恋は雨上がりのように 眉月じゅん
あの最終回はどう思う?
女子高生の橘あきらがファミレスの店長に恋する、という単純なストーリーながら、この漫画は他とは一線を画している。
登場人物たちのモノローグが少ないにも関わらず、その表情、動き、天気の表現だけで心情を表し、言葉にできない美しさがある。それはもはや、文学のような美しさ。
あきらが店長の一言一言に一喜一憂するさまは、恋する楽しさや苦しさを思い出す。店長が「僕は、橘さんのことが好きなんだ」と気づく場面の表情は、何度見ても胸がキュッとする。最終回の「雪は雨に変わった。発した言葉は、もうどこにもいかない」のモノローグも、頭の中に残り続ける。
恋することの楽しさも切なさも全て味わえる。それは、女性だけでなく男性も。これぞ、少女漫画ではなく恋愛漫画である。