あらすじ

ヘレン役のマヤの演技は、相手役の大女優・姫川歌子を本気にさせ、二人の演技は本物の呼吸が通じ合い、不思議な連帯感が生まれつつあった。三重苦のヘレンに言葉を教えようとするサリバンとの闘いは、マヤと姫川との闘いでもあった。典型的なヘレンを演じた亜弓と、型破りなマヤは大評判となり、マヤと亜弓はアカデミー芸術祭演劇部門・助演女優賞候補に…。
ガラスの仮面(1)【eBookサイン会限定イラスト付】

港町、横浜の裏通りにある小さな中華料理店で住み込みで働く母親と暮らす、13歳の少女、北島マヤ。美少女でもなく成績も普通の平凡なマヤの眼の奥には、激しく燃えるような炎がくすぶっていた。映画やテレビのドラマに夢中になってしまうマヤは、今日も出前の途中で映画を覗き見し怒られる。そんなマヤを見た謎の女性から、あなたのような千の仮面を持つ少女を探していたと…。■巻末に、eBookサイン会限定描き下ろしイラストを収録!

ガラスの仮面 2巻

幻の名作「紅天女」を32年前に女優、月影千草が主演し、見る人を感動の渦に巻き込んだ。その後、「紅天女」の上演権利を得た月影だが、顔の右半分に大火傷を負い、女優生命は絶たれてしまった。20年後、かつて月影の内弟子で現在、大女優の姫川歌子を起用し、上映したいと演出家・小野寺、大都芸能次期社長・速水真澄が訪ねて来たが、月影は演じる女優は自分が育てると…。

ガラスの仮面 3巻

大女優・姫川歌子譲りの美貌、頭脳明晰で演技において天才との評価が高く、生まれついてのスター、13歳の亜弓。母の手ひとつで育てられた平凡な13歳のマヤ。同じ演劇を志す対照的な二人だった。月影が創設した劇団つきかげに入団したマヤは、初心者クラスで演技の基礎を特訓中。劇団つきかげの初公演「若草物語」のベス役に抜擢されるが…。

ガラスの仮面 4巻

マヤに好意を寄せる心優しき少年、桜小路。マヤのことが気になる大手芸能社の次期社長、速水。マヤをライバルと思い始めた大女優、姫川歌子の娘、亜弓。全日本演劇コンクール東京地区予選大会に劇団つきかげは演目に「たけくらべ」と決め、主役の美登利にマヤを抜擢。一方、大手の劇団オンディーヌも「たけくらべ」を選び、美登利役に亜弓を起用する!!

ガラスの仮面 5巻

大女優、姫川歌子譲りの美貌と才能を持ち、名子役として活躍してきた亜弓。一方、無名で平凡な容姿の少女、マヤ。二人が演じた「たけくらべ」の主役の評価は対照的だが、共に全国大会に進出。マヤは速水が人知れず贈った紫のバラに勇気づけられていた。だが、劇団オンディーヌの理事は、不満を持つ劇団つきかげの団員を誘い…。

ガラスの仮面 6巻

平凡な少女、マヤの演技には大衆を引きつける何かがある。マヤが所属する劇団つきかげは潰れたが、月影についていくことを決めたマヤと数人の劇団員たち。そのマヤの才能に目をつけた大都芸能の次期社長・速水、名スカウトマンの取手。一方、教材書代にも困るマヤは映画のオーディションに応援するが、落選。だが、マヤに端役の誘いが…。

ガラスの仮面 7巻

名作「紅天女」は、人間の心を忘れなければ演じることはできない。栄進座を率いる演劇界の大御所女優、田原菊子はマヤに舞台度胸のテストをするが、マヤの冷酷な判断力と才覚に感心する。そして、舞台に抜擢する。端役でも栄進座の舞台に立ったマヤは、いつの間にか観客を魅了する。一方、マヤをライバル視する亜弓は一人二役に挑み…。

ガラスの仮面 8巻

マヤの演技は観る者を引きつけトリコにしてしまう。そして、同じ演劇をする者はマヤに嫉妬し、恐れ始めた。「嵐ヶ丘」の主役、キャサリンの少女時代の役に選ばれたマヤ。初日を迎え、少女キャサリンに成りきって熱演するマヤに、相手役のヒースクリフを演じる真島良は、いつしかマヤに影響され、二人の演技に観客は騒然となる。そんな時、月影の容態が悪化したとの知らせが。

ガラスの仮面 9巻

観る者を魅了するマヤの演技だが、全体に溶け込んでなく、一人で演技をすることから将来性は感じるが、役者としては未熟。舞台が荒らされると舞台あらしとの異名が。マヤの危険性を感じとった月影は、自分を殺す演技を覚えさせるため、人形の役をマヤに与える。人形の役をすることになったマヤは、一人で演技をしていたことに気づき、その公演は評判を呼び…。

