セミリンガルの少女が宇宙飛行士を目指すはなし
※ネタバレを含むクチコミです。
真壁純平19歳。生涯きっと、忘れられない女に出逢ってしまった! 大学入試会場でカンニング女を目撃した純平は、口止めがわりにホテルへ連れられ、童貞を失う。罪悪感を抱えたまま入学すると、隣の席に超イイ女に変身した、その女が現れて…!? ――80’sラブ&ポップ! 携帯もメールもなかったあの頃、僕たちの恋愛は不器用だけれど、ピュアだった…。『週刊ビッグコミックスピリッツ』誌上で大人気を博した、キャンパス恋愛グラフィティの第1巻!
そんなファンタジーみたいな学生生活を送った人には特に刺さるんではないでしょうか。私にはありませんでしたが。。
最初は単なるラブコメかと思っていたけど、後半の就活のあたりはかなりリアリティのある群像劇で、モラトリアムから大人になっていく過程でのヒリヒリした人間関係が面白くて一気に読んでしまった。物語の舞台は現在にありつつ、なんでこんなことになってしまったのかを思い出しながら進む構造も効いている。
自分の記憶ではこれが描かれた2003年前後に一度80年代のリバイバルがあり、2016年くらいからまた80年代の波が来ている(今度は世界的に広がりつつ、90年代にスライドしてる感もあるが)。しかしいま80年代を振り返ることと、20年前に80年代を振り返るのは、同じように見えて決定的に違うんだな、ということを震災や新型コロナ、働き方改革や#MeToo運動などを経験して思う。