3269754496533565977 「病欠」のもじりで、社会に傷つけられ無遠慮な言葉をかけられて引きこもる猫又で「猫欠」。 周囲はどこまでいっても無責任に声をかけ、かき乱し、期待し、勝手に失望し、あまつさえ罵倒し、ときに狼狽え、去っていく。 度々出てくる腕の傷が痛々しく映る。 本人が動き出せるまで静観し、ただ寄り添うことの難しさ。 かの喜劇王チャップリンは言った。 「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇だ」 箱の中の猫に深く共感して読めば悲劇で、最後はどんな形であれ一歩踏み出しているという点で希望が差してくる。 しかしすこし引いて見れば、最後のシーンまで「箱から出ない」ということを引っ張って引っ張って、前の場面で暗い中から一瞬顔を覗かせ「箱から」一歩踏み出すかと思ったら、踏み出したけど思ってたのと違う形、というきれいなオチをつけていて、意図的な笑いの型を作っているので思わず笑ってしまう。 いや一歩踏み出すのは素晴らしいことだけど箱ごとなんかい!!出てはこないんかい! とツッコミたくなる。 メッセージ性とユーモアを高度に同居させている岡田索雲先生は素晴らしいです。 https://twitter.com/kittyomz/status/1446323518493233159?s=20
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2021/10/05
この少年漫画めちゃくちゃ面白いから読んで欲しすぎる!
超ストイック滅竜ファンタジー!! 人類の天敵である「竜」が存在するファンタジー世界。 陽の光と銀気を嫌う「竜」を殺すには、銀の武器が発する銀気で血液を凍らすか太陽で焼く、この2つしかない。 主人公は竜を狩ることを生業とする「狩竜人(かりゅうど)」の少年・ラグナ。 神童と呼ばれ、ずば抜けた竜討伐数を誇る転生少女・レオニカと共に竜討伐に挑む日々だが、どんなに努力してもラグナはレオの足元にも及ばない。そんなレオのそばにずっといられればいいと思っていたのだが…。 大切なものさえ守れず、限界まで鍛え竜を殺し続け最強に至った未来の自分と、いま目の前で命の危機に瀕するレオを見る無力な自分が繋がり、未来の自分から最強の強さを託される!! そしてこの日、竜にとっての「死神」が誕生する。 https://magazine.jp.square-enix.com/joker/series/ragna/ ガンガンJOKERで連載中のこちらの作品、漫画アプリの「マンガUP」で なんとなく読み始め、その面白さにあれよあれよとハマってしまいました! 覚醒してから限界の限界の限界まで自分を追い込み続ける主人公「ラグナ」と、元・竜の王で神に反逆し追放された「クリムゾン」がすべての竜を殺すことを誓い共闘するのがめちゃくちゃ熱いんです!! アクションシーンもとんでもなく迫力があってかっこいいし、とにかうキャラが立ちまくってます!!! 一気に敵の王の首まで迫ったかと思ったら、とある一団と共闘して敵幹部軍と戦ったり、展開に次ぐ展開!ずっと面白いです!! 最強になったかと思っていた現在のラグナですが、その力と体がまだ馴染んでなかったりする、そして戦いの中で少しずつ…というのも最高にグッときます! きっと『鬼滅の刃』好きな人にはハマると思うんですよねー。 早く続き読みたくてしょうがないです。
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2021/10/01
どこにもいけないコロナ禍の我々に刺さりすぎる生き辛さ #1巻応援
