TVアニメ放送中!『アリスと蔵六』原作者・今井哲也インタビュー | ダ・ヴィンチニュース
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不思議な力を持つ少女×頑固じいさんの物語『アリスと蔵六』が今、大きな注目を集めている。2013年に文化庁メディア芸術祭マンガ部門新人賞を獲得した超実力派作品で、この4月にはTVアニメもスタートした。SFで、家族と愛の物語。ストーリーが進むごとに、その世界観は魅力を増す。創作の秘密を、作者・今井哲也さんにインタビュー! ★インタビュー全文は雑誌『ダ・ヴィンチ』5月号(4/6発売)に掲載されます。
『ぼくらのよあけ』アニメ化で話題、『アリスと蔵六』連載中の今井哲也先生はアフタヌーン四季賞出身で、2005年にこの『トラベラー』で大賞を受賞されてから2008年にアニメ制作高校生マンガ『ハックス!』で連載デビューとなります。私は当時この『トラベラー』で注目し、『ハックス!』をリアルタイムで追っていた今井哲也ファンです。 四季賞審査委員のかわぐちかいじ先生が「憎らしいほど上手い!!」とプロ目線で絶賛されるのを、その通りやなぁ……と思いながら、素人の感想として「将来のために今を大事にしなきゃ」と、心の底から思ったものでした。 バンドも好調、彼女ともラブラブな高校生が、とある地震観測実験の不測の事態に巻き込まれる。気がつくと4ヶ月後。バンドは解散、彼女とは別れていた……という物語。どうやらタイムリープを起こしたようで、元の時間に戻る事を目指しつつ、そればかりではいられなくなる。 物語のキモは、この世界に自分は「一人しかいない」事。 タイムリープというとその世界に自分が「二人」いるパターンもありますが、ここではそうではない。必然的にこの時間軸で「自分が」やってきた事を、彼は全て被る事になる。 ちょっとした綻び、無気力、あるいは抗えない運命……きっかけは些細なものでも、状況は雪だるま式に大きくなり、そのうち自分では動かせなくなる、そんな恐ろしさがここにはあります。 別の「自分」が招いた事態に、誠実に対応する主人公が切ない。彼を見ながら、一時の負の感情に身を任せて全てをぶち壊しにする恐ろしさを、私は切実に感じたのでした。 最後のバンド演奏シーンと(元)彼女のビンタと共に、心に痛みの残る作品でした。