あらすじ
もし、映画のエロいシーンを検索できるサイトがあったとしたら…? 不意に現れるおっぱい、複数の男性の裸、金玉を蹴り上げるシーン、果ては大爆発のシーンまでもがエロの対象になっていく。やがて、抗えない己の性癖と、溢れ出る映画への愛情を映し出すサイトは、たくさんの人を巻き込んで…。
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『おしえて! ギャル子ちゃん』の鈴木健也さんによる傑作短編です。
「映画の中のエロ」というテーマを軸に、何の映画だったかは覚えていないものの断片的なキーワードを入力することでその映画を推測して当ててくれるサイト、そしてそのユーザーを巡る物語となっています。
皆さんは、まだ無垢な子供のころにうっかり観てしまい強烈に胸に刻まれたシーンはあるでしょうか。私も映画の名前は解りませんが未就学児だったころに観たシーンが今でも脳裏に焼き付いています。マンガでも同様のことは起こりがちですよね。
「人によってエロいと感じるものは違う」
「そもそもエロいとは何か」
という深淵にも光が当てられていきます。
その結果、最初は胸の大きな女性が出てくる映画だけを登録するユーザー(おっぱいは大きければ大きいほどいいが貴賤はないという哲学の持ち主)や、顔も体も良い男が最高として上質な裸の男が出てくる映画ばかり登録する女子高生(自称:皇帝のような暮らし)など比較的メジャーな性癖の持ち主が登場しますが、女性に金玉が蹴られているシーンのある映画だけを選出する老女を始め段々とコアな性癖の持ち主が登場してきます。
そういった作品を観たことでそんな性癖になったのか、あるいは、元からあった性癖がそれをきっかけに掘り起こされたのか。鶏と卵のどちらが先かはわかりませんが……ともあれ世界に存在する多様性の趣深さを短い中でも感じられる作品です。
それに加えて最後には謎の感動もあり、ワンコインかつ短時間で読める短編としては高い満足度を得られます。
あらすじ
「すみません 学生を一枚ください」休日に目覚めるや家を出てパンを買い込み映画館に入って映画を見ながら朝食をとっていた学生時代。かつては当たり前だった飲食持ち込み、立見、リピートの見放題。シネコンが全盛の現在は3D映画が台頭し、4Dシアターも現れた。「映画館」という空間の変遷、思い出、未来展望を語るエッセイ漫画。2017年2月COMITIA119にて「乱痴気事虫所」より発行の自主出版誌を電子書籍で先行配信。第2回いっせい配信「創作同人2017年3月」参加作品。(全年齢向け:本文モノクロ:25p)※本作は砂虫 隼の個人誌作品の電子書籍版となります。【28ページ】
あらすじ
映画の都ニャリウッドには、きらびやかな映画界を目指して夢追い人が集まってくる。フランチェスカもそのひとり。いまは、映画会社近くのダイナーでバイトの日々だけど、夢は銀幕で輝く“女優”になること!