「贋作」
美術館に行く機会があるなら、その前に読んでほしい。 美術品の「贋作」をモチーフにしたミステリー漫画です。 短編で読みやすいのと、美術品の説明がたくさんあるので、芸術に詳しくなった気がします。 主人公のフジタの裏の顔がカッコ良いのも、この漫画の良さだと思います。
贋作専門の画廊「ギャラリ-フェイク」のオ-ナ-・藤田玲司のもとに、衆議院議員の梶がモネの「つみわら」の真作を売ってほしいと商談を持ちかけた。フジタは贋作だけではなく、裏では美術品のブラックマ-ケットに通じ、盗品や美術館の横流し品を取り引きしていることを知ってのことだった…。美術界を舞台に繰り広げられる、芸術をめぐるミステリー!!
本当にお読みになったのか、それとも現代美術について偏った知識しかないのかわかりませんが、
ここで批判されてるのは現代美術全般ではなくて、コンセプト(言葉)だとかステートメント(言葉)だとかが本体になってるタイプの現代美術のことですよ。
そういうのを「未だにその愚行から脱せず、言葉に振り回されている人間たちが少なからずいる」と指弾しているわけです。
だから「現代美術の作品だって言葉じゃない部分で十分伝えているだろう」という指摘はまるで見当違いです。そういうものは非難されていません。
「美術界はそういう論理で動いてないのに」とも書かれていますが、作中で「そういう論理で動いていない」美術館や学芸員が登場していますよね。
その上で批判しているので、作者はある程度どころかちゃんと当然わかっているに決まっています。
ちなみにギャラリーフェイクは古典美術に対しても、既存の美術界隈を無批判に肯定するようなマンガではありません。
現代美術に対する理解どころか、お読みになられたはずのエピソードへの理解もなさ過ぎるのは残念ですが、それでも楽しめるというのは自分の都合のよいように読んでいるからに他なりません。そういう方にはフェイクニュースすら必要ないでしょうね。