「熱狂」とはなにか

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梶原一騎梶原一騎の凄さを、今の読者にどう伝えたら良いのか…って、前にも同じような文章をクチコミで書いたような気がするが、こっちはそんなに悩まない。

梶原一騎は、もう要するに「フィクション=嘘」のとんでもないパワーが、その真髄であるに決まっている。
言い換えれば、ホラ話の面白さだ。
日本漫画史で、これほど胸躍るキワキワのホラを騙り続けた作家はいない。

昔、『巨人の星巨人の星』の消える魔球の秘密で、「魔送球の縦の変化」という説明を読んで、少年だった私は「え、そんな、重力あるじゃん! じゃあドロップドロップを横に変化させたらカクっと真横に「落ちる」って言うの!? 変化球を縦やら横に投げ分けられないでしょ!」と、とても釈然としなかったことがあった。
しかし、そんなガキのクソ生意気でクソ正論なションベン臭い小理屈と、漫画の「面白さ」はまったく関係がないのである。
『巨人の星』は、本当に素晴らしく陶酔的な魅力に溢れた大傑作で、私も大好きなのだから。

そういう点では、なんと言っても『ジャイアント台風ジャイアント台風』である。

このマンバの「あらすじ」からしてメチャクチャで、「(馬場選手の言葉、作中より一部抜粋)」って、こんなことを馬場が絶対言うはずがない。

トレーニングで足に鉄アレイをくくり付けられて、力道山から蜂の巣を投げつけられ、「このままでは死あるのみ」と苦悶した……そんな「汗と涙の苦しい経験」、馬場がしてるわけないでしょう!

だが、既に馬場も梶原も物故し、それから長い時が過ぎた今も、この「騙り」はインターネットという新しいメディアの中で、ギラギラギラギラと我々を挑発してくる。
だって、「馬場選手の言葉」って書いてあるんですよ。
「ノンフィクションコミック」って堂々と言い切っちゃってるんですよ。
そんで漫画読んだら、そりゃあ今も信じちゃう人、いるでしょ!
(……いや、いないかな。
つまんない時代だな。
ホント、リテラシーなんていう薄気味悪い言葉使うヤツ、梶原兄弟の霊にボコられちゃえばいいのに)

同系列の『プロレススーパースター列伝プロレススーパースター列伝』に出てくるもろもろも、ほぼほぼ嘘ですよね。
とんでもなく面白いですけど!
エリックのアイアン・クローとか、ブッチャーの地獄突き体得のエピソードとか、最高。

まあ、プロレス自体が、そうした虚実の皮膜を豪快に利用するジャンルではあるので、そのケミストリーが最大限に発揮された、というのはあるかもしれない。
それにしても、あまりと言えばあまりではある。

今の人は呆れるだろうが、当時の子供は皆、梶原原作の「実録」物を、ホントに信じて熱狂していたのであった。
思えば、とても幸福だった。
あの頃は、漫画を読む純粋な喜びに満ち溢れていた。

とにかく、『ジャイアント台風』は、あの中島らも中島らもが、笑い過ぎて痙攣を起こし「このままでは死あるのみ」となった生涯最高の漫画である、と賞賛を惜しまなかった本当に面白い傑作なのですよ。

>>今の人は呆れるだろうが、当時の子供は皆、梶原原作の「実録」物を、ホントに信じて熱狂していたのであった。

ジャイアント台風ジャイアント台風を読んで熱狂した人の子供が、
スーパースター列伝の馬場・猪木編を読んで興奮した
可能性もあるんだよな。
今の子供は総合格闘技やプロレス暴露本とかを楽しんで
いるのかもしれないが・・
世代によって、梶原先生の評価は激しく違うでしょうね。
私は列伝世代ですが、
梶原先生には「面白がらせてくれてありがとう」
という気持ちで一杯です。

>>今の人は呆れるだろうが、当時の子供は皆、梶原原作の「実録」物を、ホントに信じて熱狂していたのであった。 ジャイアント台風を読んで熱狂した人の子供が、 スーパースター列伝の馬場・猪木編を読んで興奮した 可能性もあるんだよな。 今の子供は総合格闘技やプロレス暴露本とかを楽しんで いるのかもしれないが・・ 世代によって、梶原先生の評価は激しく違うでしょうね。 私は列伝世代ですが、 梶原先生には「面白がらせてくれてありがとう」 という気持ちで一杯です。

>>今の人は呆れるだろうが、当時の子供は皆、梶原原作の「実録」物を、ホントに信じて熱狂していたのであった。 ジャイアント台風を読んで熱狂した人の子供が、 スーパースター列伝の馬場・猪木編を読んで興奮した 可能性もあるんだよな。 今の子供は総合格闘技やプロレス暴露本とかを楽しんで いるのかもしれないが・・ 世代によって、梶原先生の評価は激しく違うでしょうね。 私は列伝世代ですが、 梶原先生には「面白がらせてくれてありがとう」 という気持ちで一杯です。

@名無し

自分は、どちらかと言うと「台風」世代で(「タイガーマスクタイガーマスク」からの流れで小学生の時に単行本で読んだ)、「列伝」連載時は生意気盛りの高校生だったので、半分笑いながら読んでいました。

自分がジャストなのは、「台風」連載後に始まった「空手バカ一代空手バカ一代」で、これは連載が小学生時代とモロかぶりなので、思いっきり極真伝説を喰らいましたね。(そのレガシーにして最高潮が、猪木VSウイリー戦でしょう)

今思い出しても、胸踊りますよねえ。
現実をワンダーランドワンダーランドにしてしまう梶原一騎梶原一騎の破壊力は、本当に素晴らしいと思います。

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