かしこ2019/06/20百七不思議の少女と新米教師のゆかいなホラー漫画 #読切応援自称どこにでもいる関西人の新米教師が赴任した丑光高校には百七不思議が存在する!いやいや107ってありすぎだろ、こりゃ完全にギャグ漫画だなと思ったら意外とちゃんとホラーでビックリ。というかハイレベルなシュールギャグだった!大きな黒目がまことちゃんを彷彿とさせる謎の小学生スイカちゃんは百七不思議の一つ。彼女に振り回される新米教師の慌てふためきようがもっと見たい。スイカ(読切)森とんかつ2わかる
かしこ2019/06/17砂漠だらけの世界でサクラに憧れる女の子 #読切応援トラベルカルチャー誌TRANSITに掲載された異色の作品です。今号の特集「砂漠の宇宙を旅しよう」に沿った内容になっています。 世界が砂漠だらけになった近未来が舞台。街はガラスのようなドームに覆われてよく管理されているのでほとんど不自由なく暮らせる。主人公の女の子〈サテ〉は絶滅植物のサクラに憧れていてVRでいつもそれを観ていた。ある日、研究者のお父さんが勤めてる会社の仲間がドームの外でサクラを見つけた話を聞いたので連れて行ってもらえることに。砂まみれになりながら車のような乗り物で向かっていくが…。 サザンウィンドウ・サザンドアは身近な世界である団地が舞台でしたが、今回はガラリとジャンルが変わって近未来SFだったので驚きました。けれども絶滅したサクラに憧れる女の子というストーリーはとてもロマンがあり、余韻にも特別なものを感じました。マンガ雑誌ではないのでページが左開きなのもオツな違和感かもしれません。温室都市の暮らし石山さやか
かしこ2019/06/15歳をとることはこわくないのかも雁須磨子先生はその年齢にしか分からないリアリティーを描くのが上手い。『かよちゃんの荷物』は30歳についてだったけど、この『あした死ぬには、』には40歳のあるあるが詰まっているんだと思う。これは近い将来の私の話だと共感しながら読みました。主人公の多子(さわこ)さんが自分自身の急激なメンタルの変化を更年期だからと決めつけて終わるのではなく、今まで現れていなかった自分の本質の一部ではないかと捉えていたことが印象的でした。このシーンはとても重要だと思うのでぜひ読んで頂きたい。男性にもおすすめです。あした死ぬには、雁須磨子3わかる
かしこ2019/06/13いつまでも名作であり続ける漫画おおかみ書房より刊行された白取千夏雄「全身編集者」を読んで、やまだ紫作品を読み返したら更に面白かった。白取さんはガロの元編集者でやまだ紫さんの旦那さんなのですが、尊敬する作家であり最愛の人への言葉がとても真を突いていて、より深い作品の理解に繋がった気がする。 この漫画の主人公は主婦である。最小限に抑えられた線と研ぎ澄まされた言葉で彼女の心情を描いたことから、少女漫画ではなく女性漫画が誕生したと評価されたけど、決して女性しか共感できない内容ではないと思う。 夫と子供の世話に追われる日々を過ごしながら、それらの役割から解放されることが自由だというのではなく、初めから自分は自由であったことに気づく。実は幸福とは成るものではなく気づくものであり、ただそれだけのことで世界も変わるのだ。その為には彼女のように考えることをやめてはいけない。 今回読み返してやまだ紫さんの描く絵の魅力を改めて感じた。正面を向いた顔でもあえて表情を描かないことで、その余白に読み手の想像が生まれる。こうした大胆なテクニックがすごく格好いい。「全身編集者」で白取さんも語られていた、漫画ならではの省略の美とはこういうことなんだと思い知った。しんきらりやまだ紫
かしこ2019/06/11ネタバレ人間を自動販売機に改造する『或る機構』 #読切応援なんだこれは…!すさまじい衝撃作を読んでしまった。人間が自動販売機になるっていうアイディアだけでも普通じゃないのに最後まで虚を突かれ続ける。作者のまちざわさんはいつも百合漫画を描かれているのようだけど今回もそうで、卵子と卵子をブレンドするって発想は愛を突き詰めないと出てこないだろうから素晴らしいと思う。自分はどツボにハマったのでめちゃくちゃ好きな作品でした。或る機構まちざわ4わかる
