※ネタバレを含むクチコミです。
動物が戦うというテーマに対し、いろんな見方があると思う。ジャンルとしてはホラーとSF?で、かなり絵が生々しいのと相まって始めの数ページで閉じてしまう人もいるかもしれない。私はそんなことよりもかっこいい犬と少年が仲良くしている場面見たさに読んでいた。 話の大筋は寄生獣とやや似た印象だけれど、私は単に動物好きなので犬神を推したい。犬と喋りたい。 全14巻でほどよく長編なのになぜかあまり知られていないので残念。
今月号のヒバナでロッタレインが完結した。 そして同時に単行本の発売が告知された。8月から3ヶ月連続刊行ということでとても嬉しいし単行本が出て本当に良かった
月刊少年シリウスの2007年7月号特別付録(2周年記念)の「チビウス ギャグ&ピース」に大童貞の漫画が掲載されている。祝!印刷は大童貞らしい始まり方で内容もいつもの感じで面白い。 掲載されている場所も表紙と背表紙の裏っていうネタ的な扱われ方で涙を誘われないでもない
日本プロ野球界を代表する大投手だった南館の話『ラストマウンド』と世界チャンピオンに挑戦するも引き分けてしまった戸口の話『シャドウ&ライト』がある。どちらもスポーツキャスターの日置が密着取材を申し込むところから話が始まる。(ミサキという名前なんだが、ラストマウンドでは美咲、シャドウ&ライトでは実咲なので微妙に別人物ぽい) 『ラストマウンド』では年齢による体力の衰えなどから全然勝ち星を上げられず、引退の話が随所から上がっていて、『シャドウ&ライト』の方ではチャンピオンベルトの奪取をできずささくれだった戸口が再戦するのかしないのかはっきりせずこちらも引退がささやかれている。 どちらの話も引退を噂されるアスリートが周囲の人間との葛藤や衝突などがありながらも、舞台に立って戦う姿が描かれている。プロの過酷さが描写されながらも、懸命に努力して葛藤や衝突をアスリートとして乗り越えていく姿に感動する。
阿部定事件というショッキングな事件を起こしたこともあって、悪女や怖い女という文脈で語られることの多い阿部定の半生が淫花伝では描かれている(淫花伝には高橋お伝の話もある) 艶のある淫靡な絵を描かせたらやはり上村一夫はさすがだなと思う一方で、物語はそれだけに終始せずに、10代半ばで乱暴をされた挙句、芸者に売られ、そしてヒモのように定を食い物にする女衒夫婦から逃げるために梅毒を抱えながら街を離れて、流れ着いた先で出会った男と熱病的な恋に落ちる、定という人間を作り上げた不条理と定の一人の女としての姿が描かれている。 かといって同情的なわけでもなく、阿部定という人間が育ち、阿部定事件を起こすに至ったまでを淡々と描いている。ただのショッキングな漫画を過激に描きましたではなくきちんと一人の人間の姿として描いているので物語としてとても魅力があった。
描写がとても繊細で詩的。京都の街を舞台にしているのもまた作品の世界観ととてもマッチしています。 中学3年生の進路や恋やもっとずっと先の将来にぼんやりとした不安や恐れのようなものを感じている主人公の男の子が夢を追いかける友人や近所のおじいさん、ちょっと気になる女の子、中学を卒業したら家業を継ぐことになっている馴染みの友達との交流で少しづつ世界が広がっていき、また自分自身のことを少しだけ理解したりしていきます。 心がグラグラと揺れ動く独特な年頃の心を丁寧に描写しながら、物語はどこか詩的な運びをしつつ、京都の町並みは幻想的に描かれるとても素敵な漫画です。 表紙の絵にもなっている夜の学校での話が特に好きで、手を合わせた瞬間の甘酸っぱさに感動すら覚えました。 映画の公開も近いですが、原作も多くの人に読まれて欲しい作品です。
「プレイボール2」が始まってちばてつやへのインタビューが今回のグラジャンに掲載されている。 「プレイボール2」をどう思っているかと、ちばあきおの人となり、ちばあきおを漫画家としてどう思うかなどが語られていて面白かった。
