※ネタバレを含むクチコミです。
自分でも気づかないうちに頑張ってしまう時、頑張りすぎてしまう時ってあるけど、(少なくとも自分はある)この本はそんな時に読みたくなる。 共感する所も沢山あった。 確かに、がんばらなくても死なないよなぁ。 この本を読んでそう思った。
ここではないどこかに行きたい。日常がいつか終わることを、漠然と夢見ていた時代の空気というものが、かつてこの国にはありました。それはバブルと裏返しの虚無感のようなものでしかないのかもしれませんが、この作品に漂う諦感と、正反対の馬鹿馬鹿しさは恐らく表裏一体だと思います。 主人公の妙子は自分の日常にうんざりしていて、でも遠くへ行くことも出来ません。彼女の前に現れたのは、宇宙人を名乗るボディスーツに身を包んだ「ワタナベ」。 少し不思議な非日常の物語は、良くも悪くも時代の空気を感じさせてくれます。 あの時代を知っている人間には、恐らくどこか懐かしく感じる作品だと思います。そして、あの時代を知らない人が読んだらどう感じるのだろうかと、バブルから遠く離れた令和の時代に考えたりもします。 日常は終らない。多分、だらだらと続く。でも、そんな中でもきっと素敵なことは見つけられる。今、自分が出せる回答はこんなもんかと思っています。
ホラーをテーマにした読み切りが収録されています。ものすごく怖い話はなかったですが、面白い短編が読みたい人にはとてもオススメです。以下は作品ごとの個人的な感想になります。 田村由美「死人の記 -紫陽花にゆれる-」 怖さでいえばダントツで怖い。死んだ人がすぐには成仏せずにゾンビとして存在する町が舞台になっている。恋愛関係のもつれが発端になってる話は他にもありましたが、恨みのレベルが半端なくてまさに怨念って感じでした。 鯖ななこ「メッセージ」 結婚も決まり幸せな日々を過ごしていたが、家の中で四つ葉のクローバーを拾ってから怪奇現象が起こるようになった…。ちなみにクローバーの裏花言葉は「復讐」。タイトルの「メッセージ」はそういう意味だったんだ…!と分かるような終わり方も含めて、ストーリーがとても上手いと思いました。絵柄がとても可愛いです。 桜和アスカ「幻 -GEN-」 妻が原因不明の火事で亡くなったので過去に戻って放火犯を捕まえたいという客が、時を戻せる妖怪が営む喫茶店にやってくる。ザ・因果応報。悪いことはしてはいけませんね。設定がちょっと似てるだけですが「廻り暦」を思い出しました。 柳秋紀「たからばこ」 ピクニックをしているカップル。今日は彼女が子供の頃に両親が連れてきてくれた場所にやってきた。実は彼氏は浮気をしていて…。このストーリーに「たからばこ」というタイトルをつけるセンスがすごくいいと思います。怖いです。 花木アツコ「やもめの湯」 妻を亡くした男が同じくヤモメの老人が営む銭湯で働くことになった。いつもは廃油で風呂を沸かすが、お盆の日は特別なお客さんが来るからどうしても薪じゃなきゃいけないらしい。このあらすじで大体分かったと思いますが怖くはないです。むしろ感動しました。個人的には一番好きな話です。 白壁たくみ「昔の男」 画家だった祖父が亡くなった。葬式の夜に白いスーツを着た若くて美しい男が式場を訪ねてきた。遠い昔に祖父の絵のモデルをしたことがある男だった。祖父と男の秘密の関係に孫娘だけが気づくという美しい話だった。絵とストーリーも合っていて雰囲気ごと好きです。 ノラ38「ばいばい」 義母にいじめられて途方に暮れていた女の子に男が「一緒に街を出よう」と優しく声をかける。この作品は描き下ろしらしい。もしかしたら紙版にしかないかも。
