ネタバレ

【掲載誌】
モーニング2017年30号(2017年6月22日発売)より連載開始

【代表作】
『湘南レスキュー部』 東元俊也 名義
バウンスアウト』 東元俊也 名義
バタフライ』 東元俊也 名義

【公式ページなど】
モアイ http://morning.moae.jp/lineup/833

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犯人が録音している場面のカセットテープのテープの位置、いわゆるオートリバース機能のものでなければ、「巻き終わり」の位置にあり、これでは録音であれ再生であれ、ボタンを押してもすぐにはね返る。過去の録音場面も同じ位置だった。
このカセットは決定的な証拠になると思っていたが、何も入っていないかもしれない。犯人は操作方法を知らずに録音したつもりでいるのだろうか。

ノートに書かれたのは実は田中さんの詩ではなく犯人が書いたものということもあるかも。田中さん目が見えないわけだし、結構明るい詩を書いてるような雰囲気を出していたし。

最後の絵、人物はともかくとして後ろの枯れ木は孤独の象徴だろうか、それとも冬の森で迷子?
そして上空のプロペラ機、これから思い浮かぶのは「監視(者)」だろうか。これを描いた人物のことかもしれないし、その人自身さえもまた別の誰か(幻覚の可能性もあるか)に誘導されてる、なんてこともあり得るかも。例えばそのノートを見つけて意図を知り、直接または間接的に誘導するとか。

枯れ木は風景かなぁって深く考えていなかったんですが、プロペラ機には何かしら意味がありそうと私も思っていました。監視者なのか、自由への憧れなのか、あるいは爆撃機かも(枯れ木はもしかしたら焦土を表しているとか)
あと、人物はどちらも女の子に見えるので、泣いている片方が描いた人自身だとしたら犯人は女の子?

確かに家庭内でDVの被害受けてたりしてるなら自由への憧れというのもあり得るかも。
それから気が付いてる人も多いと思うんだけど、パラコート事件の時に現場にいた人で(誰がいたか心が思い出しているシーンがある。その時は佐野を疑ったが)、なおかつ田中さんが「いい匂いがする」と言った時にその部屋にいた人物は長谷川翼、佐野鈴、三島明音の3人。
犯人が女ならふたりに絞られてしまう。いずれもできることなら容疑者から外したいが。

佐野が心たちに手紙を書いていたらしいじゃない。あれは、心へ何かしらの手がかりを渡そうとしていたのではないかな。そうじゃなきゃ、死刑囚なのに無駄にポジティブというか。

金丸刑事の一万円と10円のお年玉の両方を貰う、と言うのは、どうすれば出来る?
これも矛盾している。佐野文吾と田村未来の2人を助けると言っているみたいな話だよね?

心と鈴の窓越しの会話で、直後に歩いている心を「引き」の絵で描かれ、その次のコマと会話中にはその立ち位置から真後ろを向いたら見えそうな風景が描かれている。犯人が立ち聞きした上で自分に都合良くあてはめてるような気もする。
最後の場面、子供だろうか。気になるのは雪の降り方が佐野家の周りと違うこと。家ではなく倉庫に見えるが、これまでとは違う流れに戸惑う。

加藤みきお君(男子だった!)、今回は椅子の名札からスタート。先週に続いて仲裁に入っている。モブキャラからキーパーソンになった感じ。真意は何だろう。

心が佐野に話した犯人の人物像、そしてだから田中さんが心配、納得だ。
家族や仲間がいて幸せそうな人を見るのがいやで、その幸せを失って泣いてるのを見るのが快感、という感じだろうか。

ラジカセのテープが巻き終わりの位置になっていると以前に書いたんだけど、録音/再生のヘッドが上に付いているタイプの可能性があり、ならばまともに作動していることになる。お詫びと訂正したい。
調べてくれと言わんばかりにラジカセの型番が書いてあったので機種を調べたところ、SONYのCFM-A50という小型モノラルラジカセだった。特長は年配者向けで再生速度を変えられ、音質が下がるが年配者に聞きやすくできること。かなりアップの絵で描かれているが意外に小さいものだった

