あらすじ1989年にタイムスリップした田村心。4ヵ月後に発生する「音臼小無差別殺人事件」が近づくにつれて不可解な事件が頻発することに気づいた心は、父であり、事件の犯人として現代で死刑判決を受けている佐野文吾とともに、音臼村を守るため奔走する。ところが、未来を変えようともがくほど増えてゆく犠牲者に、佐野と心の関係にもヒビが入りはじめ、ついには…。読むほどに心凍てつく本格クライムサスペンス、衝撃の第4巻。
作品情報著者東元俊也arrow_forward_ios著者東元俊哉arrow_forward_ios巻数全10巻arrow_forward_iosカテゴリ青年マンガarrow_forward_ios出版社講談社arrow_forward_iosレーベルモーニングarrow_forward_ios掲載誌モーニングarrow_forward_ios年代2010年代arrow_forward_ios刊行期間2017/09/22~2019/12/23※電子版発売日ジャンル怪奇・ミステリー社会タグ警察北海道登場人物登場人物・キャラクター(8)
プラタナスの実東元俊也東元俊哉全10巻完結4件のクチコミ『テセウスの船』作者が描く小児科医の物語 命を繋ぐ、音がする―― 奇跡のような、尊い音が―― 少子化、モンスターペアレント、コンビニ受診… 社会的問題が山積みな一方で、「もしも」の大病が患者の中に潜むことを決して見逃せない日々。そんな「子供が好き」だけでは戦えない “心のコスパが悪い”医療現場に、やさしい笑顔で向き合う小児科医・鈴懸真心(ルビ:すずかけまこ)。これは“ゆりかごから大人になるまで”の子供たちと、その家族に寄り添う、暖かく誠実な、小児科医の物語――試し読み
バウンスアウト西条隆男東元俊也全5巻完結クチコミなし投稿する東京、六本木。すべての欲望が溢れ、乱れ、踊るこの街に、ひとりの不良少年が降り立った。そこで目撃するのは、これまでにない大きな地殻変動。利権を非顕在化し、暴排条例のため地下に潜った“不良”たち。暴力とカネという地下水脈は、警察の目が届かないところで激流となり、少年は否応なく飲み込まれていく――。新しいタイプのアウトローが蠢く現在の“ロッポンギ”を舞台に描く、堂々のネオ・クライム・アクション!!試し読み
野良をつく東元俊也全2巻完結クチコミなし投稿する「破道の門」「バウンスアウト」の東元俊也、最新作!! 裏社会を描き続けた作者が挑む戦慄の潜入捜査官物語!! 主人公・飛沫凉は、関東一の武闘派集団・朱組に潜入し若頭補佐にまで伸し上がった。全ては組長の朱蓮を逮捕するため…!! 極道の仮面を被った刑事のハードボイルド戦記!!試し読み
破道の門スペシャル東元俊也全3巻完結クチコミなし投稿する藤沢ケンジ、17歳。北海道に生まれ、極道になることを夢見る。ある組長はケンジに言う。「この男からヤクザのすべてを学べ。極道の天才と言われる男だ」その男の名は四代目極門組・九条英治。二人の男が出会い、その魂を焦がす!!試し読み
バタフライ東元俊也1巻まで刊行1件のクチコミ欲望渦巻く大都会を、オンナで凌ぎ、闇に生きる!! デリバリーヘルス「バタフライ」を経営する爆石優。普段は明るく優しいが、店の女の子に危害が及ぶとこの上なく恐ろしい血の裁きを下す!! 夜の蝶に渦巻くセックス&バイオレンス!! 戦慄のデリヘル稼業闇物語!!!!!試し読み
【単話版】ムシバミヒメ東元俊哉16巻まで刊行クチコミなし投稿する【『テセウスの船』東元俊哉最新作!】小説家志望の大学生・田中愛は、募集サイトで知り合った山口美羽とルームシェアすることにしたのだが――。目が離せない、同居人サイコホラー。試し読み
ムシバミヒメ東元俊哉2巻まで刊行1件のクチコミ【『テセウスの船』東元俊哉最新作!】小説家志望の大学生・田中愛は、募集サイトで知り合った山口美羽とルームシェアをすることに。美羽は自分の持ち物を勝手に使う、自分と同じところにホクロを描くなど、徐々におかしな行動を取るようになる。不審に思った愛が美羽の部屋にこっそりと侵入すると、そこには恐ろしいものが……。目が離せない、同居人サイコホラー。試し読み
時間遡行をして人生をやり直したとしたら、それは本当に同一の自分といえるのか?という問いを有名なパラドックス「テセウスの船」になぞらえたタイトルだ。 ストーリーに関しては論理的整合性や感情的整合性においてやや粗い部分も感じられたもののサスペンスとして緊張感もあり、ラストは新海誠監督『君の名は。』のような美しい締め方だったし概ね面白かった。 ただ、タイトル『テセウスの船』がイマイチストーリーにハマっていない感じがした。 どちらかといえば「動的平衡」のほうが比喩としてしっくりくるのではないだろうか。 「動的平衡」とはシェーンハイマーの提唱した概念であり、日本では福岡伸一氏による著書『生物と無生物のあいだ』『動的平衡』で有名になった言葉である。“生命”とは、取り込まれ代謝されていく物質、生まれ変わり続ける細胞どうしの相互作用によって現れる“現象”である、という考え方だ。 主人公の田村心は生まれる前の過去に遡り、そこで巻き起こる惨劇を阻止することで、その惨劇により自身に降りかかった不幸な運命を変えようと奮闘する。作品では、過去を改変して自らの人生を曲げようとする一連の試みをテセウスの船にたとえているが、やはりピンとこない。作中、田村心は殺人事件を未然に防ぐため凶器となった薬物を隠したり被害者に避難を呼びかけたりするが、その影響で心の知る未来とは異なる人物が命を落としたり、結果的に大量殺人を防げなかったばかりか予想だにしなかった事態を招くことになる。 この予測不可能性こそがまさに動的平衡そのものって感じなのだ。生命体は、船の部品のように壊れた部分を取り替えれば前と変わらず機能する、ということにはならない。ある重要なホルモンの分泌に作用する細胞を、遺伝子操作によってあらかじめ削除してしまったとしても、ほかの細胞がそのポジションを埋めることがある。これは心が殺人事件の阻止に何度も失敗したことに似ている。思わぬ不運や予想しない死者が出てしまったのも、脚のツボを押すと胃腸の働きが改善するなどの神経細胞の複雑さに似ている。 船は組み立てて積み上げれば完成するが、生命は時間という大きな流れの中で分子同士が複雑に相互作用しあうことで初めて現象する。『テセウスの船』での田村心の試みは人生あるいは歴史という動的平衡に翻弄されながらも抗う物語だったのかもしれない。