蚕の話の使い方が印象的だった。
今日マチ子先生の描く戦争のマンガです。前線で戦う兵士ではなくひめゆり学徒隊のような女学生の看護補助員が主人公。舞台となった地は明示されていないがかなり沖縄を意識しているように思います。
戦争が激化する少し前から物語は始まり、看護補助員として兵隊の看護を行うようになり、終戦間際の集団自決を経て終戦までサンという少女の姿が描かれています。
うじが湧いたり、手足を切り落とす描写がショッキングですが、それに心を病んでいく少女たちの姿が痛々しい。叙情的な作風が持ち味の作家だから描くことのできる戦争の悲惨さだと思います。また、物語の中に変な救いを用意せず悲惨なものを悲惨なまま伝えたという点にも個人的には評価したいポイントでした。
シマいちばんの女学校に通う主人公・サンらは、クラスメイトとともに学徒隊として戦地に赴く。戦況の悪化とともに、ひとり、またひとりと仲間を喪っていく中、世界の凄惨さと自己の少女性との狭間でサンは……。戦後65年。新世代の叙情作家が挑み描いた衝撃の長編傑作。
シマいちばんの女学校に通う主人公・サンらは、クラスメイトとともに学徒隊として戦地に赴く。戦況の悪化とともに、ひとり、またひとりと仲間を喪っていく中、世界の凄惨さと自己の少女性との狭間でサンは……。戦後65年。新世代の叙情作家が挑み描いた衝撃の長編傑作。
大人でいることにひと息つきたくなったら読んでほしい。愛しい思い出がくれたのは、未来の希望でした。朝の純真さを忘れ、切ない夜に自分を閉じ込めていた女性の成長を描く感動作。今日マチ子さんの漫画「夜の大人、朝の子ども」の1ページ目は、土曜日の家族連れは大きな花束みたいだ から始まります。離婚して、息子の親権を夫に渡し、ひとり暮らしをするゆいにとって、休日に見かける家族の姿はとてもまぶしく見えるからです。うっすらとした不安や焦りを抱える彼女にとって、「無邪気でいられた子どもに戻りたい」という願いは浮かんでは消えますが、夜見る夢の中で叶います。引っ越してから音信不通だった親友、寂しいときに大切な1冊を教えてくれた図書館司書の先生、意地悪をされてもどこか嫌いになれなかったクラスメイト……。あたたかい子ども時代に、大人になって感じた傷を癒されて過ごしていくうちに、また夢の中で願うのです。「はやく大人になりたい」と。子どもの頃の思い出が、大人のわたしに勇気と自由をくれる全12話の漫画です。
新たな視点で語られていく、美しくて残酷なお姫様たち。童話「親指姫」と「白雪姫」をベースに、今日マチ子が文章とイラストを担当。小鳥や魚たちの証言を元に語られていく「親指姫」と、後妻である妃の目線で語られる「白雪姫」。今日マチ子とやくしまるえつこによって、広く知られてきた童話が、新しい物語として生まれ変わりました。※本電子書籍はCD付き書籍として発売したものの書籍部分のみを電子化したものです。CDおよび音声データは付属しておりませんのでご注意ください。白雪は王子にいいました。「あそこにいるのがわたしのおかあさまよ」 呆然とするわたくしの前に 真っ赤に焼けた鉄の靴がはこばれてきました。 「おかあさま、わたしたちのために踊りをおどってくださいな」 白雪がいうと、音楽がはじまりました。 (「白雪姫」より) 電子書籍・アプリ2021.02.22 発売予定電子書籍 『ぼくのおひめさま 親指姫 白雪姫』 電子書籍1,400円+税 ネット書店で購入する 新たな視点で語られていく、美しくて残酷なお姫様たち。童話「親指姫」と「白雪姫」をベースに、今日マチ子が文章とイラストを担当。 小鳥や魚たちの証言を元に語られていく「親指姫」と、後妻である妃の目線で語られる「白雪姫」。 今日マチ子とやくしまるえつこによって、広く知られてきた童話が、新しい物語として生まれ変わりました。 本電子書籍はCD付き書籍として発売したものの書籍部分のみを電子化したものです。CDおよび音声データは付属しておりませんのでご注意ください。※本電子書籍はCD付き書籍として発売したものの書籍部分のみを電子化したものです。CDおよび音声データは付属しておりませんのでご注意ください。
誰も見たことのない新しいお姫様たち。グリム童話、アンデルセン童話をベースに、今日マチ子が文章とイラストを担当。作品ごとに、フルーツや文房具などの斬新なモチーフで、誰も見たことのない新しい「おひめさま」を描いていきます。※本電子書籍はCD付き書籍として発売したものの書籍部分のみを電子化したものです。CDおよび音声データは付属しておりませんのでご注意ください。著者:今日マチ子著者プロフィール:漫画家。東京都出身。思春期の心の機微を捉えた、叙情的な作風が高く評価される。漫画誌、装丁、広告など、漫画家の枠を飛び越えて、様々なジャンルで活躍中。代表作は『センネン画報』(太田出版)、『みかこさん』(講談社)、『COCOON』(秋田書店)など、著作多数。「今日マチ子のセンネン画報」http://juicyfruit.exblog.jp/。
かわいい、ほほえましい、奥が深い……ねこ漫画とイラストの「集合住宅」。描いた人は有永イネ、大川ぶくぶ、今日マチ子、黒田硫黄、コンノトヒロ、櫻井エネルギー、桜井のりお、左藤真通&市丸いろは、真造圭吾、高浜寛、竹内佐千子、たむらあやこ、土塚理弘、中川いさみ、ひぐちにちほ、深谷かほる、藤沢カミヤ、松本救助、やまだないと、横山キムチ、はらだ(イラスト)。『夜廻り猫』単行本未収録のカラーイラスト掲載。
『センネン画報』(単行本版)発売から祝10年を記念して、オールカラー増補改訂版が発売。 ●糸井重里さんから10周年コメント 今日マチ子さんは、最初からうまかったんだよ。ちょっと反則じゃないかというくらいで。絵もだけれど、描こうとしている雰囲気もね。――糸井重里 ●森見登美彦さんから10周年コメント 10周年、おめでとうございます。ちゃくちゃくと世界を広げてこられましたね。10年前のワタクシに『センネン画報』は強烈でした。カーテン! ニベア! 女の子! 文房具! 冬の朝! 鮮烈なるデビューに立ち会うことができたことを光栄に思っております。一足先に「10周年」を通過した人間として言えるのは「ほどよく怠けましょう」ぐらいです。それでこそ次の10年を乗り越えられるのです! おたがいに長く続けていきましょう。――森見登美彦 ●辻村深月さんから10周年コメント 今日マチ子さんの作品を初めて見たとき、衝撃を受けました。初めて見たのにものすごく懐かしい。自分がこの景色を知っている、と心の深いところに触れられたように思ったのですが、今、時が経って振り返ると、それは実はとても図々しい感覚だったのかもしれないと思います。今日さんの描く風景は、学校も青春も、私の中にある思い出以上に思い出。見る人の記憶を、実際以上に鮮やかに塗りかえてしまうような、恐ろしい魅力を感じます。表現者として、畏怖を込めつつ、大好きで、敬愛しています。10周年、おめでとうございます!――辻村深月