かつての自分自身に励まされ再び歩き出す勇気をもらえる『夜の大人朝の子ども』
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『夜の大人、朝の子ども』(今日マチ子/幻冬舎) 『センネン画報』(太田出版)や『cocoon』(秋田書店)などで知られる今日マチ子の最新作『夜の大人、朝の子ども』。離婚後、息子の親権を夫に渡して不安や焦りを抱えながらひとりで暮らす女性が、「
大人でいることにひと息つきたくなったら読んでほしい。愛しい思い出がくれたのは、未来の希望でした。朝の純真さを忘れ、切ない夜に自分を閉じ込めていた女性の成長を描く感動作。今日マチ子さんの漫画「夜の大人、朝の子ども」の1ページ目は、土曜日の家族連れは大きな花束みたいだ から始まります。離婚して、息子の親権を夫に渡し、ひとり暮らしをするゆいにとって、休日に見かける家族の姿はとてもまぶしく見えるからです。うっすらとした不安や焦りを抱える彼女にとって、「無邪気でいられた子どもに戻りたい」という願いは浮かんでは消えますが、夜見る夢の中で叶います。引っ越してから音信不通だった親友、寂しいときに大切な1冊を教えてくれた図書館司書の先生、意地悪をされてもどこか嫌いになれなかったクラスメイト……。あたたかい子ども時代に、大人になって感じた傷を癒されて過ごしていくうちに、また夢の中で願うのです。「はやく大人になりたい」と。子どもの頃の思い出が、大人のわたしに勇気と自由をくれる全12話の漫画です。