こんにちは、マンバ通信編集部です。
このサイトで連載中の翻訳家 原正人さんが翻訳を担当されたバンドデシネ作品『見えない違い 私はアスペルガー』はご存じでしょうか?
本作はアスペルガー症候群の女性の実体験をマンガ化した作品で、日常生活や人間関係の中で生きづらさを感じつつ暮らしていた20代後半の主人公が、アスペルガー症候群と診断されることで、自分自身を肯定し前向きに生きるようになるまでの変化を描いたお話です。
この作品、アスペルガー当事者による原作ということで、アスペルガー症候群の特質とそれに対して自分自身が戸惑う場面がとても細かに描かれています。
読み進めていくと、アスペルガー症候群の特性のなかには「強いこだわりがある」「不器用でウソがつけない」など、誰にあってもおかしくない例もあるんですよ。
そこをひとつずつ理解していくことで、これまで他人事としてぼんやりわかったつもりになっていたアスペルガー症候群の存在を、とても身近に感じることができるんです。
きっと偏見というのは、きちんと理解していないところから発生することも多いと思います。そこをクリアにするためにもぜひ読んでほしい一冊です。
また、自閉症やアスペルガー症候群に該当しない人にも、生きるヒントとなる部分がこの本に隠されています。
それは、これまで周囲と上手くいかないことに対して思い悩んでいた主人公のマルグリットが、アスペルガー症候群の診断を受け、それを受け入れて前向きに生きると決意のタトゥーをいれたシーン。
これって自分の不得意な部分を欠点ではなく個性として受け入れるだけでも、気持ちがラクになって悩むのをやめることができる……ってことですよね。立ち止まって悩み続けるより今後どうすべきか前を向いて考える方が、未来はずっと楽しい。
フランス本国ではベストセラー作品として大反響を呼んだ本作は、2018年に日本語版を花伝社より出版され、今年の第22回文化庁メデイア芸術祭ではマンガ部門新人賞を受賞しました。
んで、ここから本題です。
この作品の二人の著者、ジュリ-・ダシェ(原作)とマドモワゼル・カロリーヌ(作画)が来日し、6月2日にアンスティチュ・フランセ東京のメディアテークにて講演会を開催します。もちろん、随時通訳つき! 講演後にはおふたりのサイン会も行うそうです。ちなみにイベントは定員30名限定、要予約制。
作者プロフィール
原作:ジュリー・ダシェ(Julie Dachez)
ナント在住の社会心理学博士。27歳のときにアスペルガー症候群と診断された。自身が運営するブログとYouTubeチャンネルは、累計で150万ビュー以上を誇る。現在、さまざまなメディアに出演し、講演活動を行なっている。他の著書に、『あなたの殻の中で──自閉症者の言葉に耳を傾けよう!(Dans ta bulle: Les autistes ont la parole: écoutons-les !)』がある。
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作画:マドモワゼル・カロリーヌ(Mademoiselle Caroline)
パリ生まれ、現在オート=サヴォワ県在住のイラストレーター、バンド・デシネ作家。
他の作品に、自伝的作品『パリを離れる(Quitter Paris)』、『私は月曜日に反ダイエットを始める(Je commence lundi, le régime anti-régime)』、三度にわたる鬱の体験を描いた『自由落下──深淵日記(Chute libre, carnets du gouffre)』、『妊娠って大変!(Enceinte ! C’est pas une mince affair)』や『BDで読むバカでもわかる結婚(Le Mariage pour les Nuls en BD)』、『ツーリスト(Touriste)』(作画、ジュリアン・ブラン=グラ原作)などがある。
作者のおふたりが同時に来日するなんて機会は早々ないことなので、ぜひこの機会をお見逃しなく〜〜。
【イベント情報】
「講演会 BD『見えない違い』の作家を迎えて」※サイン会あり
会場 アンスティチュ・フランセ東京 メディアテーク
日時 6月2日 (日) 16時〜17時30分
料金 入場無料/要予約 (定員 30名)
予約/お問合せ 03-5206-2560 又は、tokyo.mediatheque@institutfrancais.jp
見えない違い 私はアスペルガーのマンガ情報・クチコミ
見えない違い 私はアスペルガー/原正人,ジュリー・ダシェのマンガ情報・クチコミはマンバでチェック!「第22回文化庁メディア芸術祭マンガ部門」を受賞。