山田くんとLv999の恋をする

オンラインの出会いがオフラインでラブとなる

山田くんとLv999の恋をする ましろ
六文銭
六文銭

オンラインゲームで出会うとか時代だな~、と思っていましたが、随分前からそうなっているようで、おっさんはびっくりしてます。 オンライン上の関係をオフラインにもっていくのに抵抗ある勢なので、こんなに垣根なく付き合えるのは現代っ子だなぁと思います。 主人公は、彼氏の影響でオンラインゲームをやったが、同じオンラインゲームで出会ったという別の女性に彼氏をとられて、フラれてしまう。 そんなところに、山田という無愛想で不躾な男と出会い、リアルイベントで遭遇する・・・という流れ。 山田はプロゲーマーかつイケメンかつ女性に興味がない、という設定。 リアリティがあるかと言われれば、全くないのですが、 山田の無愛想と主人公のマシンガントークの小気味よい会話劇がラブコメのそれとなって、面白いです。 主人公の恋愛脳と無関心な山田という組み合わせも良いです。 こういう恋愛に興味ない人間が、徐々に自分の感情に気づいてくる展開すきなんですよね。 まだ2巻ですが、山田に少しづつ意識の変化があります。(まだ、ほんの少しですが。) 過去にトラウマ的な何かもあったような描写もあるので、これが解き明かされるのか楽しみに次巻を待ちたいと思います。

私達の生きる世界

夢を追う絶望と近未来SF×百合

私達の生きる世界 大野将磨
名無し

1話目読んでどんどん面白くなりそうで楽しみになってます! 近未来のSFな世界観で、ミュージシャンになるべく練習に時間を使うため、18歳から体を売って稼ぐがそのまま4年後もうまくいってない。 他の人は売れていく。 どん底な気持ちになっているとき、金持ちの依頼で自分の持っているアンドロイドとセックスしてくれ、自分は見てると。 そして現れた恋人型アンドロイドの美しさに目を奪われ、行為中にその優しさに溺れていき、アンドロイドはここから逃してほしいと言うが…。 https://comic-walker.com/jp/contents/detail/KDCW_CB01201962010000_68/ 近未来な世界だけど今と変わらず生きづらい人々の生きづらい日々は変わらず、そんなどん底からすくい上げるような劇的な出会いもまた存在する。 SFではあるけど地に足のついた描写が設定にリアリティを出していていいと思った。 アンドロイドの彼女の意思は作られたものなのか?抜け出すために自分を誘惑しているのでは?あの優しい言葉は?プログラムなのか? 救って犯罪者になるのか、運命の出会いを諦めるのか。 そもそも自分の人生さえうまくいってないのに…。 と葛藤を見えて面白い。 第3話で、空中を移動するスケボーのような「ボード」に乗りこなすことで新たな出会い、そして「才能」と向き合うことにもなりそうだが、どうなっていくのか…。

ザ・ファブル

映画パート2公開 間近!

ザ・ファブル 南勝久
六文銭
六文銭

何回読んでも面白い。 小難しい内容・展開もなく、テンポも良いのでサクサク読めるのが特徴。 主人公は、強すぎて伝説と化した殺し屋「ファブル」(もしくは組織の総称)が、1年間休業して一般人として日常生活を送ることからはじまる。 ただ、裏社会にいた人間がそう簡単に一般人と同じ生活ができるわけもなく、生活の支援を受けているのが大阪のヤクザ「真黒組」ということからも、色んなゴタゴタに巻き込まれていくという流れ。 ファブル・・・一般人としての名は佐藤明の、殺し屋としては天才的だが、常識的なことに関しては所々欠如しているため、少し変わった性格が素朴な人柄を生み出し、バトルの時とのギャップがたまらなくいいです。 特に、どんな相手も「瞬殺」という超強い設定が、みていて爽快なんですよね。 俺TUEEEとも言える設定ですが、力を誇示するわけではなく、 時にプロとして、時に大切なものを守るため、ただ淡々と処理していく感じが、変に飾らなくてまた格好いいんです。 プレゼンのうまい営業マンというよりは、職人っぽい感じ。 強すぎるゆえに相手を、自然に威嚇する感じも、またよき。 (添付のコマ画像参照。一生に一度は言ってみたいセリフ!) 映画がパート2公開間近ということで、再度読み直しましたが、やっぱり面白いです。 明、カッコよすぎです。

ハックス!