小生、学生時代に塾講師をしており、そこは本作と同様「中学受験」を中心にした塾でした。 そんな自分がこれを読んで思ったのは、 中学受験、マジでこんな感じです (太字で、最大フォント数にしたい) ということ。 もちろん、マンガなので多少の脚色はあるのですが、ますます加熱している中学受験業界なので、これくらい盛ってもほとんど一致していると言っていいのではないでしょうか? 「中学受験は親の狂気」 と本作で表現してますが、本当にそうなんです。 年端もいかない子供が、自ら勉強なんてやりますか? 絶対やらないですよ。 親が、それこそヒステリックに子供にやらせるんです。 親が全く関与しないパターンもありますが、 自分が見てきたなかで、その場合の生徒の特質は大きく2つ。 超天才か超バカ。(言葉汚くてすいません) 超天才は、勉強自体が好き過ぎて、ほっといてもずっとやるから、親も何も言わないんです。体調の心配くらいしかしない。 逆に、超バカは、塾を時間つぶしか遊び場にしているだけなので、親も勉強が目的ではないから放置なんです。 ただ、これは上位と下位の5%くらい。 残り90%の生徒(ってかほぼ全て)は親の干渉が、ものすっっっっっっっっっごいのです。 というか、親の受験といっていいくらい中学受験は親が主体なんです。 親が子供を徹底的に管理し導いていかないと、12歳くらいの子供は何も判断できないんですよ。 塾の費用も半端ないから(年間100万以上?)、親も気狂ったように子供と塾に圧をかけてくるのです。 それを称して、親の狂気 とはよく言ったものです。 今思うと、ホントにそうでした。 うなりました。 さらに、この作品がすごいのは、親と生徒のパターンが全網羅されていること。 自分も読んでて、つい昔の生徒思い出しましたもの。 このキャラは彼に似ているな、とか、フラッシュバックしましたよ。 ・教育に熱心な親/無関心な親 ・塾に従う親子/従わない親子 ・偏差値や学校のブランドしか興味ない親子 ・なにかのきっかけで成績が伸びる子・落ちる子 ・天才肌の子/努力家の子 ・兄弟で優秀な子と劣等生という差がある子 ・答えをみてズルする子 ・他人の脚を引っ張る子 ・周囲のせいにする子 などなど。 抱えている問題も性格も色々と異なる生徒に塾講師として相対する姿は、純粋に面白いです。 手を変え品を変え相手を説き伏せたり対策していく感じは「こういうやり方で対応するのね」と感服します。 また、主人公黒木は「塾は営利目的」「子供の将来を売る場所」と言いきっていますが、「教育」の名のもとに変に高尚化していないのも良いです。 なんとも、裏表ない感じが好感もてますし、悪態ついてますが、なんだかんだで生徒をよく見ているんですよね。ツンデレですよ。 それにしても、 島津くんは親父に負けず頑張ってほしい! がんばり屋の加藤匠くんと柴田まるみちゃんは、第1志望受かってほしい! カイくんは弟に負けずというか、弟と一緒に頑張ってほしい! と思わず、読んでいて自分も力が入ってしまいました。 生徒の頑張る姿は、いいものです。 受験とはドラマですね。 まだまだ受験は先ですが、これから本番まで生徒たちがどう成長しどんな結果になるのか楽しみです。
島の中学校の新学年、三年生の時間割に「戦争」が加わった。毎週金曜五時間目に、選抜されて本土に出征していく級友。しかしそこに、安居島都と双海朔の二人だけ、選ばれることはなかった。 正体不明の敵、子供も駆り出される程切迫した戦況……絶望的な状況下で、混乱しつつも日々を生き、恋をする中学生達。そして出征を拒まれる二人の謎とは……。 □□□□□ 小さな島の日常の穏やかな、優しい情景と裏腹な、不穏な情勢と多くの謎に、心が宙ぶらりんになりながら、読むのをやめられなくなる作品である。 好転しない現実、死と隣り合わせの毎日。その中で迷い苦しみ、ある者は怯え、または覚悟を決め、あるいは何かを見出そうと必死になり……在り方は様々だが、皆一様に、悲壮である。 一人ひとりの懸命な青春を、どんなに丁寧に描いても、その命はいずれ奪われていく。そして、辛い鬱展開が待っている。 その中で、一番辛いものを背負うのは、実は生き残っている安居島都である。その過酷さはある意味、筆舌に尽くし難い。それでも「食」をよく分かっていて生きる力の強い都は、前を向く。少しの幸せだった思い出を胸に……。 生きるのに必要なのは、悲壮さではない。淡々と飯を食い、命ある限り前向きな意志を持つことだ。そんなメッセージを最後に提示するために、4巻を丁寧に描き切った優先生に、今は深く首を垂れたい。
