「丁寧な暮らし」なんて無理しない!『丁寧じゃない暮らし日記 アラサー!ズボラ!ぼっち主婦の生活』で感じる「私だけじゃない」

『丁寧じゃない暮らし日記 アラサー!ズボラ!ぼっち主婦の生活』

定期的に雑誌など様々なメディアで特集される「丁寧な暮らし」。家事は常に完璧で、3食複数のおかずを作り、輝くキッチンには植物が置かれている。たまにはお茶をいれてゆったりとした何もしない時間をソファで楽しむ――憧れの生活ですが実際できるかどうか。『丁寧じゃない暮らし日記 アラサー!ズボラ!ぼっち主婦の生活』(KADOKAWA、もも子、 漫画:牧利江子 )のもも子さんもそんなひとり。丁寧な暮らしを夢見ながらも、家事に追われる日々をテンポよく綴ります。

 

■「ひとはひと、うちはうち」で乗り切る家事

食事の準備に洗濯に掃除と、日々生きていくために毎日発生する家事。たとえ1人で暮らしていても、生活するだけで発生するものです。もも子さんはそんな家事が大の苦手な人。食器洗いもお風呂掃除の苦手で、汚れた食器がシンクに置かれたまま。ゴミも溜まっている。なんとか気力を振り絞ってきれいにしても数日で汚れてしまいます。

もも子さんだっておしゃれな奥さんの生活に憧れがないわけではありません。理想とする「丁寧な暮らし」を思い浮かべつつ「そんなのできない」と無理はしません。むしろ丁寧な暮らしをできない自分は気にせず、「ひとはひと、うちはうち」の精神で日々を乗り切っていきます。

 

『丁寧じゃない暮らし日記 アラサー!ズボラ!ぼっち主婦の生活』(もも子,牧利江子/KADOKAWA より)

 

1日の中で何度かだらだらタイムを設けつつ、文句を言いながらもやらないといけないことー例えば食事の準備などーを少しずつ自分のテンションをあげながらやっていく。夜になって重い腰をあげて家事をする姿は、同じズボラな人間としては「あるある」と思います。「どんなに追い込まれても人生なんとかなる」の精神は大げさと思われるかもしれませんが、家事が面倒な人間からするとすごく納得です。

 

■なぜか「私も家事をしよう」と後押しに

『丁寧じゃない暮らし日記』はもともとはYouTubeにアップされたもも子さんの配信動画です。手抜きともみえる家事をしているだけの動画ですが、キャプションの文章のテンポの良さと言葉遣いの巧みさでついつい見続けてしまう。漫画でもその雰囲気は損なわれず、コマ割りはもちろん、ずぼらな生活だと自覚のあるもも子さん自身へのツッコミがいいテンポで、ついつい「あるよね」と思いながら読み続けてしまいます。

 

『丁寧じゃない暮らし日記 アラサー!ズボラ!ぼっち主婦の生活』(もも子,牧利江子/KADOKAWA より)

 

そして不思議なことに、もも子さんが面倒だと言いながらも家事をしている姿を見ていると、自分のほうも家事を終わらせないと、と思えてくる。きっと「無理してやらなくても、このラインでもいいよ」ともも子さんが教えてくれるから。普段ズボラな人は仲間探しに、ズボラでない人は家事が面倒になったときの背中を押してもらうために、もも子さんの語りに耳を傾けてみるのはどうでしょうか。

 

記事へのコメント

元々はYouTubeの動画配信から生まれた作品なんですね。まさに現代らしいエッセイマンガという感じ

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