後に長篇の代表作を描く漫画家の、初期作品集が好きだ。
それも、ただその作家さんが(キャリア初期に)描いた短篇を集めた本というのではなく、「自分はなぜ漫画を描くのだろう…」と自問自答しながら足掻いている、そんな苦悶がページから匂ってくるような、不器用で地味な作品集が好きだ。
(「私はこういう世界が好きなんです」といろいろ表明している感じの初期短篇集が多いのですが、そうじゃない無骨なヤツ。もちろん「好きなんです」系の作品集にも優れた本はたくさんあります)

骨の音』は、とても誠実で、地味で、絶対売れなそうだけど、でも、読んだ時に、こちらの心をギシギシ揺すってくるようなザラついた力に溢れていて、とても心に残ります。
これがあるからこその、『寄生獣』なんですよ!(『風子』もあるけど)

新井英樹『「8月の光」「ひな」その他の短編』とか、豊田徹也ゴーグル』とか、伊図透『辺境で』とか、五十嵐大介はなしっぱなし』もそうかな、同じ感じで、好きですねえ。
作者が「これは売れないだろうなあ…でも、今はこれしか考えられないんだよなあ、仕方ないよなあ。クソぉ」と思いながら描いていそうな感じ。(実際どうかは知りませんよ)

ものを作ると決めて、見返りはないかもしれないけれど、誠実に漫画に向き合っている。
ダイヤの「原石」というのは、『骨の音』のような本のことを言うのだと思います。

読みたい
完全版 ピーナッツ全集

海外漫画の最良の入り口

完全版 ピーナッツ全集
(とりあえず)名無し
(とりあえず)名無し

ビル・ワターソン『カルヴィン&ホッブス』のクチコミに書いたことだが、日本では本当に海外の漫画が読まれない。 この『ピーナッツ』ですら、「スヌーピー」というキャラクターを知る人の数に比べたら(いや、日本国民全員でしょう、それは)、実際に漫画を読んだ人は驚くほど少ないだろう。 とは言え、谷川俊太郎の美事な仕事によって、『ピーナッツ』は版元を変えながら、延々と刊行され続けている。誠に喜ばしいことである。(アメリカへ会いに行った谷川に、シュルツが「翻訳できるなんて、あなたは私よりもジョークが上手いんでしょうねえ」と感謝していた記憶がある) ごく最近刊行が始まった『完全版 ピーナッツ全集』は、本書「15」が第1回配本分となる。 個人的には、70年代のピーナッツが、今の日本人読者にとっては一番違和感なく楽しめると思うので、できれば、近いうちに刊行されるであろう「12~14」を、まずはお薦めしたい。 ちなみに、50年代や60年代は、結構絵柄が違うので、少し戸惑うと思います。 いや、もっと正直に言うと、ツル・コミック『PEANUTS BOOKS』か角川書店『SNOOPY BOOKS』、例の縦長の、横に英語が載ってるヤツを古本で探して読むのが一番良いですよ。 なんと言っても、我らが西の巨人いしいひさいちの『ドーナツブックス』が思いっ切り形をパクった、4コマ漫画の聖典なのですから。 とにかく、海外の漫画(コミック・ストリップ、カーツゥーン)を読み味わうということにおいて、これほど日本人にとってイージーな作品はない。 チャーリー・ブラウンもサリーもルーシーもライナスもシュレーダーもピッグペンもペパーミントパティも、皆、我ら極東の民と同じように人生に悩む「隣人」である。スヌーピーはいつだって、尊大で小心でええカッコしいで、魅力的だ。 『ピーナッツ』なら、誰でも海外の漫画を心から楽しむことができるのだ。 そして、この極めた優れた「入り口」を通ることが、世界中の漫画へのパスポートになる、と自分の経験を考えて断言できるのです。

