『スクールゾーン』は最高の女子同士のキャキャウフフ漫画だ!濃密濃厚なヒューマンドラマがある!

最近読んで特にハマった漫画が『スクールゾーン』です。そんなわけで布教活動します。ジャンルは「ギャグ+友情と百合+ラブコメ」といったところ。「次にくるマンガ大賞」「web漫画総選挙」にノミネート作品…といっても知る人ぞ知る作品でしょう。

まさに隠れた名作と呼ぶに相応しい。とにかく笑えるし、ほっこりするし、なによりニヤニヤできる。男性にも女性にもおすすめできる傑作です。

簡単に物語を説明すると女子高生たちの青春群像劇。横江礼と杉浦契の2人の漫才劇場からはじまり、話が進むに連れ、どんどん登場人物が増え世界観が広がっていく。各キャラにスポットが当たりオムニバス形式のようになっています。

ざっくりした相関図は以下の通り。

クラスや学年や学校も異なっている彼女たちがそれぞれ2~3人だけの独特な世界観を築いています。友達以上百合未満話の各キャラのオムニバスこそ『スクールゾーン』の真骨頂。色んな女子高生のエピソードがとっ散らかっているようで一つに繋がっていく様が絶妙な構成となっている。

それぞれソフト百合といっていいぐらいの尊い人間関係が段々と形成されていく。その様が各キャラ&関係に魅力や見所がある中で、筆者が猛烈に推したいのは「日生柊×空木れん」のカップリングです。

メイン2人(横江礼&杉浦契)との関係は遠い。友達の後輩の学校が違う双子の妹とそのクラスメイトとなる。今のところ、主人公サイドと面識は無い。ただこれだけでニヤニヤ頬を緩ませる極上のエピソードがある。

『スクールゾーン』1巻96ページ

日生柊は学校では女子校の王子様ポジションを確立しており、反面まわりの女子からは近寄りがたい存在となっている。つまり「ぼっち」です。

そんな誰も話しかけられない雰囲気を醸し出す彼女に颯爽と現れたのが転校生の空木れん。いきなりフレンドリーに話しかけどんどんチョッカイかけていくのです。空木の言動にイライラする柊という図式からはじまる「友情~ソフト百合」の物語。これがね。いいんだ。

柊的には隣の席のうるさい奴という認識だった関係が徐々に変化していく模様はまるで大河ドラマを見てるかのような感覚になる。友情のヒューマンドラマがぎっしり詰まっている。

『スクールゾーン』3巻8ページ

家の方向が一緒でいつも登下校と共にしていた2人だが、ひょんなことから柊は時間をずらして登校する。その日、いつもウザいぐらいチョッカイかけてくる空木はまったく話しかけて来なかった。

空木が転校して来る前は常に一人が普通だった柊にとってものすごい違和感を覚える。頭の中は空木でいっぱいになる。いつもウザイと思ってたはずが何で話しかけてくれないんだよ…と。

そんなギクシャクしてるかのように読者が読み取る描写から本当に友達になるやり取りが尊い。一度も笑ってる顔を見せてなかった柊が自然と笑って話す魅せ場は読んでるこっちまでニコニコしてしまう。100万ドルの笑顔だった。

合算すればたった数話。本当に短い。それなのに濃密で濃厚な起承転結の友情物語として完成している。女子の複雑で精細な機微が表現されている。もつれた人間関係に光を当てるように行き来し、浮かび上がらせていくのはカタルシスが味わえる。

「日生柊×空木れん」だけでなく、極上の友情以上百合未満な関係が各エピソードで紡がれている。少女たちが仲良くなる様子にニヤニヤし、きちんと成長してる様子にやっぱりニヤニヤする。読み進めるにつれて笑顔が溢れる。

スクールゾーン』はキャラの内面の成長と人間関係の積み重ねでもある。ビルドゥングスロマンだ。百合好きだけでなく色んな人に猛烈に勧めたくなる作品。

特に3巻から、作者の絵も表現力も桁違い上手くなっている。身悶えする、グッとくる、スーパー名シーンが連発されている。3巻まで読了後、友達や大切な人に連絡を取りたくなってしまうような鮮やかな感動を生むエピソードが多い。昨日より今日が成長してるし、前より世界が広がってる。明日(未来)はさらに楽しそう。

記事へのコメント

タイトルは知ってたけど読んだことなかったな。そういう話だったのかー!
申し訳ないけど1巻の表紙の子、男の子だと思ってました…

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