※ネタバレを含むクチコミです。
アイドルを探せを読んですっかり吉田まゆみ先生に魅了されたので、今はどんな作品を描かれているのか調べてみところ、ちょうど1巻無料だったので読んでみました。原作が石田衣良さんなのと掲載誌が女性セブンということでエロティックなシーンもありますが、全然下品な感じもないし絵柄もセンスも変わらなくて素敵だなと思いました。これ以降は漫画を描かれていないのでしょうか…?
私は一応平成生まれなので80年代のカルチャーに疎いのですが(大江千里は名前だけ知ってる…くらいのレベル)、それでも面白かったのはやっぱりあの時代そのものに魅力があったのと、それを描き切ることが出来るパワーとセンスを持っている吉田まゆみ先生だからこそだと思いました。アイドルを探せを連載していた「mimi」という雑誌のことも初めて知りました。講談社から発行されてた10代後半の女性向けの漫画雑誌(主な連載作品はあさきゆめみしや白鳥麗子でございます!)で、アイドルを探せは当時大人気でドラマ化や映画化(ちなみに同時上映はLet’s豪徳寺!)もされたそうです。 「アイドルを探せ」といっても「私にとってのアイドルは誰?」という意味なので要は普通のラブコメなのですが、生まれも育ちも東京でオシャレな主人公のチカちゃんが風呂無しの木造アパートで一人暮らしするところとか、自分でも手が届きそうな夢の世界を見せてくれるので共感しちゃうんですよね。主人公は花野女子短大に入学したチカちゃんですが、漫画家志望のカンロちゃんとバスガイドをしている千明さんもアパートの入居者であり準主役です。ショートカットが可愛いチカちゃんはモテモテでいかにも主役って感じがいいのですが、地味でモテなかったカンロちゃんの恋が成就したことが何よりも嬉しかったです。番外編もカンロちゃんの話が一番好きでした。どうやら続編「夜をぶっとばせ」があるようなので、そちらも読んでみようと思います!
なんでこんな話を今までどこにも出してこなかったのか。なにか事情があるに違いない。このインタビューを読むと、「キャンドル」の話がいかに危険か伝わってくる。 https://comic-days.com/blog/entry/goodbyecandle しかし清野マンガの読者は「そんなもんかかってこいだ」という感じでしょう。知りませんが…
「もっと!」は何号か買って読んでいたけどこれが載ってた記憶がない。読んだら思い出すかなと思って読んだけど、やっぱり記憶にない。 で、読んだ感想としては「感想書くのむずいな」というのがまずありました。実に奇妙な漫画です。多感な中学生にけっこう酷な現実が降りかかる。でも深刻になりすぎない。主人公・ユウコが屈託のない性格だからかもしれない。コノハズクの存在がユウコの生活を大きく変えたのかといえばそうでもないんだけど、所々で気づくと人助けしてたり交友関係が深まったりしてる。視界も広がっていく。 もしかしたら自分が中学生に戻ったつもりで読んだほうが面白いのかなー。学校が生活の大半を占めていたあの頃に。
たまたま少し体調が悪いときに読んだので「これは俺の頭がおかしくなっているのか?」と不安になったのですが元からぶっとんだマンガでした。 Twitterで本作の画像を見かけて一体何事だろうと調べたところ、飛び込んできたのがこのあらすじ。 「電車内で喫煙していた女子高生のお尻をひんむいて、「せっかーン!!」と叫びながらひっぱたく着流しの男。彼、阿久津無事(あくづぶじ)は筑紫大学付属高校に赴任してきた日本史教師である。」 「正気か?」と思えるような筋書きですがこれでページをめくらせてくるエネルギーというか勢いがすごい。作中で阿久津先生が言うこと自体は確かにまっすぐというか、恐ろしいことに生徒を思ってのことだというのは伝わってくるのです。本当にどうして? 結果として女性のケツを公衆の面前でひっぱたくのが最大の見せ場の男には変わりないのですが、読んでいる間は目が離せません。絶対に負けないし(※自身を排除しようとする女性たちの工作をすべて破る)。 なにはともあれ読者を引きつけるパワーは満ち満ちているので、読まずにネタ漫画だと笑うのはもったいないと感じました。ただ体調が優れないときに読むのはやめたほうがいいと思います。