かしこ2019/06/11地球沈没の危機を救う双子の物語地球温暖化を防ぐために人為的に地球を冷やす研究をしている父を持つ男女の双子の諒と幾。母のお腹にはもうすぐ産まれる弟がいて家族は幸せそのもの。将来は父のような研究者になりたい諒は南極調査に同行するはずだったが運悪くカゼを引いてしまう。そこで正反対の性格である幾が双子である自分が代わりに行くと言い出し父と共に南極へ向かった。しかし前例のない巨大地震が南極で発生したことで家族も悲劇に襲われる。海面上昇により水没し始めた世界で、大人になった諒は海上保安庁の隊員となり人命救助に従事していたー。 現在グランドジャンプに掲載されたのはEpisode0の前編と後編なので、物語はこれからがスタート!なんだけど、壮大な内容ですでに引き込まれてます。BORDER66藤堂裕 小森陽一
かしこ2019/06/09コンビニバイト君とOLさんのハートフルコメディコンビニでバイトしてる高校生の柴崎くんは常連のちっちゃいお姉さんのことが好き。一方お姉さんは飼い猫に似ているという理由で柴崎くんのことが気になっている。どちらの視点でも話が描かれるのでお互いの気持ちが読み手には丸わかりでニヤニヤがとまりません…! 3話まで公開中です↓ https://magazine.jp.square-enix.com/yg/introduction/conveni/コンビニで君との5分間。一永のぞみ3わかる
かしこ2019/06/07エロかわいい短編集高校時代にずっと好きだった進藤くんと不倫相手の部下として再会する。しかも彼はゲイになっていて上司のことが好きだという。恋敵だし自分は恋愛対象にならないはずなのに進藤くんの魅力に抗えない主人公。←ここまでが「巡恋歌」(2007年)。そして続編が表題作「イタイほどかわいい」(2014年)になります。この短編集は作者の阿仁谷ユイジさんご自身が企画プレゼンしたらしく、あえて最古作の続編を最新作として載せたかったとのこと。7年も間があると進化 がすごくて(進藤くんがFカップになったり)、その見所も加わってより面白い。他にも教え子と恋しちゃう先生の話とか、エロかわいい女の子が盛りだくさんでした。イタイほどかわいい阿仁谷ユイジ1わかる
かしこ2019/06/0419年ぶりの短編集もはや国民的作家になった浦沢直樹の短編集。古いものだと1995年の作品『ヘンリーとチャールズ』が収録されています。これはネズミが眠っているネコからケーキを盗みだそうとするカートゥーンのような話なんですが、あとがきで自分の最高傑作かもと語られていて意外でした。代表作は読んでるしメディアにも出てるから浦沢さんのイメージも固まってたけど、やっぱり作家の本心って分からないもんだなと思いました。バナナマン日村さんみたいなキャラが登場する『DAMIYAN!』はうっかり泣きそうになり、やっぱり『月に向って投げろ!』はストーリー展開が面白いなと思いました。くしゃみ 浦沢直樹短編集長崎尚志 浦沢直樹 遠藤賢司
かしこ2019/06/02ほとんど描き下ろしの短編集岩岡ヒサエさんの作品はホッとするような明るい終わり方が多い。自分では気づかなかった幸せを教えてくれるような感じ。絶望してもなんとかなるって思えてくる。あまり描かないらしいエッセイでは作家のルーツを知ることができて嬉しかった。創作の話では点描の奥深さを語っていてマンガへの愛を感じた。パーマネント~まんがの詰め合わせ~岩岡ヒサエ
かしこ2019/05/31大人になって気づいたことぷらせぼくらぶの奥田亜紀子さんの読み切り。田舎の母親から宅急便が送られてくる。仕事は忙しいし新幹線で7時間半かかるくらい遠いけど、ダンボール開けたら故郷の匂いがして帰りたくなった、という話。短いのであっという間に読めるんだけど色んな感情が浮かんでくる奥行きの深さがある。当時は気にも留めなかったのに今になって意味が分かることってありますよね。主人公・多恵子が見た目も母親そっくりになっていて感慨深い。子供だった自分の無邪気さを思い出して気恥かしいうちはまだ大人になれてないんだなぁ…。やま かわ たえこ奥田亜紀子2わかる