アラサー独身女性のどこにも着地できない居心地の悪い浮遊感を味わえる作品で、非常に興味深かったです。 30歳、契約社員の菊池あみ子。 世間の顔色を伺いながら、自分がどうしたいかという欲求に目を向けずマニュアル通り、立場なりの波風の立たない言動を繰り返す毎日。 自立してはいるが、どこか満たされず、彼氏でもいれば変わるのかとマッチングアプリでの出会いを機械的に1年こなすが、彼氏は5年いない。 そんなとき、職場に「仕事以外に何かやってる人」っぽい女性が気になっていき、交流が始まってから日々に少しずつ変化が生じていくのだが…。 https://comic-days.com/episode/3269754496402490831 これを読んだ僕自身はアラサーの男性なんですが、3話あたりまで読んでグゥーっとみぞおちのあたりが冷え込むような、ジェットコースターで落ちるときの内臓の居心地悪い浮遊感を味わいました。 普段はあえて言葉にしてないような漠然とした小さな不安や、こう振舞っておけば波風立たないだろう、本心でなくとも上手く会話が回るだろうという人をなめた浅ましい考えがすべて言語化されて目の前に差し出されたようで、すべて見透かされてお前はこういうところがあるよなとチクチクやられているような、あの感覚。 どこにもいけない。どこにも着地できない。そして目的地もないが、どこかにはいきたい。 頑固にもなれなければ、道化にもなれない真面目さ。 すべてが中途半端で自分の欲求にも素直になれなければ、世間の「普通」にハマるよう社会生活を送るだけの個を消した状態にも違和感を感じてしまう。 否応なく現実を突きつけられているように感じ、背筋をひやっとしたものが走る。 こういう漫画って、必要です。 そういう気持ちになりたいときもあるんです。 生活、仕事、貯金、将来の不安、義務、責任、世間体。 隣の芝生の青さ。 自分は自分、強くやっていくって思えればいいんですけどね。 現時点での最新6話をポイントで購入して、ここまでは登場人物たちの関係性のこじれ具合や変化などのお膳立てが整うまでの序章に過ぎなかったのかもしれないと思わされました。 おや、と思って改めて公式のあらすじを見てみると、最初からそれが目的だったのかと。 面白いです! 演出次第だとは思いますが、ドラマ化してほしいと思いました。
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2021/09/29
地味だがクールな現代ニンジャの戦い方!
形を変え、現代に生きる「忍者」の生き様をリアリティをもって描いたらこうなる!っていうのをバッッチリやってくれてる現代忍者マンガ!! 日本の若手忍者のトップを決める試験に挑む少女キリネ。 ランダムで組まされる相棒のシンヤはあまりに普通で足を引っ張るばかりかと思いきや…? 試験の参加者は蜘蛛の毒を受け、参加者たちが持つ解毒薬を使わなければ4日で絶命するため、池袋2km圏内で自分は見つからず他の参加者を見つけ倒していけなかればならない日常の中に潜む過酷なサバイバル! 術や身体変化、特殊能力などは一切出てこないで、鍛錬で辿り着けそうな人間の身体能力と、あくまで手に入るものを駆使した創意工夫、徹底した観察力・洞察力、追跡術や罠や早着替え、心理的駆け引きだけでこれでもかと魅せてくれる!! 魔法のような科学の粋を結集したテクノロジーアイテムが出てくるわけでもなく、本当に生身の訓練された人間として忍者が出てくるのが超クールです!! https://comic-days.com/episode/10834108156630866418 ずっと読んでみたいと思っていたにもかかわらず、どうしても読み始められずに流れていってしまったんですが、無料公開のタイミングで途中まで読み、その後ポイントを使って一気読みしました。 読んでよかった! そして、なぜリアルタイムで読んで応援できなかったのか! 悔しい! きれいな形で終わってはいますが、主人公の少女・キリネの相棒となるシンヤがなぜああいった状態になっているのか、という部分にフォーカスする回があったら読みたかったなーという気持ちはあります。
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2021/09/24
ネタバレ
ツチノコ博物館がある島に転勤したスーパーの店長が婚活を…?
