月はワ○ミも裸足で逃げ出すレベルのブラック労働環境だった!?

「月ではみんなあま~い樹液を吸っていたが、自分は下っ端だったので木の皮をかじっていた」
「睡眠15分交代制で餅をついていた」

などメルヘンで可愛いオブラートにまったく包み切れてないヤバさ。にも拘わらずそれに疑問を持つどころ地球の社畜がドン引きするほどのブラック労働を押し売りしていく。可愛いやら可哀相やら、アホな動物がのたうち回る動画を見て癒される感覚?
あざとい可愛いけどどこか"ブラック"ジョークの効いた味わい深い漫画。

月はワ○ミも裸足で逃げ出すレベルのブラック労働環境だった!?

「月ではみんなあま~い樹液...
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ウサギ目社畜科

カワイイの向こう側に透けるブラックさとキモさ(いい意味)

ウサギ目社畜科 藤沢カミヤ
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

まず、めっちゃカワイイ。 それは何を置いても第一に来る。 月での異常な労働環境で働いてきたがリストラになり地球に来たふわみ。 この表紙のピンクの髪のうさみみのカワイイ生き物がふわみである。 部屋に転がり込んできて居候するという伝統的なドラえもんスタイルから始まるが、ブラックすぎる環境にいたせいか、不憫すぎるほどに従順で一生懸命で身も心も過剰に社畜だ。 なぜなら働かないと、溶ける。物理的に、身体が。 普通に不憫だとただかわいそうに・・となるが、ここまでくると超カワイイ。 不憫カワイイ。 社畜力53万と言われてもおかしくないくらいに価値観の違う社畜で完全に異文化交流だ。 世紀の発見である月の住人に部屋の掃除をさせご飯を作らせる。 しかも本人はそれを至上の喜びと捉え感謝している。 こんなの狂ってる! でもカワイイのだ。 だからオールオッケー。 社畜とは何か、その行き過ぎた行為の現代社会の闇の一端に触れたような触れてないような、そんな気になった。 もしかしたら働きすぎな現代人への警鐘をカワイさに包んで鳴らしてくれているのかもしれない。 個人的には、体の一部が大きくあるキモさとデフォルメされたへたったウサギっぽいところが好きです。

MA・MA・Match

映画『怪物』みたいな構成の話だった

MA・MA・Match
mampuku
mampuku

いい意味で誤解や異説の飛び交いそうな、多層構造のストーリーだったように思う。 主人公の一人である芦原(母)は、生意気な息子とモラハラ夫を見返すべく、息子の得意なサッカーで勝負を挑む。 前半は、ママさんたちが友情や努力によって青春を取り戻しながら、悪役(息子と夫)に挑むという物語で、この悪役というのがちょっとやり過ぎなくらいのヘイトタンクっぷりなのだ。その場限りのヘイトを買うキャラクターは、ヒーロー役の株を上げるための装置として少女漫画では常套手段だ。だが『マ・マ・マッチ』はそういう物語ではないため、話はここで終わらない。 後半は時を遡り、息子と夫の目線で描かれ直す。母目線ではイヤ〜な輩にしか映らなかった彼らにも彼らの言い分や考えがあったのだと明かされる。 真っ先に私が思い出したのが、是枝監督の映画『怪物』の主人公の一人、安藤サクラさん演じるシングルマザーの早織である。 息子が教師に暴力を振るわれたことに抗議するため学校に乗り込むも学校側からぞんざいな対応をされ不信感を募らせる早織。その後教師や子供など、さまざまな視点が映し出されることでやがて全体観が像を結ぶ。 『マ・マ・マッチ』でも、後半部分を読んだあとに最初から読み返すと些か感想が変わる。息子や夫がイヤな奴らとして描かれているのは確かだが、先入観によって印象が悪化していたのも事実だ。なにより、序盤に出てくる夫のコマは母を嘲弄するような不快なものだったが、そもそもこれは芦原母の回想であり主観だ。その後実際に登場する夫は彼女と衝突こそすれ至って真面目だ。 つまり、それぞれの立場から不満を抱いたり譲れない部分でぶつかり合いながら、逐一仲直りしたり折り合いをつけているのだ、という話に畢竟見えなくもない。悪者退治という少女漫画にありがちなフォーマットで導入を描いて入り込みやすくしておいて、後半の考えさせる話でモヤモヤさせる。末次由紀先生、さすがの巨匠っぷりを見せつけた怪作だ。

テセウスの船

どちらかというと『テセウスの船』というより『動的平衡』じゃない?

