あらすじ

日本ダービーのスタート直前、岡村(おかむら)の仕掛けによって各馬がバラついたスタートをした中、好スタートを切った氷室翔(ひむろ・しょう)とシンケン。その後、先頭を駆けていく氷室のシンケンは、競り掛ける他馬を振り払って異常に速いペースでリードしていく。そんな氷室のシンケンに、竹(たけ)のホクトオー、岡村のファイアスター、西影(にしかげ)のセルピコの3頭が詰め寄り、日本ダービーは大波乱に……!?B級ジョッキー・氷室の成長に感動する完結巻。
競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 1巻

ギャンブル好きな三流ジョッキー・氷室翔(ひむろ・しょう)が、さまざまな人や馬との出会いで一流ジョッキーへと成長していく競馬人情コメディ。いい加減な生活を送るギャンブル好きなジョッキー・氷室翔は、騎手の体重制限で減量に苦しみながらもマイラーズカップに異様な意気込みを見せる。実はそのレースに恋人・アブ美との結婚がかかっていた氷室だったが、真剣に取り組んだレース中に腹を下してしまい……!?

競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 2巻

札幌競馬で10勝して得た賞金を豪遊で使い果たした氷室翔(ひむろ・しょう)は、その賞金を期待する妻・アブ美に真実を告白できず、今度のサファイアステークスで1着を取るしかないと考える。そんな時、豪遊の原因である札幌のホステス・タマコが栗東へやってきて動揺する氷室は、そのうえサファイアステークスで騎乗する牝馬・ドサンコレディーが発情してダメになったと知らされて……!?

競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 3巻

一流騎手・岡村(おかむら)とともに競馬学校の特別講師を依頼された氷室翔(ひむろ・しょう)は、模範騎乗を見せる時、氷室の馬装を用意したいじめられっ子の劣等生・宮脇(みやわき)の眼が気になる。そして手綱がブラブラで鞭も落とし、馬にもナメられてゲートインを拒否された氷室は、素晴らしい騎乗を見せた岡村の方にほとんどの生徒が集まってしまい、唯一残っていた宮脇とじっくり語り合って……!?

競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 4巻

騎乗停止処分がきっかけで新潟へ行った氷室翔(ひむろ・しょう)は、調教中に負傷した後明(ごめい)の代わりに騎乗したタミーズキングで、騎乗ミスのようなハイペースな逃げをして見事に勝利する。それを見ていた氷室の兄貴分である西影(にしかげ)は、馬の脚質を信じた氷室の騎乗に影響され、万年2着馬とバカにされるシルヴァートレインを最後方からスタートさせて……!?

競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 5巻

八百長で追放された元騎手・山形(やまがた)に声をかけられた氷室翔(ひむろ・しょう)を目撃したスポーツ記者・末永(すえなが)は、一番人気なのにおかしな騎乗をして敗北した氷室のレースに疑惑を抱く。そして八百長疑惑をスクープ記事にされJRAから呼び出された氷室は、山形と仲間のヤクザが逮捕された事で身の潔白が証明されるのだが、騎手としての信用が失墜して騎乗依頼がこなくなってしまい……!?

競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 6巻

北海道で元騎手・土川(つちかわ)からたくさんの事を学び、騎手として成長した氷室翔(ひむろ・しょう)。そして栗東へと帰ってきた氷室だったが、八百長疑惑のレッテルで騎乗依頼はなく、騎手達から皮肉を言われる。そんな時、コーナーでふくれる癖がある馬・ホップステップの調教を見て自分なりの意見を語った氷室は、その厩務員であるシゲさんに見込まれて、ホップステップを騎乗する事になり……!?

競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 7巻

自分勝手な騎乗でGI有望馬であったヤマニンサイレンスの脚をダメにしてしまった氷室翔(ひむろ・しょう)は、馬主からの信頼を失い、待望していたシンケンの騎乗を天才騎手・竹(たけ)に変更されてしまう。そして失意のあまり荒れていた氷室は、その後に騎乗依頼されたホーポースマイルがシンケンと同じレースを走ると知り、竹のシンケンには勝たせないと闘志を燃やすのだが……!?

競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 8巻

新馬・ファイアスターに騎乗した氷室翔(ひむろ・しょう)は、驚愕に値するその馬の能力でデビュー戦を圧勝して眠れなくなるほど興奮する。そんなファイアスターに惚れ込んだスポーツ新聞の女性記者・早川(はやかわ)は、競馬面のトップ記事にファイアスターを取り上げる。その後、小倉3歳ステークスで強敵・シズノプリンセスと対決したファイアスターだったが、ゲートでのアクシデントでスタートが立ち遅れてしまい……!?

競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 9巻

早熟なだけの馬だとファイアスターを中傷された女性記者・早川(はやかわ)は、シンケンの馬房にいた氷室翔(ひむろ・しょう)に意見を求める。そしてそんな中傷を一蹴した氷室がシンケンに惚れ込んでいる様子を見た早川は、同じ3歳馬であるシンケンとファイアスターが重賞でかち合ったら氷室はどちらに騎乗するかを尋ねる。その時、とっさに茶化して答えをごまかした氷室だったが……!?

競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 10巻

朝日杯でシンケンとファイアスターのどちらに騎乗するかを決意した氷室翔(ひむろ・しょう)だったが、自分の意志を告げる前に、氷室はファイアスターに騎乗するという記事が出回ってしまう。それを知って困惑する氷室は、シンケンの調教師・大山(おおやま)の元に駆けつけ、自分が乗りたいのはシンケンなのだと訴えるが、その記事に氷室がシンケンをクソ馬だと発言したと書かれていた事で、シンケンの馬主が激怒してしまい……!?

