痩我慢の説
手をふって、いい気分で、進まねばならぬ。苦しんで生き生きと暮らすのだ── 冴えない中年医師と天真爛漫な姪。去りし日の苦味と若さのきらめきをともに祝福する ささやかで確かな人生讃歌。『太陽の季節』と芥川賞を競い、敗れた無冠の傑作が 稀代の劇画家ののびやかな筆致を得て、今ふたたび輝く!! トーチweb連載時から話題沸騰! 俊英・川勝徳重による傑作長編!
女子だけ使える変な超能力〈無用力〉に振り回される 感情ごちゃまぜの青春タイフーンストーリー。トーチwebでスタートした待望の2年生編、ついに単行本化! 「1年」に登場した生徒はもちろん、新キャラも登場。あのクラスメイトに、また会える!! 「座席表」と「無用力者メモ」も収録!
バトル少年カズヤ
地球のメンズに飽きて異星人と駆け落ちをするという奔放すぎる母親を探すため広大な宇宙へと飛び出したカズヤを待ち受けるハプニングの数々を毒っ気たっぷりに描いたスペースビクトリーサーガ。4年半にわたりオモコロで連載されたすべての原稿に加え、単行本でしか読めない描き下ろし&おまけ要素をふんだんに盛り込んだ大満足の452ページ!!
水の剣 火の刀
刀鍛冶であった父が、非業の死を遂げる。そして、16歳の少女・お涼は。父の仇を討つため江戸へと舞い戻ってきた。幕末の動乱に乗じ荒稼ぎを企む刀商人や、亡き父の師匠・沢渡秋水たちとの関わりの中で、少女は人を斬るだけではない刀の本質、その本来の美しさや精神性を学び、刀鍛冶としてさらなる成長を遂げていく。切れ味抜群で、でも斬れない刀とは――至高の一振りを目指し刀鍛冶・お涼が鎚を振るう!!
美と実用の究極・日本刀
劇画座招待席
アメリカ最高首脳の一人が、サウジアラビアでテロリスト集団に誘拐された。その首脳救助の為、南条(キャノンボール)ほか4名が、幽閉されている“オウムの館”へ向かう。テロリスト集団は5千万ドルの身代金の期限をあと2日ときってきた。急がねばならない南条たち。だが裏切り者がいた!!表題作「キャノンボール奴らの戦場」の他、時代劇画「死臭颪」を収録!※本作はSPコミックス『奴らの戦場』と同一の内容です。重複していることをご了承のうえお楽しみください。
そば屋幻庵
お江戸の町は新橋辺り、柳の下でほのかに灯る、担ぎ屋台の掛行灯。夢まぼろしの如き神出鬼没の蕎麦屋台、人呼んでその名も「幻庵」―――勘定方の重職をあっさり捨てて、早々に隠居した元旗本・牧野玄太郎。第二の人生と思い定め、身魂こめて「蕎麦作り」に打ち込む屋台には、今日も千客万来、十人十色の面々が、十人十色の問題を抱えて訪れる。蕎麦作りを極めんと切磋琢磨する元旗本の[人助け蕎麦打ち人生」!!
