あらすじ

1999年の大晦日。フジタはいつもの年と同じように、四国にある安閑寺というさびれた寺で新年を迎えようとしていた。その寺でフジタは、毎年元旦から遍路を始める難波という老人に加え、今年は青島という青年とも一緒になる。
ギャラリーフェイク 1巻

贋作専門の画廊「ギャラリ-フェイク」のオ-ナ-・藤田玲司のもとに、衆議院議員の梶がモネの「つみわら」の真作を売ってほしいと商談を持ちかけた。フジタは贋作だけではなく、裏では美術品のブラックマ-ケットに通じ、盗品や美術館の横流し品を取り引きしていることを知ってのことだった…。美術界を舞台に繰り広げられる、芸術をめぐるミステリー!!

ギャラリーフェイク 2巻

フジタは「日本のドン」と称されるフィクサーの国府双六から、雪舟の贋作を作ってほしいと依頼された。国府が所持している雪舟は実は盗難品で、正式な所有者である在日フランス大使・ブロト-に返さなくてはならない。雪舟を手離したくない国府は…。

ギャラリーフェイク 3巻

フジタは家と財産を差し押さえられた、会社社長の美術コレクションの鑑定に来ていた。たくさんのコレクションは二束三文のものばかりであったが、国宝級の真作とおぼしき円空の「日光菩薩」があった。しかし、喜び勇んで持ち帰った「日光菩薩」は…。

ギャラリーフェイク 4巻

ロシアの天才少年ピアニスト・ミーシャの演奏会に来ていたフジタは、「モスクワ音楽アカデミー」の教授から、ある絵を探してほしいという依頼を受ける。それはムソルグスキー作曲のピアノ組曲「展覧会の絵」の構想に使われた、ガルトマンの10枚の絵のうちの1枚で…。

ギャラリーフェイク 5巻

レンブラント調査委員会の第一人者・ラストマン博士が、レンブラントの作品の鑑定のため来日した。ラストマンは鑑定に絶対的な自信を持っていたが、レンブラント調査委員会は、過去にフジタの鑑定結果から自身が出した判定を覆すという辛酸を嘗めていたのだった。

ギャラリーフェイク 6巻

大東亜生命の総務部長である北白川は、美術に造詣が深い。かつては芸術品の買い付けに奔走するほどであったが、現在は窓際に追いやられている。ある日、北白川は企業の名品展の実行委員長を命じられ、展示に必要な中国磁器を借りるために「ギャラリーフェイク」を訪れる。

ギャラリーフェイク(7)

アメリカのソフトウエア制作会社「マルチメディア社」会長・キルバート・ベイカーは、末期癌の母親が欲しがっている「窓の絵」を探していた。だが、窓がついたどの絵を見せても、母親は違うと首を振るばかりであった。困り果てたベイカーは、フジタに相談をするが…。

ギャラリーフェイク(8)

フジタがテレビ局に貸し出した乾山の皿が、破損してしまった。怒ったフジタはテレビ局に乗り込み、弁償を請求する。そこで、三田村小夜子の妹でタレントのみちるに偶然出会い、みちるが司会をしている番組の鑑定人の代理を急遽務めることになったが…。

ギャラリーフェイク(9)

フジタと同じアパートに住む小梅おばさんが倒れ、息子が経営している病院に入院した。この病院は快適な空間を患者に提供することをモットーに建てられたもので、各部屋ごとにカラーコーディネートがなされていた。小梅おばさんは、一番上等な紫でコーディネートされている部屋に入院していたが…。

ギャラリーフェイク(10)

フジタは事務所に警察に追われているある男をかくまった。その男はイタチの辰蔵(たつぞう)という通り名で、美術品窃盗の常習者。ある日、辰蔵は仕事の依頼を断ったものの、大事なひとり娘を誘拐され、仕事をせざるを得なくなった。その仕事とは…。

ギャラリーフェイク(11)

5年ぶりに、祖母の墓参りのために故郷に里帰りをしていたフジタ。彼はそこで従兄から、公民館で行なわれる「お宝鑑定」の鑑定士を依頼される。町民が持ってきた「お宝」は、どれもガラクタばかり。だが、その中にひとつだけ、フジタのお眼鏡にかなった品があった。

ギャラリーフェイク(12)

「ギャラリーフェイク」のオーナーであるフジタのもとに、昔パチンコ仲間だった売れっ子モデル・江副ルミが「最近ストーカーに付け狙われている」と泣きついてきた。ストーカーからの手紙を見たフジタは、ある確信を持つ。その確信とは…。

ギャラリーフェイク(13)

ゲームデザイナーのリッキー吉村は、新作の構想を得るためカンボジアへと向かう途中、機内でフジタと知りあう。フジタはプノンペンで美術商のタンから幻の秘宝「東洋のモナリザ」がポル・ポト派支配下のパンチェイ村にあると聞くが、タンは踏み込んできた警察に射殺され…。

ギャラリーフェイク(14)

甲冑を探して出張中のフジタに代わり、ギャラリーの留守をあずかることになったサラ。彼女はホテルのカフェで知り合ったアートディーラー・堀部に珍しいカブトの話を持ちかけられる。サラは乗り気ではなかったが、堀部がギャラリーに持参したカブトを見てすっかり気に入ってしまった。

ギャラリーフェイク(15)

