こっちむいて!みい子

30年に渡り連載中の名作ー昭和の名雑誌『ぴょんぴょん』の遺伝子

こっちむいて!みい子 おのえりこ
名無し

『ちゃお』で30年に渡り連載中の『こっちむいて!みい子』 小学生の女の子山田みい子を中心に可愛くて愛らしい素敵な仲間達との日々コメディ 友達・勉強・ささやかな悩みからいじめや思春期のセンシティブな問題まで 誰もが子供時代に感じたことのある"あるある"がグッと来る何処から読んでも「こういう事あったなぁ懐かしいなぁ」と唸ってしまいます とうとう中学生編もスタートして更にグッと内容深まって目が離せない! 内容の素晴らしさに加え歴史の深みがとても好きです 長くなりますが1990年代児童向け漫画の歴史にご興味ある方へ ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ この作品は1990年〜1992年まで『ぴょんぴょん』という児童向け漫画誌で連載されました 『ぴょんぴょん』当時で言うと『コロコロコミック』の女の子向け版 …これがものすごい雑誌なのです!!! 当時の女の子向け漫画誌といえば『りぼん』や『なかよし』のように少女漫画といえば恋愛漫画!恋・恋・恋漫画ばかりだった中 この『ぴょんぴょん』はとにかく元気な女の子!!(ギャグ・スポーツ・伝記・コメディ)を全面に打ち出し 連載ラインナップも錚々たるものでした (主な連載作品 あさりちゃんの作者室山まゆみ→『どろろんぱっ!』 たちいり・ハルコ→『パンク・ポンク』(小学館漫画賞受賞)『おじゃマクラ』 とっとこハム太郎の作者河井リツ子初期作→『なんでもアリス』 アニメでも話題となった『ママは小学4年生』 当時話題のビックリマンシールの少女漫画版コミカライズ『愛の戦士ヘッドロココ』) 名作揃いでありながら個性爆発なのです 話が逸れてしまいましたが そのような本誌内で『みいこ』は "読者コーナー&付録の解説漫画"として登場しました(当時はみい子と弟のまもるのみ) 数ページの解説漫画だったみい子はとても輝いていました そしてみい子とまもるは解説漫画の枠を超え "読み切り漫画"が掲載され 堂々の"連載開始"となりました 内容の面白さと作品が発展していく様がスーパーヒーローの様です! ーその後ぴょんぴょんは休刊ー沢山の素晴らしい作品が終わってしまった中 みい子は『ちゃお』に移籍し…令和の今尚輝き続けて居ます 全ての名作に歴史があると思いますが 『みい子』の歴史は時代を超え味わい深く輝いていると思います ============ ※『ぴょんぴょん』時代の連載『みい子で〜す』もちゃおコミックスで復刻して居ます※ https://manba.co.jp/boards/32262 ============ ぴょんぴょん版から読んでいくのも楽しいです

アオアシ

アニメみてめっちゃハマった

アオアシ 小林有吾 上野直彦
六文銭
六文銭

アニメから興味をもって、改めて読んだらめっちゃ面白い。 スポーツ漫画で今一番好きな作品です。 個人的な話をして申し訳ないんですが、サッカーってあんま好きじゃなかったんですよね。 なんか「自己中の塊」みたいなスポーツという認識でいました。 だって、野球のように、攻めと守りのタイミングが明確にきまっているわけでもなく、下手したらボールもった瞬間、ずっとドリブルで突破したり、シュートしてもいいわけで。 それらを、誰の許しをもらうわけでもなく自己判断でできるわけですよ。 すっごい、自己中じゃありません? (別にサッカー部に彼女を奪われたとか、親を殺されたわけではありませんのであしからず。) ・・・と、思っていた時期がワタシにもありました。 上記の理由であまりサッカー漫画を読んでこなかったのですが、本作は自分のサッカー感を覆してくれるかの如く、目からウロコ的に面白かった。 『アオアシ』というタイトル、もちろんの主人公の名前でもあるとは思うのですが、それ以上に 「人間は考える葦である」 からきていると思えるくらい、登場人物全員が戦術、戦略を考えに考えぬいて、その時に最適解を導き出し動いている感じ。 上述した「自己中」とはかけ離れたスポーツ、それがサッカーなんだと自分は再認識しました。 相手の特徴からそれに合わせて動きを瞬時に変える、そしてそれを個人単位だけではなく組織(チーム)単位でやる。 誰かからの明確な指示があるわけでもなく、メンバーの動きを察知して、自分の動きも変えていく。 どこにいて何をすべきか、どう進めるべきかを常に考えている。 すごいスポーツだぜ、サッカー!!と本作を読んで、痛感しました。 自己中とか言っていた自分がはずかしい。 むしろ、どのスポーツよりも戦略的というか戦略が重要な戦争に近いと思う。 王道スポーツ漫画的な要素(努力・友情・勝利的なの)ももちろんあって、そのアツイ展開も魅力なのですが、個人的にはサッカーに対する考え方、見方を変えてくれた、そんな作品でした。 展開もはやいのでグイグイひきこまれて、そして特に直近の26~27巻が、もう・・めっちゃやばいっ!