大江戸恐龍伝

その意気や良し

大江戸恐龍伝
(とりあえず)名無し
(とりあえず)名無し

夢枕獏の小説は、漫画化してもあまり売れない…と、昔、知り合いの漫画関係者から聞いたことがある。 いやいやいやいや、岡野玲子との『陰陽師』があるし、谷口ジローとの『神々の山嶺』は名作だし、板垣恵介との『餓狼伝』だって売れたでしょ!…と反論したのだが、先方は「そうなんだけどねえ…」と言葉を濁した。 (ちなみに、この会話は「それに比べると菊地秀行の漫画化は数字的にかなり手堅い」と続いた。その比較について考えるのはとても興味深いのだが、このクチコミと主旨がズレまくるので触れない) 実は彼とは、かつてボクシングについても同じようなやり取りをしたことがある。 ボクシング漫画って売れないんだよねえ…と言われ、いやいやいやいや、『あしたのジョー』や『がんばれ元気』や『はじめの一歩』とか、ド名作があるじゃない!…と反論したのだ。だが彼は「いや、それはそうなんだけどね。でも、漫画家は描きたがるんだけど、かなり実力がある人でも、あまり上手くいかないんだよ」と答えた。 「夢枕獏」や「ボクシング」は、多くの漫画家がそれに魅了され、漫画にしたいと願い、そして実際に挑戦するのだが、作品的にもセールス的にもなかなか送り手が期待するような結果にならない、と言うのだ。 そう考えると、確かに、夢枕の小説が持つ破天荒な面白さを、漫画というフィールドに結実し得た作品というのは、あまり思い浮かばない。 上記三作はそれぞれの漫画家の類い稀な個性によって「面白く」なったのだが、あくまで「例外」ということなのか。 そういう意味では、スティーブン・キングの映画化と近いかもしれない。 (ちなみに、ボクシングについても、「村上もとか『ヘヴィ』や細野不二彦『太郎』といった意欲作が彼らの豊かなキャリアの中でどんな位置か」とか、「明らかにボクシング漫画を指向していたにも関わらず森田まさのり『ろくでなしBLUES』はなぜそのジャンルとして失敗したのか」とか、「車田正美『リングにかけろ』が正統的ボクシング漫画であることを止めてから売れたのはなぜか」とかを考えるのはとても興味深いのだが、これもやはりこのクチコミと主旨がズレまくるので触れない) 前置きが長くなりすぎた。 とにかく、夢枕獏の漫画化は「難しい」のだ。 しかし多くの漫画家や編集者は、この魅力的で危険な「賭け」に、今も挑み続ける。 やまあき道屯『大江戸恐龍伝』は端倪すべからざる作品である。 原作の、江戸期のスター・キャラをズラリ並べて荒唐無稽・縦横無尽に突っ走る面白さに、漫画家は必死に喰らいついている。 構成は少しダイジェスト感があり、いかんせん詰め込みすぎではあるのだが、熱気と主張ある絵柄で美事なコミカライズとなっていると思う。 近年の収穫と呼ぶに相応しい力作だと信じる。

クシー君の発明

洒脱な結晶

クシー君の発明
(とりあえず)名無し
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鴨沢祐仁は、漫画史にポツンと光る宵の明星である。 イラストレーターとしての活動のほうが知られているだろうが、本書のような漫画では、カッチリとした、『タンタンの冒険』のエルジェをさらにモダナイズしたような熟練の洒脱なタッチで、稲垣足穂『一千一秒物語』に強い影響を受けたクリスタルなエピソードを描く。 足穂インスパイアな作品は多くあるが、これほどまでに美事な仕事はちょっと思い浮かばない。 読んで満足、棚に飾って嬉しく、オシャレなプレゼントとしても最適! いや、ホント、こんな漫画家は他にいない。 劇画やヘタウマというムーブメントが激しい意識の変容をもたらした時代に、その潮流に与せず我が道を進んだ「西洋アンティーク版“林静一”」とも呼び得る存在として、真にユニークな才能である。 だが、林静一のイラストレーションが手に負えないほどの危険なエロスを秘蔵しているのと同様、鴨沢祐仁も、実はかなりエロスな人なのだ。 稲垣足穂は『少年愛の美学』『A感覚とV感覚』の「大変な変態」(雑な回文)な人でもあるので、その影響下にある鴨沢も、初期には、かなりネットリと耽美的なタッチだったりもしていることが、本書では分かる(…と思う。自分は青林堂版で持っていて、このPARCO出版の復刻版を電子化したと思しいeBookJapan Plus版を読んでいないのだが)。 後の作風ではそれを漂白してしまっているが、どちらも自分はとても好きなのです。

