新着トピック
ネタバレ

この作品の原作である田原成貴氏は80年代のトップジョッキーの一人で、大胆不敵な騎乗と派手な言動、落馬事故以降は精彩を欠くも第一線で乗り続け、武豊の登場以前は天才の呼び声も高く愛された騎手と聞いている。
ただその派手さ通りに破天荒な人物であったらしく、現役時代もマスコミに発言を切り取られたり野放図な発言で度々問題を起こしており、引退後にも度々問題を起こし、最終的に不祥事で競馬界から追放された人物である。

そんな田原氏は騎手以外にも文筆業や漫画原作等、様々な分野に手を出しており、この作品は田原氏が手掛けた競馬漫画である。
ストーリーは主人公の平凡なダメジョッキーがまぐれでダービージョッキーとなったり初期はギャグ路線だが、徐々に人や馬との出会いを通じて成長、最後は自分自身の実力でダービージョッキーになるというもの。

自分は思いっきり時代がズレているので、当時どういう扱いだったのかは分からないが、後半からの騎手たちのドラマや技術論は流石トップジョッキーと言わせる物なのだが、一番この作品で恐ろしいのは序盤のギャグ部分だと思う。
武豊氏も漫画原作としてダービージョッキー等を手掛けているが、やはり騎手や競馬そのものの部分は熱いストーリーなのだけど、職業上書けても不思議じゃないと思えるのに、この作品のギャグはどんな騎手生活を送れば思いつくのか全く想像できないようなのばかりで、願掛けで怪しい幸運グッズや宗教に頼りまくるというのはギャンブルとしての競馬を考えると思いつく事もあるだろうけど、騎乗馬の営業の為にホモヤクザに尻を奪われかけるとか、何喰ったらそんなの思いつくのか分からないギャグにとにかく驚く。
みどりのマキバオーなんかもギャグは有るけど、そもそも本業漫画家でギャグ出身の作者と、あくまで本業騎手の作者の漫画原作でこんなギャグがポンポン出てくる序盤の方こそ田原氏が天才と呼ばれていた理由が何となく察せられる。
後半の騎乗技術や駆け引きやホースマンたちのドラマも見応えがあって、非常に面白いし、特にマスコミにある事ないこと書かれてしまって処分を受ける場面は経験者だけに真に迫ってるが、これもある意味描けて当然に思ってしまうのに、序盤のギャグはなぜ描けたのかさっぱり分からない。
自分はあくまでライトな競馬ファンに過ぎないが、騎手としての天才は間違いなく武豊だろうけど、この作品を読むと天才という言葉の意味を考えてしまう。

読みたい

武豊がどちらかというとクールな天才のイメージなら、
田原成貴はハイテンションな天才のイメージがある。
そのあたりが50歳を過ぎても騎手一本に徹してダービーを
制覇した武と、騎手時代からバンドのボーカルもやったり
早々に調教師になりながら漫画の原作もやったり
結局アウトサイダーな世界に行ってしまった田原との
違いだろうか。
だが考え方によっては天才らしいのは田原のほうだと思う。
投稿者様がおっしゃるとおりで、騎手にして競馬をコメディで
仕上げるセンスは普通じゃなかった。
もし笑いのセンスが足りなかったら、下手をしたら
騎手のクセに競馬を茶化しやがって、と批判の対象に
なっただけで漫画ファンからも競馬ファンからも
反感を買うだけで終わっていたかもしれないし。
そういうあやうい位置取りから漫画をスタートさせて
読者をひきつけながら徐々にペースをあげて
最後には見事に名作というゴールを駆け抜けたのだから
漫画原作者としても天才だった。

ただし、趣味としてバンドでやっていたボーカルは
かなり下手だったらしいし、
シネマに端役で出て披露した演技は大根だったが。

武豊氏の天才性が所謂職人型、漫画で言えば3月のライオンの宗谷名人とか、ドラえもんの出木杉君とするなら
田原氏の天才性は才能型・破天荒型というか、漫画で言えばクレしんのしんのすけとか、蒼天航路の曹操みたいに感じます。
もっとも現役時代はろくに知らないので、どうしても作品から感じる印象でしかないですが。