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ユーモアが漂う少し変わった離島の日常。 東京から地方の島にあるスーパーの店長として転勤してきた主人公・村田が、急にバイトの女子高生にあることをせがまれ…。 https://ebookjapan.yahoo.co.jp/books/652297/A002687206/ 「ツチノコを追う美人な姉」とか、「島で一番大きいちくわ屋さん」とかクセになるユーモアが大好きです。 現在、2話まで公開されているのですが、公式のあらすじが無料公開の1話以上の情報が思ったより書いてあるのでネタバレされたくない人は注意です。 河野別荘地さんは微妙にありそうなリアリティラインを描くのが非常に上手な方なので、本当にこういう島があってツチノコ博物館があってそこで暮らしてる女子高生の妹と美人な姉がいるんじゃないか?と思いたくなります。 ~~みたいな、という言い方は失礼かもしれませんが、小田扉先生のような日常に潜むユーモアをほじくり出すのがいいなあ!と思いました! 例えば2話で、 朝、窓を開けて外を見ながら姉が 「いい天気ねぇ ツチノコも今日は巣から出て活動してそう」 というセリフ。 なんかもう面白いですよねー。 ガチでそう思ってるのか、そう思いたがっているのか現段階では分かりませんが、発想がツチノコに寄り添ってるんですよね、この人。 ちょっとだけ狂気入ってない?っていう。 あと、島にちくわ屋が多いという情報もなんか、面白いというか、漁獲量あって練り物の加工が盛んなのかなというバックグラウンドに想いを馳せられるんですが、それ以上に狭い島にちくわ屋が多いってそんな需要あるの?っていう部分もなんか面白いですし、2話目では「島で一番大きいちくわ屋さん」のせがれが訪ねてくるわけで、なんか目に見えない速さの面白さを細かく連打されてる気分になるんですよね。 狭い島っていうのも、「あと一人社員ほしいけどこの島の人口じゃ難しいか」と1話でさりげなく言ってるあたりにさほど大きくないのかなと想像させてくれるのが上手いですよねー。 この時点でもうめちゃくちゃ好きです。 メインは主人公とこの姉妹のこじれそうな恋だったりツチノコの何かなんでしょうけど、この先どうなっていってもきっと好きです。 楽しみ~
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2021/09/16
ゾンビ×男女シェアハウス=サバイバルラブコメ! #1巻応援
めっちゃ面白かったです!! まず絵がすっごい好きです! そしてゾンビの緊張感からの、恋愛脳なムード。 千葉県でゾンビが発生し始め、幕張のモールに逃げ込んだ水上梨々(17)だが、取り残された男3女3での恋人争奪戦が水面下で進行していく! 恋に興味ない主人公と、彼氏彼女を作ることしか考えないその他! 男女混合シェアハウスゾンビサバイバル! 1話 https://twitter.com/menoirokaeru/status/1436648552516624390?s=20 主人公が現役ソフトボール部だったこともあって、かなり動けてバットでゾンビ倒せて、いろいろ事情ありつつ、ちゃんと冷静に頭もきれるのがアツい! いいぞ、主人公!って気持ちになります。 まさにシェアハウス恋愛リアリティショーのごとく、名前と職業、年齢出てくるのがいいっすねー。 あと雫さんの職業!菜食主義って!本当は何してるんだ?気になる! 話が進むにつれてそれぞれの好意の矢印の向きが、なるほどそういうこと?てシンプルじゃないのも面白いです。 恋愛ばっかり考えてていいのか!ゾンビへの対抗手段は!? と、1巻がすんごくいいところで終わってるんですけど、第2巻がすぐ来月10/15発売予定なのは嬉しいです! 作者さん、千葉県が好きなのか在住なのか、他の作品にも幕張や千葉がよく出てくるのがなんか好きです。 作中でも触れられてますが、千葉って他県と川で隔てられてるから封鎖しやすいっていう立地もナイスチョイスだなって思いました。 舞台設定の立地って大事ですよね! これからどうなっていくのか楽しみですー!
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2021/09/10
妙なリアリティのある奇妙な鳥人間と居候コメディ!
めっちゃくちゃ好きです!! 中学一年の鴻田新(こうだあらた)が学校からの帰り道に出会ったのは腹をすかせた奇妙な人型の鳥みたいな人語を話す生物・クジマ。 聞くところによるとロシアから来たという。 日本食が食べたくて来たというが…。 いろいろあって翌年の春にロシアに帰るまで住むことになったクジマと鴻田家のホームコメディ! https://gekkansunday.net/work/4466/ 1話あたりそこまで長くない話で、寒くなると日本に来て暖かくなるとロシアに行く渡り鳥みたいなやつに居候されるっていう奇妙な設定が素晴らしくハマって面白いです! 奇妙な鳥ってだけでも面白いのに、ロシアから来てるからロシア語話せるしロシア料理作れるし、たまに外国人みたいな「分からないデス」みたいなとぼけ方を入れてきたり、ブチ切れるとロシア語で罵倒したりともう、面白い! 単純にロシア人の留学ものとして見てもいいのかなって思ったら、最悪、虫食べて生きていけるっていう、それはもうマジで鳥じゃんっていう部分も垣間見せたりでクセになる! 紺野アキラ先生、いままで読切も漏れなく全部面白かったので、連載始まって本当に嬉しいです! ホラーも面白かったので、この鳥にも少し怖さがある気もしますが、ホラーとコメディって表裏一体なので楽しみです。
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2021/09/08
テンポよく死ぬスレスレを生き続ける主人公がアツい!