金丸刑事のお年玉の件、子供たちがどれくらい自分の欲望に素直かを試したかったんじゃないだろうか。
拒否。自分の正義、誰かを守るほうが大事。
10円。素直にもらうが控えめにしとく。
1万円。もらえる物はもらえ!
「両方奪う」。ここまでくると犯罪者になる素質あり
と思ったんだけど、どうだろう。

金丸刑事のお年玉の件何だけれども、今年は10円貰い、生まれてくる赤ちゃんが大きくなった時に、3人兄弟で頂きす!とか言えば矛盾しないのでは?

最後のシーンの番号鍵、ウサギ小屋のとイメージがだぶってしまっていやな予感しかしない。
しかしその閉じ込め犯と日記のように犯行を録音する人物は別人の可能性もあると思う。
理由はこの件の録音シーンがまだないこと、そしてウサギのように力の差がありすぎるものは自分の手にかけたが、人に対しては薬物という間接的なものを使っている。これまでとは手口が違うようにも思えるので。

田村心が、タイムスリップした事で、両親姉兄と幸せな生活を送っている姿を見ると、ファンとしてこっちも幸せになれる。
これで事件さえなければ、どんなに良い事か…

田村心の姉、佐野鈴は顔にあったホクロを取っているんですね。この件が鈴に対して何かしらの影響を与えてしまっているのではないでしょうか?

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テセウスの船

どちらかというと『テセウスの船』というより『動的平衡』じゃない?

テセウスの船 東元俊也 東元俊哉
mampuku
mampuku

時間遡行をして人生をやり直したとしたら、それは本当に同一の自分といえるのか?という問いを有名なパラドックス「テセウスの船」になぞらえたタイトルだ。 ストーリーに関しては論理的整合性や感情的整合性においてやや粗い部分も感じられたもののサスペンスとして緊張感もあり、ラストは新海誠監督『君の名は。』のような美しい締め方だったし概ね面白かった。 ただ、タイトル『テセウスの船』がイマイチストーリーにハマっていない感じがした。 どちらかといえば「動的平衡」のほうが比喩としてしっくりくるのではないだろうか。 「動的平衡」とはシェーンハイマーの提唱した概念であり、日本では福岡伸一氏による著書『生物と無生物のあいだ』『動的平衡』で有名になった言葉である。“生命”とは、取り込まれ代謝されていく物質、生まれ変わり続ける細胞どうしの相互作用によって現れる“現象”である、という考え方だ。 主人公の田村心は生まれる前の過去に遡り、そこで巻き起こる惨劇を阻止することで、その惨劇により自身に降りかかった不幸な運命を変えようと奮闘する。作品では、過去を改変して自らの人生を曲げようとする一連の試みをテセウスの船にたとえているが、やはりピンとこない。作中、田村心は殺人事件を未然に防ぐため凶器となった薬物を隠したり被害者に避難を呼びかけたりするが、その影響で心の知る未来とは異なる人物が命を落としたり、結果的に大量殺人を防げなかったばかりか予想だにしなかった事態を招くことになる。 この予測不可能性こそがまさに動的平衡そのものって感じなのだ。生命体は、船の部品のように壊れた部分を取り替えれば前と変わらず機能する、ということにはならない。ある重要なホルモンの分泌に作用する細胞を、遺伝子操作によってあらかじめ削除してしまったとしても、ほかの細胞がそのポジションを埋めることがある。これは心が殺人事件の阻止に何度も失敗したことに似ている。思わぬ不運や予想しない死者が出てしまったのも、脚のツボを押すと胃腸の働きが改善するなどの神経細胞の複雑さに似ている。 船は組み立てて積み上げれば完成するが、生命は時間という大きな流れの中で分子同士が複雑に相互作用しあうことで初めて現象する。『テセウスの船』での田村心の試みは人生あるいは歴史という動的平衡に翻弄されながらも抗う物語だったのかもしれない。

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