シュールなギャグを描かせたらこんなにも面白い漫画を描く漫画家はそうそういないと思わせるほど未知庵のシュールギャグは質が高い。1つの話は長くてもだいたい10pくらいで読みやすい。 ネタは言葉遊びから膨らんでいっているようなものが多い気がする。 「胸の谷間に吸い込まれたい」というフレーズから胸の谷間に吸い込まれる話ができて 親指と小指っていう名詞から親指と小指が寝ている間に親子喧嘩している話になったのかなと思う。 題材に選んでいるのはそういう身の回りにあるちょっとよくわからないフレーズや言い回しや言葉とか慣習で、それを物語に仕立てたらすごいシュールになったという感じかな(そうじゃないのもあるけど) 例えば、雷様に取られたおへそを決闘して取り返す話とか。 シュールな面白さを説明する語彙力の無さが恨めしいが、間違いなく面白い。胸糞悪いプラモデルの話がとても面白い。
最前線の兵士からは疎まれがちな「補給部隊」。高貴な身分の女主人公が世を忍び、伝説の重装歩兵「オールデッド・ワン」ことディズ伍長とともに悪を討ち命を運ぶ、人呼んで「女王陛下の補給線」。 パンプキンシザーズによく似た設定だが、パンプキンシザーズよりはライトに読める。ご都合主義とかお約束的展開がリアリティを犠牲にしてる感があるので、それを許せるかどうかって感じ。 それより何より、人物だけでなく鉄道をはじめとするメカの絵がとにかくクオリティ高くてかっこいい。3巻で終わってしまったのは残念だけど、この作者の絵でもっといろんな作品が読みたいと思った。
真造圭伍の読み切りがヒバナに掲載されているけど3作品目。『清水家のすべて』は前後編らしく、今回は前編。 高校の卒業式の後、家族に挨拶に行きたいと清水さんの彼氏が家に来たんだけど清水さんの家はいわゆるゴミ屋敷だった。お父さんは自分と自分の所有物にしか興味がなく、兄はニートで駆け出しのYouTuber、母だけがまともなんだけど心労が祟っていそうな感じで、清水さんも仕事を決めてさっさと家を出ていくつもりなんだけど、家を出たいと思っている自分が自分のことしか考えていない父と同じ思考なんじゃないかって自己嫌悪に陥ったりしている。 これまでヒバナに掲載されていた真造圭伍の読み切りの中で今んところ一番面白い。後半も楽しみ。
バカにみたいに初めから終わりまでビールを飲むのは子供の飲み方、大人の飲み方は始めの一杯は瓶ビール(しかも小瓶!)で、次からは肴をつまみに日本酒で・・・というをこの漫画で教わりました。 つらい中間管理職の唯一のオアシスで飲む酒、最高ですね。でてくるつまみも美味そうなものばかりで、しかも身近なものが多く親近感わきます。
これでサッカーを始めたという個人的な体験もあるが、かなり好きなマンガ。 ストーリーは主人公の風祭将がサッカーの名門武蔵森中学から超弱小中学桜上水に転校してきたところから始まるんだが、ちばあきおの「キャプテン」の谷口と同様、天才サッカー選手が来た!みたいな扱いを受けてしまう。 谷口と違うところは、結構激しい迫害にあって部活に顔を出せないレベルに追い込まれてしまうという点。 そこから努力を重ねて部内の信用を勝ち取り、さらに水野やシゲという埋もれていた実力者を巻き込みさらには指導者にも恵まれ、どんどん実力をつけていく。が、天性の才能みたいなものはほとんどなく基本的に努力努力で、泥にまみれているのが似合いすぎる主人公。今読んでも間違いなく面白いし、最近では「サムライファイト!」や「ホイッスル!W」などのスピンオフや続編も出て来たので、読み直されるにはいいタイミングだと思う。
めちゃくちゃおしゃれでアツい漫画だと思います。 登場人物全員が恋愛脳でわちゃわちゃしてる感じなんだけど、たまにほろりとするような話もあってほんと好きです。 岡内くんがいつも報われなくて切ないです。
『深夜のダメ恋図鑑』の尾崎衣良の短編集。 前半の二つが実はしたたかなパワフルな女性、後半二つが浮気男に翻弄された女性の話。 どれもバッサリと男を切る瞬間があって、やはり爽快。 ただ、「いたい にがい 少しあまい」だけはちょっとテイストが違くて読後感は悪くないけどちょっと暗め。 二つ目の業務上偽装恋愛が一番好きだったかなぁ。あまりのページに描かれているちょっとしたおまけページも含めて面白かった。
