アップデートというよりも根本のお話
見た目も収入も申し分ないけどモラハラ気質で古い男が、恋人にフラれたことをきっかけに自らをアップデートしていくストーリー。 恋人が仕事終わりに作ってくれたご飯に、色味がどうだ出汁がどうだバランスがどうだとケチ(アドバイス)をつけ、そりゃプロポーズしてもフラれるわ!ざまあみろ! と思うものの、ちゃんと傷つきちゃんと学ぼうとする姿を見るとだんだん応援したくなってくる。 そして変わろうとするのは何も男ばかりじゃない。勝男をフった鮎美も、自分が本当に好きなものを見つけ人生を変化させていく。 読んでいくと2人はお似合いのカップルだったんだなあ、と皮肉じゃなくて本当に思う。 理屈じゃなく惹かれあった男女が、結婚という目的や男と女という役割に縛られてお互いが見えなくなっていく、なんて悲しい話。 そうさせているのは世間の空気や常識や今まで歩んできた人生など要因は様々だけど、「わたし」と「あなた」だけをしっかり見ていれば起こらないはずなのになあ……。でもそれが難しいんだよね。 勝男と鮎美の人生が再び交わるかどうかはさておき、2人もわたしもみなさんも、自分と相手の好きを大切にして人間関係を築いていけたらいいなと思った。
素直に反省するじゃんこいつ…そして変わろうとしてるところ、いいじゃん…
というのが本作の見どころ。だと思う。
でも本当に危ういぐらいウザい。
周りの後輩や部下が純粋に良い子たちでよかった。
空気が読めない事やコンプラ的に引っかかってるだろーっていうのもギリ許容(我慢)しているよっていう表現がギリギリすぎて怖いけど。
そしてこいつの見てないところで別の顔を存分に発揮していく元カノ。。。
羽根を伸ばすというよりは、殻を破るってことは殻を作ってたんだなーって理解したうえで自由を満喫する彼女はどう考えていくタイプなのか。
タイトルどおりスカッとさせる話に持っていくのか、どうなるか気になる。
谷口菜津子作品はやわらかいタッチで大ぶりのコマが美しく、非常に読みやすく良いバランスである。
画像は「ここは治らないのかな?」というところ。
その自信はどっから来るんだろう^^