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まぁ、食べている時に、酸っぱい一品食べたいと思いません?


食漫画をある程度読んでいる人には、フフッてなる、お約束の展開で微笑ましくて良いですよね。
…で終わらしたい!でも、他のAmazonとかの感想を読むと、「このモラハラ野郎が!」ばかりでビビってしまったり。

食漫画をある程度読んでいる人には自明ですが、「いま、自分が食べているのは文化である」「いま、一緒にいる人と食べているのはコミュニケーションである」なんですよね。
この作品には、それが分かってない人と分かっている人が混在していて、分かっていない人が徐々に分かっていく、と言う展開が良いのです。ホントに性格に欠陥があって、モラハラする人、じゃなくて単に知らないだけ。知識の欠如とコミュニケーション不全を、食べることを通じて柔らかく開放する、と言うのは食漫画の基本なのですが(まぁ、『美味しんぼ』ですよね)、この作品もそれに忠実です。良いですよね。

後、「酒は雑に呑むな、大切に呑め」ですかね。


母親が丁寧に出汁を引いてくれた、作ってくれていた筑前煮の味の秘密が…、と言う小さいオチも良いのですが、いなかもののわたくしは、はぁ?フツー、筑前煮に出汁入れる?と前段階からキレてしまいました。

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醤油と味醂だけで、野菜と肉から出る旨味でキメるのが煮物なんだよ!割と作りやすいレシピはコレかな。

今回稲田さんが提案する“フライパン煮物”は、「がめ煮」。フライパンは炒める、焼くだけでなく、実は煮物を作るのにもとても便利。底面積が広いので素材全体に火が通りやすく、料理時間短縮につながる上、深さのある鍋よりも煮汁が全体に行きわたって味のしみもよくなります!

じゃあ、あんたが作ってみろよ
アップデートというよりも根本のお話
じゃあ、あんたが作ってみろよ 谷口菜津子
野愛
野愛
見た目も収入も申し分ないけどモラハラ気質で古い男が、恋人にフラれたことをきっかけに自らをアップデートしていくストーリー。 恋人が仕事終わりに作ってくれたご飯に、色味がどうだ出汁がどうだバランスがどうだとケチ(アドバイス)をつけ、そりゃプロポーズしてもフラれるわ!ざまあみろ! と思うものの、ちゃんと傷つきちゃんと学ぼうとする姿を見るとだんだん応援したくなってくる。 そして変わろうとするのは何も男ばかりじゃない。勝男をフった鮎美も、自分が本当に好きなものを見つけ人生を変化させていく。 読んでいくと2人はお似合いのカップルだったんだなあ、と皮肉じゃなくて本当に思う。 理屈じゃなく惹かれあった男女が、結婚という目的や男と女という役割に縛られてお互いが見えなくなっていく、なんて悲しい話。 そうさせているのは世間の空気や常識や今まで歩んできた人生など要因は様々だけど、「わたし」と「あなた」だけをしっかり見ていれば起こらないはずなのになあ……。でもそれが難しいんだよね。 勝男と鮎美の人生が再び交わるかどうかはさておき、2人もわたしもみなさんも、自分と相手の好きを大切にして人間関係を築いていけたらいいなと思った。
じゃあ、あんたが作ってみろよ
モラハラ男は変われるのか
じゃあ、あんたが作ってみろよ 谷口菜津子
ゆゆゆ
ゆゆゆ
息をするように、全方位に向けて「THE 昭和の男」を放っていた主人公。 行動を振り返ってみても、Aに気づいても気をつけてもBに気づかず、Bに気づいて気をつけてもCがあり。 とどまることを知らないモラハラは続く。 素敵な料理を求めるなら、自分で作るべきだ。時代は平成でもなく令和だ。 一方、彼女のほうもハイスペックな男と素敵な結婚生活を送るため、幼き頃から鍛えに鍛えた家事や運動能力、そして交友関係。 ハイスペックを隠したハイスペック彼女。 どうしてそいつとそんな相手と付き合った?と思うも、ハイスペックを狩るために生きてきたから、立ち止まることに気付けなかったのかもしれない。 考えれば我々の日常生活でも、相当なことをしできた人に対して「ゴメンネ、モウシナイヨ」の言葉ひとつで受け入れられるかというと、なかなか難しい。過去は焼印のようについて回ってくる。 それでも、読んでいる我々は彼及び彼女の変化を認め、受け入れることができるんだろうか。 そして、ぷぷ昭和wwwと思いながら読んでいる自分も、周りからそう思われてはいなかろうか。 煽りタイトルなのに、深い。
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