あらすじ

駿とシルフィードはついに世界最高峰のレース・凱旋門賞に挑むことになった。しかし、以前のレースでラシューバと接触し、シルフィードは左目を失明していた。他馬との接触を極度に恐れるシルフィードが勝利するためには、未経験の逃げしかない。駿は必死で特訓に励む。凱旋門賞まであと6日。駿とシルフィードの夢は叶うのか!?
風のシルフィード(1)

中学生の森川駿が暮らす牧場で、1頭の仔馬が誕生しようとしていた。母馬は桜花賞3着で、白い疾風とまで呼ばれたサザン。難産に苦しむサザンを駿は徹夜で看病するが、サザンは仔馬の命と引き換えに息をひきとってしまう。風のように速い馬になれ、という願いを込めてシルフィードと名付けられた仔馬と駿の、挑戦の物語が始まった!

風のシルフィード(2)

シルフィードには、「浅屈腱炎」という、競走馬としては致命的な欠陥があった。優秀な競走馬になる確率はゼロに等しい。しかし、駿はわずかな可能性に賭け、シルフィードを立派な競走馬に育てることを心に誓う。いつかシルフィードに乗って、ダービーに勝ちたい…!駿は騎手になることを夢見て、競馬学校の門をくぐった!

風のシルフィード(3)

母馬譲りの末脚で奇跡の走りを見せるシルフィードは、鬼の調教師・菊地に認められ、いよいよデビューすることに。レースは大接戦、追い上げるシルフィードは、ハナの差で初勝利をもぎ取った!しかし来週には、3億の値がつく名馬・マキシマムのデビューが決まっている。ライバルの出現に、どうなるシルフィード!?

風のシルフィード(4)

母馬譲りの末脚で「白い稲妻」の異名をとり、馬嫌いの弱点も克服して快進撃を続けているシルフィード。ついに朝日杯三歳ステークスに挑戦することに!三歳馬のチャンピオンを決めるビッグレースのプレッシャーは大きいが、絶対に負けられないレース。マキシマムにカザマゴールド、強敵揃いのレースにシルフィードは!?

風のシルフィード(5)

騎手試験に合格し、はれて騎手となった駿は、騎手デビュー戦で、逃げの名手・宇南を見事に差し切り、初勝利を収める。その後も駿は順調に好成績を重ね、実力を認められていく。そしてついに、念願のシルフィード初騎乗が決定した!しかし、気の緩みから事故を起こし、落馬恐怖症に陥ってしまった駿。駿の騎手生命は!?

風のシルフィード(6)

さつき賞に挑むシルフィードとベテラン騎手・谷村のコンビ。レースには、名馬マキシマムと天才ジョッキー・夕貴の黄金コンビも出場する。レースは大乱戦、予断を許さない試合展開となった。最後には谷村の執念でシルフィードが勝ったかのように見えたが、掲示にシルフィードの名が出ない…。これは一体どういうことなのか!?

風のシルフィード(7)

全治2ヵ月の鞍傷を負ったシルフィードは、特製の鞍をつけてダービートライアルに挑んだ。ハイペースのレース展開、文句なしの圧勝でダービーに勝ち名乗りをあげるシルフィード!しかし、まだ10勝しかしていない駿はダービーに出られない。駿以外を乗せて走る気がないシルフィードは、ダービーで戦うことができるのか!?

風のシルフィード(8)

駿のダービーへの出場が認められ、万全の体調で挑むシルフィード。しかし、駿が引き当てた枠順は22番枠。100メートルものハンデのある大外からのスタートとなった。でもここまで来たらやるしかない!接触を恐れない闘志で、最後は名馬・マキシマムとの一騎打ちとなったレース、勝敗は写真判定に。協議の結果、優勝は!?

風のシルフィード(9)

菊花賞最大の難所・魔の最終コーナーを攻略するべく、駿は新潟に遠征、菊花賞3勝騎手・河北と対戦する。河北の巧みな走りをヒントに、駿は攻略法を編み出し、菊花賞制覇へ大きな一歩を踏み出した。マキシマムとの再戦に闘志を燃やす駿の前に、新たなライバル・小蒼竜も出現。奇跡の末脚をも凌駕する、驚異の走りに駿は…!?

風のシルフィード(10)

菊花賞まであと10日。京都遠征中の駿は魔の最終コーナーを見事に攻略。好成績を収め、本番への足がかりをつかむ。レース前日、栗東トレセンに顔を揃えた三強馬は万全の仕上がり。はやくも火花が散る中、肝心の駿が減量の影響で衰弱しきっていた。迎えた当日は雨。駿とシルフィードは気合い充分、スタートの瞬間を待つ!

風のシルフィード(11)

雨の菊花賞、優勝を争うのは、シルフィードとマキシマムの2頭にしぼられた。勝負の鍵は魔の最終コーナーかと思われたが、泥に足をとられ易いという弱点を抱えたシルフィードのラストスパートに賭けた駿は、コースの荒れていない大外から勝負を挑む。最後の直線はダービーを彷彿とさせるデッドヒート。勝負の行方は…!?

