まっどめん
あらすじ
諸星大二郎の代表作であり異色作『マッドメン』。文明とは縁の遠いパプアニューギニアの奥地を舞台に、少数民族ガワン族の少年・コドワと、人類学者の父を持つ日本人少女・波子の運命を描く。作品全体を通して文化人類学・民俗学の要素が散りばめられており、現地専門員や研究者からの評価も極めて高い。著者の想像のみで描かれたフィクションが、読む人を圧倒するリアルさで迫ってくるという傑作。読後、神話世界と現代世界が結ばれる不思議な感覚を味わうことができます。
はなしっぱなししんそうばん
あらすじ
まさに現代の「遠野物語」。伝説的コミックを復刻!このたび長らく入手困難だった五十嵐大介さんの作品集『はなしっぱなし』を、河出書房新社から上下巻で復刻させていただくことになりました。この作品は、漫画ファンの間ではすでに伝説と化していたもので、一遍一遍が独立した幻想綺譚の傑作になっています。近年、ハイレベルな新作を次々と発表し、再評価の高まる五十嵐さんですが、この『はなしっぱなし』には、デビュー作ということもあり、彼の作風のすべてが含まれているように思えます。切ないメルヘンから背筋のゾッとするような怪奇物まで、様々なファンタジーが収録されたこの希代の作品集を、ぜひ、御一読ください。上下巻ともに描き下ろし短編が掲載されます。
すぴん
あらすじ
あの頃、わたしにはスケートの才能があった。それが煩わしかった。そして、ひそかに女の人に恋をした。何度も何度も。わずか22歳にしてイグナッツ賞&ブロークンフロンティア賞受賞、アイズナー賞候補!グラッフィック・ノベル界を震撼させた新たな才能が描く、スケートと同性への恋に目覚め、喜び、泣いた、ひとりの少女の青春メモワール。
かんぜんばんぴーなっつぜんしゅう
あらすじ
世界中で愛されるスヌーピーたちが活躍する漫画『ピーナッツ』。その全作品を初出順に収録した待望の全集がついに刊行開始。第1回配本の15巻は、1979~1980年発表作を収録。ピッチャーマウンドの勝利なき英雄チャーリー・ブラウンが入院!哲学者ライナスがハロウィーンにカボチャ大王の到来を待つ。音楽家シュローダーはおもちゃのピアノとともに音楽キャンプへ旅立つ。スヌーピー隊長とともにハイキング中のビーグルスカウトの1羽が警察に捕まった!…平日版627作、日曜版104作、全731作。
あらすじ
かつて地上には何種ものヒトがいた。なぜ私たちホモ・サピエンスだけが生き延び、繁栄することができたのか?世界的ベストセラーの公式漫画化、ついに始動!全頁フルカラー。
なぎわたりおよびそのたのたんぺん
あらすじ
山奥の温泉宿にやってきた男と女。隣の部屋に住む男のことが気になる女……。世界中から注目を集める新鋭が、どこへも行けない女と男の瀬戸際を切なくエロティックに描く傑作短篇集。
あらすじ
少女マンガの知的存在・佐藤史生。1980年代、少女マンガSFが到達した高み。唯一無二の世界を映し出す全8編。極上の300ページ!2010年に急逝した漫画家・佐藤史生。誰もが絶賛したその知性、そして卓抜した画力から紡ぎ出された代表作「金星樹」ほか、70~80年代の傑作短編・全8編を集成。不穏だが優しく、果てしなく美しい――。【収録作品】●「金星樹」●「レギオン」●「阿呆船」●「夢喰い」●「バナナ・トリップに最良の日」●「羅陵王」●「塵の天使」●「一角獣にほほえみを」【巻末企画】 佐藤史生のスケッチブックより、初公開となる貴重なスケッチや構想メモなどを掲載!