テセウスの船
mampuku
mampuku

時間遡行をして人生をやり直したとしたら、それは本当に同一の自分といえるのか?という問いを有名なパラドックス「テセウスの船」になぞらえたタイトルだ。 ストーリーに関しては論理的整合性や感情的整合性においてやや粗い部分も感じられたもののサスペンスとして緊張感もあり、ラストは新海誠監督『君の名は。』のような美しい締め方だったし概ね面白かった。 ただ、タイトル『テセウスの船』がイマイチストーリーにハマっていない感じがした。 どちらかといえば「動的平衡」のほうが比喩としてしっくりくるのではないだろうか。 「動的平衡」とはシェーンハイマーの提唱した概念であり、日本では福岡伸一氏による著書『生物と無生物のあいだ』『動的平衡』で有名になった言葉である。“生命”とは、取り込まれ代謝されていく物質、生まれ変わり続ける細胞どうしの相互作用によって現れる“現象”である、という考え方だ。 主人公の田村心は生まれる前の過去に遡り、そこで巻き起こる惨劇を阻止することで、その惨劇により自身に降りかかった不幸な運命を変えようと奮闘する。作品では、過去を改変して自らの人生を曲げようとする一連の試みをテセウスの船にたとえているが、やはりピンとこない。作中、田村心は殺人事件を未然に防ぐため凶器となった薬物を隠したり被害者に避難を呼びかけたりするが、その影響で心の知る未来とは異なる人物が命を落としたり、結果的に大量殺人を防げなかったばかりか予想だにしなかった事態を招くことになる。 この予測不可能性こそがまさに動的平衡そのものって感じなのだ。生命体は、船の部品のように壊れた部分を取り替えれば前と変わらず機能する、ということにはならない。ある重要なホルモンの分泌に作用する細胞を、遺伝子操作によってあらかじめ削除してしまったとしても、ほかの細胞がそのポジションを埋めることがある。これは心が殺人事件の阻止に何度も失敗したことに似ている。思わぬ不運や予想しない死者が出てしまったのも、脚のツボを押すと胃腸の働きが改善するなどの神経細胞の複雑さに似ている。 船は組み立てて積み上げれば完成するが、生命は時間という大きな流れの中で分子同士が複雑に相互作用しあうことで初めて現象する。『テセウスの船』での田村心の試みは人生あるいは歴史という動的平衡に翻弄されながらも抗う物語だったのかもしれない。

うさぎもくしゃちくか
ウサギ目社畜科(1)
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マゴロボ

マゴロボ

この世に不可解なことなんて…きっと、ない!カミヤワールド全開!笑って笑ってじ〜んとできる。タイムスリップSF読切32P(月刊!スピリッツ2023年11月号)

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メゾン・ド・ねこ

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かわいい、ほほえましい、奥が深い……ねこ漫画とイラストの「集合住宅」。描いた人は有永イネ、大川ぶくぶ、今日マチ子、黒田硫黄、コンノトヒロ、櫻井エネルギー、桜井のりお、左藤真通&市丸いろは、真造圭吾、高浜寛、竹内佐千子、たむらあやこ、土塚理弘、中川いさみ、ひぐちにちほ、深谷かほる、藤沢カミヤ、松本救助、やまだないと、横山キムチ、はらだ(イラスト)。『夜廻り猫』単行本未収録のカラーイラスト掲載。

星色ガールドロップコミックアンソロジー

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カバーイラスト:ぽよよんろっく  イラスト:梅木葵 樋上いたる 横槍メンゴ コミック:今井哲也 かふん 小池定路 ハトポポコ 平尾アウリ ふぁっ熊 bkub 藤沢カミヤ 縁山 みずのもと 雪子 リヨ ロマンシング阿部★単行本カバー下画像収録★

ラーメン大好き小泉さん公式アンソロジー

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うめともものふつうの暮らし

うめともものふつうの暮らし

ねこっぽい姉妹のうめともも。食べて、寝て、ときどき働いて。なんでもない日々をつみかさねて、楽しく生きています。「ねこのこはな」「ウサギ目社畜科」の藤沢カミヤが紡ぐまったりショート。電子書籍限定で連載時のカラーページを全収録するほか、投稿イラストギャラリーもカラーでお届け!応援店共通の描き下ろし特典ペーパーを収録しております!★単行本カバー下画像収録★

おとりよせっていいな。

おとりよせっていいな。

「みのりと100人のお嬢様」や「ウサギ目社畜科」などで知られる漫画家・藤沢カミヤがコミックエッセイに初挑戦。テーマは、「おとりよせ」!! 自らおとりよせ&実食した、“見て楽しい食べておいしい”至極のおとりよせ28選が単行本化。「贈り物に喜ばれる“映え”スイーツ」から「パーティーシーンで大盛り上がりの巨大バウムクーヘン」まで、さまざまなシーンで役に立つおとりよせが盛りだくさんで大満足の一冊です。

ガレット

ガレット

2017年2月創刊「百合コミック誌ガレット」マンガ、イラスト、写真など様々なジャンルの百合を集めた自主制作百合コミック誌です。『ガレット』創刊号- デザートにもメインにも。そんな美味しく甘い百合 -表紙・pen連載巻頭カラー・橘田いずみ+百乃モト「リバティ」センターカラー・寄田みゆき「ピリアーとエロスのあいだ」・袴田めら「ふわふわ・ふたしか・夢みたい」短期連載・竹宮ジン「八重桜シンパシー」・やとさきはる「二人のアルカディア」・浜野りんご「CottonCandy」読み切り・明日部結衣「あのこの花が欲しい」・天野しゅにんた「冬馬くん」・宇野ジニア「もくようび」・大朋めがね「視線」・菅田うり「ゆるりふわり~ゆめのなか~」・四ツ原フリコ「セックスしないと出られない百合」PHOTO・高橋みのりILLUSTRATION・数佳スペシャルゲスト・陽デザイン・Blankieいとう・ミズアコ

ねこのこはな

ねこのこはな

ねこはだいたい二足歩行!超オーソドックスなねこ、こはなは二足歩行で人語を解し、ささかまやクッキーが大好き。セーラー服を着ているようにも見えますが、多分これが地毛のようです。頭がやや大きいのでバランスは悪いですし、食い意地も張ってますが、基本いいこねこです。飼い主あっちゃんや、ボロアパート星雲荘の変な住人達とこはなの、ほんのわずかドラマチックで、結構ささかまな日々。

なぎさ食堂

なぎさ食堂

料理上手で食べることをこよなく愛する女子高生、栗原なぎさ。お友達のかなちゃんとちーちゃんを自宅に招いて、今日も元気に”なぎさ食堂”開店です!甘いものからしょっぱいものまで、四季折々の食卓にあなたを誘います…♪

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