これは妖精や魔物がまだ人間のすぐそばに住んでいた頃の物語――。王位継承のために「王子」として育てられたセブランは、本当は巻き毛の凛々(りり)しい女の子。いつの日か幸せを運ぶ神馬・ヘンデク=アトラタンに乗ることを夢見て、輝かしい青春を過ごしている。ところが、ひそかに王位略奪を狙う叔父・ダロスが、王子の秘密を明かそうと暗躍しはじめて……。「白馬の王子様」冒険譚の大傑作!長編ファンタジック・コメディ、第1巻。
吉祥天女
麻井由似子と同じクラスに転校してきた、謎の少女・叶小夜子。その日から、小夜子をめぐって学園は様々な事件が起こる。そして、転入先の高校には叶家の財をねらう遠野家の暁と涼がいた。陰謀渦巻くこの街で、小夜子の領域を侵す者が次々に死んでゆく…。美貌とあやしい魅力で人を引きつける小夜子とは!?本格ミステリアス・ロマン!!
東京・世田谷に広大な屋敷を構える豪徳寺(ごうとくじ)家は、ウルトラスーパーお金持ち!しかし、世の中には、どんなにお金があっても手にはいらないものがある……。お手伝いとして働きはじめた狛江百合(こまえ・ゆり)が足を踏み入れたのは、運転手以外は絶対の男子禁制、女ばかり9人が住まう女だけの城だった……。生活が桁外れなら、恋はもっと桁外れ。読み出したら止まらないノンストップ・コメディー!
腕っ節は天下一品、冷静沈着・篠北礼子と江戸っ子姉ご肌・矢島順子。彼女たちは千代田一の名門校、三葉学園の理事長から風紀を乱す「関東番長連合」の一掃をしてほしいとの依頼を受ける。しかし転入したやじきたコンビを待ち受けていたのは番長連合だけでなく、裏に潜む謎の影だった…。総長の徳也雪也、謎の従者・各雲斎小鉄、八丁堀の大門、四天王の一人・緑川、青菱の菊千代、そして姿の見えない葵上総介。個性派キャラクターが繰り広げる学園捕物帳第一巻、ここに見参!!
どっきりドクター
白ばらクリニックの院長・錦小路はるか先生は、すぐとなりにある七星中学校の校医も兼任。だから、生徒たちは、保健室のように、出たり入ったり。そして、もう1人。看護師のみゆきちゃん。しっかり者で、おまけに可愛らしくて色っぽい。だが、なぜか、はるか先生のフィアンセ。といっても、2人は、まだまだプラトニックな間柄――。さて、エッチでスケベ…… 天才か奇人か、はたまた珍発明家か…… とんとわからぬ、はるか先生の活躍譚・第1巻登場!
らんぽう
不思議少年・らんぽうと個性的な仲間達が繰り広げるハチャメチャな騒動を描いた不条理ギャグコメディ。授業中にネズミのチュー太郎とおしゃべりして、角丸(かくまる)先生に叱られたらんぽう。実は1カ月前は優等生だったらんぽうは、謎のUFOの内部に連れて行かれた事で、以前とは違う新しいらんぽうにされてしまったのだ。もしかしたら宇宙人かもしれないらんぽうに興味を持つ女学生・むつみは、彼の後をつけて……!?
結婚ゲーム
司大輔は平凡な15歳の高校1年生。親元を離れ、マンションで一人暮らしをしている。しかし、父親の命令で突然結婚することに!しかも、その花嫁が高校の担任の夢子先生!学校では生徒と先生で、家庭では夫と妻の間柄。美人でグラマーな夢子先生はみんなの人気者。バレたら大変……大輔と夢子のハラハラドキドキの新婚生活がはじまった!!
F1マシンの設計を夢見る風見潤は、チューニングショップ「メカドック」で働く敏腕チューナー!でもいい車を見るとついつい客の注文以上にやりすぎてしまうことも…。おかげで「メカドック」は赤字続きで、経理担当の中村一路から大目玉を喰らう毎日。でも全ては車が好きだからこそ!!楽しい仲間と車に囲まれて、「メカドック」は今日も絶好調営業中!!
薬屋・式亭正舗で扱う化粧品は、大店の女将から町娘まで、江戸の女性たちに大人気。若旦那の式亭小三馬は、江戸で一番の腕利きの化粧師(けわいし)だ。化粧で女性を美しく飾るだけでなく、江戸文化の表も裏も艶やかに華やかに演出する!しかしその手法はなんと、現代の広告業界にも通じる斬新なものだった!?1983年から1984年に「ビッグコミック」で連載された、石ノ森章太郎らしさ満載の大江戸ビジネス時代劇!
青の戦士
仕掛けられた運命の巨大な針が、刻一刻、不吉な合致点に間合いを詰めていた――青の戦士の四角いジャングルに閉じ込めるには、あまりにも神秘的な氷の炎は燃えさかる……。
野望の王国
東大法学部の学生にして、神奈川県最大の暴力組織・橘組の組長・橘征蔵の妾腹の子である橘征五郎は、暴力による日本制覇という恐るべき野望を抱いていた。その思想に深く共鳴した片岡仁とともに、野望実現のために動き出した彼らの前には、征五郎が敬愛する兄であり、最大の敵となる橘征二郎がいた…!!(NICHIBUNCOMICSを3分冊しています)
吉田秋生作品何を読もうかな〜と思って選んだのがこれ。全4巻だし、なにより日本画みたいな絵がいいなと思って買ったんだけど想像以上にメチャクチャ良かった。 主人公たちメインキャラクターが80年代の高校生っていう設定が、そもそもなんとも言えない良さがある。小説家だと“ノスタルジーの魔術師”こと恩田陸先生大好きマンなのでぶっ刺さりました。 また、地元じゃ知られた2つの名家の財をめぐる争いに、女子高生である主人公の結婚が大きく絡んでいる……という古今東西で愛されている泥沼設定が物語の主軸なのがまた堪らない。 そして何より主人公である小夜子が、「女」という存在の光と影のその全てを背負わされた超越的存在で恐ろしく、こんなキャラクターを生み出した吉田秋生という作者にまで畏怖してしまう。 「女であるということが ときにどれほどの屈辱をもたらすのか あなたたち男にはわからないでしょうね…」という台詞が頭にこびりついた。 小夜子のように自分を取り巻く全てのことを呪いたくなっても…そこには由似子やその兄、そして涼のような人物がいるということを忘れないでいたい。