ちょっと昔の球界の名選手たちの活躍や、知られざるエピソードを漫画で紹介している作品。ずいぶん昔の漫画のようだが、もしかして作品タイトルが変更されているのかと思って調べてみたところ、芳文社が1991〜1992年に出した「プロ野球の名選手」 (まんがタイムコミックス)というシリーズを電子書籍で復刻したものだった。まだ全部は読んではいないが、作者・五十嵐幸吉氏は水島新司先生に師事していたということから、本格的な野球人物伝マンガだと思う。
タイトルは「夜(いつや)」さんと読みます。 メインの登場人物は3人。家族と離れ離れになってしまった主人公の晨(とき)くん、どういう理由か学校に行っていない昏(こん)ちゃん、そして昏ちゃんと暮らしている謎の美術教師夜さん。 それぞれの理由でひとりぼっちだった3人が、夜さんの描く不思議な絵によって少しずつ繋がっていくのが素敵です。 もちろん「年上のお姉さんと同い年の女の子と突然一緒に住むことになっちゃって!?」…というドキドキするシチュエーションに惹かれる方にもオススメ。3人一緒に過ごすようすが本当に微笑ましくてあったかいのです。萌えます。 終わりは少し駆け足ですが、結末まで読むときっともう一度読み返したくなるはず。 登場人物の心情がたっぷりと描かれるので、実際の巻数以上にじんわりと味わえる作品だと思います。 夜さんが何者なのか、3人がどんな未来を選ぶのか、最後まで読んでみてほしいです。 最後にプチ情報ですが、カバーの題字の箔押しがとってもキレイなのでできれば紙の本で手に取ってほしいかも(特に2巻の水色が美しい!)
十三世紀のハローワークとか竜と勇者と配達人の作品ということで買ったけど長らく積んでいたやつ。 日本の足軽を始めとして、ドイツのチュートン騎士団とかイスラームのアサシン、アステカのポチテカ、北欧のヴァイキングなどなど、大量の「戦士の女の子」が主人公が大家を務めるアパートにやってくるゆる〜い話。 ノリはゆるいけど、歴史的情報は細かく描かれていて好きな人にはたまらないと思う。 ヴァイキングの兜にツノは後世の創作で実際には無いって初めて知った。思えば幸村先生の私物にもツノはなかったと気づき興奮した。 https://natalie.mu/comic/news/333910
恋をテーマにした読み切りが収録されています。どの作品もレベルが高くて流石だなと思いました。以下は作品ごとの個人的な感想になります。 西炯子「縁ありて」 一度は結婚をしたもののお互いに未熟だった為に一年で離婚してしまい、その後は全く恋愛に縁のなかった女性がデートクラブを利用する話。よくある筋書きのような気もするけど、西炯子先生が描くと夢中で読んじゃうくらい面白い。 江平洋巳「へるんさん」 小泉八雲と妻になる節の出会いから始まるお話。小泉八雲だからかオカルト的な展開もあるし、見せ方もドラマティックで読んでいて楽しかった。 谷和野「ソファーベッド・ツアー」(※単行本「魔法自家発電」収録) 親に必要とされていない子供達は夜中に空を飛んでいる…。一見するとファンタジーなんですが、比喩的な意味も込められてるのかな?とちょっと考えました。ラストがとても素敵でした。 梅サト「ほんぽうふき」(※単行本「緑の罪代」収録) このアンソロジーの中で一番独創性が高いと思いました。島の真ん中に生えた大木に住む鬼のところへ生贄としてお嫁にいく話です。タッチもほんわかしてて昔話っぽいですが、終わり方も「めでたしめでたし」な感じで好きでした。 白水こよみ「兄嫁の結婚」 ずっと好きだった人が自分の兄と結婚することになったが、彼女は結婚式の前に事故で死んでしまう。しかし自分が彼女のことを想って作った服を着てもらえば、幽霊になっても姿が見れたりしゃべったりできることが分かって…という話。せつないけどいい話でした。