今日マチ子先生の描く戦争のマンガです。前線で戦う兵士ではなくひめゆり学徒隊のような女学生の看護補助員が主人公。舞台となった地は明示されていないがかなり沖縄を意識しているように思います。 戦争が激化する少し前から物語は始まり、看護補助員として兵隊の看護を行うようになり、終戦間際の集団自決を経て終戦までサンという少女の姿が描かれています。 うじが湧いたり、手足を切り落とす描写がショッキングですが、それに心を病んでいく少女たちの姿が痛々しい。叙情的な作風が持ち味の作家だから描くことのできる戦争の悲惨さだと思います。また、物語の中に変な救いを用意せず悲惨なものを悲惨なまま伝えたという点にも個人的には評価したいポイントでした。
2000年にTBSの『ウンナンのホントコ!』の『ホントコトキワ荘』で優勝し、漫画家としてデビューした模様。(http://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/Detail?refShinCode=0100000000000030949771&Action_id=121&Sza_id=F3 ) 内容はオスの猫が(たぶん別れた)メス猫のことを思って色々な出来事のたびに「会いたいなー」とか「君といて幸せだった」とかっていう恋愛系と、人生訓みたいなのを猫が語る感じが半々。ちなみに4コマ漫画。Twitterとかにいるポエム系アカウントの先駆けなのかなって感じがする。ああいうのが好きならかわいい絵柄もあってとてもハマると思う。 特別絵本の「たまねぎのめ」があわせてついてくるんだけどこっちは童話テイストの絵本という感じでこっちの方が好きだった。(たぶん)旅をしている猫が行く先々で出会う魚とかタコとか鳥とかに対して「君みたいにはなれないな」って言って次に進んでいく話なんだが、それの反復がなかなか面白かった。
登校するだけで全裸。黒板に字をかこうとしたらチョークが全て折れる。 坂本ですがの逆バージョンみたいな不器用すぎる男子高校生のギャグマンガ。 地味に笑える。
いろんな世代の人がニヤニヤしてしまう幅広い小ネタの連続、グルメだけではなくレジャーや観光などもカバー、そして時折訪れるなぞの感動。 大人(という立場とか概念とか)をおちょくるのが上手いなあ。カイジをチンチロ編までちらりとでも読んだことがあれば十二分に楽しめる、取っつきやすい内容だと思う。
ぼーっとしていてちょっと世間ズレしている黒岩晶という男子中学生が、学校でも美人と話題の25歳の女教師の聖を見ているとなんだかイライラしてしまう。なんでイライラしてしまうのかわからないけど、そのイライラを堪えることもできずかなり不器用で攻撃的な吐き出し方をしてしまったりもする。 初めての恋で恋がなんなのかもわからない男子中学生と、かねてからの夢である教師になって大学からの付き合いのいい婚約者がいてある意味で人生の上がりが見えた聖が不器用すぎる衝動に当てられてクラクラしてしまう様子なんかもある。 2巻でかなり事態が動いて、若気の至りや気の迷い的な形で終わらせにきているのかなと思ったら、3巻へとまだ続くようなので、これからどうなるのだろうと楽しみにしている。
イケメンにめっぽう弱い紋子さん(すぐトゥクンってなっちゃう)が、日本一の夫を探して旅をする。 道中で出会うイケメンに惚れては厄介ごとに巻き込まれて悪人やバケモノと戦う。絵も綺麗だし演出もうまいし、キャラクターやバケモノの造形も凝っている上に、世界観やネーミングセンス(ディキシーお猟とかアーサー・徳川jrとか)もとてもいい。 最新の4巻だと、世界観についてちょっと明らかになってきたし、紋子のバックグラウンドについても言及された。紋子の旦那は現れるのか、チラチラ出てくる敵とはどうなるのか、これからが楽しみなマンガ。アニメ化もしてほしい。つまり最高
