吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)
2021/02/21
読んでみて良かった漫画!
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読み始めたら、ほどよい心地よさでずっと読み続けてしまうタイプの縦読みフルカラーマンガ。 中学時代にいろいろあったり、人と接するのが苦手な元々の性格も相まって高校に入ってから他人を拒絶してしまう主人公の氷川小雪ちゃん(通称:こゆん)。 求められる役割を演じて疲れてしまう幼馴染の活発な美少女・安曇美姫(あずみみき)。 ひょんなことから知り合ったイケメンでチャラくて冷めたとこもあるけどコミュ強でいいやつの雨宮湊(あまみやみなと)。美姫が中学時代に通っていた塾の友達で同じ学校に入った。 同じく塾の友達で現在同じ学校の背が高く気が優しい日野陽太。 クラスで孤立して目つきが悪いこともあって若干怖がられて距離を取られてることに居心地に良さを感じている「こゆん」と、陽キャで人気者の美姫はよく遊んでおり、とあることをきっかけに陽太と湊もその輪に入り、少しずつ仲良くなっていく。 そんな4人の「好き」の矢印や、抱えている過去や現在進行形の悩みやトラウマなどがゆっくり紐解かれてまたこじれて描かれていく青春模様がとても面白いです!! こゆんの作った他人との間に作った「氷の城壁」が溶けていく様子とそれぞれの変わりゆく関係が見どころ! こういう学園ものの漫画のキャラって属性とかステレオタイプなキャラにはめ込んで記号的になってしまうこともある(もちろんそれが良いときもある)と思うんですが、この作品はちゃんと一人一人のキャラクターがしっかり掘り下げられていて、読んでいるとそれぞれが意思を持った個人として浮き上がってきて、ちゃんと彼らの言葉で話して行動している感覚があって好きです。 一人一人の人格の解像度が高い。 『氷の城壁』は、個人で描いていたものがLINEでの公式連載になり、現在では集英社のマンガMeeでも掲載されているようですね。 https://manga.line.me/book/viewer?id=161f5cd9-dd8a-428d-ac4b-ce87e08fc47f 読んだきっかけは、ジャンプ+に掲載された読切『正反対な君と僕』でした。 https://shonenjumpplus.com/episode/13933686331787337964 読んだあとピュアなギャルと塩対応真面目系男子の恋に「おもしれー!」と思って作者の阿賀沢紅茶先生調べて、お!他で連載やってんじゃん!と、でも少女漫画っぽかったので普段あまり読んでないから少しだけ抵抗があってすぐには読めず、時間ができたときに読み始めてみたら、あれよあれよという間に一気に最新話まで読んでしまった!! 読切を読んで面白いと思ったんだから自分の感覚を信じてすぐにでも読んでおけばよかった…! あまり他の作品を引き合いにだすのもよくないかもしれませんが、僕がそうなので「ホリミヤ(堀さんと宮村くん)」のようなスクールライフを描いた雰囲気が好きな方は好きなんじゃないかなと思います! ぜひ!
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2021/02/19
超いいローテンションコメディ読切 #読切応援
め~ちゃめちゃよかったっす! いつも録音した深夜ラジオを聴きながらニヤニヤしてるから学校で気味悪がられてる田舎住みのラジオ好き高校生男子が、道端でおじいさんを助けたことから孫の風変わりな女子との交際をお願いされ…。 低めの温度でツッコミをあまりしないスタイルがここ最近の流れかとは思いますが、この読切はその中でもすごく面白かったです。 傍から見たときの主人公の気味の悪さだったり、ちょっと嫌なあだ名、それを一切気にしないスタイル、変なことが起きても気にしない胆力、やりたいことをちゃんと追ってるコツコツ感、似たテンションかつもっと変な彼女、などなど、すべてがガッチリはまってて最高でした! ジトッとしてそうなキャラのわりに絵柄はさっぱりしていて読みやすく、 大ゴマが多いので細々小さなコマでギャグをやられるよりも噛み応えがあってとてもよかったです。 ページをめくるたびに何か起きているのが印象的で、分かりやすく計算されていますね。 連載で読みたい! サンデーは『いとやんごとなき』も面白いし、どんどんギャグ漫画強くなっていってほしい。 この方向性でまた読みたい。 と思ってたらとよ田みのる先生もそう言ってた https://twitter.com/poo1007/status/1361940158027681796?s=20 和山やま先生好きな方も好きそう。 近い部類ではあるけど、個人的には別物だと思います。
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2021/02/09
どうしようもない嘘つき主人公が性春をこじらせ始める!
