最高クラスに近いくらいの面白さ
わたしが贔屓にしているマンガ家である土田先生と、元スタージョッキーである田原さんのタッグによる競馬マンガです。駄作のできようがありません。 前半4巻くらいまで一話完結のギャグものなのですが(しかもさすが土田先生のギャグは面白い)、後半にいくに従って、かなりレースの奥深いところまで描いてくる本格競馬マンガに変身していきます。 さすが元超一流ジョッキーの原作(というか監修)が入っているだけあって、必殺技などのファンタジー路線ではなく、徹底してリアルなスポーツとしての競馬が描かれており、読み応えたっぷりです。 出場している全ジョッキーの位置どりや、その時々で考えていることなどが、すごく丁寧に描写されており、競馬が好きな方はまず間違いなくどハマりすることができると思いますし、昨今のソシャゲブームで競馬を見始めたよって方も、深く競馬を知ることができるきっかけとなることは間違いないと思います。 そういった意味で、完全に☆5でいいマンガなのですが、一点、ちょっと特に後半ジメッぽさが過度になりすぎてしまっていて、そこが個人的な好みに合わなかったので、一応4にしておきました。ジメッとした部分は土田先生の持ち味でもありますし、それが熱さや感動につながることが多いのですが、本作品の終盤は少しメメしく写ってしまいました。個人の感想ですが、悪くいうつもりは本当になかったです。すいません。
武豊がどちらかというとクールな天才のイメージなら、
田原成貴はハイテンションな天才のイメージがある。
そのあたりが50歳を過ぎても騎手一本に徹してダービーを
制覇した武と、騎手時代からバンドのボーカルもやったり
早々に調教師になりながら漫画の原作もやったり
結局アウトサイダーな世界に行ってしまった田原との
違いだろうか。
だが考え方によっては天才らしいのは田原のほうだと思う。
投稿者様がおっしゃるとおりで、騎手にして競馬をコメディで
仕上げるセンスは普通じゃなかった。
もし笑いのセンスが足りなかったら、下手をしたら
騎手のクセに競馬を茶化しやがって、と批判の対象に
なっただけで漫画ファンからも競馬ファンからも
反感を買うだけで終わっていたかもしれないし。
そういうあやうい位置取りから漫画をスタートさせて
読者をひきつけながら徐々にペースをあげて
最後には見事に名作というゴールを駆け抜けたのだから
漫画原作者としても天才だった。
ただし、趣味としてバンドでやっていたボーカルは
かなり下手だったらしいし、
Vシネマに端役で出て披露した演技は大根だったが。
武豊氏の天才性が所謂職人型、漫画で言えば3月のライオンの宗谷名人とか、ドラえもんの出木杉君とするなら
田原氏の天才性は才能型・破天荒型というか、漫画で言えばクレしんのしんのすけとか、蒼天航路の曹操みたいに感じます。
もっとも現役時代はろくに知らないので、どうしても作品から感じる印象でしかないですが。