淡々としていてドラマチックではないし日常的だけどめちゃくちゃ笑えて不条理だったり下ネタもあったり不謹慎だったりするけど綺麗で読みやすくてこれ好きって言ったらセンスいいねって一目おかれる漫画はありますか。 あります。B.B.Jokerです。 今まで読んできたギャグ漫画の中でいちばん面白かったものは何かと問われればおそらくB.B.Jokerと答えます。少なくともギャグ少女漫画界ではいちばん面白いはずです。 言葉遊びをふんだんに使用したレベルの高いギャグ、かと思えばめちゃくちゃ変態的思想ときどきうんこ、結局笑っちゃう不謹慎なネタ、それらを包み込むTHE白泉社な美しい絵柄。 この意外性が面白さの青天井へと導いてくれます。 B.B.Joker好きっていう人とは絶対に友達になれる気がします。でも読んだら全員面白い好きってなると思うんです。つまり読んだら全員友達なのです。だからにざかなも仲良くしてくれ! 中の人たちのネタかガチかわからない不仲っぷりも好きです。4ジゲンもめちゃくちゃ好きです。
自分とは違う【あっち側】の人間を観察しよう!がテーマのエッセイ漫画です。「恋愛のあれこれ」「オーガニック生活」「アウトローな生き方」の3部構成なんですけど、個人的に一番面白かったのは「アウトローな生き方」をしている人達の話ですね。私のように自分自身は関わりたくないけど、そういう話を聞くのが好きだという人はきっと多いはず。裏稼業をしていた佐藤さんも不思議な人でしたが、福島と茨城の県境にある占いもできるラーメン屋さんは、訳の分からなさが逆に本物っぽいと思いました。たぶん占いというより気功みたいなものだと思いますが、それでも普通の人にはない何かを持ってる人ですね。マキヒロチ先生のリアクションがガチでした。でも本業であるはずのラーメンは不味いらしいです。
作者の体験をそのまま描いているのですが、都会暮らしのしらない人からしたらマジかよ?って感じに思えるかもですけど、田舎産まれの自分からしたらけっこうあるあるでリアルな話です。 動物を解体して食べるところなんかは料理漫画としてもすごく楽しめちゃうし、銃の知識は普通に生活すると絶対に知ることがないのですごく引き込まれちゃいました。 動物を殺して食べるっていうのはすごくシビアなテーマかもしれないのですけど、重くならず、かといって軽過ぎず上手く伝えきっています。 作者が山や自然をしっかりリスペクトしているのですごく読んでいて楽しい漫画だと思いました。
東京下町・向島のある小料理屋「酒奈亭」の若女将が主人公。小学生か中学生くらいの時が読んでたが印象に残っているのはイワオちゃんの黒眼鏡だけでそれ以外は全て忘れていた。 最近久しぶりに読みなおしたがこの歳になって読む方が圧倒的に面白い。昔はよくわかんなかったあや奈とイワオちゃんの関係やそれを取り巻く環境などが理解できるのでより面白かった。
久しぶりに読み返したら帯文が「豊田徹也在庫一掃大放出!」て書いてあって閉店する店かよ!と突っ込みたくなった。 タイトルに書いたとおり、何回読んでも飽きない、とても好きな短編集です。 豊田徹也さんの漫画全体にいえるかもですが、読むと血の繋がりとか関係ない人との縁をもっと大事にしたい、したほうが良かったかな、と思える。 「ゴーグル」読んだあとに「海を見に行く」を読むとちょっと悲しくなる。アンダーカレントの2人が違う設定で出てくる短い話は笑えます。 いつかまた新作漫画を読める日が来ると信じて。
本作を読んだのは高校3年生だったか大学に入りたての頃だったか…。受験で世界史を選択したのですが、古代史の勉強範囲で最もワクワクさせてくれたのがアレクサンドロス3世の記述でした。 安彦良和先生の表紙とマンガっぽくないハードカバーの装丁に心躍ったのをよく覚えています。 まず見どころはアクションシーン。大軍勢が見開きで激突し、長槍と軍馬がひしめき合う合戦のようすはスペクタクルに満ちています。 迫力の戦争シーンと並行し、作中ではアレクサンドロスがどんな人物だったのか、帝国の後継者のひとり老リュシマコスの回想の形で語られます。 作中、アレクサンドロスは決して一面的な英雄として描かれることはありません。 ダレイオス3世との因縁を制し、世界を征服した男。果てない破壊の旅路に乗り出した暴虐の王。病に倒れ、大勢の兵に見守られながら逝った最期の姿…。 悩み、過ち、殺し、壊し、そして愛し、愛されながら、自身の夢を追い続けたのが「人間」アレクサンドロスなのです。 クライマックスのリュシマコスのことばは圧巻です。 アレクサンドロスが存在した結果として、数多の人間が歴史の闇に消えていったこと、自らもそのひとりであることをリュシマコスは伝え、残そうとします。 アレクサンドロスのせいで多くの人間が犠牲になった、それでも彼が為したことの巨大さ、彼に関われたことの誇らしさを伝えたいという気持ちが迸るシーンです。 歴史上のできごとは、当たり前の話ですが誰かが語り継がなければ消えていってしまいます。 今日に至るまでアレクサンドロスがいかに多くの人を惹き付けてきたのか、リュシマコスの最期のことばを噛み締めながら、改めて思いを馳せました。