競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬
最高クラスに近いくらいの面白さ
競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 土田世紀 田原成貴
酒チャビン
酒チャビン
わたしが贔屓にしているマンガ家である土田先生と、元スタージョッキーである田原さんのタッグによる競馬マンガです。駄作のできようがありません。 前半4巻くらいまで一話完結のギャグものなのですが(しかもさすが土田先生のギャグは面白い)、後半にいくに従って、かなりレースの奥深いところまで描いてくる本格競馬マンガに変身していきます。 さすが元超一流ジョッキーの原作(というか監修)が入っているだけあって、必殺技などのファンタジー路線ではなく、徹底してリアルなスポーツとしての競馬が描かれており、読み応えたっぷりです。 出場している全ジョッキーの位置どりや、その時々で考えていることなどが、すごく丁寧に描写されており、競馬が好きな方はまず間違いなくどハマりすることができると思いますし、昨今のソシャゲブームで競馬を見始めたよって方も、深く競馬を知ることができるきっかけとなることは間違いないと思います。 そういった意味で、完全に☆5でいいマンガなのですが、一点、ちょっと特に後半ジメッぽさが過度になりすぎてしまっていて、そこが個人的な好みに合わなかったので、一応4にしておきました。ジメッとした部分は土田先生の持ち味でもありますし、それが熱さや感動につながることが多いのですが、本作品の終盤は少しメメしく写ってしまいました。個人の感想ですが、悪くいうつもりは本当になかったです。すいません。
イムリ
頭おかしくなるくらい圧倒的に壮大なSFファンタジー
イムリ
ピサ朗
ピサ朗
地球とは異なる惑星で暮らす、奴隷民族であるイコル、支配民族であるカーマ、そして先住民にしてタイトルのイムリ、これらの戦争が描かれていくのだが、 三民族それぞれの文化、いわゆる魔法に相当する技術、支配種族の権力闘争、逆転に次ぐ逆転が続く展開、とにかく徹底して「世界」のディテールが細かく濃い。 ハッキリ言ってこのディテールの細かさは間違いなく人を選ぶ。 巻末で登場人物紹介や用語解説が掲載されているが、独自用語で耳慣れない単語が多いもんだから、別ウインドウ表示か小冊子にして読みながら確認させてくれと言いたくなるし、世界設定の説明や大まかな登場人物紹介と序章に当たるストーリーに3巻を費やしていので、ストーリーが動き出すまでも遅く、正直序盤はじれったい。 しかしほとんど説明なのにめちゃくちゃ中身が濃いし、後から見るとこれでも足りないくらいで、スケールのデカさに戦慄する。 最低3巻読まないと殆どストーリーが動かないという展開の遅さなのに、一度物語が動き始めてからは息をもつかせぬ急展開の連続で、疲労感すら漂う重い展開の嵐だが、ある種の絶叫マシンに乗ったような気持ちよさもあり、それぞれの戦いの方法も見応えがあり、胸を打つ場面も多い。 序盤の展開の遅さとオリジナリティの高さ故の入りにくさはあるが、描かれていく世界史と陰謀、英雄譚に和平は非常に読みごたえがあり、間違いなくハマれる人はハマれるタイプの作品。
ダンピアのおいしい冒険
未知を既知にするのは何時だって機知に富んだ無知な奴ら
ダンピアのおいしい冒険
ピサ朗
ピサ朗
17世紀の海賊の航海日誌を膨らませた「事実を基にしたフィクション」の伝記漫画なのだが、とても素晴らしい。 昔の学習漫画のようなシンプル絵柄だが、当時の海賊という事情からも病気や戦闘などのともすればグロテスクな部分も読みやすく、またダンピアも実年齢より若々しく感情移入がしやすいし、異常なまでの参考資料から読み取ったであろう先住民や欧州、東南アジアなど各々の文化を、しっかり漫画に落とし込み、題材となった人物をしっかり主人公として魅力的に描くのは相当な筆力を感じる。 英国生まれの青年ダンピアは、貧困と教育を軽んじる当時の価値観から大学に通えず、紆余曲折の果て、はみ出し者だらけの海賊船に流れ着いた、当初は悲観していたが、誰も知らない事の発見者になれる喜びを噛みしめ、未だ未知なる事に溢れた太平洋の冒険に胸を躍らせる。 