競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 11巻

朝日杯に出走した氷室翔(ひむろ・しょう)とシンケンは、落馬に巻き込まれて回避したものの馬群から20馬身近くも離されてしまう。そんな絶望的な状況でもシンケンを信じて大外からマクる氷室は、不利を克服して馬群へ迫っていく。そして4コーナーを大外から仕掛けて最後の登り坂で先頭に立った氷室のシンケンだったが、ゴールを目前にしてシンケンの脚力が鈍っていき……!?

競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 12巻

シンザン記念でアニキのように慕っていた西影(にしかげ)から削られた氷室翔(ひむろ・しょう)は、裏切られたショックと怒りで早めに仕掛けて惨敗してしまう。その後、西影に突っかかった氷室は、それを冷たくあしらった西影を避けるようになる。そしてそんな態度を舎弟分の坂田(さかた)に咎められた氷室は、兄貴分の鑑のような存在である大山(おおやま)と西影の過去を語り、西影が削りをした本心をようやく気づいて……!?

競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 13巻

豪雨の中、共同通信杯に出走した氷室翔(ひむろ・しょう)とシンケンは、一流騎手・岡村(おかむら)の嫌がらせに翻弄される。そして先頭を走る横谷(よこたに)のバリストレイ、蛯野(えびの)のジョンドニーに、ゴールまで残り50メートルの地点で並んだ氷室のシンケンだったが、ついに疲れが出て内側へもたれ始めてしまう。その時、最後くらいはシンケンの思い通りに走らせようと手綱をゆるめた氷室は……!?

競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 14巻

皐月賞を一ヶ月後に控えても能天気な氷室翔(ひむろ・しょう)は、竹(たけ)や岡村(おかむら)が皐月賞へ真剣に取り組む姿勢を見て焦ってしまい、兄貴分の西影(にしかげ)に助言を求める。そして皐月賞ではライバル同士の西影にきっぱり助言を断られた氷室は、北海道へ行って土川(つちかわ)に相談する。その後、シンケンの馬房に連れて行かれた氷室は、初めてシンケンと出会った時の事を思い出して……!?

競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 15巻

皐月賞で先頭を走っていた氷室翔(ひむろ・しょう)とシンケンは、追い上げてきた西影(にしかげ)のセルピコと館中(たてなか)のタケノタクトに先頭を譲って脚をためる。その後、リードを広げようとする西影のセルピコと再び先頭に並んだ氷室のシンケンだったが、ゴールまで残り1ハロンを切ろうかという所で馬群を割って伸びてきたファイアスターら有力馬4頭と横一線に並び、皐月賞は大混戦に……!?

競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 16巻

ダービートライアルの青葉賞で、シンケン潰しを狙う岡村(おかむら)の執拗な競り掛けに、身を捨てる覚悟で挑む氷室翔(ひむろ・しょう)とシンケン。そしてラストコーナーでわざと馬体を寄せてきた岡村のヤシカオーザを大きくハジきとばした氷室のシンケンは、圧倒的な強さを見せて1着でゴールインするのだが、ヤシカオーザとぶつかった事が審議の対象になってしまい……!?

競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 17巻

日本ダービーのスタート直前、岡村(おかむら)の仕掛けによって各馬がバラついたスタートをした中、好スタートを切った氷室翔(ひむろ・しょう)とシンケン。その後、先頭を駆けていく氷室のシンケンは、競り掛ける他馬を振り払って異常に速いペースでリードしていく。そんな氷室のシンケンに、竹(たけ)のホクトオー、岡村のファイアスター、西影(にしかげ)のセルピコの3頭が詰め寄り、日本ダービーは大波乱に……!?B級ジョッキー・氷室の成長に感動する完結巻。

競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬

最高クラスに近いくらいの面白さ

競馬狂走伝 ありゃ馬こりゃ馬 土田世紀 田原成貴
酒チャビン
酒チャビン

わたしが贔屓にしているマンガ家である土田先生と、元スタージョッキーである田原さんのタッグによる競馬マンガです。駄作のできようがありません。 前半4巻くらいまで一話完結のギャグものなのですが(しかもさすが土田先生のギャグは面白い)、後半にいくに従って、かなりレースの奥深いところまで描いてくる本格競馬マンガに変身していきます。 さすが元超一流ジョッキーの原作(というか監修)が入っているだけあって、必殺技などのファンタジー路線ではなく、徹底してリアルなスポーツとしての競馬が描かれており、読み応えたっぷりです。 出場している全ジョッキーの位置どりや、その時々で考えていることなどが、すごく丁寧に描写されており、競馬が好きな方はまず間違いなくどハマりすることができると思いますし、昨今のソシャゲブームで競馬を見始めたよって方も、深く競馬を知ることができるきっかけとなることは間違いないと思います。 そういった意味で、完全に☆5でいいマンガなのですが、一点、ちょっと特に後半ジメッぽさが過度になりすぎてしまっていて、そこが個人的な好みに合わなかったので、一応4にしておきました。ジメッとした部分は土田先生の持ち味でもありますし、それが熱さや感動につながることが多いのですが、本作品の終盤は少しメメしく写ってしまいました。個人の感想ですが、悪くいうつもりは本当になかったです。すいません。