どんどん次が気になって読んじゃうテンポの良さ! さすがピッコマ、つい課金したくなる作りになってますねー! ゲームっぽいダンジョンに強制転移させられた元プロゲーマーの主人公が、ヘルモードを選択してしまったばかりに生存率0.01%の死にゲー設定の中で何度も死にかけながら命からがらトライ&エラーでゴリ押ししていく! https://piccoma.com/web/product/71905 転移ですし内容も読みやすいので「異世界もの」が好きな方にはざっくりと相性がいいんじゃないかと思うんですが、序盤までの感想で「俺TUEEEもの」じゃなくてちゃんとピンチで死にかけるようなハード目な作品が好きな方にはオススメかなと思いました。 プロローグから読みとれることがいくつかあって、その中でもとりあえず主人公は60階まではどんなに死にかけても死なないと安心して読めるのがいいですね。 そして、イージーやノーマル、ハードモードには他にたくさん人がいて、どうやらクリアして情報を現実に持ち帰っている人たちがいると。 読み進めていくと真偽のほどは分かりませんが、わりとすぐクリア条件らしきものの情報は出てきます。 ただ、他のモードならともかく「ヘル」の場合は死ぬほど難しいわけです。 プロローグ時点で81期になっている。1期分が30日なので約1か月。 つまり主人公はこのチュートリアルのダンジョンの中に6年と9か月いるということに。そもそも現実と時間が同じスピードとは分かりませんが。 そもそもここでいうチュートリアルとは? チュートリアルをクリアしたら現実に戻れるってことは、帰る現実もやばい状況になってる? このヘルモードのチュートリアルをクリアして帰れば無双できるのでは? と、いろいろ考えるの楽しいですね! とにかく死ぬ一歩寸前まで鍛え続けないとガチで死んでしまうモードで、ゴリゴリに削られながら必死に邁進する主人公を、安心しつつもハラハラ見守るのが楽しいです。 次の階層はどんな形で殺しに来るんだろう、と。 週一の火曜更新が楽しみになりました。 タテ読み漫画、縦スクロール漫画、ウェブトゥーンなどまだ一つの名称に日本では定まっていない感じはありますが、韓国、中国の手法を取り入れて、ピッコマやLINE漫画を中心によく見かける気がしますし、(自分の観測範囲では)日本発のものも増えてきてますね。 縦で読むようになれば、日本式漫画だと右から海外だと左から、という様式の違いをクリアできるのも利点ですし、スマホサイズで読むときに文字が多きくてフルカラーでどんどんスクロールできてテンポよく非常に読みやすいです。 だからこそついつい課金して先読みしてしまうような形にマネタイズしてるのが素晴らしいです。 無料公開から先に何話分も先読みのストックありますもんねー。 スマホの形はwebページやTwitterなども含めスクロール前提で作られてるので相性ばっちりです。 ウェブに最適化された漫画ってことでウェブトゥーンなんでしょう。 ピッコマではSMARTOONと書いてあるので、スマホ向け漫画を謳っているということでしょうか。 こちらの作品は作画の方が日本名ぽかったので、日本発なのかと思ったら原作が韓国のものですし韓国が先出しだったようです。 原作小説は完結済みで23巻。 もしかしたら『俺だけレベルアップな件』レベルで月間1億円の売り上げ叩き出したりするかもしれませんね。
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2021/09/07
サバイバルに錬金術が加わることでさらに面白く! #1巻応援