当時航海も盛んになっていたとはいえ、人々にとっては日々を生きるのが精一杯というのは珍しくもないだろうし、ダンピアのような青年はきっと多かっただろうけど、どんな状況にあろうと好奇心と探求心に満ち溢れ、恐れず行動し、海賊というヤクザ稼業をすらチャンスとして学ぶダンピアが実に魅力的。 「おいしい冒険」の名の通り、食事に関する描写が豊富だが、当時誰も食べたことの無い未知の食材を調理するその風景は、その航路からも正に「先駆者であることの歓喜と偉大さ」を訴えかけてくる。 しかし食事だけでなく、授業料の無いフィールドワーク、税金にせよ犯罪にせよ許され、実力勝負故に人種差別の薄い海賊という職業、それらもひっくるめてのダンピアの「おいしい冒険」であるのも面白い。 危険に溢れた海賊稼業が「おいしい」と言えるかは人によるだろうけど、職業選択の自由もない時代で、海賊以上に劣悪な環境の海軍の事情なども併せて語っているのでダンピア達にとっては正においしい冒険だったのだというのが伝わってくる。 教科書には載らなくとも歴史を彩る偉人の生涯を実に魅力的に描いていて、とても良い読後感を得られる名作。
ダイヤモンドの功罪
めっちゃ現代的な梶原一騎
ダイヤモンドの功罪
ピサ朗
ピサ朗
小学五年生で運動に異常な才能を持つが心はエンジョイ勢な主人公が、野球と出会う事で巻き起こしてしまう波乱とドラマなのだが、滅茶苦茶梶原一騎作品の様な雰囲気がある。 物理法則こそねじ曲がっていないのだが、主人公が競技をやるのが競技が好きで自発的というより、周囲に才能を見込まれ運命というか半ば強制的に競技をすることになってたり、主人公が強すぎて勝負という形にはなってないのだが、競技よりもそこから生じる人間ドラマの方を主軸としてたり、全体的に漂う陰鬱で重い悲劇的な雰囲気は、かなりあしたのジョーや巨人の星とかの60年代スポ根ドラマに通じるものがある。 とはいっても、基本的にキャラデザはイケメン少年で、物理法則が現実そのものという点でやはり現代スポーツ漫画らしい部分も多い。 ただそういうストーリーの為とはいえ、主人公である綾瀬川の運動能力が完全に人間離れしていて、受け入れられるよう慎重に書いているにせよ、もはやゲームやギャグ漫画に片足突っ込んでるレベルで尋常ではなく、冷める人も相当居そうに思う。 しかしそういう並外れた才能だからこそ、勝負を通じたスポーツマンシップの美しさの裏にある残酷さ、才能に振り回される大人も含めた周囲、エンジョイ勢とガチ勢の溝などと言ったストーリーが映える部分も多く、特にその才能に魅せられてしまう大人というのは野球という競技と、主人公の圧倒的な運動能力から強烈な生々しさが漂っている。 主人公以外のキャラも弱小チームにせよ強豪チームにせよ、それぞれの年齢や居場所に合わせたメンタリティをしているために抱く苦悩も描かれているが、主人公自身もその能力の高さゆえに馴染めない苦悩も描かれていて、強烈な負の面白さが出ている。 この手の「才能により歪んでしまう」スポーツ漫画としては黒子のバスケとかが記憶に新しいが、そういう才能が複数人居たお陰でバトル漫画的になっていたあちらに比べると、たった一人だけそういう才能を持っている事により周りが一般人である分、その人間ドラマが際立っている。 プロトタイプに当たる読み切り(高校・プロ年代)も幾つか存在するが、こちらはあくまでプロトタイプとして別物と思っていて、こちらで描かれた未来に収束するかは未知数。 野球を題材としてはいるが、才能により才能の持ち主も含め全てが振り回されるドラマは非常に生々しくも強烈で面白い。 幸か不幸か大谷翔平という、一昔前なら漫画でしかありえなかった活躍をする人間が現れていて、ギリギリでリアルとファンタジーのバランスはとれているように思うが、主人公が本当にゲームかギャグ漫画並に突出した運動能力があるので、ココで脱落する人もいるように思う。
聖戦記エルナサーガ
ド直球のヒロイックハイファンタジー
聖戦記エルナサーガ
ピサ朗
ピサ朗
