吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)
2020/04/03
設定が良すぎて早く先読みたい
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面白い新連載がスタートした! こいつは見逃せない!! ある生物がある時から地球に跋扈し始め、人類は蹴散らされ高い山へ逃げ延び、 かつての大地はガスで覆われ化け物たちの住処となってしまった。 人類の最後端、日本の北アルプスにて出会うのは、食べ物が食べられれば何でもいい優秀で合理的な軍人と、研究所の研究者と改造人間たち。 第1話 https://twitter.com/rokudaimaruei/status/1276675852332183552?s=21 1話目から超グッとくる設定と情報量! いやほんと、読んで楽しんでほしいから重要なところ書けないけど、改造人間たちと軍人の役割的な相性が最悪なほどに良いから、最高としか言えない。 合理的な軍人は、人間をシンプルに人的資源や数字と考えてしまうのかな…? だからこそ、アホガキ中身の怪力改造人間たちが上手いこと使われてて倫理観を完全に度外視で恐怖なんどけど、戦略としては正解としか言えない。 レベルEのアホ天才王子を想像してもらえると伝わりやすいかも。 ちょっとした狂気が予想を裏切ってくれる。 出会って、関係がセットされたところまでが1話。 ここからどうなってくんだろう? 物語の方向性自体はまだ見えないけど、軍人さんはご飯が食べられればとりあえずはいいのかな? 人類の逆襲がここを起点に始まるのかしら…? 世界観が素晴らしいから今後の展開から目が離せない! ジャンプSQ増刊に載っていた読切(「フィラデルフィアの棺」「黒後家蟹の推理」「銃後の勇気」)は読めてないけど、アフタヌーン四季賞の読切は強く記憶に残ってる! 『死よ来たれ』 殺意を失った人間たちしかいない未来で、突然変異で殺意を抱ける人間が生まれ、家族のを奪っていくが…。 思ってた展開より二段階くらい変化して最高だった。 https://comic-days.com/episode/10834108156652934204
吉川きっちょむ(芸人)
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2020/03/15
ネタバレ
2年前の読切だけどまた読みたい #読切応援
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ウルトラジャンプに載ってるのを当時読んで、これは面白い!って強烈に感じた。 ホラーでありゆるいコメディな設定に女の子二人の百合。 「ユリトラジャンプ~ウルトラジャンプ百合アンソロジー~」に収録されているということで『未織と山神様』を読むためだけに購入して改めて読み直した。 ふとした瞬間に内容の断片を思い出したけど、タイトルや作者など忘れていてなんだっけなーと思っていた読切。 やっと思い出せてすっきり。 未織とさくら、女子高生二人が山を散策していると、頭からお腹まで半分まるかじりしたような異様なイノシシの死骸を発見する。 ずんずん山の奥へ進む未織と怖がるさくら。 二人は噂になっている山神様の話を思い出し、伝承を話す。 「山神様を食べたら不老不死になれる」 じゃあ、これは知ってる? 「山神様に噛まれたものはすぐに殺せ」 そして、その理由はすぐに分かることになる・・。 可愛らしい絵と女の子のゆるい空気とは真逆の奇怪な出来事が彼女たちの身に降りかかる。 読切としてここで終わるが、このあとこの二人はどうなってしまうんだろう、どんな生活を送るのかな、など考えるのが楽しくなる素晴らしい作品。 二人のときは度胸があるけどいざとなったら頼りない未織と、怖がりだけどいざとなったら肝が座ってるさくら。 そんな二人はどんな事があってもいつまでもずーっと仲良しでいてほしい。
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)
2020/03/08
ネタバレ
待てば海路の日和あり
かつては精力的に映画を撮り国際映画賞まで獲ったのにいまはすっかり腑抜けている男・市松海路(いちまつかいろ)。 7年前に彼のすべてだった元カノ・日下部日和(くさかべひより)が失踪したことで映画が撮れなくなっていた。 日和の想い出さえすべて失い命を絶とうとしたそのとき7年ぶりに連絡が来て会ってみたら「市松君に私の出産記録を撮って欲しいの。だから市松君の精子ちょうだい」 ズガーン!! ここまでで2話目!すご!怒涛の展開! そしてここから展開どうなるのか読めなさすぎる!! 日和はいままでどこでなにをしてたのか? 日和の妹たちは? 漫画家である日和の母親はいま? 母親が育児記録をエッセイ漫画にして売れてたから日和も記録に残すのか? 意味深に何度も出てくる雷と日和の存在は関係あるのか? 海路が日和に関する記録のすべてを落雷で失って現れた本人というタイミングに意味はあるのか? こんなに目が離せない連載が始まると暮らしに張りが出ますね! 『あげくの果てのカノン』でも病んで歪んで捻れた人たちとその関係性をスリリングに描いてたので、今回も楽しみすぎます。 主人公のヒロインに対する執着と絶望と希望の振り幅がえらいスイングかましてるし、ヒロインの天然な狂気的なものも見え隠れしていてたまらない。 結婚もセックスも色々無しで、ただ、精子提供と出産の記録をどんな気持ちで撮るのか! 悶えるしかないのか! しかし、大好きなあの娘に自分の精子で妊娠させるという事実はこのド執着彼女大好き男からしたら大ご褒美にも思えるし! 感情がぶん回しですよ! あとは、毎週楽しみに待ちます!! 第1話→http://spi.tameshiyo.me/OUJOU01SPI