かしこ2019/05/264半世紀つづくエッセイマンガリアルなトルコ事情を隅々まで描いたエッセイ。トルコ滞在中に出会ったトルコ人男性と結婚し、日本とトルコを行き来しながら描いています。これを読めば、言語、風習、人柄、流行、が大体わかる。この単行本は2018年発売ですが、シリーズは1992年に始まり、今もオフィスユーで連載中です。 当たり前だけどトルコも約25年で随分と変わり、読者としてもノスタルジーになりつつ、大学生になった息子ケナンくん主観での話があったりして感動しました。今のトルコで気になるのはテロですが、トルコ人はみんな慣れているので日本人にとっての地震のような感覚らしく、かつ地元の人は危ない時間や場所をなんとなく感知しているようだとか。ケナンくんも一人でトルコに行き、従兄弟と旅をして楽しそうでした。それほど身構えずにトルコ旅を計画しても良さそうです。ご飯がめちゃくちゃ美味しそう!トルコで私も考えた ジェネレーションズ高橋由佳利1わかる
かしこ2019/05/26スタイリッシュなだけじゃない!短編集言われてみれば服ってヒフだなぁと表題作に気づかされました。自分のテイストを変えてくれるヒフ、考え方ひとつで未来感が出てきます。登場人物が全員フラットな位置関係にあるのもいい。誰もが主役であり脇役である、そういえばそれって当たり前のことだった。高野雀さんって視点が新しい人ですね。 個人的に一番好きなのは、女の子にとってはホクロが多いことがコンプレックスなんだけどそれが宇宙の中の星みたいで片思いしてる男の子がいる話。コンプレックスはその人の個性だし抗えない程の魅力になり得る。見つけた人だけの特権のようなもの、という感じでドキドキした。あたらしいひふ高野雀
かしこ2019/05/24どの話が好きだった?個人的に好きだったのは… 旅行エッセイ漫画にリアル視点が混ざってくる話 ショートショートの主人公である娘の死を回避しようとする話 サンタクロースになれなかったオジサンの話ひきだしにテラリウム九井諒子4わかる
かしこ2019/05/20ネタバレドンちゃんのようにはなれないが…📷どうしよう主人公のドンちゃんに感情移入できない、むしろ私はどんどんダークサイドに堕ちていくテッちゃんだ!とドキドキしながら読み始めましたが、結果的に土田世紀の思惑に上手くハマった気がします。この作品は聖人のようなドンちゃんの生き方を強要しているのではなく、人生のどこかに必ず救いはあるのだという教えなのかなと思いました。登場人物の中でもヤクザの親分と日本画家の大家は達観していて、ドンちゃんにはなれずとも、こうなるべくテッちゃんのように精進せねばと思いました。杉さん登場回は爆笑できるので大好きです!同じ月を見ている土田世紀3わかる
かしこ2019/05/19ネタバレ悩んでる姿も可愛い主人公仕事を機に上京した8個上の幼馴染みと山梨に住む大学生の主人公が中距離恋愛をする。知り合ってからは長いけど恋に発展したのは最近で、主人公にとっては初めての彼氏。この設定とタイトルで恋に溺れていく話かなと思ったらそうじゃなかった!自己評価が低い主人公が人生の波に揉まれて大人になっていく話でした。とはいえ実はお互いフェチ等をこじらせてるナイスカップルなのでいちゃいちゃもある。おまけ漫画はふたりの関係がより深くなって面白かった。姉妹作品があるようなので読んでみようと思います。溺れるようにできている。 完全版シギサワカヤ
かしこ2019/05/01グルメとお侍さんの人柄が見どころ!📷うちにもタイムスリップして来てくれ〜!って思いながら読んでます。 お侍さんが江戸時代から現代へタイムスリップして居候先のOLさんにご飯を作る話です。プロではありませんが料理は得意。食道楽なので美味いものを食べることが何より好き。江戸で人気のメニューはもちろんカルボナーラにも挑戦します。 個人的にグルメより好きなポイントはお侍さんの人柄です。現代に適応するように着物を脱ぎTシャツ短パンを着こなして、家計をやり繰りするため少しでもお得なスーパーで買い物する、だけどマゲはそのまま…!真心を持って慣れない環境を受け入れながら守るべきポリシーは絶対に貫く、まさに尊敬すべきお侍さん像そのものです。 元の世界に妻子がいるので、OLさんとは恋愛ではなく信頼で結ばれた関係なのもいいなと思います。一緒に暮らすうちに関係が変わっていくかも?ですが。半助喰物帖草香去来 灯まりも2わかる