誰もが魔法を使える世界で、唯一魔力を持たないアーサトゥアル国の姫エルナと、戦争中のアンサズ国の王子シャールヴィが出会い、各々の思惑により逃避行に身を投じ、怒り悲しみ成長し、やがて戦争を終わらせようと戦い抜く、超が付くほど真っ当すぎるファンタジー漫画。 固有名詞の多くは北欧神話モチーフだが、内容は独自性が強くしっかりとした世界を描いている。 作者が「女の子が世界を救う物語」を描きたいと思った事もあるだろうが、主人公のエルナは女らしさの塊のような女性で、力は弱く誰もが魔法を使えるこの世界で唯一魔法が使えず、目の前で剣を取らねばならぬ時も戦えず、敵の死にも涙を流し、優しく弱く迷い状況に翻弄され、理想主義的で、正直やきもきするのだが、体内の魔法に反応して強力な殺傷力を発する封魔剣を唯一扱えるという特性と、そうして無力な身から悩み学んだ事から成長し自分の意思を世界に示す姿が実にカッコいい。 もう一人の主人公である王子シャールヴィは、猛々しく雑兵をなぎ倒し、魔法も強く、上の兄王子達に考える事は任せていて、戦争を終わらせるなら母国アンサズの勝利で終わらせるという事がエルナを連れていく動機だったが、戦乱の中でも平和を求め、甘いと感じていたエルナの優しさを目の前で見続け、徐々に彼女を守ろうと命を預け、国ではなく彼女の為に戦う事を決めるなど、良い意味で男らしさの権化である。 この二人が共に世界を巡り、様々な出会いと成長を繰り返し、やがては滅びに向かう世界を救おうと戦いに向かう。 出会う人々も市井の人一人一人に物語が見え隠れして、世界は狭いのだがとても深みがある。 モンスター的な存在は居るが、実際は正真正銘のモンスターは伝説の魔獣くらいで、異形の姿と化した狂戦士も元は人間で、空馬等の架空生物は使役動物であり、あくまで人間の領土を巡る戦争が出発点なのも見応えがあり面白い。 男女問わず読んで欲しい一作、お薦め。
けいばきょうそうでんありゃまこりゃま
競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 1巻
競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 2巻
競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 3巻
競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 4巻
競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 5巻
競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 6巻
競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 7巻
競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 8巻
競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 9巻
競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 10巻
競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 11巻
競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 12巻
競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 13巻
競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 14巻
競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 15巻
競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 16巻
競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 17巻
ストアに行く
本棚に追加
本棚から外す
読みたい
積読
読んでる
読んだ
この作品のお気に入り度は?
星をタップしてお気に入り度を入力しましょう
メモ(非公開)
以下のボタンから感想を入力することができます(別ウィンドウが開きます)
感想を投稿
完了する
フォローする
メモを登録
メモ(非公開)
保存する
お気に入り度を登録
また読みたい
鯱 -シャチ-

