シマいちばんの女学校に通う主人公・サンらは、クラスメイトとともに学徒隊として戦地に赴く。戦況の悪化とともに、ひとり、またひとりと仲間を喪っていく中、世界の凄惨さと自己の少女性との狭間でサンは……。戦後65年。新世代の叙情作家が挑み描いた衝撃の長編傑作。
シマいちばんの女学校に通う主人公・サンらは、クラスメイトとともに学徒隊として戦地に赴く。戦況の悪化とともに、ひとり、またひとりと仲間を喪っていく中、世界の凄惨さと自己の少女性との狭間でサンは……。戦後65年。新世代の叙情作家が挑み描いた衝撃の長編傑作。
「うり! うさがみそーれ(はい! 召し上がれ)!」ここは沖縄の古民家カフェ。元社畜の公平(こうへい)が一念発起して開店したのだが、待てど暮らせど客は来ない。そんな閑古鳥が鳴く日々に終止符を打ってくれたのは、古民家の前の住人が残した香炉から現れた台所の神“ひぬかん”だった……! 優しい美味しいオキナワン・グルメ・コメディ♪
昭和45年、南の島の切ないラブロマン! 透けるような茶色い髪、エメラルドグリーンの瞳。沖縄のパイン畑で、「サラダ」と呼ばれる女の子と運命の出会いをした祐(たすく)。彼は、返還前の沖縄に泳いで渡った不法入国者だった。戦後、アメリカ統治時代の沖縄を舞台にした表題作の他、恋に全力でぶつかる少女を描いた『繻子(サテン)のハイヒール』『高気圧ガールのゆ・う・う・つ』『歌姫I LOVE YOU』の3編を収録。
渡辺明里は沖縄のダイビング・ショップに転職してきた27歳。青い青い空の下、夢とガッツで単身乗り込んだ彼女だが、少々おっちょこちょいな面もアリ…。出会ったばかりの大学研究室助手・日野原が気になる今日この頃、彼の大家のおばあちゃんや優しい仲間に囲まれて、明里の新生活がスタート!!
今日マチ子先生の描く戦争のマンガです。前線で戦う兵士ではなくひめゆり学徒隊のような女学生の看護補助員が主人公。舞台となった地は明示されていないがかなり沖縄を意識しているように思います。 戦争が激化する少し前から物語は始まり、看護補助員として兵隊の看護を行うようになり、終戦間際の集団自決を経て終戦までサンという少女の姿が描かれています。 うじが湧いたり、手足を切り落とす描写がショッキングですが、それに心を病んでいく少女たちの姿が痛々しい。叙情的な作風が持ち味の作家だから描くことのできる戦争の悲惨さだと思います。また、物語の中に変な救いを用意せず悲惨なものを悲惨なまま伝えたという点にも個人的には評価したいポイントでした。