亜人ちゃんは語りたい、モンスター娘のお医者さん、異種族女子に○○する話、爬虫類ちゃんは懐かないなどなど、いまでこそ「亜人・モンスター女子漫画」って一角のジャンルになった感じがありますが、セントールの悩みが出たころはまだ色物って感じだった気がします。いつの間にやら19巻も出ていてすごい。 1巻が出た当時はまだ若かったので、1話で異種族の女子高生たちが互いに性器を確かめあうシーンで「うわ…」と全力で引いたのを覚えがあります笑 久しぶりに読み返しましたが、とにかく絵が可愛くていろんな種族が一緒に生活してるのがいいですね。あと姫がかわいい。
最後にちょっと「あっ!?」という仕掛けがあってよかった。 黒髪くんのほうが最初からもう「好き好き」って感じなのが終始微笑ましい。絵柄もいい感じにラフでけっこう好きな感じです。これからもBL描いてほしいです!
リノベ漫画で営業から入るとは、、、かなりのザ・仕事漫画!! 家は人間の人生が現れてしまうのですが新築じゃなくリノベなんだー! なるほど結構ニッチ… 間取りが変わって改築した家にキャラが踏み込んだ時の「魔法みたいだわ…」って一言はほんとリアルですね どの家もほぼノンフィクションでありえる事例なのでは?と思ってしまいます
続編があるにせよ、主人公がまともにボクシングを始めるまでが長いったらない。5巻か6巻くらいまではほぼやってないんじゃないか。ただそこまでに一瞬も退屈しないので、大丈夫です。 これまでボクシング漫画をほとんど読んでない自分にも、このシュガーが王道からだいぶ外れてることはわかるけど、今後これを超えるボクシング漫画に出会える気がしない。そのくらい夢中になって読みました。 それで、あえてこの漫画の魅力をひとつ挙げるなら(本当はたっっっっっくさんあるけどキリがないので)、それは主人公・凛とボクシングジム会長・中尾の師弟関係。というと、きっと信頼し合ってて強い絆で結ばれてるんだろうなーと想像しがちですが、ぜんぜん違う。どう違うのかはもう読んでくださいとしか言えない。 これがKindle Unlimitedで全巻読めるなんてそんな素晴らしいことあるかね。あるんだから凄い…。
恋した人は、狼男でした……やがて二人の間に姉弟の「おおかみこども」が産まれるが、母子を残して狼男は死んでしまう。人の世界に組み込まれず孤立する母子。生活に限界を感じた母は、ある決断をする。 □□□□□ 物語は、狼と人間の姿を行き来する子供達の成長を追い、人か狼かの生き方を選択するまでを追う。 性格、好奇心、本能……それぞれの人生選択は、丁寧に二人の性質を追う事で、意外なようでいて納得のいく必然性をもって描き出される。そして二人を庇護してきた母の苦労を丹念に描く事で、人生を選んだ子供に最早何もできない苦しみと、懸命の祈りが胸に迫る。 幼い二人の表情の豊かさに癒された後で、生き方を違えた二人の表情の対比に驚かされる。最後まで読み終わった後に、姉弟の最初を見返すと、ひどく懐かしい感じがする。こんなにも遠くに来てしまったのかと。 同名映画のコミカライズである本作が初単行本となった、優先生。感情の描き方の強さと複雑さに、心を動かされる。笑顔、泣き顔の表情一つひとつが強力で、表情につられて貰い泣きする場面が本当に多く、人前でおいそれと読めない感じがする。 (映画版を観ていない感想です)
僕の初掲載作品です! 頑張って描いたので是非読んでください! 明るい漫画なので、広く多くの人が楽しめると思います! 沢山の人に読んでもらいたいので、自画自賛しておきます! どうぞよろしくお願いします!