鯱 -シャチ-

父の形見の携帯型カセットプレーヤーの爆音で変身するイジメられっこの復讐劇、『うお~っ苦マン』。職場のアイドルを犯し、同僚達を殺傷し、犯した女を人質に海に向かう少年院上がりの男の逃避行、『鯱 ―シャチ―』。花が大好き、下町の弱小組の心優しき無口なヤクザの怒りの咆哮、『おセンチ極道塊一発』…。生きることに不器用な男たちの魂の叫びが、心揺さぶる全5編。
せっかちピンちゃん

せっかちピンちゃん

美人のクラスメイトに分不相応な恋をする、幼稚で性欲旺盛でギャンブルバカのヘッポコ高校生、ピンちゃんの青春記。他、パチンコ屋のサンドとして玉を吐き出し続ける中年男の悲哀を描いた『pachin―po』や、自他共に認める相撲の才能を持ちながら、太れない体質な上に同性愛者と言う相撲部主将の純愛“ホモ”ラブコメ『晩年ダイナマイト』など、土田世紀のコメディタッチな作品を集めた短編集。
ルート77

ルート77

「十七歳の地図」「シェリー」「街の風景」など、尾崎豊の曲をテーマに描かれた8つの物語。学校、田舎街、少年院、海辺の街など、色々な場所を舞台にして、時には現実的に、時にはコミカルに、また時にはSF調に、様々な人々の心情を、土田世紀が熱く、優しく、力強く、泥臭く描く。●ささいな事から学校中の生徒に「居なかったこと」にされてしまったシミッチ。登校拒否児となり、みんなが「シミッチネタ」に飽きた頃…ヤツは全裸で登校してきて…。『マッパ!』。
鐘・土田世紀秘蔵作品集

鐘・土田世紀秘蔵作品集

敷島~~ッ!お前も俺もしようもない極道や。冥土のみやげに教えてくれやあ!何が目的なんや!どこ行くんや敷島ァ!! 変わり果てた組織に愛想をつかし、組織に疎まれ浮いた存在になりながらも、己の道を貫こうとする武闘派ヤクザの破滅的な生き様…。表題作…『鐘』。どうにもならない日常、現実…。シリアスからギャグまで、泥にまみれながらも足掻き、闘う人々の姿を描いた、土田世紀の傑作選。
愛蔵版 未成年

愛蔵版 未成年

土田世紀、生誕50周年記念愛蔵版! 2012年4月に43歳の若さで生涯を閉じた土田世紀――。生誕50周年となる今年、長らく絶版となっていた、連載デビュー作であり「アフタヌーン・四季賞」受賞作『未成年』が愛蔵版で復活します。東北の田舎町で日々を刹那的に、しかし熱く生きる若者の心情を描いた本作は、作者の初期衝動が詰め込まれた傑作です。また、本作を愛する作家、上條淳士氏と松本大洋氏からの寄稿を収録いたします。最新のデジタル技術で鮮明に生まれ変わった『未成年』をお楽しみください。
愛蔵版 雲出づるところ

愛蔵版 雲出づるところ

土田世紀、生誕50周年記念愛蔵版 時流に流されないテーマ、心に響くセリフ、繊細な画力から天才と呼ばれ、様々なクリエイターから絶大な支持を得ていた漫画家、土田世紀――。2012年4月に43歳の若さで早逝してから7年。そして、生誕50周年となる今年、講談社「モーニング」にて連載され2002年に全2巻の単行本で刊行された氏の後期代表作が愛蔵版で蘇ります。粗暴だが心根の優しい主人公、十一と他者に心を開けない出水。暗い過去を背負ったふたりの魂の共鳴と立ちはだかる過酷な運命の行方を描いた傑作をお届けします。
編集王

編集王

ボクシングチャンピオンの夢を故障で断念した、カンパチこと桃井環八・24歳。幼なじみの編集者に導かれ、バイト見習いで入った漫画の世界で「編集王」を目指す!誰より熱い心を持つカンパチが漫画業界に真っ向から立ち向かう、衝撃の漫画業界コミック!
俺節

俺節

海鹿耕治は好きな女の子にも声もかけられないほど純粋無垢な高校生。卒業間近、就職も決まっていた耕治だったが、自分の武器は演歌(うた)しかないと、歌手を目指して単身上京する。自分の演歌を信じて、故郷の津軽から身体ひとつで上京してきた耕治。さまざまな艱難辛苦を乗り越えて、果たして彼は「演歌の星」になることができるのか!?すべての若き魂に送る感動の青春巨編!!
同じ月を見ている

同じ月を見ている

ある夜、ひとりの少年が1本のペンを手に、少年院から脱走した。その男の名は水代元。2年前のある忌わしい事件の犯人として捕まり、少年院に収容されていたのだ。元は、幼い頃から絵を描くのが好きで、人の心の中に浮かんでいることを絵にできる不思議な少年であった…。数えきれないほどの不幸を背負いながらも、全身全霊で真実の愛を貫き通す男・ドンが見せる、切ないほどたくましい青春像!!
夜回り先生