れたすばーがーぷりーずおーけーおーけーかんぜんばん
あらすじ
元祖・歴女のヘッポコ・ラブコメディ。主人公:鞠手ノ公路 綾(30)。 職業:ミステリ作家。戦国・江戸オタク。好きな武将:直江兼続。『重版出来!』の松田奈緒子、幻の名作が完全版で待望の復刊。本編(15編)に加え、デビュー20周年を記念した2万字ロングインタビュー(前編)、下絵・予告カットなどたっぷり収録。綾と稲造、あの名(迷)カップルに再び逢える
だれもおしえてくれなかったえねるぎーもんだいときこうへんどうのほんとうのはなし
あらすじ
フランスを牽引するエネルギーの専門家と漫画家がマンガ形式で各エネルギーの歴史と功罪、環境問題の解決手段まで、ユーモアと知性あふれる議論を闘わせる。仏56万部超のベストセラー。
あらすじ
丸ごと一冊、単行本未収録作! 谷崎潤一郎「痴人の愛」をモチーフにした表題作、京極夏彦トリビュート作「薔薇十字猫探偵社」など、乙女浪漫と華麗な世界を収録した全8編、計270頁。
あらすじ
『旅の手帖』で長期連載中の漫画「かけ湯くん」がオールカラーで一冊に。温泉を旅する猫のかけ湯くん。露天、混浴、秘湯、共同浴場、町歩き、名物、お土産と盛りだくさんで旅情たっぷり。
あらすじ
18歳。憧れだった警察官になれたのに、待ち受けていたのは壮絶ないじめだった――。身も心もボロボロになった僕が再生するまで。1日200万PVを記録した話題の漫画、待望の書籍化!
あらすじ
フロイトの夢で燃え上がり、ヘッセの夢で故郷を見失い、ウルフの夢で落下し……世界が注目するマンガ家が作家たちの夢をマンガ化するという、誰も見たことのない究極のヴィジュアルがここに
あらすじ
今読むべき2篇の名作を奇跡のマンガ化――世界で愛される村上春樹の恋愛短篇「螢」と、G・オーウェルが超管理社会到来を予言したディストピア長篇「一九八四年」!解説・柴田元幸
あらすじ
光瀬龍の壮大なSFを萩尾望都が鮮やかにマンガ化した傑作が「完全版」として大判サイズで蘇る! 特別企画「萩尾望都に聞くSF質問100」、初公開イメージスケッチなど豪華永久保存版。
あらすじ
80年代の鮮烈なデビュー以来、常に漫画界に衝撃を与え続けている天才作家の、現在手に入らない貴重な作品(単行本初収録も含む)の数々を集めた夢の「ベスト・アルバム」。
あらすじ
哀しくて切なくて、そして優しい多田節炸裂の超絶作品集第2弾!!80年代、一世を風靡した傑作の数々からフランスの出版社から依頼されたレアものまで、ファン待望の短篇を厳選!!
ただいましゅうぞうひんせいりちゅうがくげいいんさんのこまかすぎるにちじょう
あらすじ
郷土資料館では、どのように資料を収集し管理し調査しているのか!?著者自らの体験を元にした知られざる物語。展示の裏側でこんなマニアックな作業が……読めば展示を見る目が変わってくる!
たべざかりのやまもとさんせいしゅんとじゃんくふーど
あらすじ
学校帰りはジャンクフードで頭の中がいっぱい。大人になった今では味わえなくなった「ごちそう」エピソード集。ダイエットよりも食欲を!そんなかわいい女子高生たちの青春の日々を描く。
まりとしんごかんぜんばん
あらすじ
雑誌掲載時のカラーを完全再現。青春マンガの金字塔が鮮やかに蘇る!木原敏江が自ら振り返る『摩利と新吾』「新録:木原敏江インタビュー(前編・1万字)」を収録。&期間限定公認FC「雪月花」会報より貴重原稿を抜粋掲載。
わたなべまさこめいさくせれくしょん
あらすじ
「聖ロザリンド」「ガラスの城」「金瓶梅」など数多の代表作を持ち、現役最高齢マンガ家として今も活躍中のわたなべまさこ。その初期大ヒット作の中から「花の館」ほか珠玉短編3作を収録。
おかあさんみたいなははおやにはなりたくないのに
あらすじ
実母との関係に悩む女性が、「女の子のママ」になったら一体どうなる!?『母がしんどい』『ママだって、人間』の田房永子が今度は自分が母として、娘との日々を描くコミックエッセイ!
