5.0
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…作品はなにか、といえば十代初めに触れた『マッドメン』が思い浮かぶ。
もちろん個人的な感想だ。
だが、感想なんて、基本的に個人的なものだろう。
文化人類学とか、近代(西洋)文明とパプア・ニューギニアのような未開の土俗信仰との相克…なんていうテーマは、読んでしばらくしてから胸にクルんだけど、基本的には手に汗握るアクションたっぷりの「少年漫画」だと思っている。
諸星大二郎は、アクションを描くのが好きなんだろう。
それを前面に押し出した『西遊妖猿伝』はもちろんだが、実はキャリアの初期から、記憶に残るアクションシーンを描く人だったし(後ろに飛び退る、みたいな、なに気ない「動き」が印象に残るのだ)、短編でもアクション・メインとしか思えないものが結構ある。
『マッドメン』の後半、コドワとアエンの戦いは、ファンタジックでスピード感に溢れていて本当にドキドキするし、未知へと漕ぎ出す圧倒的なシーン(個人的に「ぱらいそさ行くだ」より衝撃が深い)には、人生変えられたと思う。
センス・オブ・ワンダーっていうのは、こういう作品のためにあるんだと思います。