夜回り先生

不登校、ドラッグ、リストカット…。闇に飲み込まれていく子供たちを、哀しい目で、優しい目で、見守り続ける教師がいる。全国が涙した感動ドキュメント、ここに初の完全漫画化!病気の母親を支えようと、コンビニで捨てる弁当や、余った給食をもらって回っていたマサシ少年。健気でマジメだった少年は、いつしか隣に住んでいた暴走族のお兄ちゃんの真似事をし始めて、マジメにドラッグを使い、マジメに壊れていった。そんな少年を夜の公園で見かけた夜回り先生は、ラーメン屋のバイトを紹介するなどして、必死に彼を立ち直らせるべく向かい合う…。
法の庭

法の庭

裁判官・田所。検事・天海。弁護士・小泉。かって共に司法を学んだ三人が法庭で再会した!非道な強姦殺人事件を裁く事となった田所。実は被害者の女性は田所の愛人だった事を誰も知らない…。法という名の庭に放たれた人間の欲望と情念が激しく交錯する。本格法廷サスペンス登場。
宇宙兄弟

宇宙兄弟

2025年。兄は、もう一度だけ自分を信じた。筑波経由火星行きの物語がはじまる!本格兄弟宇宙漫画発進!幼少時代、星空を眺めながら約束を交わした兄・六太と弟・日々人。2025年、弟は約束どおり宇宙飛行士となり、月面の第1次長期滞在クルーの一員となっていた。一方、会社をクビになり、無職の兄・六太。弟からの1通のメールで、兄は再び宇宙を目指しはじめる!
SPY×FAMILY

SPY×FAMILY

名門校潜入のために「家族」を作れと命じられた凄腕スパイの〈黄昏〉。だが、彼が出会った“娘”は心を読む超能力者! “妻”は暗殺者で!? 互いに正体を隠した仮初め家族が、受験と世界の危機に立ち向かう痛快ホームコメディ!!
ゴルゴ13

ゴルゴ13

すべてが謎に包まれている男・ゴルゴ13。フィクションの背後に光る恐るべき事実……ゴルゴ13が放つ銃弾の軌跡が、世界の濁流の行方を左右する!!英国諜報部は、大戦末期に莫大な偽札を隠匿した元ナチの親衛隊長を消すためにゴルゴ13を雇った。要塞化した城で待っていたものは!?
BLUE GIANT

BLUE GIANT

ジャズに心打たれた高校3年生の宮本大は、川原でサックスを独り吹き続けている。雨の日も猛暑の日も毎日毎晩、何年も。「世界一のジャズプレーヤーになる…!!」努力、才能、信念、環境、運…何が必要なのか。無謀とも言える目標に、真摯に正面から向かい合う物語は仙台、広瀬川から始まる。
違国日記

違国日記

【電子限定!雑誌掲載時のカラー原画を特別収録!】35歳、少女小説家。(亡き母の妹) 15歳、女子中学生。(姉の遺児) 女王と子犬は2人暮らし。少女小説家の高代槙生(こうだいまきお)(35)は姉夫婦の葬式で遺児の・朝(あさ)(15)が親戚間をたらい回しにされているのを見過ごせず、勢いで引き取ることにした。しかし姪を連れ帰ったものの、翌日には我に返り、持ち前の人見知りが発動。槙生は、誰かと暮らすのには不向きな自分の性格を忘れていた……。対する朝は、人見知りもなく、“大人らしくない大人”・槙生との暮らしをもの珍しくも素直に受け止めていく。不器用人間と子犬のような姪がおくる年の差同居譚、手さぐり暮らしの第1巻!
【推しの子】

【推しの子】

「この芸能界(せかい)において嘘は武器だ」 地方都市で、産婦人科医として働くゴロー。芸能界とは無縁の日々。一方、彼の“推し”のアイドル・星野アイは、スターダムを上り始めていた。そんな二人が“最悪”の出会いを果たし、運命が動き出す…!? “赤坂アカ×横槍メンゴ”の豪華タッグが全く新しい切り口で“芸能界”を描く衝撃作開幕!!
BLUE GIANT SUPREME