空を歩く

くらもちふさこ先生の最新作「空を歩く」

空を歩く くらもちふさこ
かしこ
かしこ

弥生美術館で開催しているくらもちふさこ展とてもよかったです。展示の最後で6年ぶりの新作「空を歩く」の紹介もあったのですが、展示内容が充実しすぎて素通りしてしまった方も多いのでは?電子なら今からでも買えますよー! 脚本家を目指している女の子が電車に飛び乗ります。クラスメイトから「品行方正のあなたらしくて型通りなのよね」と言われたシナリオをコンクールに出す為に、目的の駅に到着する17分の間に直さなければなりません。しかし同じ車両の乗客の挙動や関係性が気になってる内に余計な妄想が広がっていきます。そこに例のクラスメイトが「私の良き人」と紹介した男性に似ている人が現れて… くらもち先生の過去作でもインターネットの仮想空間や花染町の住人など、限られた空間の中での自由自在な関係性が見られましたが、今回はたった数分の電車の中。しかし主人公の脳内では物語が飛躍していくし、主人公に元気がないことを見抜いていた男の子がいるなど、短編という枠を感じさせない広がりがありました。 展覧会でのお言葉で「自分にとって漫画を描くことはツール探しの旅だった」とあったのが印象的でした。くらもち先生ならでは世界が生まれたきっかけを少しだけでも知ることが出来たような気がします。

紛争でしたら八田まで

『MASTERキートン』好きにはオススメしたい新連載!

紛争でしたら八田まで 田素弘
吉川きっちょむ(芸人)
吉川きっちょむ(芸人)

この新連載はどうなるんだろう、とモーニングで様子を見ていたけど、もう面白いことが確定したので安心して楽しめる!! 八田さんが世界各地で小さく起きている民族間、言語、思想のすれ違いで巻き起こる問題を知性とちょっとした格闘で解決!解決したらまた次の現場へ急行し、その地域の言語や慣習、政治など多角的にみっちり叩き込んで問題へ挑んでいく。 世界中を交渉して回る解決屋! その仕事の名は、「地政学リスクコンサルタント」! もう、こんなの間違いなく面白いに決まってる! 『MASTERキートン』好きな人にはぜひオススメしたい。 キートンは考古学者兼保険屋だけど、元軍人で戦えるし、それぞれの土地に詳しい必要があったり争いの仲裁を行ったりもしていた気がする。 すっごくざっくり言うと、立場や職業こそ違えど八田さんも似たようなものだ。 実は『勇午』をちゃんと読めてないのでいつか読みたい。ふわっとしか知らないけど同ジャンルなのかな。 まず、タイトルにもある「紛争」。 何を持って紛争と呼ぶのか調べてみた。 『一般的に「紛争」とは、「少なくとも2つ以上の主体が、希少な 資源(富や権力など)を同時に獲得しようとして相争う社会状況」と定義される』 この漫画で最初に出てくる事例がとても分かりやすい。 イングランドとアイルランドが揉めるという内容。 まさに、2つの主体が争う状況なわけでそこで八田さんは華麗に解決するかと思いきやわりかし腕力でねじ伏せている。それもたまには必要だよね。 八田さんのネーミングって「切った張ったの世界」って言葉から来てたりするのかなって少し思った。 https://comic-days.com/episode/10834108156713454523 そして、2話から描かれる呼び出された土地はミャンマー。 「歴史・宗教・政治・経済・軍事・エトセトラエトセトラ」を一週間でビッチリ詰め込んで挑むが・・。 「ミャンマー企業紛争編」から「タンザニア魔女狩り騒乱編」へ。面白い~! 世界を少し移動すれば何かしらで揉めている。 具体的にも抽象的にも何かしらの境界線があれば揉めるのが人間だ。 八田さんの旅が終わることはあるのか?お金次第? 人や場所、環境が変われば揉める内容も変わるので一生楽しめる漫画になるんじゃないかとワクワクしている。 単純に、国際情勢へ興味を持つきっかけにもなるし! ありがたや~! 作者の過去の読切がこちら。 主人公のキャラクターが少し似てるかも? 『定時退社でライフルシュート』 https://comic-days.com/episode/10834108156637582721