女子高生とオジサンの爽やかな恋愛
最初は何でこんな冴えないオジサンに恋するのか、設定に無理があるだろなーと思っていましたが、 主人公と一緒に店長の事を知っていくに連れ二人の恋を、応援したくなっていました。 くっつきそうでくっつかない感じもドキドキします。 タイトル通り爽やかで面白い漫画です。
橘あきら。17歳。高校2年生。感情表現が少ないクールな彼女が、胸に秘めし恋。その相手はバイト先のファミレス店長。ちょっと寝ぐせがついてて、たまにチャックが開いてて、後頭部には10円ハゲのあるそんな冴えないおじさん。海辺の街を舞台に青春の交差点で立ち止まったままの彼女と人生の折り返し地点にさしかかった彼が織りなす小さな恋のものがたり。
女子高生の橘あきらがファミレスの店長に恋する、という単純なストーリーながら、この漫画は他とは一線を画している。
登場人物たちのモノローグが少ないにも関わらず、その表情、動き、天気の表現だけで心情を表し、言葉にできない美しさがある。それはもはや、文学のような美しさ。
あきらが店長の一言一言に一喜一憂するさまは、恋する楽しさや苦しさを思い出す。店長が「僕は、橘さんのことが好きなんだ」と気づく場面の表情は、何度見ても胸がキュッとする。最終回の「雪は雨に変わった。発した言葉は、もうどこにもいかない」のモノローグも、頭の中に残り続ける。
恋することの楽しさも切なさも全て味わえる。それは、女性だけでなく男性も。これぞ、少女漫画ではなく恋愛漫画である。