アニ研ものって定期的に面白いのが出てくるよね

ハックス! 今井哲也
さいろく
さいろく

「映像研には手を出すな!」でアニメ映像を作る学生達のストーリーが話題となったの昨今ですが、アニメを作る学生さん達の作品は定期的に生まれていると思うのです。 「迷走アニ研部」ていう同人も読んでて面白かったんですが、描きたいことがきっと共通しているのです。それはきっとアニ研の楽しさだったりアニメの素晴らしさだったりアニメを作る大変さだったりなんだけど、それをマンガにするだけだと商業的に成り立ちにくいのでどうしても奇抜な方向に行きがちなのです。 この「ハックス!」は商業的に難しい方の路線ですが、ちょいちょい学生であることによる面倒くさいところが含まれてたりして(映像研はそこも深堀りしてますね)バランスが難しいんだけど、ハックス!のとっつきやすさは絵柄なのです。 失礼ながら画力でいうと中の下ぐらいな印象だけどそこも相まって善悪がわかりやすすぎるがために深読みしなくて済むのも良いところで、これもストーリーに集中できるポイントであると考えます。 学生時代アニ研に憧れる事はなかったけど、実際どういうことしてるんだろうなーという興味はちょっとあったなー 見てみたかったなー などと歳を取ると昔の自分に活を入れに行きたくなりますね、しみじみ。

猫とシュガーポット

「人に言えない」生々しい百合 #1巻応援

猫とシュガーポット 雪子
あうしぃ@カワイイマンガ
あうしぃ@カワイイマンガ

『ふたりべや』雪子先生の短編集は、kadokawa、双葉社のアンソロジー掲載作品、同人作品に加え、書き下ろし。アンソロジー読者には既読の作品もあるのだが、一冊に纏まると共通点が見えてくるのが、面白いところ。 全体を貫いているのは「人に言えない」事。 人に言うのが憚られるような、変わった嗜好や感覚の生々しさ。性癖的にも精神的にも、遂に受け入れられる時の無常の喜び。秘密の関係に、密かに浸る背徳感……細やかで軽いタッチに中和されつつ、濃厚な感覚がクセになる。 ●『猫に離人』『猫と囀り』『猫に電話』…人が野菜にしか見えないキャバ嬢は、人の姿に見えた女性と付き合い始める。 ●『シュガーポットは壊れない』…かなり変わったM癖を持つ女性は、友人に連れられたSMイベントで意外な人と会う。 ●『つるつる』…恋人の毛を抜きたい子。 ●『私の幼なじみは…。』…幼馴染と離れたいギャルは、清楚系幼馴染に「アブノーマルに」ガンガン迫られる。 ●『午前1時のコインランドリー』…上京したてのOLは、コインランドリーで知り合った美人に部屋に誘われる。 ●『蝶々の暇つぶし』…やる気のないメイドがお嬢様に取り立てられて……? ●『鬼と山神』…人の世を追われた鬼の姫は、山の神に触れられる。

木根さんの1人でキネマ

映画が知れて、観たくなる漫画

木根さんの1人でキネマ アサイ
六文銭
六文銭

小生、映画が苦手なんですよね。 理由は簡単で、自分のペースで進められないから。 自分のほうが早いとか遅いではなく、自分のテンポと関係なく進むのが苦手なんですよね。 ん、今の何だ?と、少しでも気になるところがでてくると、先の展開が頭に入ってこないんですよ。 家でなら巻き戻せますが、映画館なんて、ずっと悶々としてしまいます。 本作は、そんな映画に取り憑かれた映画オタクの妙齢の女性が主人公。 映画をみては、その感想をブログにアップし、映画を語り合いたいが自分の価値観を曲げられないのでボッチで楽しむという内容。 毎回、何らかの映画(多くは誰もが知っているようなヒット映画)を題材にして、内容や感想、制作の背景、はてはそこから派生する作品まで紹介してくれるので、みてなくても映画を詳しくなれる感じがします。 また、熱量高く何が面白いのかを説明してくれるので、自分のように映画が苦手な人間でも、ついみたくなってしまう勢いがあります。 動画サービスとかによくある「あなたにおすすめ」といった、作品を並べただけのレコメンド機能がありますが、よっぽど人によってテンション高く紹介されたほうが心が動くなぁと思います。 また 映画は観賞ではなく体験だ とか 人には人の「面白くない」を変えることはできない など、エンタメ系関連の価値観を表した金言が多くて、そこもまた面白いんですよね。 それにしても、木根さん、というか作者の映画の知識量にはうなりますね。8巻までですが、凄まじい量の映画を紹介してくれます。 映画をよくみる人はもちろん、自分のようにあまりみないけど、なんか面白い映画ないかなと思ったときに、参考になる漫画かと思います。