もし自分が鬼怒川くんの立場だったら、三才山先輩みたいな人とは関わり合いたくない笑 他人の目を気にしすぎる部分って自分もものすごく持ってるので、三才山先輩が悩乱するたびつらい気持ちに…この生きづらさって結構深刻だったりしますよね。 でもある時から同じ自意識過剰でも自己評価高い方の自意識過剰(安曇野さん)が出てきたことで全体のバランスが取れて楽しく読めました。 人の目がないところで素の自分を出せている三才山先輩、めちゃくちゃ可愛いのにな…
『ぶたぶた』を読み終えたばかりだけど、再びぶたぶたさんに会いたくなってこちらも読んでみた。 やっぱりぶたぶたさんは素敵なひとだ…!! かわいいぶたさんが当たり前のように喋りだす故、初めて会うひと達は驚きペースを乱される。そして、まんまるの目に見つめられてついつい心を開いてしまう。占い師も刑事も天職。 『ぶたぶた』とくらべるとこちらはちょっと重たいお話もあるので、ぶたぶたさんの可愛さに癒されながらも自分の人生を見つめ直してしまうような力もあった。 何者かになりたい気持ち、自分の人生の主人公は自分だという気持ち、いつの間にか忘れてしまった気持ちをぶたぶたさんが呼び起こしてくれるはず。
厳しい野良猫の世界の物語。 人間が勝手に猫の気持ち想像しているだけなのに、それは本当の猫達の魂の叫びじゃないのかと思わされる程に伝わってくるものがある。 緩い猫漫画と一線を画すシビアでアンタッチャブルな猫の世界を迫力あるタッチで描いているので猫好きなほどずしりとくる漫画です。
二階堂幸さんがたぬき描くと、もしかして犬と勘違いされてる…?と思ってしまうくらいには浸透してます↓ https://twitter.com/nikaidooooooooo/status/1259287045240844289 絵とストーリーだけでもじゅうぶん成立するクオリティなのに、たまにツッコミがキレキレだったりボケのレベルが高かったりするところが凄い。ワンちゃんと鳥が再登場したところでヒャ〜という感じです。
愛しのアニマリアと同じ世界で違う場所の話という感じですね! ナマケモノなのに一切怠けないナマケモノさんと、暇だからごま塩のごまと塩を仕分けしているキーウィくんがテレビ電話してます。たけのこのところまで完璧だったのに、最後ちょっと切なかったですね。ナマケモノの家なんだからもうすこし待ってくれてもいいのに。 ちなみにうちのごま塩は丸美屋です。
裏社会や貧困等を対象に取材するルポライターとして活動していた著者の実体験をもとにした書籍のコミカライズ。それをBE・LOVEで連載するんだ、という意外性もありながら、発達障害の妻を支えていた夫が脳梗塞になってしまうというはたから見るとそうとう悲劇的な物語には非常に興味があります。 1話では2人の出会いから主人公が独立するまでが描かれてますが、冒頭では脳梗塞による障害に絶望する主人公に対し、妻が笑顔で「やっと私の気持ちがわかったか」という場面にこの夫婦の関係性が垣間見えました。
貧困ビジネス編を読みはじめたけど、「ああ、これウシジマくんでもやってた生活保護を搾取するヤツだ・・・」てなった。あそこまで酷い搾取ではないけど、オレンジパルムを仕切っている男がクロであることは明白で、もし組織的な犯罪だとすれば、生活保護ケースワーカーの職域での解決は難しいのではと思ってしまった。オレンジパルムと同じような事態がいたるところで起きているとしたら、住まいのない人たちは誰に助けを求めたらいいのだろう。
今夏の漫画原作メディア化作品をチェックしていたところ、表紙だけは知っていたこの『マイ ベイカー』の名があり、Kindle Unlimited作品だったので読んでみました。 ちっちゃいけど綺麗でパワフルな店長と、でかくて寡黙な6歳年下の新人バイト・北くん。 憧れる人は多いものの、実際は5時起き21時就寝、何十kgもある粉を運び、熱い天板でやけどし、食品を扱うため衛生管理も厳格で超過酷な仕事場である『パン屋』が舞台。 ガタイのいい北くんは、見た目に反してパンを可愛く仕上げる才能があり、しかも実は店長のことを昔から知っていて…というあらすじ。 https://twitter.com/comicgene_line/status/992238458725789697?s=20 そこで2人の距離が縮まっていくわけですが、この過程がすごくリアル! 