アルファさんの「時間」の過ごし方
今更ではあるけど電子書籍で買い直したので。 日本のようでどこかアメリカみたいな舞台。 時代はきっとだいぶ先で、地盤が動いて色々と変わってしまっている(日本だとしたら)けど、そんな中でマスターを待ちながら喫茶店を運営しているアンドロイド、アルファさんの物語。 久しぶりに1巻読むと可愛くて仕方ない。。。 読み返す価値が高いスルメ作品だと思います。 彼女のようなアンドロイド達をそのまま残して人間たちは老いていく。 そんなちょっと侘しさがある前提となった名作。
お祭りのようだった世の中がゆっくりと落ち着き、のちに“夕凪(ゆうなぎ)の時代”と呼ばれる近未来の日本。人型ロボット・アルファは、喫茶店『カフェ・アルファ』を営みながら、オーナーを待ち続ける――。アフタヌーン本誌で12年もの間、読者の支持を集め続けた異色のてろてろSFコミック。
特に何もなければ、私はあと30年かそこらは生きられると思います。でも死ぬ前ってどう生きればいいんでしょう。よく田舎でゆっくりなんて聞きますが、田舎の不便さは重々承知している私はパス。便利な都会もいいんだけど、かといってコンクリに囲まれて生きるのもなあ。だったら、文明は進化して環境だけ自然に戻れないか。なんてジジくさい考えなんですが、ある意味その理想形がこの作品です。主人公はロボットのアルファで、この辺が近未来。世の中は落ち着いてむしろ終末観を漂わせる様相。そこで人々はのんびり生きている。アルファは旅に出たオーナーを待ちながら喫茶店を切り盛りし、仲良しのタカヒロの成長を見守って過ごす。そこには人間と同じ時間の流れを共有できない、ロボットであるが故の悲哀も描かれるののですけど、私はこうして自分と関係ない、日々の流れを見続けるのも悪くない気がします。そんなゆったりした話だからこそ、サラリーマンに人気があるのかも(私の知人調べ)。仕事に疲れた時などは癒される作品だと思いますよ。