吉川きっちょむ(芸人)
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2020/02/19
人と時を味わう読切
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漫画アクション2020年4号の読切『自販機』ではたった8pで、自販機を軸に少女の半生とかけがえのない友人を描いた一方で、2020年5号では、アラサーらしきOLが引っ越してきた知らない街で吸い込まれるように銭湯に入ってじっくり味わうという振り幅のある読切『寄道銭湯』を描いている。 どちらの読切でも、人や建築物の歴史、時間の流れ、背景を感じとれてとてもいい。 アラサーっぽく見える落ち着いた女性。遅くまで仕事だったのか23時過ぎに銭湯に来た。 銭湯に入ったのは惹かれたのもあるだろうが、引っ越したてだしもう遅い時間だし帰ってから荷解きしてお風呂グッズを出す煩雑さも手伝ってのことだろう。 銭湯とともに時を止めてしまったかのような番台のお婆さん。 ロッカーには、着ていた服をきちんと畳んで入れる几帳面なタイプだと分かる。 急な引っ越しだったっぽいのは、仕事の都合なのか、同棲相手との別れなのか、どこか晴れやかな顔にも見える。 髪が半乾きで帰れるってことは家も近いんだろうな。 最後のコマにはスカイツリーが背景にあるってことは、マップに銭湯も多いしきっと下町なんだろうな。 と、いろんな背景が見えてくる。 それだけでいい漫画だなー。
吉川きっちょむ(芸人)
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2020/02/15
ネタバレ
彼女たちの初恋は夜の海で咲く
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2年前の年末にスペリオールに掲載された加納梨衣先生の読切『裸の肖像』がとてもよかったので、今回、新年号で予告が載ってからとても楽しみにしていた。 まだ前編しか読んでないけど、もう好きだ。 早く続きを読みたい・・。 かつて後悔した思春期の一幕を夢に見るところから始まる。 あのとき、ああしていれば、いやでも結局できなかったんだ、あのときは。でも、なんでできなかったんだ・・。 もっと素直になっていたら・・。 なんて誰でも考えることはあるはず。 主人公である彼女もそうで、32歳になったいまでもその気持を抱え、仕事場で他人の噂話で盛り上がる同僚にも嫌気が差し、あることを機にうまくコミュニケーションを取れなくなってしまった夫とすれ違いの生活を続ける。 夫は、毎晩夜釣りに出かけ、釣った魚は夜の海に返す。 これはどういった比喩表現だろう。 釣った魚にエサはやらない、ということなのか、責任を持ちたくないのか、どこか現在の生活への諦念や結婚生活に囚われている自分と釣られて自由を失った魚を重ねているのか。そんな仕草を感じた。 決して他人と比べて大きな不幸でこそないが、そこでは確実に何かが軋んで悲鳴をあげている。 目に見える大きな不幸だけが人生を絞め上げるわけじゃない。 小さいことの積み重ねからくる息苦しさもあるのが人生だ。 夫に性を拒まれ、疎まれ、距離を取られてしまった主人公は、身体を持て余し夢を見たのだ。 受け止めきれなかったあの頃の甘い夢を。 胸がときめいたあの娘とのプールでのその続きを。 しかしもう15年も前のこと、どうすることだってできないが・・。 ここからどうやって、ままならない人たちがスイングしていくのか後編が楽しみだ。 ここで忘れちゃいけないのがタイトルで、溺れる人魚「たち」なんだよなー。ということはあの娘も・・。 そして溺れるいうのはプールか、肉欲か・・。 くぅ~! しかし、『裸の肖像』は小学館のwebで読めるようになったりしないもんかな・・。
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)
2020/02/02
光速ビッチと校則イケメン眼鏡
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なんだかすごいもの見た新しい感覚のラブコメ友情譚! 他人の彼氏でも息をするように恋をしてすぐ学校のトイレでしちゃうようなギャルが、女子に追われて逃げた先で出会ったのは校則を本気で守るイケメンメガネ。 秒で惚れて、不純異性交友はダメだけど友達ならいいよねと言いながら貞操観念の境界をさらっと越えてこようとするこのギャルの凄さが光ってる。 これはただ単純にビッチだからすごいって話じゃない。 このキャラにそれをよしとしてしまうパワーがあるのがすごい。 最初の1~3ページ目で水道から水を飲んでるのか思わせといて実はトイレでの事後で口をすすいでたってのがすごい。そう、しゃぶったからだ。 男子生徒からしたら「マジかよ!いいの!?すげー!」ってなるだろうけど、ごく一般的な(こういう言い方あまり好きじゃないけど)女子生徒からしたら悪夢でしかない。 下手するとギャルとは会話になってないんだけど、このついていけない論理にどうにかしてついていきたいと思わせられてしまう。 そしてこの強引さこそが校則やルールにガチガチに縛られて友達がいないイケメンメガネを救う可能性もある。 いや、ユルすぎと堅すぎで互いに救い合う関係になるのかも。 今後どうなっていくのか期待しかしてない! 楽しみだ・・! DAYS NEOに載ってる読切が両方とも素晴らしい。 内容によって絵柄を変えているし、それぞれユーモアと得体の知れない恐怖と救いがある。 https://daysneo.com/author/tototo/