絵柄は少女漫画っぽいですが、流石女性漫画だけあって恋の描写がくどくない。いい…! 学生が主人公の少女漫画は頻繁に『トゥンク』したり『カアァァ』ってなったりして、初恋に揺れる感情にページを割きがちですが、働く大人の女性(しかも店長)のお話なので、ラブは見せ場を絞って投入している程度に留めていて、そこが大人の恋愛という感じがしていい。 というか、どちらかというとトゥンクしてるのは北くんの方ですね…それもまたいい。 混入を防ぐため販売員でもシャープペンの使用はNGとか、蛍光灯替えると粉が降ってくるとか、焼きたてのパンを手で触るやばいババアがいるとか、パン作り以外の仕事の苦労も描かれていてとても勉強になりました。 ちっちゃい体でガンガン重たい荷物を運び、火傷にもへこたれずいつも笑顔で働いている店長。「ああ、仕事に情熱がある人ってこうだよなぁ」と、清々しい気持ちになれる素敵なお仕事ラブです! (画像は『マイ ベイカー』らくだ1巻より。このクリームがコマをまたぐ演出めっっちゃ好き)
人造人(じんぞうじん)という戦争のために人が作り上げた人造人間が主人公。人間に迫害され対立しているディストピア感あふれる世界で、主人公は生きるために人間側の兵士として、戦い続けるというストーリーです。人造人間からの視点などはブレードランナーやターミネーターを彷彿とさせます。人造人、機械兵、再活性化などの難しい世界観と荒削りな作画ですが、戦場の臨場感は抜群で先の展開が気になる面白さがあります。ちなみに、巻数が14巻となってますが、実質は4.5巻くらいのボリュームです。3巻まではコミックスが出ていて、途中から分冊による販売に移行したためだと思われます。
最年少で世界記録樹立とか、30歳未満の優秀な人物30人とか、数億円の資金調達だとか、こんなに素晴らしい人がいるんですよ、皆も頑張ろう!夢を持とう!世界をより良い場所に!努力・友情・勝利!…生きていると日々そういった煽りが目に入ってくる。もちろんそれ自体は悪いことではないし、勇気づけられることもある。 でも別に、毎日だらだらしたり、親戚の伝手でたまに仕事したり、友達と別れる時はちゃんと見送ったり、迷った末に5000円貸してあげたり、大麻吸ってゲロ吐いたり、それで良くないか? こんなことを言うと冷笑的だととられそうだが、自分はどちらかというと熱血的でマッチョな方だと思う。努力しなければ現状維持すらままならないと思っている。でも「本当に」それが、そんな世の中が望ましいのかと聞かれたら、違うと言うだろう。誰もが慎ましく生き、他人の価値観に左右されず、ちょっとだけ悪いことをするような世界が好きだ。
1年間の限定結婚。 職場の新しい事業で始まった、1年間の期間限定結婚。法的にも籍を入れる。 これに賛同した明日香と依頼人の話。 お互い恋に落ちるのかなと思ったら、本当に期間限定の結婚生活を淡々と送るのみ。 ただ、終わる頃には依頼主の人生観、価値観などが少しだけ希望に変わっている。明日香が知らないうちに変えている。 結婚の捉え方も、するしないも、人それぞれだなと改めて感じた話でした。
異能、復習、サスペンスって感じ。YJやUJで掃いて捨てるほど見た題材ですが、表紙に惹かれて読んでみました。 中身の絵は荒削りではあるものの線の綺麗さは紙でも十分通用。ただ構図や台詞回しが拙く、読みにくさと違和感がめだつ。作者の成長に期待したいやつですね。
舞台は幕末。アクションだし、ミステリーだし、とにかく想像以上のスケールの大きさで驚きました!しかも「杖術」って何?初めて知った!と戸惑いましたが、文字通り「杖」を使った武術で、宮本武蔵の二刀流を倒す為に編み出されたとのこと。ちなみに岡村星先生のお父様が杖術をされているそうです。 主人公の長岡津春は武士の家の子供だけど医学生なので、相手に致命傷を負わせない杖術をしているようですが、この理由からも分かるようにとても優しいんです。そんな彼が国家転覆の陰謀に立ち向かう!って大丈夫なのかと心配になりましたが、1巻ラストから早くも覚醒の予感があったので、私の心は完全に掴まれました。続きがめちゃくちゃ気になります。杖術が炸裂するところも見たいです!