男子高校生の仄暗いこじらせ性春ものが始まりましたね! それがどんな状況であれ、無難で場に合った嘘をついてきた主人公。 気になるあの娘はクラスの一軍。 窓に映った彼女を盗み見てニヤける日々だったが、唐突にフランスから金髪ショートの美少女留学生サラがやってきた! しかもホームステイ先は自分の家!? 男子同士で話していたくだらない話が頭をよぎり、出来心であることを行動に移してしまったがゆえに追い込まれた窮地! どうするソーイチ!? そうしてまたソーイチは嘘を重ねてしまい…。 第1話https://pocket.shonenmagazine.com/episode/3269632237246535454 いやー、どうなっていくんでしょう! 作者さんが好きな漫画で挙げているのが『めぞん一刻』『惡の華』『童夢』ですからね! 『童夢』は世界観的に置いといて、『めぞん一刻』の正統派ラブコメ感、『惡の華』のどろどろした性春のようなものに影響を受けた作品になっていくんでしょうか。 現在公開されている過去の読切3作、どれも面白いので気になった方はぜひ。 『瀬戸際に轟く』『月の國』『あすか』 少なくとも主人公のソーイチは初っ端からでかい爆弾を抱えることになったのでいいスタートですね。 高校生が「嘘をつけばなんとかなる」「周囲からはみ出ず嫌われることもなくそこそこうまくいく」なんて悟ったようなこと考えてるから、そらみたことかとばかりに1p目と1話目ラストのようなことになるわけで。 嘘は決して本当の意味では身を助けないぞ…と。 しっかり前フリをしたこのキャラがどう活きてくるのか。 そしてまだキャラが分からないサラは一体どんな人物なのか…。 藤野さんとの関係は…? 嘘に嘘を重ねていってどんどん苦しくなっていく展開、そしてその先を稲妻桂先生なら上手く描いてくれそう! 楽しみです!
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2021/02/07
クセ強めで内容も面白い漫画好きな人は垂涎の一作!
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未読の君、まだ読んでないなんてもったいすぎるぜ…!! 読んでる奴らとはダチになれそうだ!! なぜなら俺たちはルークさんを知っているから!! 俺たちの救世主!!ルークさん!!はわわ……! と、読んだあとちょっと変なノリをしてみたくなるほどにこの漫画は魅力的です。 時代設定は我々の地球でいうどのへんか分かりませんが、17、18世紀あたりの技術レベルでしょうか?もっと前なのかな? ヴィクトニア帝国という大国があり主人公はその帝国に搾取される側の植民地に住む少数民族で、金貨や経済などあるもののわりと原始的な生活を送っていた。 幼少期に両親が奴隷狩りに殺害されてから7年後、12歳になったルークは奴隷狩りに対抗すべく知恵を使い騙したり工夫して帝国と商売しお金で安全を買おうとしていた。 しかし、その矢先に再び奴隷狩りにあってしまい、自らも捕まり大好きな姉を連れ去られてオークションにかけられてしまうことになり、殴られ朦朧とした意識の中で神にあい、とある能力を授かる。 本来、年頃の人間が当たり前のように享受しているのが「生殖能力」だが、神はその代わりにルークに授けたのが「金を生み出す能力」だった。 しかも、まだもろもろ不明だけど帝国の紙幣、しかも全て通し番号が同じ偽札…。この能力と知恵を武器にルークはどう戦っていくのか! お姉ちゃんを取り戻すことはできるのか!? という話です。 第1話→https://shonenjumpplus.com/episode/13933686331749163174 話の設定や展開、ハッタリや知恵比べのようなギャンブル的な部分はもちろん面白いのですが、合わせて注目してほしいのはこの作品の根底に流れるセリフ運びのテンションやリズムとキャラたちのノリ!! 初期のジョジョを彷彿とさせる! そこにシビれる!あこがれるゥ!!的な香りがするゥ!! みんな大真面目なので最初は真剣に読んでたんですが、途中からもしかしてこれって笑って読んでもいいんじゃないか?というシリアスな笑いに思えてきますし、実際そこはかなり意識されてるんじゃないでしょうか。 生殖能力の代わりに授かった能力なので、金を生み出す時にドクッドクッってなるのや、頬を赤らめてちょっと汗かいてはぁはぁしているのもおもしろい…。 そのクセの強さに、やみつきになってしまう自分が愛おしいです。 画像:第1話57pより