「響~小説家になる方法~」「女の子が死ぬ話」の柳本光晴の恋愛オムニバス。クラスでぼっちのオタク少女とか31歳女教師とか恋愛経験のない文芸部部長とか成績の悪いギャルとか、ラブコメだとヒロインの脇を固める系の女の子をメインに扱っているのが特徴だとか。 ラブコメながら柳本光晴的な展開は健在で、裏表がある(素直になれないとも言う)けど直情的で時として暴力に訴えることも辞さない子が、いろんなシチュエーションで恋をする。個人的に好きだったのは一番最後の話で成績の悪いギャルの受験に付き合って1年間一緒に図書室で勉強をした秀才くんとの恋の話かな。一番練られている気がした。
粗削りでいかにも若者が描きそうな話だけど、細かいところに押見先生らしさはあって、ここから今に繋がると思うと人間て成長するのな、と思う。あと編集ってやっぱ偉大だなとも。
名前の共通事項に弱い(春夏秋冬) 皆イケメンで読んでて楽しいです
「モディリアーニにお願い」の相澤いくえの読み切りがビッグコミックオリジナルに掲載されていた。 10pの短い話ながらある日、絵が描けなくなり苦しんでいるイラストレーター志望の女の子が、ゴーギャンの椅子の話を聞いて、よしもう一度頑張ろうってなるシンプルでまとまりのある話で面白かった。
今までのサッカー漫画にはない、ユースを舞台にした少年たちの熱い物語。 田舎でくすぶっていた主人公が、凄腕のユース監督に見出されて上京。両親やチームメイトに支えられながら、天性の才能を発揮していきます。その描写が素晴らしい。何度も涙腺がゆるんでしまいました。サッカー好きではない人にもお勧めできる名作です!
結構古い漫画だけど今読んでもおしゃれ。 すっごいドラマチックってわけじゃないけど絵と同じで話も繊細で丁寧な感じ。 会社の結構年上の先輩にすごいオススメされて読んだんだけどこりゃハマるわな~となんか納得した。
人より髪が伸びる早く感情が高ぶると一気に1メートルくらい髪が伸びる姉麻子がいてあとは反抗期の弟と小言の絶えない母と温厚な父のいる家族の話。 髪のことをコンプレックスに思っている麻子は唯一の友達との喧嘩や過去の話があって 思春期真っ盛りの弟駆はついクソババアとか言ってしまう母との諍いの話があって 父と母は喧嘩しつつも仲が良いという喧嘩もするし上手く回ることばかりじゃないけど、それでもなんやかんやでうまくやって言っている家族の話。 落ち込んだり傷ついているところがうまく表現されていてとても心に来るものがあった。
両親を事故で亡くしたトシオとマコが不気味な施設に入所する1話目の前に、その前日譚となるような変死・怪死事件の遺体発見者として警察に事情聴取を受けているところマコに特殊な能力があるとわかって捜査に協力するように頼まれるというのが0話が巻頭に収録されている。 死体や臓器が生々しく描かれていてそこも恐怖をそそるのだが、可愛らしいマコが幼女らしく派手な怯え方をする 顔が不気味で怖い(自分が一番よくわからない能力を持っているくせにと言いたくもなる) 高橋葉介や伊藤潤二、楳図かずおが好きなら間違いなくハマると思う。
ストーリーも設定もイマイチだった…。 「トッキュー!!」や「海猿」原作の小森陽一ということでかなり期待してたのだが。。 一部では「人面犬マンガ」などと呼ばれているが、 どこか忘れられない味わいのある漫画なのは確か。
マガジンの「星野、目をつぶって。」作者・永椎晃平が以前、別冊マガジンで連載してた剣道漫画。 絵が見やすくてアクションも上手いので、個人的には「星つぶ」みたいなラブコメもいいけど機会があればまたこういう路線で描いてほしいと思う。私はこれジャケ買いでした。
石黒正数の短編集。「それでも町は廻っている」の主人公である嵐山歩鳥が『夜は赤い目の世界』に登場する。別の短編『探偵綺譚』にも登場する。 巻頭の『種』はビームに投稿して佳作をとった作品のようだが、大友克洋っぽい(気分はもう戦争あたりの)感じを受けた。 表題作の「ポジティブ先生」は短いんだけど破壊力のある漫画でとても笑った。『夜は赤い目の世界』はですね、お馬鹿で流されやすくて自己中なところもあるけどなんやかんやで人情味のあるいいやつっていう嵐山歩鳥の原型があり、さらに作品としても面白かったので、とても満足。
