漫画を愛する塩澤さん
東京の街で文鳥と暮らす、漫画編集者の塩澤さん。 塩澤さんという男がどんな人間なのか、本文に滲み出ている。 文鳥と敬語で会話。物は多いが整理された部屋。深々と丁寧にお辞儀。文房具全てに名前シール。横断歩道では手を挙げて。待ち合わせには1時間前到着。 そんな塩澤さんは、どれほど真摯に仕事に向き合ってここまできたのだろう。そんな中、仕事を辞めた。 この先、愛する漫画とどのように向き合っていくのか。 塩澤さんの新しい生活が始まる。
大手出版社を早期退職した漫画編集者の塩澤。理想の漫画誌を作るため、自分が信じる漫画家たちを訪ね、執筆を依頼する。漫画を描く者、描かぬ者、描けぬ者、東京の空の下、それぞれの人生が交差する。
電車通勤の場合、距離によってとんでもなく長い時間電車に滞在していることが恐ろしい。30年務めた会社から見放される気持ち。そこまで長年勤めたことはないけどきっと万人がわかる気持ちでは。塩澤さんの哀愁漂う優しさに展開が気になります。