こまりくまぶっく
あらすじ
フォロワー8万人超えの人気Twitter「こまりくま」、初のオールカラーイラストブック。あなたの心に寄り添う、ひとりぼっちのくまのぬいぐるみのつぶやきをかわいいイラストで紹介。
諸星大二郎といえば、民俗学的であったり、神話的であったり、異界的であったり、幻想的であったりと語られ、じっさいに柳田国男の研究書やクトゥルー神話を愛読している一面があったり、扉絵や表紙の絵などからはたしかにシュルレアリスム作家ダリの影響を彷彿とさせずにはいられない。しかし、これら数多の要素は諸星大二郎について何か説明するひとつひとつの所以にはなりえようが、漫画家・諸星大二郎を語るさいの言葉としてはどれをとっても全てを合わせてみても片手落ちになっているような気がしてならない。 さきほどシュルレアリスムという言葉を出したが、これを日本語に訳すと超現実主義となるらしい。超現実とはすなわち、現実を超えるということであり、これを画家という立場に合わせて言うなれば、目に見えない何かを描くということになるだろうか。まさしくそのようにして幻想画家としてのダリが生まれている。ところで、ある種の民俗学にしても、神話にしても、異界にしても、幻想にしても、それらはひとしく目には見えないもののはずだが、じっさいのところ諸星大二郎の漫画ほどよく目に見えるものもないのではないか。衝撃の連載デビュー作となった『妖怪ハンター』では民俗学的な切口から、いきなり異界がひらけて、ヒルコなる怪物との遭遇が為されるが、本来ならば目には見えない異界なるものが、これでもかというぐらい目に見えるように描かれている。さらなる衝撃の長編デビュー作となった『暗黒神話』では、よくよく読んでみればふざけているのではないかと思うぐらい唐突に、これまた異界がひらけて、神話の怪物がしっかりと目に見えるように描かれている。諸星大二郎という作家は、目には見えないはずの、手では触れられないはずの幻想的な何者かとの遭遇をあまりに唐突に意図も簡単に描いてのけ、しかも、それらの怪物たちはふつうの現実の人間であるところの登場人物に、まるで自身の存在が幻想の産物ではないこと示すかのように、抜け目なく傷まで負わせてゆくのである。 まさに『暗黒神話』は主人公の少年が異界の怪物と遭遇するたびに四肢のひとつひとつに傷を受ける物語であったし、『壁男』では壁男が壁ごと人型にくり抜かれて倒れてきてアパートの住人に傷を負わせるし、『鎮守の森』では男がいきなり異界に迷いこみ目に怪我を負いながら十数年も放浪したのちに汚れたそのままの姿でいきなり現実に戻ってくる。 さらには異界やその怪物ばかりではなく、諸星大二郎の真骨頂とも言うべきは、本来は目に見えるはずもない人間の内面の感情のようなものをあっけらかんと視覚的に描いてしまうことにある。まさしく『不安の立像』では不安という名の目に見えない感情が外套の影のような姿で描かれ、『夢の木の下で』ではひとの内面での変化が植物が枯れることで如実に描かれ、『遠い国から』のとある惑星ではひとがもの凄く感動したときにすぐその場で自殺をするように描かれ、『感情のある風景』にいたっては感情がそのまま目に見える文様として描かれている。 諸星大二郎の漫画はこのように幻想的であったり超現実的というより、むしろ、視覚的過剰によるきわめて体験的なものとして私たちの目に飛び込んでくる。そこで私たちは何かの幻想や超現実に想いを馳せる必要などまるでなく、向こうの方からすでにいきなり唐突に、視覚的現実としてそれが目に突き付けられている。 あるいはマッドメンや縄文人をはじめ、身体に傷を負う(入れ墨を負う)という行為は、神や異界の存在を現実のものとして視覚的に示すものだったのかもしれない。