COMICリュウが主催する新人賞「龍神賞」のいわゆる大賞的な位置づけの金龍賞を今のところ唯一受賞している作家のデビュー短編集。(中国の漫画とかの賞に金竜賞があるけどそれとは別) 受賞作がコミックスの最後に収録されている「バースデイ」、表題作の「人生は二日だけ」は巻頭に収録されている。ほとんどの作品が、SFやファンタジックな設定の中で命や生命を題材に扱っている。 どれもとても面白いんだけど、「バースデイ」はやはり迫力があった。人工的に作り出した赤ん坊の生みの親?の科学者は売り払ってしまおうとするんだが、その精子を提供した男は育てようとする。この後に事件があって、クライマックスにいくんだけど、科学者と男の両サイドを終わりに向かって絶妙な具合で行き来している。 これからの作品も楽しみ
ホイッスル!の風祭将の息子たちの漫画。「ホイッスル!W」が続編だとしたら「サムライファイト」はどちらかというとスピンオフ。 高井をはじめとした懐かしい面々がたくさん出てくるので、ホイッスル!ファンにはたまらないものがある。メインの話は、風祭の息子の蒼が日本代表の父を持つプレッシャーやらコンプレックスやらでサッカーを楽しめなくなっていたのを、高井がコーチを務めるチームで解消していく感じの話。高井…大人になりやがって…と感心した。 サムライファイトの本編だけでなくエピローグ的なところにもみんなのその後がちらっと出てきてなかなか驚いたものもあった。「ホイッスル!」ファンなら懐かしさで禿げるくらい楽しめると思う。
旅、戦、仲間集めって聞くと男はわくわくします。 話しは、義経の歴史ですが、実は、僕たちが知っている義経は本当の義経では無かった 頭の良い義経は、自分の体となる義経に戦の仕方を叩き込み、旅で力を貸してくれる5人の仲間を集めさす。きちんと歴史通りなのもいいです。
武道女子とオネエ男子の少女漫画。 恋愛展開としてはどちらかといえば邪道で、ずっとオネエが守られっぱなしなのでは…と思いつつ読み進めましたが、 剣道一筋女子、仙石さんの男らしさにもオネエ男子、藤くんのたまに見せる男らしい表情にときめき必至です。
「死人の声をきくがよい」のひよどり祥子の別名(うぐいす祥子)作品。 「死人の声をきくがよい」よりもギャグ的な展開と要素が少なくホラーの割合が多くてとても怖い。 ストーリーは、東都大学に通う主人公がアルバイトとして中学生の双子を教えることになったんだけど、黒魔術の実験台にされたり悪魔召喚の供物にされたりして弄ばれる。普通だったらギリギリのところで助かるんだけど、この漫画はアクセルを踏みっぱなしで、死んだら死んだでいいか!って感じでかわいそう。 伊藤潤二的なでろでろした液体が体から出てきたりして気持ち悪いし、結局ただバケモノに襲われるんじゃなくて、双子に弄ばれた結果バケモノに襲われるっていう人間って怖いなってところに着地させるいいホラー漫画。
空前のグルメ漫画ブームですが、どれもうまそうなんですが、結局独身男性にとって美味しい店に行くのはめんどくさく、かといって自炊するのはもっとめんどくさいので共感できないものが多いのです。 しかし、この漫画は身近なものばかりでてきていいです。店で他人の目を気にして食べるより、家で唐辛子ドバドバかけて食うほうが好きな私はこの漫画にすごい共感してしまいます。読むとかなしくなりますが。。。
美術予備校に通うことになった浪人生のももねの1年間の話。 ももねの恋模様が話の大きな筋にはなっているが、予備校に通う浪人仲間や失踪した自称美術家の父、過保護な兄姉母とのやりとりもとても魅力的。 というか、ぼーっとしているももねがこれまであんまり考えたことのなかった恋とかについて周囲に触発されてちょっとずつ考えたりするようになる相互作用のようなものを感じる。 恋愛がテーマの漫画だけど、くどくなく爽やかでコンパクトにまとまっているしとても面白い。