エクゾスカル零

ヒーローという宿痾

エクゾスカル零
(とりあえず)名無し
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山口貴由は、常に戦い続ける。 その戦いは、常に不毛である。 ヒーローはなんのために戦うのか、という問いの無意味さを、山口貴由は作家生命を賭けて描き続けているように思われる。 畢生の傑作『シグルイ』も、徹頭徹尾「不毛なるもの」としての戦いであるが(すべての戦いを命じた徳川忠長は、物語の開巻でそれにより罰せられ切腹する)、そこにはまだ武士道や階級社会のようなシステムによる動機付けが存在していた。 だが、本作にはそうしたエクスキューズすら存在しない。 『エクゾスカル零』は、出世作にして時代を圧倒する快作『覚悟のススメ』の続篇であり、明らかな「仮面ライダー」オマージュなのだが、主人公がなんのために、誰を救うために戦うのか、という本質的クエスチョンを、すべての解の可能性を叩き潰した徹底的にエクストリームな設定の上で、敢えて問い直そうとしている。 闘争は人の宿痾だ。 望むと望まざるとに関わらず、人は戦う。 だからこそ、人はその理由を探し求める。 だが、そんな理由など、どこにもない。 それでも、ヒーローは正義のために戦わねばならないのだ。 「正義」とはなんなのか分からないとしても。 この作品を失敗作という人はいるだろう。 ヒーロー漫画という意味での喜びは、ここにはほとんど感じられないのだから。 だが、絵の硬度は作者史上最強、物語はほぼ理解不能なまでに研ぎ澄まされている。 まるでカフカかバルトークの弦楽四重奏曲のようだ。 現代日本漫画の極北のひとつであると思う。 以下は余談。 上記に「徳川忠長は切腹する」と書いたが、『シグルイ』では扇腹として描かれている。 打ち首は罪人に対する処罰だが、切腹は違う。介錯人は断頭をしてはならず、首の皮一枚を残して斬らねばならない。その困難さ故、介錯人には真に腕の立つ者が選ばれた。 『シグルイ』でも、正確に首の皮がわずかに残った形で描かれてる。(マンバの試し読みで確認できます) そこに、公儀介錯人や斬首役を主人公に名作を描いた師・小池一夫への、著者リスペクトを感じるのだが、どうなのだろう。

ラタキアの魔女 笠辺哲短編集

「奇妙な味」の果実

ラタキアの魔女 笠辺哲短編集
(とりあえず)名無し
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笠辺哲をなんと評価すれば良いだろう。 なに気にキャリアのある人で、もう期待の俊才などと言うのも失礼だろう。 「ゼロ年代コミティア系の良心」? いや、別にコミティアに「悪心」が他にあるとも思っていないのだが。 SF的なテイストだと宮崎夏次系のほうがハードコアだが、笠辺哲には独自のつかみどころのない気持ちよさがあって、とにかくいつ読んでも絶妙に「宙ぶらりん」な読後感を味わわせてくれる。 絵柄も話も、少しユルいヌケたところがあって、それなのに描いている世界はちゃんと棘があり、読み重りがする。 かつての小説界であれば、「奇妙な味」というのが相応しいような、貴重な才能だ。 それはともかく。 なんでこの人は、このペンネームなんだろう。 どう考えても映画監督・俳優のジョン・カサヴェテスから取って付けていると思うのだが、その作品に、カサヴェテスっぽさは特にない。 この作品集が刊行された時のインタビューがネットで見つかったが、そこでは、自分から「(アイデアの)ベースになりやすいのが映画」と話題を振って、好きなのはタランティーノ『パルプ・フィクション』、黒澤作品、デビッド・リーン作品、キューブリック作品、『天井桟敷の人々』とズラズラ列挙するのに、カサヴェテスのことはまったく触れていない。 音の響きが面白いから借りた…くらいのことなのだろうか? 不思議。 (もちろんそれで全然構わないのだが。自分のように、カサヴェテスの名前に惹かれてコミックス買っちゃったヤツもいて、その辺もまたつかみどころがない感じがして、なかなか良いと思います)

遥かなる甲子園

号泣保証

遥かなる甲子園
(とりあえず)名無し
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自分は、漫画や映画のようなフィクションに触れてウルウルすること、実際に「涙を流す」ことの多いセンチメタルな人間なのだが、その多くは、あくまで個人的な心情にフィットして、だ。つまり、自分自身の経験や環境と類似するシチュエーションにいるキャラクターに、感情移入をして泣くのである。 だが『遙かなる甲子園』は、あくまで物語内のキャラクター、自分とはまったく異なった存在に作品を読むと同一化させられ、オンオンと号泣させられる。 自分でもおかしいんじゃないかと思うくらい、涙でページが見えなくなってしまう。 感動作という表現がこれほど相応しい漫画はない。 山本おさむはキャリアの長い人で、初期の青春物から近年の『そばもん』『赤狩り』まで、篤実な作風とはこのことか、という誠に得がたい才能だが、なんと言っても本作『遙かなる甲子園』『わが指のオーケストラ』『どんぐりの家』という、聴覚障害や重複障害の人々を描いた「人権三部作」とも呼び得る圧倒的作品群が素晴らしい。 漫画読んで泣きたい人は、ぜひ。 不思議と読後に心がすっきりします。 余談だが、山本には、漫画作品ではないが『マンガの創り方』という隠れた名著があり、これを読むと、その真率に創作に向かう姿勢の一端を知ることができる。簡単に言えば、彼の作品には常に読者への強い心配りがあるのだ。だからこそ、自分と関係のない存在にも、あれほど感情移入させることができるのだろう。(この本、古書でも高額で、あまり薦めにくいのだが)