数学ゴールデン

高校数学の最高峰を目指す#1巻応援

数学ゴールデン 藏丸竜彦
六文銭
六文銭

絹田村子先生の「数字であそぼ。」もそうですが数学系のマンガが出てきて、かつて数学好きだったものとしてはホクホクします。 youtubeでも数学を解いている動画が増えて、個人的に世は数学ブームなのか?と期待してます。 (意図的に自分がそういう情報を拾っているだけという噂も) 数学の世界って何が面白いのかって、理論のほうが現実よりも先行しているってところなんですよね。 理論的には正しいことを証明できるけど現実で観測できない(むしろ実態がない)とか、なんで星の数ほどあります。 昔、自分が数学に夢中になったエピソードの一つが虚数です。 2乗するとー1になるものをオイラー先生が「i(アイ)」と設定し、ガウス先生が実数と虚数をあわせて「複素数平面」として導入したのが、1700~1800年代。 もう200~300年くらい前なのですが、これが今の携帯電話の回路のなかで使っていると聞いて、ぶったまげましたよ。 稀代の天才たちが水も漏らさぬ理論を作り上げて、テクノロジーが進化することで凡人たちにも活用されるとか、どんだけ数学が先行しているのかを物語るエピソードだと思います。 数学の凄さと面白さを知った青少年時代です。 (その後、大学で数学の深遠なる闇を知って挫折したものです。高校までの数学とはなんだったのか?となる感覚は「数字であそぼ。」をお読み頂くとよくわかると思います。) さて、本作は、高校数学の最高峰ともいえる「数学オリンピック」を目指す主人公の話。 部活でインターハイを狙うとかはよくありますが、数学オリンピックとはなかなかニッチなライン。 これが理解されず周囲の嘲笑の的になってますが、それでも自身の強い思いで目指す姿と、また主人公は有名私立高校を落ちて、数学オリンピック出場者がでたこともない高校から目指すハングリーなところも良い。 やっていることは頭脳戦だが、熱いスポ根の臭いを感じます。 一風変わった、だけど同じ目標をもつヒロイン(?)七瀬マミも、なんだかんだと切磋琢磨し、今後才能を発揮しそうな予感。 数学という思考世界に情熱を捧げる高校生の姿も、スポーツと違ってまた良いものですよ。

ネクログ

大好きな姉を蘇らせたい主人公は禁術を求め道教の世界へ飛び込む

ネクログ 熊倉隆敏
ひさぴよ
ひさぴよ

これの前作の「もっけ」では日本の妖怪を描いてましたが、 今作は近代中国を舞台にした、道教における仙術・妖怪漫画です。 ざっくり説明すると、大好きな姉を蘇らせたい主人公が、道教の世界に足を踏み入れる、という物語です。 中国の道教の世界観が本格的に描かれているので、日本でお馴染みの仙人やキョンシーとはイメージが大分異なります。 仙術や世界観について細かい説明はされないですが(そもそも道教とは明確な定義が無いらしい)、それ故に道教へのリアリティを持たせているように感じます。 巻末などの参考文献を見る限り、作者の熊倉隆敏氏は妖怪に対する深い造詣を持つだけでなく、道教についても相当調べられているように思います。 まぁ道教の知識がなくともマンガは楽しめるのですが、それだと魅力が伝わりきらない可能性はあるかもしれません。 図書館などで参考文献の本を借りて読んでみたり、ネットで少し道教について調べるだけでも、より深く作品を楽しめるのは間違いないです。言葉では説明できないような奇想天外な展開ばかりですから。 仙術バトル以外にも、ぎょっとしてしまうようなエログロも多いので、やや読者を選ぶタイプの作品かもしれませんが、全4巻で伏線もきっちり回収し、綺麗に終わっていて読後感の良い作品です。