学生ものに食傷気味なので買うか迷いましたが買いました。 なんかとても爽やかな話!BLなんでしょうが普通の人間関係の漫画として気持ちがいい青春と恋愛の話! サラーっと読めてフッといい読後感をくれる漫画かと!
岩谷テンホーは4コマ雑誌とか青年誌で見かけるちょいエロなギャグを書きつづている作家ですごい好きで読んでいる人は見かけたことはないけど、雑誌内で見かけると安心する。 その岩谷テンホーの幼少期を回顧したマンガで相変わらずちょっとしたエロネタを挟みつつ、五島列島での生活や学校の状況などの味わい深いエピソードがあり楽しめた。
1990年、西森博之が増刊少年サンデーで連載していた『今日から俺は!!』を中断した後、少年サンデーで始まった初の週刊連載作品。 『甘く危険なナンパ刑事(デカ)』は短期間の連載に終わり、その後まもなく『今日から俺は!!』が増刊から少年サンデーへ移籍することになります。 破天荒な刑事マンガとして良作だったと思うので、これは『ナンパ刑事』が良くなかったというよりも、『今日俺』ほどの期待が集まらなかったと見るべきなのかもしれません。 物語の舞台は千葉で、主人公・相沢の性格がお金好きな軟派であったりと、『今日俺』と所々似ている部分はあります。のらりくらり掴みどころはないけど、ポリシーがあって、大事なところではビシッと決めてくれる西森作品らしい空気を感じられると思います。 とはいえ、全2巻はあまりにも短かった。相沢と麻子のコンビはもっと見ていたかったです。西森作品って、中盤あたりから凄く面白さが発揮されると思ってるので、魅力を伝えきるにはせめて5巻分は続けて欲しかったところ。 もし、『今日から俺は!!』ではなく『ナンパ刑事』が週刊連載を続けていたら、その後の西森作品の系譜はどうなっていたのだろう、なんて事を考えて読んでみるとより面白いかもしれません。
最初は、絵が好きになり、料理が、次の話は、どんなのかな~とワクワクさせる漫画でした。 できたら、コミックでも、読みたいです😣 よろしくお願いします🙇♀️⤵️
この日を待っていました。新作漫画が読めてほんとに嬉しいです! 商業施設の広告漫画の制作依頼を受け、鬱の漫画が描きたいのでといって断ったものの「ではそれでお願いします」と了承されてしまったのには笑ってしまいました。船場センタービルもなかなか懐が深いですね。 自身の鬱を綴るエッセイと、広告漫画が一緒になっているってある意味史上初なのでは。広告に苦手意識があったみたいですが、行きたくなりました。船場センタービル。
救われたような楽な気持ちになる、そんなマンガでした。 パシらされる彼については、明日以降大丈夫なんかなってすこし心配になりますが、どう転んだとしてもあのかわいい人がいるからきっと大丈夫でしょうね。だめかもしれんが、大丈夫だったかもしれないし。 できれば瑣末ないろいろは軽く超越して日々を過ごしていきたいと思うんですけど、描写される平和な世界をうらやましいと思いました。一種のファンタジーかもしれません。 たとえば沖縄の土産物屋の土産物の箱の包装紙の描き込み方とかがあんまりに好ましいので、この作者の連載は読んでいます。自在に360°ぐるぐる回してどの構図も描けちゃうんだろうな。エピソードもしみじみ楽しくてとてもいいです。
広大な宇宙―…。発達したテクノロジー、多様な生態系、見果てぬ星への終わらぬ旅路…。このドキドキワクワクが一度に摂取できちゃうのがスペースオペラというジャンルの魅力ですよね。 『スターウォーズ』や『銀英伝』を筆頭にスペースオペラ、戦争とか起きがちですが本作はどたばた宇宙旅行マンガ。 基本オムニバスなので読みやすいながらも、毎話SF的な趣向を凝らした濃いぃ〜〜いネタが味わえます。 没落貴族のミハルコ男爵、ポンコツアンドロイドのランパチカ、エロめの吟遊詩人ノンシャランの3人組の珍道中、いつもわちゃついていて読んでて楽しいです。 そしてアースライト姫、一体どんな姫なんだ…。 ミハルコ男爵と同じく、僕も姿を拝める時が来るのを楽しみにしています。
※ネタバレを含むクチコミです。