ネタバレ
名無し

普通の高校生、高柳廻。
自問自答しながら、でもなんとなくレベルで
格闘技(アマチュア・シュート)にのめりこんでいく。
高校では友達が少ないが明るくも暗くも無く、
必殺技があるわけでもないが、技術体力を地味にあげていくなど
およそ格闘技のヒーローっぽくないし、
本人もときどき「なんで格闘技をやっているのだろう」と
自問自答したりしている。
日常系格闘技漫画とでもいうのだろうか。
その分、妙なリアリティを感じる部分もある。

読みたい
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皆がそれぞれ色々な想いを抱いて廻と戦う。
結構せつない展開もあるのだが、
読後の後味が悪くないのは、この作品の良いところ。

続編というかパート2というか、
プロ編とかやろうと思えば簡単にできそうなくらい、
色んなキャラクターが出ていた。
女子選手とか、柔術家とか。
サラリーマン・ファイター廻とか読んでみたい。

12巻の東北の旅館での狂乱の宴が凄い。
この漫画にああいうシーンが必要かどうか
よくわからんが、面白かったからOK(笑)

元極道で刺青だらけの対戦相手に勝った廻君。
潔くクリーンに勝利をたたえる相手に

廻「実はいい人かも?」
セコンド「それ幻想だから。格闘技マジックだから。」

って、そこは「そうだね、いいひとかもね。」で
流して良いんじゃないか(笑)。
     

脇役(鳥居さんとか香取とか)まで恋愛ストーリーが描写されたし、恋愛もの要素は結構多いねこの漫画。
直接的にイチャイチャするシーンはほとんどないんで、
作者としては格闘技が全ての格闘技馬鹿の話にはしたくなくて、
普通に恋愛もする主人公達を描きたくてこうしたんんじゃないかと思います。

「たぐり」「ヒップスロー」「スイッチ」とか勉強になった。
シュートや総合をやっている人には基本なのかもしれないが。
そしてフィジカルに勝る人には通じないこともアル、というのも(笑)。

勇大が腕十字からの逃げ方を「そうゆう逃げ方をしていると怪我するぞ」と言われていて実際に怪我をした。
具体的にはわからんが、かけられてるほうの手を、かけられていない手とか他の手段でサポート(補強)するとかをしないで逃げるのがマズイのだろうか?

結局、最期まで喬の使った「手打ちに見えるが凄く効くアッパー」がなんなんだかわからなかった。

アマチュアシュートって派手なコスチュームで戦うわけではない。
むしろヘッドギアをつけるから表情すら分かりにくくなる地味な世界。
それなのにちゃんとキャラを顔とか体型とか描きわけて、どっちがどっちかわかるようにしている遠藤先生の力量が凄い。
キャラそれぞれの強さの特性も違って描かれている。
ろくでもない格闘漫画だと、ただただ前に登場したキャラより強いだけのキャラが登場してきて強さのインフレが起こるだけだが、この漫画はちゃんとしている。
喬が強いのは当然だが、三ツ谷や香取も強いし、喬と戦って負けた加賀谷も、だから弱いとも感じなかったし。

喬が未だに釣りをやっているのは
何だかんだ言っても廻と釣りをした日々が
良い想い出になっているからなんだろうな。
そう考えると喬も結構カワイイ(笑)。

ゴング格闘技に掲載されたオールラウンダー廻についての作者のインタビューが読みたい。

遠藤浩輝「オールラウンダー廻」の完結を記念したインタビューが、本日4月23日発売のゴング格闘技6月号(イースト・プレス)に掲載されている。

この漫画の主人公は高校生だけれども、
もしこの漫画を見てシュートを始める人がいたら
結構、高齢の人じゃないかな。
あ、社会人でもこういうふうにやれる
格闘技があるんだ、って感じで。

改めて読んで、感じたのだけれども
試合のシーンでの時間的な描写が凄く上手い。
私的に嫌いな格闘技漫画だと
残り試合時間数秒なのにどう考えても
数分レベルのやり取りがあったりとか
セコンドが「よけろ」「かわせ」とか声を出すと
選手がソレを聞いてよけたりかわしたりとか
ありえない展開があったりする。
その点「廻」は動きのある絵と静止画的な絵を
組み合わせたり、セコンドや観客の
「声」とか「感想」「判断」「直感」とかを
ちゃんと描きわけていて、
時間の流れ的にも、試合のリアリティからしても
凄く上手く描かれていると思った。

格闘技を真剣にやることの目的とか理由は、
けして最強を目指すため、という人だけではない。
格闘技をやることに、喜びや幸せや生きがいを
見いだしている人だっている。
ただそれらはみな、真剣にやらなきゃ味わえない。
そういう漫画なんじゃないだろうか。

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おーるらうんだーめぐる
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