高校の美術部の活動で出会った3人が、運命に翻弄される話なのだが、色んなところに持ち込んだけど断られたというのも頷ける要素の多さ。美術、精神分析、犯罪、ミステリー、ホラー、恋愛、ファンタジーなどあらゆる分野にまたがった独自としか言えない作品になっている。続編は主人公が描く漫画も織り込まれてきてさらにすごいことに。 https://manba.co.jp/boards/111363 インディーズ的な独りよがりとも違う、プロの狂気と漫画の力を感じた。物語に出てくる美術作品は「絵描きの仁義として」全部作者が描いたらしい。
傲慢さという性質は、なかなか御し難い。それは時に私を駆り立てる力になる。しかし一方で、自分を特別視し人を見下し、高みから誰かに噛み付いては、自分の心を傷つけ狂わせていく。 この『Dark Seed』という魔法学校ファンタジーは、そんな「傲慢さ」とどう折り合いをつけるか?という事が主題になっている。 ★★★★★ 魔力を持つ子供は、毒でもある魔力を中和する「対(カノン)」の存在無しでは生きられない。しかし魔力を持つ子供は力に思い上がり、仮初の魔力を得る「対」を見下す。そんな魔法学校で、主人公の少女は強い傲慢さを持ちながら、とある偉大な魔法使いの力を受け継ぐ。 主人公と「対」の諍い、学生達それぞれのパートナーシップ、偉大な魔法使い一族の内情と、跡目と目されていた少年の画策……それぞれに見て取れるのはやはり、力を持つ故の「傲慢さ」。しかし描かれる感情には共感できる部分が多く、それ故に己の持つ危うさが、客観的に見えて来る。 そして偉大な魔法使いの仕事を受け継ぐ時、主人公は酷くどす黒い「傲慢さ」と対峙する事になる。 学校や師から学ぶのは、魔法より小さくても実のある優しい力との「世界の均衡」。それを好んだ少女は、荒々しさを抱えたまま「傲慢さ」と対話を始める。変に悟って腑抜けてしまうのではない、元気なままで己の傲慢さを手放すやり方に、どこかスッとする。
地面の広さが10倍になった地球で、飛行機が移動手段の基本になった世界で生きるひとたちを描きます。 藤本タツキ先生がジャンプフェスタでおすすめしていたのを聴いて気になって読んでみた次第です。ちょっとミステリアスなお姉さんのシロさんと、素直にパシられてる純朴なイサキ少年の組み合わせ…。 なるほど藤本先生がお気に入りな理由、『チェンソーマン』を読んでるとちょっと納得かも! 1巻だけではこの世界の成り立ちなどまだまだ分からないことだらけですが、のんびりした空気と地に足ついたキャラクターの雰囲気がたまりません。 なにより広大な世界から本当に風が吹いてくるかのように感じられる飛行シーンが素敵! 続きもじっくり読んでみます〜。
宮下あきらが描く“世界一のギャンブラー”と豪語する主人公サガが、いろんなギャンブルを強敵と勝負していく。単純なギャンブルからバカラ/チンチロリン/麻雀/パチンコ/手本引き/ゴルフ/ブラックジャック/ポーカー(スタッド・ポーカー)/おいちょかぶ/ルーレットなどがあるが特にギャンブルではないゴルフ回と手本引き回がお気に入り。 手本引きは扱った漫画は、代紋TAKE2/根こそぎフランケン(牌本引)/ヤングサンデーでやっていたアプサラス/賭博師 梟(牌本引)/ギャンブルフィッシュ/アカギとかあるけどこれで初めて知った。 ゴルフ回は世紀末博狼伝サガでの屈指の名作回だと思っていて、手本引きの時の登場した盲目の祇園の闇竜とキャディ犬玉三郎とのプレーがすごい好き
