キラキラしても、しなくても
親友の恋。幼なじみに芽生えた感情。兄弟へのコンプレックス。素朴で痛くて愛おしい、これはドラマにも映画にもならない僕らの話。大人になる前の、柔くほろ苦い青春オムニバスストーリー上巻。
過去、小さな島で起こった悲劇を目撃し、体験をした結城美知夫(ゆうき・みちお)と賀来(がらい)神父。大人になってもそのときの悪夢を見続けるふたり。賀来は信仰に救いを求め、結城は復讐を誓い、当時の関係者を探し出しては残忍な殺人などをおこなっていく。賀来はそんな結城と神に背くような関係を続け葛藤するが、結城の前からは逃れられなかった……。手塚治虫がいままでのカラーを打ち破り、「ありとあらゆる悪」を描こうと挑戦をした異色作第1巻! <手塚治虫漫画全集収録巻数>手塚治虫漫画全集MT301~302『MW』第1~2巻収録 <初出掲載>1976年9月10日号~1978年1月25日号 ビッグコミック連載
50年輩の鈴木さんという男性は木枯らしの吹く寒い晩になると、かつて不慮の死を遂げた親友の事を思い出す。事の起こりは今から三十年以上も昔、鈴木さんと親友のシンヤ君が学校帰りの路地で出くわした一頭の犬だった。野良犬と化した大きなド―ベルマンが牙をむいて2人に近づいてくる。恐怖のあまり傍にあった板切れを振り回しけん制したところ、それが犬の額にぶつかってしまい、錆び釘が飛び出ていて犬の眉間に突き刺さってしまった。この時、シンヤ君は聞いてはいけない声を聞いてしまうのだが……。初出:オーディオブックCD 「実説 城谷怪談撰集 四」収録
●主な登場人物/奈々(フランス留学中の日本人学生。自分でも気付かぬうちに黒魔術にかけられていた)、ナワン・ナムギャル(プータン出身の僧侶で、伝統ダンスの名人。奈々が黒魔術にかけられていることを一目で見抜く)、イレーヌ・ベアール(自らを孫悟空と名乗る謎の少女。キリスト教会より“悪魔”の可能性があると認定される)、カンディド・アマンティーニ(バチカンの公式エクソシスト) ●あらすじ/自身にかけられた黒魔術をきっかけに、謎の若人・ナムギャルと知り合った奈々は、彼とともに世界各地に痕跡を残す“猿”の正体を追うことに。その過程で、自らを“孫悟空”だと名乗る少女と出会い…? ●本巻の特徴/いにしえより世界各地にその姿を現し、畏れられてきたモノ“猿”。そして現代、人類はその存亡を懸けて、“猿”と対峙することになる! 古今東西の神話・伝承などを網羅しつつ、誰も見たことのない世界を現出する、五十嵐大介渾身の単行本描きおろし作品!!