吉川きっちょむ(芸人)
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2020/12/02
ネタバレ
近未来のディストピア、貧困の中で彼が掴む未来とは
「……生きてて…楽しいことなんか一つもない。」 薬が切れれば錯乱してしまう母が暴れ、高校中退を雇ってくれるのは長時間働いてもわずかな給金の工場のみで疲労に目はかすみ、家賃、光熱費、税金、母の薬代に給料は消え、日々の食費を極限まで削り転職、学歴のためになんとか月に1000円貯金するが、心が死んでいき絶望のみが主人公へと襲い続ける。 『転花』 厚い雲が日光を遮り夜と冬が続き100年。 植物が枯れ、酸素が薄くなった世界で人類が発明したのは、2年かけて人体を、魂を養分に成長する植物にする技術だった。 死期が近いものだけが「転花」の対象で、施術の選択は委ねられている。 「転花」したものには国から支援金1000万円払われるが…。 2321年、貧困の青年・神谷トーシローは尊厳をとって心の豊かさを守るのか、すり潰されるような毎日を屍のように生き続けるのか。 第1話→ https://big-3.tameshiyo.me/SPE01FOOLN なんて素晴らしいディストピア!貧困の描き方! じりじりとあぶり出される困窮した生活と時代背景がエグくてむちゃくちゃに魅力的!!! ほぼ無いに等しい選択肢を提示され、泣く泣く選びとるしかないことのなんたる絶望感の強いことか。 1話目で時代背景、個人の背景、各種設定を明かし、1話目ラストから2話目で物語が動き出した。 これは…、トーシローにできることで、蓬莱ヨミコはどうしようというのか。 この終わりかけた世界で、最後の命の灯を燃やして彼にできることとは。 スペリオールでの新連載でまた楽しみなものができてしまった!!
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2020/10/23
恋する美少女の罪と罰
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キスから始まってしまった女と女と男の歪な関係は進むほどに音を立てて崩れていく。 最後に残ったのは…。 放課後、誰も来ない学校の階段で舌を絡ませ濃厚なキスをする。 クラスでも派手なグループの美少女とパソコン部の地味目な女子。 ある日から唐突に始まった正反対な二人のこの行為は常習化していて、主人公であるパソコン部の女子は理由も分からずにされるがままだったが…。 恋する美少女って非常に罪ですね。 幼稚で自己中心的でご都合主義な少女漫画脳に他人を巻きこんでも儚く美しく見えてしまう。 それを真に受けてしまった自分こそが罪だと感じてしまうほどに。 しかしこの話ではそこで終わらず、主人公は悲しみの逆襲を遂げることになるのがまたよかったです。 ところが逆襲自体もする側、される側の両方の立場をより深く理解しただけにすぎず、部活の男子を騙し高校で初めてできた同性の友達を裏切り手放す羽目になり、どん底エンドで最高でした。 その気持ちをどこへも持っていけない苦い気分でいっぱいです! まだまだ自分自身のこの話への理解が及んでない部分もありそうだけど、少し間をおいてまた読みたいなー
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2020/10/18
ネタバレ
この生物ほしい!