たーし先生が漫画家人生を振り返りつつドンケツのロケマサと会話する8ページ。デビューしてからの12年間はヤンマガ一筋だったのに「ヤンマガをクビになって以降ロケマサというヤクザと契約してしまった」のだとか…ww https://yanmaga.jp/comics/%E6%88%91%E6%BC%AB%E3%83%AF%E3%82%AC%E3%83%9E%E3%83%B3
もうメチャクチャ最高のやつだった…!!マンバで1970年代の少女漫画を眺めていたらかわいい表紙と「にいさま」の文字が目に入り読んでみることに(兄キャラ大好きマン)。 孤児になった15歳のシシリーは、亡くなった母が貧しい時にルース家のお屋敷の前に捨てた息子のことを気に病んでいたことから実の兄を見つけることに。 シシリーはお兄ちゃんの可能性がある3人とともに暮らし始めるわけですが、このルース三兄弟がまぁ〜〜素敵…! https://i.imgur.com/5jxGPS8.jpg (『にいさまどなた?』庄司陽子) 美しいブロンドの長髪が似合う大学生で、毎日違う女の子とデートしているプレイボーイ長男のディンドン。 黒髪短髪、頭脳明晰で兄と同時に大学に入学する秀才でいつも難しい本を読んでいる次男のクルー。 ブロンド短髪で一番シシリーに年が近く、スポーツ万能で柔道クラブに入っている末っ子のアンディ。 全員実子として別け隔てなく育てられとても仲良しなうえに、イケメンで優しく特技を持っているんですよね。 イケメン兄弟が出てくる少女漫画やゲームなんて今どき山程ありますが、「兄弟仲がよく、格好良すぎずコミカルなところもあり、母親への愛情を隠さない」という親しみやすい温かみにあふれているところが最高でした。 朝に家を出る前にパパと息子たち全員がママにキスするところ…優しい世界で大好きです。 当然、この三兄弟を育てたルースご夫婦も素敵な方なんです。 「全員実の息子だと思っているから絶対に誰が養子か言わない」と最初に宣言し、シシリーを養子に取ることを申し出るけれどシシリーの気持ちを尊重し決して押し付けず、実の母への気持ちを考慮しつつ距離を縮めるために「エリザベスママ、セオドアパパと呼んでちょうだい」と頼む。 あの息子たちが育つのも納得の人格者で、あんな素敵な男の子に育ててくれてありがとうという気持ちになりました。 https://i.imgur.com/mhtkOM9.jpg (『にいさまどなた?』庄司陽子) ルース三兄弟がシシリーについて夜中話し合うシーン大好きですね…兄弟感がすごい。 結局シシリーを妹として扱うと決めてからは、ディンドンがお洒落と遊び担当、クルーが勉強担当、アンディが運動担当として面倒をみることになるのですが、その過程で無事順番に1人ずつシシリーを好きになってしまうのが微笑ましい。 そしてシシリーもまた、3人のうち1人に恋をすることになるのですが……結末はぜひご自分の目で確かめてください! いや〜〜もう、王道オブ王道な設定のはずなんだけど、新鮮にメチャクチャときめいてしまいました。庄司陽子先生すごい。
あらすじから既に面白かったけど読んでみてやっぱり面白かった。三編みに花の飾りがついた麦わら帽子に、手には琴のような弦楽器を抱えている主人公のキャラデザが印象的ですごくいい。 ヒト意外の人種を非国民と呼び処分する世界で、シャーマンの主人公が師から受け継いだ生き方を貫く姿が描かれています。 スタイリッシュさがDグレっぽくてDグレ育ちの自分にはメチャクチャ刺さりました。 この世界がどうなるのか、これはぜひ連載で読みたいです…! 【作品掲載ページ】 https://bit.ly/3hhlqpv
ヘン!🐎🐎
超絶美人でパーフェクトな社長令嬢の白鳥麗子のおバカコメディ。「オーホッホッホ!」の高笑いで覚えてる方も多いかと思います。初めて読んだのは小学校高学年の頃でした。当時は大ブームでドラマ化もされ一部の女子たちから圧倒的な支持を得てましたね。男子の間では「おぼっちゃまくん」が流行ってた覚えがありますが。まだバブルの空気が残っていた時代だったので、”お金持ちギャグ”でもゲラゲラ笑えたんですよねー。白鳥麗子はプライドが高い故に、それが邪魔をして素直になれず、まったく器用な恋愛ができない人でした。でも哲也のことが大好きで、一途で乙女な所もあって、とっても可愛い人なのに…鈴木由美子先生はどこまでも面白さを追い求めるのです。コメディ漫画として最高の仕上がりですので、きっと男性が読んでも楽しめる漫画ですよ。