ガラスの仮面 10巻

マヤを陰ながら応援する紫のバラの送り主、速水の依頼で大舞台に出演することになったマヤは、亜弓と初公演を。その速水の援助で演劇活動で有名な一ツ星学園高等部に入学したマヤ。ある日、マヤに大都芸能から「奇跡の人」のヘレン役候補としてオーディションを受けることを勤められる。他の候補は一ツ星学園演劇部の実力者、金谷英美、そして亜弓などが…。

ガラスの仮面 11巻

演劇界の未来のスターたち、マヤ、亜弓、英美たち5人は「奇跡の人」三重苦のヘレン役をオーディションで勝ち取るため、それぞれがヘレンに成りきる練習を始めるが、それは厳しく激しく辛いものだった。そして、いくつかの試験を受け、ダイナミックな演技の英美、天才肌の亜弓が審査員たちの評価が高く、最終審査へと。だが、マヤの演技に対しては…。

ガラスの仮面 12巻

大都芸能新ビルオープン記念「奇跡の人」のヘレン役はマヤと亜弓のダブルキャストという形で決定した。大女優・姫川歌子相手に稽古が始まるが、マヤと亜弓の周囲の人たちが背筋が凍るほど迫真の演技に圧倒される。そして、初日が開演となり、母親の姫川歌子を相手に、ヘレン役の亜弓の演技は観客を感動の渦に巻き込む。明日の2日目はマヤが登場だが…。

ガラスの仮面 13巻

ヘレン役のマヤの演技は、相手役の大女優・姫川歌子を本気にさせ、二人の演技は本物の呼吸が通じ合い、不思議な連帯感が生まれつつあった。三重苦のヘレンに言葉を教えようとするサリバンとの闘いは、マヤと姫川との闘いでもあった。典型的なヘレンを演じた亜弓と、型破りなマヤは大評判となり、マヤと亜弓はアカデミー芸術祭演劇部門・助演女優賞候補に…。

ガラスの仮面 14巻

「奇跡の人」のヘレン役を演じたマヤは、アカデミー芸術祭演劇部門で助演女優賞を受賞。受賞式で月影は幻の名作「紅天女」を演じる候補として、マヤと亜弓を指名する。そして月影は、大都芸能の若社長・速水にマヤを預かって欲しいと依頼し、速水は快諾する。その速水は秘書の水城からマヤに好意を抱いていることを見透かされる。一方、マヤは共演者の里美茂に好意を感じ…。

ガラスの仮面 15巻

マヤと亜弓のテレビドラマは共に好評だが、マヤの人気が上がる度、彼女に対し悪質なイタズラが続くように。芝居が好きで演技しか自分にないと思うマヤは、誰にどんなことをされようとも演技を続けることを誓う。そして、マヤの演技に対する情熱に周囲の人たちも認め始めるが、悪意を持ってマヤを二度と女優の仕事ができないように企む者たちが…。

ガラスの仮面 16巻

初の主演映画も大好評のマヤ。その特別試写会の場で、テレビドラマで共演し、密かに思いを寄せていた里美茂に告白され、マヤも思わず好きと言ってしまう。一方、マヤを陥れようとする謎の人物がチャンスをうかがう。演技のために共演者に恋する亜弓と違い、マヤは一途に里美を慕う。マヤの母親は病気治療中だが、速水はマヤの人気を高めるため、母親をも利用する…。

ガラスの仮面 17巻

長い間、離れ離れで暮らすマヤと母親。速水はマヤと母親を話題作りのため、感動的な対面を画策し、母親を療養所で監禁状態にしていた。マヤに会いたい一心で療養所を抜け出し、東京に向かった母親は途中で亡くなってしまった。マヤを陥れようとする熊本の天才少女・田代鈴子は、マヤの母親が速水によって監禁されていたことを告げる…。

ガラスの仮面 18巻

ライバルという名の友情、マヤと亜弓は生まれも育ちも違うが、目には見えない「紅天女」という大きな絆で繋がっている。自身を失くし、演劇をやめると決心したマヤに対し、冷血漢と呼ばれる速水は戸惑い、11歳下の少女に心惹かれていることを認める。そのマヤに亜弓が主役の舞台に端役で出ることを勧め、マヤの女優魂が蘇る。高校に戻ったマヤは学園祭で一芝居を…。

ガラスの仮面 19巻

観客こそ偉大な指導員とマヤに説く往年の大女優・月影とマヤ、亜弓、そして速水は幻の名作「紅天女」という見えない糸で結ばれている。高等部の学園祭で一人芝居を演じたマヤは評判が評判を呼び異例とも言える再演を。そして次の演目をすることに。一方、ライバルの亜弓もまた「ロミオとジュリエット」でジュリエットだけの一人芝居に挑むことになり…。

ガラスの仮面 20巻

超一流の指導員のもと、一人芝居「ジュリエット」の稽古に臨む亜弓。一方、学園内で一人芝居「通り雨」に挑んだマヤの演技は観る人を感動させ、マヤに反感を抱いていた演劇部の部長も、その実力を認め、一緒に芝居をと誘われる。亜弓の「ジュリエット」の一人芝居も大成功で、演劇界最高の賞、芸術大賞候補に。また、マヤの演劇部との芝居に大観衆が…。