【プリンタニア・ニッポン】 それは、生体プリンターからエラーで生み出された表紙に載ってるぷにぷにもちもちした白い生き物。 超超超飼いたい。癒やされまくりたい。 そんな癒やされペットマンガかと思いきや、実は結構SF色におわせてくるよねっていうのが本作です。 http://matogrosso.jp/printania/01.html 1巻読んだ限りではまだ世界全体は見えてこない。 というのもあくまで周囲の出来事や状況は主人公の目線で普通のこととして描かれるので特段込み入った説明もされないし、読む上でそれが不親切ということもない。 だからこそ、謎がふわ~っと浮き上がってくる。 この近未来っぽい世界はなんなんだろう? 時代は?場所は? 主人公周辺の人々やもちもちペットの「すあま」との会話の節々や、背景などで少しずつ明らかになっていくのがまた面白い。 復興している地球なのか、新たに入植した惑星での出来事なのか。 隔離され徹底された監視社会、相互評価システムと点数での住環境等の格差などなどワクワクするSF(すこしふしぎ)が溢れていて好き。 プリンタニアの感触を想像するだけで楽しい。 ほっぺ、おしり、二の腕みたいなやわらかさなのかな? あんな感触が共有できるSNSやってみたい。
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2020/08/24
昏睡から目覚めたジジイによるハードな復讐劇!!
まだ読んでるところ4話目だけど、かなりハードで面白い!! 街のヤクザたちぶっ倒しまくって無双していた主人公が、5人の仮面被った男たちに嫁と娘を殺され、自分の頭に銃弾ぶっ込まれて植物状態で15年刑務所にいて、出所して子分にお守りされながら飲み行ったら潰した組のやつに包丁ぶっ刺されて道端に放置されて警察に見つかって連れてかれて、運悪く近くで起きてた一家殺人事件の重要参考人として尋問されたら、刑事が自分の家族殺した仮面のやつと同じ話を始めて・・そして、15年の眠りから意識を取り戻す!!!!ここまで一話!! ここから凄絶な復讐が始まる!!!! 熱い!!熱すぎる!!!! 河部真道先生の漫画は、鎌倉末期の『バンデット』、近未来のディストピアを描いた『KILLER APE』と、それぞれ時代こそ違えど、濃くて熱い殺し合いの物語が展開されてきた。 そして今回、ついに現代! そしてこの土地では過去から鬼憑の伝説があるということで土地の背景と業も背負っている!! これからどうやって復讐していくのか、5人は一体誰なのか、ミステリー要素もありつつ楽しみすぎる~!!! 早くも実写映画化してほしい!
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吉川きっちょむ(芸人)
2020/04/03
設定が良すぎて早く先読みたい
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面白い新連載がスタートした! こいつは見逃せない!! ある生物がある時から地球に跋扈し始め、人類は蹴散らされ高い山へ逃げ延び、 かつての大地はガスで覆われ化け物たちの住処となってしまった。 人類の最後端、日本の北アルプスにて出会うのは、食べ物が食べられれば何でもいい優秀で合理的な軍人と、研究所の研究者と改造人間たち。 第1話 https://twitter.com/rokudaimaruei/status/1276675852332183552?s=21 1話目から超グッとくる設定と情報量! いやほんと、読んで楽しんでほしいから重要なところ書けないけど、改造人間たちと軍人の役割的な相性が最悪なほどに良いから、最高としか言えない。 合理的な軍人は、人間をシンプルに人的資源や数字と考えてしまうのかな…? だからこそ、アホガキ中身の怪力改造人間たちが上手いこと使われてて倫理観を完全に度外視で恐怖なんどけど、戦略としては正解としか言えない。 レベルEのアホ天才王子を想像してもらえると伝わりやすいかも。 ちょっとした狂気が予想を裏切ってくれる。 出会って、関係がセットされたところまでが1話。 ここからどうなってくんだろう? 物語の方向性自体はまだ見えないけど、軍人さんはご飯が食べられればとりあえずはいいのかな? 人類の逆襲がここを起点に始まるのかしら…? 世界観が素晴らしいから今後の展開から目が離せない! ジャンプSQ増刊に載っていた読切(「フィラデルフィアの棺」「黒後家蟹の推理」「銃後の勇気」)は読めてないけど、アフタヌーン四季賞の読切は強く記憶に残ってる! 『死よ来たれ』 殺意を失った人間たちしかいない未来で、突然変異で殺意を抱ける人間が生まれ、家族のを奪っていくが…。 思ってた展開より二段階くらい変化して最高だった。 https://comic-days.com/episode/10834108156652934204