骨の音

そんそうばんほねのおと
著者:岩明均
最新刊:
2014/10/23
そんそうばんほねのおと
新装版 骨の音
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雪の峠・剣の舞

雪の峠・剣の舞

時代の空気が鮮烈に伝わる岩明均歴史作品集出羽国に移封された佐竹家と渋江内膳を描いた「雪の峠」。剣豪・疋田文五郎と仇討ち少女ハルナとの物語「剣の舞」の2編を収録!

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寄生獣リバーシ

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人類とパラサイトの生存競争は、終わる事無く世界中で続いている。新一とミギー、伝説の陰で繰り広げられた、もう一つの生存競争がここに明かされる。大量バラバラ殺人を捜査するベテラン刑事・深見。彼は、通報者の高校生・タツキの冷静さに、違和感を覚える。その違和感の源は、タツキの家族に在った…。不朽の名作「寄生獣」、その裏側を描く物語がここに開幕!

寄生獣 フルカラー版

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突如飛来した寄生生物たち。彼らは人間の身体に侵入し脳を乗っ取り、他の人間を食い殺し始める。高校生・泉新一の身体にも寄生生物が侵入するが、脳の乗っ取りに失敗し彼の右手に宿ってしまう。自ら「ミギー」と名乗った寄生生物は新一と奇妙な共存関係になる。そんなイレギュラーな存在となった新一とミギーは寄生生物たちとの壮絶な戦いに身を投じる!完結後20年が経ちながら、今なお新たな読者を獲得し続ける伝説的大傑作がフルカラー版で登場!

ヒストリエ

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舞台は紀元前。奴隷の身分にありながら、豊かな教養と観察眼、判断力、そしてそれらを駆使して行動を起こす度胸を兼ね備えた、不思議な青年・エウメネスがいた。あの偉大なる哲学者・アリストテレスの逃亡を助けたりしながら、彼が目指していたのは、「故郷」と呼ぶカルディアの街……。のちにアレキサンダー大王の書記官となるエウメネスの、波乱に満ちた生涯を描いた歴史大作!

七夕の国

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ちょっとした超能力が使えるのが取り柄の南丸こと、ナン丸はある日、知り合いでもない民俗学の教授・丸神から呼び出しを受けた。だが丸神は調査のため「丸神の里」へ行ったきりで戻っておらず、残された研究生からは「教授とナン丸は、同じルーツを持つらしい」と告げられ、心当たりを尋ねられた。だが何も知らない――。いっぽう「丸神の里」東北の丸川町では、殺害方法のわからない猟奇事件が起きた。失踪した丸神教授の研究内容と足取りを追って、丸神ゼミとナン丸は「丸神の里へ」おもむくが…。

ネオ寄生獣f

ネオ寄生獣f

「シンイチとミギーのふとした日常」「まったく別の場所で起きた寄生生物との惨劇」「寄生生物が制作した乙女ゲーがあったら」……etc.岩明均が二十数年前に描いた日本漫画界の金字塔的作品『寄生獣』の世界を、現代の人気女性作家たちがイマジネーションを拡げて描く奇跡の超豪華トリビュート。『寄生獣』を愛するすべての人へ捧ぐ、7篇の物語を収録するファン必見の「Parasite Side」登場!

ネオ寄生獣

ネオ寄生獣

田宮良子が生み、泉新一に託した子どものその後を描いた萩尾望都『由良の門を』。砂漠の戦場での寄生生物同士の激しいバトル! 皆川亮二『PERFECT SOLDIER』。まさかの『アゴゲン』とのコラボ、平本アキラ『アゴなしゲンとオレは寄生獣』など『寄生獣』への想いに満ちた12編の傑作が集結! 他の著者・遠藤浩輝、真島ヒロ、PEACH-PIT、植芝理一、熊倉隆敏、太田モアレ、瀧波ユカリ、竹谷隆之、韮沢靖。

風子のいる店

風子のいる店

郊外の街に住む高校生風子は、吃音のために学校で教師やクラスメイトから迷惑がられ自殺も考えるが、逃げ場所を求めて喫茶店「ロドス」のウェイトレスになった。それは内気な性格を直す為でもあった。風変わりな出来事の多い「ロドス」で、様々な他人と関わり合いながら、風子はしだいに明るく成長していく。

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