かしこ2019/04/16コミュニケーションとはなんぞや三護さんのガレージセールではどんな物でもお手頃価格である。在宅勤務で一人暮らしには困らない稼ぎもあり、父親譲りの物欲で不用品が溢れているので、人とのコミュニケーションが目的なのです。世間から少し浮いている三護さんですが、人との心の距離の取り方はむしろ巧みかもしれない。お互いにとって心地よい交流って難しいですが、このマンガにはヒントがあるような気がします。三護さんのガレージセール黒谷知也2わかる
かしこ2019/04/15人生の節目を描いた短編集えすとえむさんの漫画をちゃんと読んだのは初めてでしたが、登場人物が皆スラリと美しくて見応えがありますね。 一読しただけではこの短編集のテーマにピンとこなかったのですが、それぞれの人生の節目になった出来事を描いたのだと気づいた時に、一気に好きな作品になりました。 特に好きなのが「ふつつかものですが」という短編です。とにかく面食いな女の人が山のようなお見合い写真の中からめちゃくちゃタイプのイケメンを選んで結婚する話。 結婚式とか名前に「式」が付くような行事はもちろん人生の節目だけど、振り返って思い出すのはその中の一場面だったりする。そういう瞬間を大切に描いているのが見所です。新装版 このたびはえすとえむ
かしこ2019/04/14マチ針が見守る恋のお話同じビルの1階と2階でそれぞれお店を開いている男女のほっこり胸キュンなお話です。1階で喫茶店を営む女性は三雲さん、2階で手作り雑貨を販売する男性が谷野くん。実は両思いなのですが、お互いの気持ちに気付いていません。 タイトルのマチは谷野くんの仕事道具であり、お母さんの形見のマチ針が元になっています。このマチ針に亡くなったお母さんの魂が取り憑いていて、二人の行く末を優しく見守っているのです! 魂が取り憑くって文字にするとホラーですが、むしろおとぎ話のような世界に近いです。問題が起きれば念力を使って応援してくれる優しいお母さんの他にも、霊のような不思議な存在は多数登場します。ほのぼのしたやり取りが面白いです。 全1巻で手に取りやすく、お話のまとまりも大変よいので、色んな人にオススメ出来ます。読んでてめちゃくちゃ癒されました。幸せのマチ岩岡ヒサエ
かしこ2019/04/12ドM上司とドS部下の傑作ラブコメ📷けなされ罵られて爆発的に成長するタイプのドMエリート蛇沢課長は、部下である美々子の女王様としての素質を見抜き、ドSなお仕置きをおねだりしては自らを奮い立たせ営業成績を爆上げしている。恋愛要素もありますが私はギャグが強いと思って読んでいます。蛇沢課長の清々しいドMっぷりと女王様スイッチが入り覚醒した美々子のやり取りは脳が震えるくらい面白い。犬上すくね先生の可愛らしい絵も魅力です。蛇沢課長のM嬢犬上すくね
かしこ2019/03/25ネタバレずっと未読だった名作絶対に面白いってのは分かってるけど何となく読むタイミングを逃してた名作。 驚いたのは最終回だった。私はてっきりそよちゃんと大沢君が高校の卒業式を迎えて、二人の進路がどうなるかまではっきり描いてるんだと思ってた。実際は高校2年生の夏休みが終わって、新学期になっても東京から帰って来なかった大沢君が村に戻ってきて、子供達みんなで海に行くシーンで終わる。 自分は何て無粋だったんだろう。これ以上ない終わり方だなぁと思う。大沢君が戻ってきてくれたこと、みんな村のことが好きだということ、ここで終わることによって、読者の中で天然コケッコーの世界はずっと続く。この先も色んなことが起こるだろうけど、変わらない人柄と健やかな暮らしぶりが想像できる。物語は無限になる。 恋愛とか青春って言葉だけでは収まらない。想像してたよりもずっと面白かったです。天然コケッコーくらもちふさこ11わかる
かしこ2019/03/13あーこちゃん大きくなったなぁよそんちの子の成長は早いっていうけど本当だね。あーこちゃんが小学3年生ってことは、このマンガを読み始めて8年かぁ。あっという間だわ…。ベビーシッターのエヌさんの卒業は読者としてもさみしい。おかあさんの扉伊藤理佐5わかる
かしこ2019/03/13おもしろそうな新連載!龍神かごめちゃん📷まじめっぽい小学生男子が橋の下で出会った女の子は…実は龍神様!ひょんな流れで一緒に暮らすことに!ちなみに二人っきりではなくイケイケなお姉ちゃんもいます。ふとしたキャラクターの表情がかわいいです。龍神かごめちゃん松尾あき5わかる