アンデルセンの有名な童話に因む、コペンハーゲンの人魚姫のブロンズ像。この像はこれまで2度、何者かによって首を切断されており、オリジナルの首は失われている。この人魚姫の受難を追いかける男がいた。彼は東京の「ギャラリーフェイク」に現れ…。

ギャラリーフェイク(16)

時は2021年、スペース・シャトルによる宇宙旅行が始まっていた。フライト間近になって、NASA予約センターのミスで乗客の身体的データが消去され、日本人乗客30人のチケットが発券されない事態が起こる。宇宙旅行がキャンセルになれば、旅行会社は危機に立たされるのは明らかで…。

ギャラリーフェイク(17)

「ギャラリーフェイク」に安藤広重の浮世絵を展示しようとするものの、何か趣向を凝らしたいと考えるフジタ。しかし、いいアイデアが浮かばない。そんなとき、ある男からスイスの高級時計メーカー・ブラパンの「1735」の問い合わせの電話が入った。フジタはその電話で…。

ギャラリーフェイク(18)

高田美術館に高田グループ会長の3男・高田健介が、理事長としてやってくる。だが、健介は仕事に興味はなく、1日中遊びほうけてばかり。そんなとき、館長の小夜子は疲労でダウン。館長代理としてやってきたのフジタが美術館を仕切ることに…。

ギャラリーフェイク(19)

昔なじみの質店をクローゼット代わりに使っているフジタは、季節の変り目にいつものごとく着替えにやってきた。しかし、店主は「店を閉めるので、もう預かれなくなってしまって…」と告げる。息子に後をまかせ、リサイクルショップとして再出発するというのだ。

ギャラリーフェイク(20)

1999年の大晦日。フジタはいつもの年と同じように、四国にある安閑寺というさびれた寺で新年を迎えようとしていた。その寺でフジタは、毎年元旦から遍路を始める難波という老人に加え、今年は青島という青年とも一緒になる。

ギャラリーフェイク(21)

知人・加茂水仙の紹介で、台湾での仕事を引き受けたフジタ。その仕事とは、台湾財界の要人・林海羽のもとに持ち込まれた絵画の真贋を鑑定することだった。その絵を贋作と見破り信頼を得たフジタは、「茶藝」という林の新事業に関わる新たな仕事を依頼される。

ギャラリーフェイク(22)

宝石商のハウザーに貸した金を回収するため、そのあとを追って、はるばるニューメキシコ州までやってきたフジタ。ハウザーは「インディアン・ジュエリー」の売買によって借金を返そうとするが、取り引きはうまくいかない。そんなハウザーに、フジタはある街へ行くことを提案する…。

ギャラリーフェイク(23)

クリスマスの夜、フジタの秘書のサラはひとりぼっちで「ギャラリーフェイク」の店番を任されていた。フジタは極秘の取引のためにドイツにおり、サラはなんだか心細い。ひとりで仕事をこなすサラは、自分をずっと尾行している不審な男に気づく。だが、その男は実は…。

ギャラリーフェイク(24)

大手出版・九重書店が、経営不振で大幅なリストラを行なうことになった。創業者の神代氏の私財が売却されることを知った国宝Gメン・知念は、文化財保護のため奔走する。だが一足遅く、資産のほとんどは売却済みで、幻の「花見重」まで国外に流出することが決まっていた。

ギャラリーフェイク(25)

長期滞在中のホテルで、いつもと同じ朝を迎えるサラ。偶然その日、人気歌手のMASA唐沢が、結婚披露宴のために同じホテルを訪れていた。彼とエレベーターで乗り合わせ、感激して握手を求めるサラ。だが、結婚を発表して以来、唐沢は悪質なストーカーに悩まされていた。

ギャラリーフェイク(26)

サラにせかされて、一緒に自分の部屋の大掃除を始めたフジタ。ところが、動かしたことのない本棚の裏から、古いちゃぶ台が出てきた。乱暴に扱おうとしたサラに、フジタはそれが「ギャラリーフェイク」の商品であることを説明する。しかも、そのちゃぶ台は…。

ギャラリーフェイク(27)

出張ヘルス嬢の連続殺人事件が発生し、捜査本部では目撃者の証言からCGによる似顔絵を作成し、捜査にあたる。しかし、超アナログな警部補・高倉は、目撃者にふたたび会い、自作の似顔絵を元に手がかりを探していた。一方、フジタは真作と贋作を言い当てるナゾの紳士にしどろもどろで…。

ギャラリーフェイク(28)

ハワイで休暇中のフジタとサラは、偶然そこで三田村館長と出会う。フジタと三田村のアヤしい仲(?)に妬いたサラは、怒ってスワップミートに出かけ、そこでアンティークの万華鏡を購入してひとりで眺めていた。有名なブリュースター作の逸品と思った三田村は、サラに調べさせてほしいというが…。

ギャラリーフェイク(29)

かつてフジタに贋作を買わされたという男がサラを人質に取り、身代金として1億円を要求してきた。男は父が遺したルーベンスの「麦わら帽子の女」を大切にしていたが、どういうわけか絵が真っ黒になってしまったというのだ。知り合いの社長に土下座してまで資金を工面したフジタは…。

ギャラリーフェイク(30)

「ギャラリーフェイク」でサラの企画した「世界の美男子展」が、女性を中心に連日大盛況。そこに美容整形外科医の福沢が訪ねてきて、カラバッジョの「若者たちの合奏」を売ってほしいと言ってきた。しかし、フジタは福沢の美に対する考えに異を唱え、申し出を断って他の希望者に売ってしまう。