GONTAが王欣太にペンネームを変えたのは、いつのことだったか。
…って、そんなのは考える必要もなく、『蒼天航路』からなのだが。
GONTAの漫画が大好きだった。
特に、ほぼデビューである本作は、自在に猛り奔るようなコマ割りに筆使いで、「こんなに地ベタのブラック・カルチャー・テイストを活き活きと描き出す漫画家が日本に現れるなんて!」と、いつもワクワクしながらページをめくっていた。
野心作『地獄の家』の失墜の後、『蒼天航路』で三国志という巨大なテーマに挑み、美事大きな成功を収め、結果、GONTAという名義は漫画史から消えることになった。
それは、著者にとっても雑誌にとっても、本当に素晴らしい達成だったと言えるだろう。
だが自分は、今も『HEAVEN』の頃の、読む者の精神を煽ってくる、「自由」を希求するエネルギーが迸りまくった漫画家GONTAを忘れられないでいる。
酒・暴力・ギャンブル・SEX……あらゆる快楽と自由のある街・ヘヴン。そんなヘヴンで奔放に生きる男、トーマ。四六時中“臨戦態勢”で、抱いた女は数知れず、戦った男も数知れず! 男に、女に、そしてヘヴンという街に愛される男――限りない強さと愛とやさしさを持ち、トーマは刺激と興奮に満ちた活躍をみせる!
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