龍子 RYUKO
フランス、イタリア、ドイツ、イギリス、アメリカ、スペイン、アルゼンチン、台湾、セルビア、コロンビア、メキシコ…デビュー作にして世界各国で次々出版、新時代のハードボイルド・ノワール・アクション「龍子 RYUKO」。今、満を持して日本凱旋! 血と硝煙の匂いに満ちた、中東の王国・フルセーヤ。「黒龍会」組長の龍子は黒海へと勢力を拡大する中、幼い頃に亡くした母の死の真相を告げられる。深まる謎は因果の果てに。それぞれの善、それぞれの悪。修羅の舞台は日本・横浜へ――。血墨飛び散る、オール・アナログ・プロセス。怒涛の筆致で紡ぎ出される、“愛”そして“義”をめぐる親と子の物語。[収録話] 第一章 父娘 第二章 砂の雨 第三章 夜光虫 第四章 古傷 前編 第四章 古傷 後編 第五章 遺恨 第六章 三つ巴
ある日突然夫が透明になってしまった。 見えなくなった身体がもたらしたものとは…。 不確かな気持ちにそっと触れる読切38p
小川しらす、鮮烈デビュー。心震える読切54P。 本田あみかは高校生。毎日マキシのポテトを食べている。 クラスメイトはたくさんお喋りしてるのに、あみかはあまり喋らない。 いつからうまく話すことができなくなったんだろう。 日々はポテトみたいにしょっぱくてあたたかいものかもしれない。 そしてたぶん、誰かと一緒に食べるからおいしいんだ。
構造を撃て!! 「抵抗」はYouTube動画(2分36秒)から動画から始まった。近代都市の矛盾を撃ち、変革の予兆を高らかに謳いあげる衝撃の劇画集。クラシックにしてアヴァンギャルド。新時代のリアリズムを鮮烈に指し示した『電話・睡眠・音楽』から3年。漫画表現の最前衛を更新する超待望の最新作品集。【収録作】 野豚物語 犬泥棒 リヤドロの置物 美しいひと 換気扇 多重露光 ロイコクロリディウムの恐怖
第1回トーチ漫画賞【大賞】作品! 平成30年の愛知県、26歳の牛乳配達員。 戻りたくないけど懐かしい日々の記録。 自分とは全く違う生活をマンガで追体験してみませんか?
十九歳の若き柔術家・柳勘九郎は父の遺訓である「打倒・講道館柔道」を胸に上京する。文明開化に揺れる東京の街。青春の彷徨。理不尽と不条理、矛盾と欲望ー男の胸を、誰が知る。学生運動の嵐吹き荒る1970年代、右も左も読んでいた―― 「今」を生きる全ての人に。バロン吉元の最高傑作が蘇る。●雑誌掲載時のカラーページを再現。画業60周年記念 新装・新編集版 『柔侠伝』の連載開始と共に幕を開けた1970年代。同作の誕生から半世紀となる2020年を目前に控え、リアルタイムで連載を読んでいた鈴木敏夫(スタジオジブリ・プロデューサー)は下記のように述べている。「自分のベッドの傍に置いてある本の中で、漫画はバロンさんの作品だけです。自分の生きるスタンスをどこに置くべきか悩んだ時期に『柔侠伝』に描かれている生き方が大きなヒントになりました。ヤクザも学生も夜の女たちも、皆が同じ空気を吸っている。世界が分断されていない。その中で主人公が見せるリアルな明るさというのは、『前向き』というのとは違って、いつも『今、ここに生きている』姿です」 作中では理不尽と不条理の渦巻く社会の矛盾が色濃く描かれる。その中で主人公の柳勘九郎は、時に信念を貫き、時に揺らぎながら生きていく。多情多感、義侠心の強い彼の精神はバロン吉元の美学に基づいたもので、学生運動の盛んであった連載当時「右も左も、真ん中も読んでいた」と評される本作。そこに描かれる個性豊かな人々の生き様は、70年代を代表するヒット作品として多くの読者の共感を得、その人生観に多大な影響を与えてきた。日本を取り巻く情勢や、暮らし、流行など、様々な様式は当時と現代とでは大きく異なる。しかし、多くの人が生きることに困難を感じ、先の見通しが立てられない現代においてこそ、主人公・柳勘九郎が魅せる「今、ここに生きている」姿は更に輝きを放つ。今、この時代に新装版として蘇った本作は、単なるノスタルジアではなく、“平成のその先”を手探りで迎えようとしている我々にとって「新たな出発点」となり、同時に世代を越えた「回帰点」となるだろう。本作が多くの人にとって頼もしい道しるべとなり希望の灯となることを願う。
※ネタバレを含むクチコミです。