子供の人生選択…その時母に出来る事

一番下のコメントへ

恋した人は、狼男でした……やがて二人の間に姉弟の「おおかみこども」が産まれるが、母子を残して狼男は死んでしまう。人の世界に組み込まれず孤立する母子。生活に限界を感じた母は、ある決断をする。

□□□□□

物語は、狼と人間の姿を行き来する子供達の成長を追い、人か狼かの生き方を選択するまでを追う。

性格、好奇心、本能……それぞれの人生選択は、丁寧に二人の性質を追う事で、意外なようでいて納得のいく必然性をもって描き出される。そして二人を庇護してきた母の苦労を丹念に描く事で、人生を選んだ子供に最早何もできない苦しみと、懸命の祈りが胸に迫る。

幼い二人の、表情の豊かさに癒された後で、狼の生き方を選ぶ者が表情を失い、人の生き方を学習する者が表情の複雑さを得る、その対比に驚かされる。

最後まで読み終わった後に、姉弟の最初を見返すと、ひどく懐かしい感じがする。こんなにも遠くに来てしまったのかと。

同名映画のコミカライズである本作が初単行本となった、優先生。感情の描き方の強さと複雑さに、心を動かされる。笑顔、泣き顔の表情一つひとつが強力で、表情につられて貰い泣きする場面が本当に多く、人前でおいそれと読めない感じがする。

(映画版を観ていない感想です)

コメントする
reread
また読みたい
フォロー