春の夜の闇はあやなし…と口にしたのは凡河内躬恒であり、紺野キタ先生の『つづきはまた明日』の主人公・藤沢杳(はるか)少年だった。視覚を制限される夜に、出会う感覚は豊かで、月夜歩きは意外なほど自由。 そして夜は、何かが生まれる場所……朝、生誕、故郷……へ辿り着く。 暗い闇を歩んだ者・不安を共有する者しか辿り着けない、豊かな感慨のある詩的短編集。夜に一つずつ、ゆっくりとどうぞ。 ●『家路』…夢の故郷を絵にしてみた。それが画集になる時、彼の夢はどうなる? ●『庭』…姫の庭には、園丁の少年が眠る。姫が悲嘆に暮れる時、庭は姫を受け止める。 ●『バイエルのワルツ』…営業の谷川君は、事務の時枝さんの結婚話を聞いてしまう。夜道で彼は思い切る! ●『春を待つ家』…奔放な父に振り回される姉弟。それでも共に桜を見る父が好きだ。 ●『カラカラ』…かつて事故に遭った時、祖父と空を操った。 ●『眼鏡売りの男』…月夜の下を不思議な眼鏡を売り歩く男が、出会い・配る物とは? ●『あかりさき』…病院の前で、裸足の少女と出会う。一番星を灯す彼女に託される物。 ●『夜の童話』 ①長いこと借りていた「猫」を返す。 ②三匹の捨て猫と心配な子供達。 ③猫を見つけたお礼に初恋(概念)を貰う。
まじめだけど、したいんです!ってそうですよね。まじめだろうとふまじめだろうとしたいもんはしたいんですよね。 まじめで優等生で髪サラッサラで目キラッキラなカップルである佳織と周藤くんだってもちろんしたいんです。ピュアでうぶでまっすぐだからこそ、したい気持ちにも素直なんです。 遠い昔に置いてきたような、それどころかそもそもなかったような、もどかしく可愛く切実なイチャイチャに心の柔らかいところをぎゅっと掴まれてしまいました。 ああ、いいなあ。 そんな心の声が思わず漏れてしまいそうになりました。 いいなあというのはうらやましいなあ、ではなく 尊いなあ愛おしいなあ願わくばこのまま誰にも傷つけられずにすくすくとエロの階段をのぼっていってほしいなあ避妊はちゃんとしてねこのまま結婚してね みたいなクソデカ感情全部ひっくるめて、いいなあ。 です。 佳織と周藤くんはこのまま結婚してふたりエッチの優良さんと真みたいな夫婦になってほしいよ。このまま優しい世界で生きていってほしいよ。お願いします。
元来、自己投影主人公をキモく描いて楽しくいきていますイエーイな自虐半分ルサンチマン半分なマンガはあまり好きではないんですが、このマンガは微笑ましくて割と楽しく読めますね。 「腐女子」や「推し」などの基本的なオタク用語に脚注がついているのが好印象でした
前後編構成の短編が3本ずつと中編「メイちゃんとアキちゃん」シリーズ、最後に短編が1本収録されたオムニバス百合短編集。 キーカラーが各章ごとに一色配されたシンプルかつ美麗なアートワークがまず最高!引き込まれるようなスマートで繊細な表現が絵にも物語にも敷き詰められています。 そしてとにかく読みやすいです。各話のページ数も短くスッキリしている分、研ぎ澄まされた感情が無駄なくお届けされてくるのがありがたいですね。 話数の切れ目で視点人物の切替やキャラクターの関係性が変化したのがすごく分かりやすくて「前はああだったのに今はこう!!おあー!!」と鳴き声を上げやすい仕様になってます。 中編の「メイちゃんとアキちゃん」シリーズがやはり読み応えがありますが私のお気に入りは写真部の女の子・渚とギャル・鈴子の交流を描いた「ラブレター」。自分の写真は人に見せるようなものじゃないと自信なさげな渚を陽気な鈴子が励まします。 ここまではいい。ここまでは。 問題は渚の写真にはいつも鈴子が写っているんですよね〜!!しかも全部サイコーにカワイイ姿で!!あとは察してくれ〜〜〜!!!(放り投げ)