BLUE GIANT SUPREME

止まるわけにはいかない宮本大は、単身ヨーロッパに渡る。降り立ったのはドイツ・ミュンヘン。伝手も知人もなく、ドイツ語も知らず、テナーサックスと強い志があるだけだ。「世界一のジャズプレーヤーになる…!!」練習できる場を探すところから始まる挑戦。大の音は、欧州でも響くのか―――
娘の友達

娘の友達

家庭では「父親」として、会社では「係長」として、「理想的な自分」を演じるように生きてきた主人公・晃介。だが、娘の友達である美少女・古都との出会いにより、彼の人生は180度変化する。社会的には「決して抱いてはいけない感情」に支配されながらも、古都の前では自己を開放でき、社会の中で疲弊した心は癒やされていく……。「社会」のために「自己」を殺す現代社会へ鋭く切り込む、背徳のサスペンスが幕を開ける。
女の園の星

女の園の星

【電子限定!描き下ろし特典ペーパー収録】「声を出して笑った」の声、続出!!! 漫画賞総ナメ『夢中さ、きみに。』の和山やま初連載! ある女子校、2年4組担任・星先生。生徒たちが学級日誌で繰り広げる絵しりとりに翻弄され、教室で犬のお世話をし、漫画家志望の生徒にアドバイス。時には同僚と飲みに行く…。な~んてことない日常が、なぜこんなにも笑えて愛おしいんでしょう!? どんな時もあなたを笑わせる未体験マンガ、お確かめあれ! 電子版にも本体表紙を収録!
SPY×FAMILY

SPY×FAMILY

名門校潜入のために「家族」を作れと命じられた凄腕スパイの〈黄昏〉。だが、彼が出会った“娘”は心を読む超能力者! “妻”は暗殺者で!? 互いに正体を隠した仮初め家族が、受験と世界の危機に立ち向かう痛快ホームコメディ!!
推しが武道館いってくれたら死ぬ

推しが武道館いってくれたら死ぬ

岡山県で活動するマイナー地下アイドル【ChamJam】の、内気で人見知りな人気最下位メンバー【舞菜(まいな)】に人生すべてを捧げて応援する熱狂的ファンがいる。収入は推しに貢ぐので、自分は高校時代の赤ジャージ。愛しすぎてライブ中に鼻血ブーする…伝説の女【えりぴよ】さん! 舞菜が武道館のステージに立つ日まで…えりぴよの全身全霊傾けたドルヲタ活動は続くっ! 『まんがの作り方』の平尾アウリ、待望の最新作!!
ゴールデンカムイ

ゴールデンカムイ

『不死身の杉元』日露戦争での鬼神の如き武功から、そう謳われた兵士は、ある目的の為に大金を欲し、かつてゴールドラッシュに沸いた北海道へ足を踏み入れる。そこにはアイヌが隠した莫大な埋蔵金への手掛かりが!? 立ち塞がる圧倒的な大自然と凶悪な死刑囚。そして、アイヌの少女、エゾ狼との出逢い。『黄金を巡る生存競争』開幕ッ!!!!
柔道部物語

柔道部物語

俺は三五十五(さんご・じゅうご)。高校に入学したばかりで何も知らない俺は、先輩たちの甘い言葉に乗せられて柔道部に入ることにした。ところが、入部したとたん、先輩たちの態度が豹変。シゴキはあるわ、坊主頭にさせられるわ、もちろん女の子との交流会なんて真っ赤なウソ。でも、一度やると決めた柔道だ。強くなってみせるぞ――!!読み出したら止まらない!!珠玉の本格柔道コメディ、第1巻!!
魔界の主役は我々だ!

魔界の主役は我々だ!