ガラスの仮面 21巻

亜弓の一人芝居を速水と共に観たマヤは、亜弓の女優としての成長に体の震えが止まらない。マヤと亜弓の差は自信と闘争心。才能を生かすも殺すも、この二つにかかっていると月影は告げる。その月影は亜弓、マヤの二人を前にして、幻の名作「紅天女」の後継者に亜弓を指名する。だが、マヤにも最後のチャンス、2年以内に芸術大賞か、それに匹敵する賞を受賞することが条件と…。

ガラスの仮面 22巻

アテネ座に公演を断られた劇団のつきかげと一角獣の団員たちは、マヤの提案で野外ステージを使用することに。速水のアドバイスにより、チャリティ公演にした「真夏の夜の夢」の開演初日だが、一時間前には超満員の観客が。妖精パック役のマヤの演技は観客の視線を一身に集め、紫のバラの贈り主に観て欲しいマヤを始めとする公演は、大成功のうちに初日を終え…。

ガラスの仮面 23巻

マヤたちの野外ステージ公演は大成功で幕を閉じ、アテネ座の公演を大都芸能が製作したいとの申し出が。速水が何か企んでいるのではと思ったマヤは直接、速水と会うが、この公演からマヤは外されていると告げられる。そして、日帝劇場に向かったマヤは、亜弓の相手役のオーディションを知り、応募することに…。

ガラスの仮面 24巻

「ふたりの王女」の亜弓の相手役オーディションの試験を受けるマヤ。多数の難題に苦労する若手女優たちをよそに、マヤは楽しみながら演技を。そして、その試験にマヤが圧勝したとの知らせに亜弓は当然と納得。孤独の中に育った暗い王女、オリゲルドを演じたいと思ったマヤだが、マヤにはなんと生まれついての気品を備えた王女、美しいアルディス役が…。

ガラスの仮面 25巻

天使のような笑顔と生まれついての気品、光輝く王女アルディス役を演じるマヤ。一方、牢獄の中で育ち、暗く疑惑と野心を抱く王女オリゲルドを演じる亜弓。二人とも役作りに悩み、亜弓とマヤは生活環境を交換することに。この配役を強引に決めた月影は、二人の才能を信じると断言する。ある日、マヤは紫のバラの贈り主から食事に招待されるが。

ガラスの仮面 26巻

お互いをライバルとして認めるマヤと亜弓だが、アルディスとオリゲルドに成りきれなく悩む。やがて、日帝劇場での「ふたりの王女」の初日が開演する。演劇界の重鎮が見守る中、光輝くアルディス役のマヤが登場し、観客からは溜息が。次に登場したオリゲルド役の亜弓の陰湿な演技に、場内は騒然となる。春の暖かさのマヤの演技と冷気漂う亜弓の演技がぶつかり合い…。

ガラスの仮面 27巻

マヤと亜弓、二人の舞台上での闘いは観客を釘付けにし、時間が経つことさえ忘れてしまう一幕が終了する。束の間の休息時間に観客はマヤと亜弓の演技を絶賛する。二幕が始まり、アルディス役のマヤとオリゲルド役の亜弓の迫真の演技は観客を巻き込み、息をすることさえ忘れて夢中となる時間が過ぎる。いよいよ舞台はクライマックスへと…。

ガラスの仮面 28巻

連日、大入り満員の「ふたりの王女」だが、気品ある美少女のイメージを大きく変えたオリゲルド役の亜弓の演技に評判が集中する。一方、亜弓や月影と共演できたことを楽しむマヤも人気で、ファンの間ではアルディス派とオリゲルド派に分かれ、話題が話題を呼ぶ。そんな頃、紫のバラの贈り主、大都芸能の若社長・速水に、義父が見合いをすることを命じるが、その相手とは!?

ガラスの仮面 29巻

数々のトラブルを起こし、5年間のブランクを余儀なくされた演劇界の鬼才、黒沼龍三の再起を懸ける舞台の主役は、狼として育った野性の少女ジェーン。黒沼が探しあてた狼少女ジェーン役はマヤだった。数多のオファーを断って狼少女ジェーン役を選んだマヤは狼に成りきろうと努力する。その狼少女の相手役スチュワートを演じるのは、なんと桜小路…。

ガラスの仮面 30巻

大都芸能若社長・速水に恋人という記事に目を奪われるマヤ。そのマヤは狼少女ジェーンに成りきるため稽古を重ね、相手役の桜小路との仲は急速に縮まる。ある日、紫のバラの贈り主から超一流の化粧品一式がマヤに届く。お礼が言いたくてマヤは紫のバラの代理人・聖と会い、別れた聖を追いかけて入ったビルで速水と遭遇。驚くマヤは速水に恋人のことを聞くが…。