sinkで出来ていたことが出来ていない
漫画家としての作者の実力はここで記述するまでも無い程に圧倒的なのは周知の事実である。しかし、この作品においては、その実力を発揮しきれていない。サスペンスにも関わらずコマ割りが細かくテンポ良く進むため、サスペンスが必要な箇所でなんてこと無い日常の様に進んでいってしまう。ましてや大ゴマにする必要の無い箇所で大ゴマにしてしまっている。絵の造形も不気味な雰囲気が失われギャグのキャラ造形になっている為、ここでもサスペンスが失われる。sinkで出来ていたことが何故出来ていないのだろうか?
アマチュアシュートって派手なコスチュームで戦うわけではない。
むしろヘッドギアをつけるから表情すら分かりにくくなる地味な世界。
それなのにちゃんとキャラを顔とか体型とか描きわけて、どっちがどっちかわかるようにしている遠藤先生の力量が凄い。
キャラそれぞれの強さの特性も違って描かれている。
ろくでもない格闘漫画だと、ただただ前に登場したキャラより強いだけのキャラが登場してきて強さのインフレが起こるだけだが、この漫画はちゃんとしている。
喬が強いのは当然だが、三ツ谷や香取も強いし、喬と戦って負けた加賀谷も、だから弱いとも感じなかったし。