悪魔学校バビルスに入学した野心家の悪魔・シャオロン。怪しい師団からの勧誘、使い魔召喚、飛行試験など彼を待ち受ける試練の数々…。果たして彼は、特待生・入間くんよりも目立つことはできるのか!? 大人気、動画製作グループ「○○の主役は我々だ!」全面協力の夢のコラボコミック!! 悪魔学校バビルスで紡がれる、もう一つの物語。珠玉のサイドストーリーである!!
みどりのマキバオー

みどりのマキバオー

日本競馬史上、かつてない珍馬・珍獣が出現。体は小さいが走るのは速い、犬の様な白毛馬、みどり牧場一の競走馬ミドリマキバオー!!意気揚揚と新馬戦に臨もうとするが、華々しいデビューを飾れるか…!?競馬界に旋風を巻き起こせ!!<おちゃめなコミック童話>みどりのマキバオー収録
たいようのマキバオーW

たいようのマキバオーW

G1馬、高知へ凱旋!!マキバオーが帝王賞でダートの頂点に立った少し前、ダービーでも奇跡の勝利を果たした牝馬がいた。彼女の名はファムファタール。なんと彼女は、続けて宝塚記念、そして凱旋門賞を目指すという。しかしそれは、ケガから復活したフィールオーライと同じ道だった……!新旧の怪物が、宝塚記念で激突する!!
たいようのマキバオー

たいようのマキバオー

日本競馬界は無敗の2冠馬・フィールオーライの独壇場!!ミドリマキバオー達の活躍も昔話に。そんな中、地方の高知競馬場に出馬してるマキバオーの姿が!?ミドリマキバオーそっくりのヒノデマキバオー。アイドルホースとして人気を集めているが、彼の正体は――!?
JINBA

JINBA

異色コンビが競馬界で嵐を巻き起こす!! 人と馬の血を継いだケンタウロス競走馬ジンバと新人女性騎手夢乃サラ。ダービー優勝を目指すが早くも周囲からイロモノ扱いされ…!? 異色熱血競馬ストーリー第1弾!!
馬なり1ハロン劇場

馬なり1ハロン劇場

よしだみほが描くかわいいサラブレッドたちが、実際のレースをもとに、その持ち前のキャラを大爆発させる超人気コミック!!往年の名馬や現役のスターホースたちによる、笑いあり涙あり社会問題ありラブロマンスありの、面白ショート劇場をお楽しみください。第1巻は1989年~92年のレースネタを収録。【主な出演】オグリキャップ、イナリワン、アイネスフウジン、ダイタクヘリオス、ダイイチルビー、ゴールドシチー他
優駿の門

優駿の門

なまいきで口は悪いが、馬の事に関しては天才的な少年・優馬は、関東地方競馬の調教師・捨造にスカウトされ、騎手の道へと進む。そこで出会った馬は血統はいいのに幼い頃いじめられたことが原因で、レースに出ることも出来なくなっていたアルフィーだった。早速アルフィーに荒療治を仕掛ける優馬。生死を賭けたサラブレッドたちの熱き戦いがここからはじまる!
優駿劇場

優駿劇場

競馬漫画の第一人者・やまさき拓味が、平成の名勝負を馬の視点から掘り下げる! トウカイテイオーが、ライスシャワーが、ナリタブライアンが、アグネスタキオンが、クロフネが、テイエムオペラオーが、どんな気持ちでレースに臨み、どんな気分で走り抜けたか。馬の心が分かる異色の名作!! 1994年の年度代表馬ナリタブライアンと、’95年の年度代表馬マヤノトップガン。この2頭の年度代表馬が、春の天皇賞の前哨戦である「阪神大賞典」で対決する─! その日、日本中の競馬ファンはG1級の盛り上がりを見せていた!!
風のシルフィード

風のシルフィード

中学生の森川駿が暮らす牧場で、1頭の仔馬が誕生しようとしていた。母馬は桜花賞3着で、白い疾風とまで呼ばれたサザン。難産に苦しむサザンを駿は徹夜で看病するが、サザンは仔馬の命と引き換えに息をひきとってしまう。風のように速い馬になれ、という願いを込めてシルフィードと名付けられた仔馬と駿の、挑戦の物語が始まった!
馬に乗る天才=武豊、ただの天才=田原成貴にコメントする