風のシルフィード(12)

中山競馬場に大歓声がこだまする!続々と登場するのは、有馬記念にふさわしい顔ぶれだ。万全の仕上がりを見せるマキシマム。2段式ラストスパートで勝利を狙うシルフィード。そして、注目の天皇賞馬・ヒヌマボークはブリンカーを外した真の姿でレースに臨む。夢のオールスターレースが、いよいよ始まろうとしていた!

風のシルフィード(13)

1年を締めくくる夢のオールスターレース、有馬記念に出馬した駿とシルフィード。重心が後ろにあるという生まれついての弱点を抱えながらも、シルフィードは2段式ラストスパートで勝利を狙う!レース終盤、優勝候補は下馬評通りの3強馬にしぼられた。残り100メートルで先頭にたったシルフィード、試練の坂を制せるか!?

風のシルフィード(14)

シルフィードは休養のため森川牧場へ放牧され、駿は1人残される。ライバルを失い、目標を見いだせないでいる駿は、入厩したばかりのキュータの世話をまかせられた。ダメ馬のキュータに、駿は生まれたばかりのシルフィードを重ねる。どうしてもキュータをデビュー戦に勝たせたい!レースまで後4日、駿の願いは届くのか!?

風のシルフィード(15)

天皇賞への予選となる阪神大賞典は、長距離レースを何度も経験した騎手が顔を揃える難しいレースである。老獪なテクニックを有する騎手の出場するレースでは、馬の実力だけでは勝てない。レースを作ることに長けた、駆け引きの出来る騎手こそが勝敗を決める一戦なのだ。残り1000メートル、駿に差を埋める秘策はあるのか!?

風のシルフィード(16)

阪神大賞典を制した駿とシルフィードは、天皇賞への出走権を手にした。一方、圭吾はヒヌマボークと共に関東のトライアル、中山記念に出走。夕貴から課せられた2つのハンデを背負いながらも勝利を収め、騎手として大きく成長した。役者は揃った。過酷な長距離レースを制し、最強古馬の栄冠を手にするのは、果たしてどの馬か!?

風のシルフィード(17)

天皇賞終盤、シルフィードとヒヌマボークはデッドヒートを繰り広げる。勝負は2頭に絞られたかのように見えた。しかしその時、天皇賞が最後の試合となる吉原騎乗の、メタルガン号が飛び出てきた!勝負は分からなくなり、結果は写真判定。シルフィードの優勝が決まるも惜しみない拍手が吉原に送られた。天皇賞を制した駿、次は海外だ!

風のシルフィード(18)

浜野は、実力はあったが、汚い手を使われてレースに出たこともない新人騎手。育てた馬を神崎に横取りされ、いつも悔しい思いをしていた。駿は浜野を北海道に連れて行き、チャンスと自信を与える。しかし遠征先にも神崎が現れた!勝負は札幌記念、浜野は引退の決まったバロンにのって、神崎騎乗のハリーフラッシュに勝負を挑む!!

風のシルフィード(19)

海外競馬視察のため訪れたイギリスで、駿と潤は欧州最強古馬・ラシューバと出会った。英国ダービーを制したという走りはまさに王者の風格。その実力を目の当たりにした駿たちは愕然としてしまう。凱旋門賞制覇を成し遂げるにはあまりにも大きな壁。不安を胸に抱え、彼らは次なる訪問地、フランス・ドーヴィル競馬場へと向かった!

風のシルフィード(20)

ドーヴィル競馬場、駿とシルフィードはPRIXDEPOMONEに臨む!サラディンは駿たちを凱旋門賞前に徹底的につぶすため、同じレースに最強古馬・ラシューバをぶつけてきた。レース本番シルフィードは出遅れてしまう。おびえて本来の調子が出ないのだ。しかし観客の声援に調子を取り戻し、ぐんぐん巻き返すシルフィード。逆転勝利なるか!?

風のシルフィード(21)

ドーヴィル大賞典に出走したシルフィード。対抗馬はバルベス教授のかつての愛馬、リュミエールだった。意外な再会に喜ぶ教授だが、馬主に虐待されて育ったリュミエールは凶暴な馬と化していた。馬との絆を大切にしてきた駿にとって、その馬主の育成法は許せない。レースには勝ったものの、遂にリュミエールは骨折してしまう!

風のシルフィード(22)

駿とシルフィードはついに世界最高峰のレース・凱旋門賞に挑むことになった。しかし、以前のレースでラシューバと接触し、シルフィードは左目を失明していた。他馬との接触を極度に恐れるシルフィードが勝利するためには、未経験の逃げしかない。駿は必死で特訓に励む。凱旋門賞まであと6日。駿とシルフィードの夢は叶うのか!?

風のシルフィード(23)

ゲートが開いた瞬間、先頭に飛び出したシルフィードは、見えない恐怖と闘いながらも果敢にターフを駆けてゆく。駿とシルフィード、2人の闘志と、硬く結びついた絆は、片目が見えないというハンデをものともせず、フランスの地に奇跡を起こす!!凱旋門賞で駿とシルフィードは優勝を飾ったのだ。そんな折、駿はシルフィードの引退を決意する…!?