敵国の捕虜と、料理人と錬金術師が力を合わせて無人島サバイバル! https://comic-days.com/episode/3269632237329614255 軍の飛空艇が被弾し無人島に墜落。 生きていたのは、錬金術師と料理人、そして乗せていた敵国の捕虜の3人だけだった。 ここで料理人のジンは3人で協力して無人島をサバイバルすることを提案するが、錬金術師のニコは、敵国の兵士タクミと協力するのには抵抗感があり…。 「ファンタジー×サバイバル」という切り口ってたまにあることはあるんですが、焦点が違うところに定まってて、この漫画みたいなテーマではないんですよね。 よくあるものだと異世界ものが多いんですけど、結局魔法が使えたり、食材を簡単に用意できたりで、要はリアリティの線引きがかなりファンタジー側に寄ってるんですね。 それが悪いわけじゃなく、それはそれで気軽で楽しいです。 そして、この『錬金術無人島サヴァイブ』ですが、かなりリアル寄りのサバイバルの話で、そこにスパイスとして錬金術というファンタジーが乗っている。 さらに言えば、無人島でサバイバルの素人が生き抜くために「錬金術」という要素が生死を左右するポイントでもある、というのがポイント。 世界観は、「錬金術」がある以外は、食材や素材なども我々の現実と近いところにあるのでファンタジー要素は少なめです。 この作品でいう「錬金術」がどういったものかというと、すでにある素材の「分解」→成分の「抽出」→想定した物の「形成」という手順で実行される。 なので、無から有を生み出せるわけでもなく、素材に対する知識や形成するもののイメージがはっきりしていないと上手くいかない。 この作品内で上手いなというのが、それぞれの職業や関係性や能力の描き方。 例えば、錬金術師のニコは能力はあるけど、「形成」のイメージがあやふやで上手くいかない。 敵国の捕虜のタクミは、大工だったので設計図を書ける。 設計図を見て、明確なイメージがあれば、今まで上手くいかなかったニコの「形成」が上手くいく。 そして工具ができたらタクミによるDIYが炸裂する! でもニコとしては、非常事態とはいえ、自分の家族を爆撃で殺した敵国のパイロットと協力するなんて、という葛藤あるわけです。 そこを誰にでも平等な料理人のジンが二人を繋げたりしますし、食と医療が近いのもジンはかなり重要なポイントですよね。 錬金術もニコの能力による制限があって、ある程度より質量が大きいものは無理だったり、やはり何でもありじゃないのがいいんですよねー。 大きいものもできたら船作れちゃいますもんね。 そんな様々な事情が絡み合って、いろいろなものをDIYしながらサバイバルが進んでいくのです。 単純に面白い! これからも楽しみにしてます!
吉川きっちょむ(芸人)
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2021/09/03
ネタバレ
これはたまらない人外BL青春怪奇ホラー!
夏といえばやはりなんといってもホラー。 いろいろとホラー連載が始まっている中でも、こちらは異色かもしれません。 田舎の怪奇青春ホラー。 https://web-ace.jp/youngaceup/contents/1000183/ とある田舎の集落でともに育った二人の男子、よしきと光。 ある日から光に違和感を感じたよしきが、意を決して聞いてみると…。 それまでうるさかったセミの声が急に聞こえなくなる演出好きです。 1話ではまだまだこれから、という感じですが二人の関係性の変化が楽しみな連載です! ここからは少し1話のネタバレを含みますね。 というのも、「異色」というのが言い方に気を付けたいところですが、ブロマンスというか、BLの雰囲気も漂っている点です。 いやめちゃくちゃ好きっす、この雰囲気。 言葉にはされていないとはいえ、よしきから光への目線が感じられるので、だからこそ、光が光じゃないと分かって胸を締め付けるような展開になっていくのかと思うと、たまらないんです。 だって、光の姿をして光の声で話す何かだなんて、死んでるよりマシだけど…、いや果たして、でもそれはマシなのか…? 考えただけで引き裂かれそうです。 関西に詳しいだけではないけど、語尾の「やに」は調べたら方言的に関西弁の中でも三重県かな?違ったらすいません。 なんとなく土地を想像しながら読むの好きなんです。 こういうこと書くのは無粋かもしれませんが、野田彩子『ダブル』、和山やま『カラオケ行こ!』が好きな人でホラーもいけるなら好きかな、と思いました!