『かってに改蔵』の頃の久米田康治が好きな人なら心に響くのではないでしょうか。 登場人物も(今のところ)あんまり多くなくて、なんだか懐かしい感じがします。 4巻が今月出るので楽しみです。
百名哲の短編集でどれもキャラクターに味わいがある作品ばかり。 「ばかねこ」は昔大学生だった頃に好きな男が「ちょー猫っぽい」ということで拾ってきたの喋る猫?を強引に押し付けられ3年間暮らしたOLの話。この猫、いつも何かに不安を覚えていて「トマトが毒だったらどうしょう」とかどうでもいいことばかり不安になっているバカな子なんですが、「ごしゅりんがいつか迎えにくる」と健気に男を待っていて、そして借りぐらしの肩身の狭さなんかも時折感じさせるような表情をして、バカなだけじゃなくてどことなく憐憫を誘うような子でかなり愛くるしくこれだけで連載してほしいほどです。 他にも「サムライ戦隊ブシドーファイブ」はクランクアップ間近の特撮ヒーローの役者や監督たちの話で、監督の優しさとレッド役の子の人の話を聞かずに先走ってしまう可愛さだけでなく、モブの運転手や部長さんも独特の存在感があってとてもいい味わいがあります。
小林多喜二の「蟹工船」を、ジョージ秋山のアシスタントを長年務めるイエス小池がコミカライズした作品。もともと読切作品だったが、2008年の蟹工船ブームの折に文庫化された。 出版に至った経緯はドラマチックだ。詳しく知りたい人はたけくま先生のページを読むとよい。 http://memo.takekuma.jp/?p=1217 読んでみての感想としては、個人的には原作とは大分違う印象を持った。 過激な描写が多いものの、表紙の罰河原赤蔵(ばつがわらあかぞう)のクレイジーなキャラと、不屈のヒーロー龍さん(オリジナルキャラ)の存在が痛快で面白い。 過去にも蟹工船系作品には触れてきたものの、プロレタリア文学とか格差社会という固まった評価の中で理解していただけだったかもしれない。 イエス小池バージョンでは、罰河原中心の視点で、世界が孕む狂気そのものを描いていて、そこはかなり際立っていて良かった。この漫画はとにかく、ラストの罰河原赤蔵の咆哮がすべてなんじゃないかと思う。これから大東亜共栄圏に突き進む歴史をも示唆していて、そこまで通して考えると、「おい、地獄さ行くんだで!」という書き出しの意味しているものが変わってくるようにも思えた。
わたしは、野球好きで野球漫画もそれなりに好きなんですが、ラストイニングは巻数が多くてなんとなく読んでいませんでした。 しかし読んでみるとおもしろい!主人公が選手ではなく監督というのが他の野球漫画と違っています。サッカー漫画だとジャイアントキリングも似たような設定ですが、ラストイニングは試合に向けての過程である練習も描かれているところがいいです。試合もジリジリするような展開満載で手が止まらなくなります!!
落ち着いた雰囲気のイラストにつられ表紙買い。 登場する男性はオーナーの恋人の女性のおかげで老眼鏡の紳士ばかりで、また絵柄のせいか全員不思議と色っぽい! 一冊の単行本の中に、これでもかというほど大人の男性の素敵さが詰まってます。
ある日突然気立ても良く器量も良い女が男の元に現れて嫁になる。周囲の人から羨ましがられるほどのいい女なんだが、実は一生を添い遂げられる男性を探す雪女。 悪さは全くせずむしろ本当にこんな嫁が欲しいって思うほど家のこともしてくれるし、仕事の手伝いもしてくれる最高の女なんだが、男が浮気とかをして一生を添い遂げられないとわかると男の元を去ってしまう。 なぜそんな行動を繰り返すのか、はまた物語の中で語られるが、男に裏切られ続ける雪女の切なさが胸に来る作品でありながら、雪女のいう「添い遂げる」ということのハードルが高くて「愛を誓うっていうのはこんなに重たいのか」と少し考えた。 1巻で完結なので読みやすく、結構心に残る作品だった。
※ネタバレを含むクチコミです。