なんだろう、この一生読み続けていられそうな良さ。ここだけのふたり!にも近いものがある。 外を歩けばすぐ補導される見た目が中学生(実際は立派な大人)ののぞみと、地味で大人しくて優しくて糸目の吉田くん。アンバランスなように見えるけど、この組み合わせじゃないと駄目なんだよな〜って感じの夫婦。これといった山も波もなく、気がついたら付き合ってて、気がついたら結婚してるみたいなのがいちばん理想的。
憧れの職業である男塾の教師の鬼ヒゲ/飛行帽との出会いから始まり、名物直進行軍とかあってすごい期待したんだけど、途中からD・トランプなどの時事ネタ路線とバトル展開が続いていつのまにか終わった。今回読み返したが連載中とちょっと変わっているような気がする。宮下マンガのNo.1ヒロインでありこち亀の両津も褒めていた枢斬暗屯子が登場したのは嬉しかった 「ワシが男塾塾長、江田島平八である!」ではなく「俺が男塾塾長 江田島平八である!!」となっているのは若いからかな
後に描かれる『蒼き炎』と近い形で、主人公が色んな芸術家と出会い絵で勝負する。 いい絵を描くために必要なものが人間的な成長(労働の絵を描くために農作業する)ということや、芸術に全てを賭ける登場人物は昨今フィクションの世界でもあまり見られないので逆に新鮮。インテリに支配されハイコンテクストになってしまった現代美術に対して、こういったポリコレ無視の破天荒さ、愚直さが突きつけるものもある。 そんな感じなので現代的な感覚だとところどころに都合のいい女が出てきたり、こんなうまい話あるか!とつっこみたくなる場面があったりするけど、一気に読んでしまった。
ファンタジーという言葉の示す範囲は非常に広いのですが、このタイトルは日本におけるファンタジーの一つの最高到達点と言っても良いと思っています。 人ならざるものと恋に落ちる。そう書いてしまうと月並みな物語ととらえられてしまうかもしれませんが、この作品では岩岡先生の巧さを感じることが多く、読み終えて良かったなあという感想を抱きます。 季節の移ろいを感じる物語なのですが、読み終えるときっと暖かな気持ちになる、そんな作品でした。
日本文芸社から出てるみたいだけど… それはいいとして、いま「どぶろく」ってワードを見ると勝手に「どぶろっく」になってしまうから困る。そのくらいどぶろくという酒は(私の中では)マイナーで、それを擬人化して漫画の主人公にするという発想は尖っている。キャラはみな個性的にみえるけど、酒の種類が違うだけでそこまで大きな違いもなく、みんなお節介でマイペースな性格。朝ドラのマッサンの放送時期と連載が被ってる話は面白かった。
<さいとう・たかを賞>最終選考の過程を書き起こしたレポートブックで、たまたま検索で見つけて読んだところ、非常に勉強になる本でした。 さいとう・たかを賞をご存じない方は、公式の動画を観てみてください。 https://www.youtube.com/watch?v=5Tqi5eQB5EU&feature=emb_logo 主な選者は、やまさき十三、池上遼一、佐藤優、長崎尚志など。受賞作を決めるにあたっては、候補作品がリストアップされた状態から始まり、座談会形式で、各作品の品評がはじまります。 重視されるのは分業システムによる作品創り、また、社会的なリアリズムや歴史モノにチャレンジしている作品ほど評価が高いようです。 各人の意見はいずれもマンガ史の重みを感じさせるものばかりで、読み応えがありましたが、最終ジャッジは、さいとう・たかを先生が退席して残りの選者だけで決定されます。 こういった選考過程をきちんと公開することは、貴重な記録であると同時に、とてもフェアな態度であると思います。 電子書籍で無料で公開されており、誰でも読めますので興味のある方はぜひ。
紺野キタ先生の描く少女が好きだ。 一重で切れ長の目の彼女達は、繊細な感性の持ち主。その目で見つめるのは、難しい人の心や、少し人と違うモノ。 特にこの『知る辺の道』では、常人には見えない領域を見つめ、触れていく少女たちが、繊細に切なく描かれる。 命の生まれ・去りゆく場所を巡る、少女達の物語は残酷なのに優しくて、落ち着きたい時ふと、手に取っている。 ●『知る辺の道』『オランジュリー幻想』『Summer School』…死者の魂を体に「落とす」事が出来る少女は、父の命と引き換えに魂の管理人の仕事を手伝う。 ●『天女』…少女は祖父から天女を引き継ぐ!? ●『きつねの火』…母の元にはよく狐が来る。狐に親しみを感じるが、彼らと人の間で心は揺れる。 ●『匣〜はこ〜』…過酷な現実から、分身と共に匣に篭る。 ●『天使のはしご』…病弱な姉は傍若無人。「お前はわたしのスペア」と呪いをかける一方で、「雲間の光芒は自分の迎えだ」と言う。傷つけられ憎んでも尚、その儚い命に縋り付く。
横山光輝短編コレクションの名前の通り黄金墓場/大暗黒/ぶっそうな奴ら/偏愛/闇の顔/偽りの偶像が収録されている。多少強引な展開もあるけどどれも物語が二転三転して読み応えがあり面白い。個人的に「ぶっそうな奴ら」がもっともよかったです。プロフェッショナルが5億円を運ぶ現金輸送車の強奪計画を行うために、仲間を集め計画を練り実行をするのだが、ちょっとづつ計画とのズレが発生してどうなるかと思っていたら、予想外にいい結末になった。昔から横山光輝のこのタイプのラストってすごい好きなんだよな
酒のほそ道よりもごく軽くさらりと読める短編集。 というか、酒のほそ道の合間に挟まるラズウェル先生のコラムとかページの下の方にたまに描いてある簡単レシピとかそういうものに近い感覚です。 盛り上がりはないけれどラズウェル先生の人となりとやりたいことは伝わる気がします。 自分で駅弁の再現をしたり幕の内弁当作るのはめちゃくちゃ楽しそう! 牛丼チェーンの食べ比べをしたり、崎陽軒のシウマイ弁当の食べ順のこだわりの話だったり、めちゃくちゃ現代のグルメブロガー的な価値観の漫画でした。 それをラズウェル先生という大御所が楽しんでやっちゃうのがいいよね。 だって現代のグルメブロガーの尊先だし御大じゃないですか、ラズウェル先生。 年末年始暇だしおせちのかわりに幕の内弁当作ろうかなあ
友達が1巻を持っていたので借りたら、すぐに続きが読みたくなってしまった。 とにかく作画がきれいだと思う。キャラの表情だけではなく、背景も魅力のひとつだと思う。"鬼"のお面がかっこいい。
むちゃくちゃ良かった!真面目で敬語で話す女の子・山岸さんは、隣の席のイケメン・白石くんがバッサリ告白を断るシーンを見てあまりの酷さに最低だと罵る。 しかし白石くんがバッサリ振るのには理由があり、それを知ってから2人は少しずつ一緒に過ごす時間が増えていって…。 倉地よね先生の絵はすごく素敵で、真面目っぽく見えて恋に積極的な山岸さんのキャラもすごく魅力的でした。
宮下あきらの集大成なのか「魁!!男塾」「私立極道高校」「ボギー THE GREAT」「瑪羅門の家族」などの懐かしいキャラクターや当時回収できなかった話を無理やり解決させたりしていた。今思えば懐かしい時事ネタの「STAP細胞はあります」とかがあったりもした。内容に関しては週刊少年ジャンプ時代の宮下あきらの漫画を読んでいないとちょっときついかもしれない。 激!!極虎一家とBAKUDANと嗚呼!!毘沙門高校は出ていなかった。 特に本編とは関係ないですが、8巻に幻の短編「魁!!俺の青春塾」が収録されています。作者が若いころに応援団の「炎油鍋」という男塾名物「油風呂」の元ネタを見て感動して漫画を描き始めたという素晴らしい短編です。
メディアでよく取り上げられるようになったので読んでみたくなりました。 技名がキャッチーなのと、「鬼」という昔から親しみのあるものがテーマになっていたのでとても受け入れやすく、ハマれました。
※ネタバレを含むクチコミです。