ネタバレ

昭和の「特撮」+「ロボアニメ」大好きが!大爆発!大炸裂! …で終わらしたい!

直接的な引用では「ウルトラマン」、「鉄人28号」、「マジンガーZ」辺りなんですが、その派生でもある、「パシフィック・リム」や「エヴァンゲリオン」も少し入るかな。後、「地獄の黙示録」とか。
…男の子って、こういうの大好きなんでしょう?


数年前に、東京湾から突如現れ、江東区に上陸した巨大怪獣、レベル7の前には、自衛隊(?)の誘導気化爆弾もなすすべがなく、レベル7はまた東京湾へ戻っていった。 江東区は甚大な被害を受け、いまだに復旧できずにいる中、国家プロジェクトとして、レミファ1号/2号/3号を開発し、迫りくる怪獣を撃退していく。

  • レミファ1号 … 人型アンドロイド。 レベル3程度の怪獣対応。 「乙武レミファ」として、都内(江東区?)の公立高校に通う。 ショウちゃん(後述)のおうちの家政婦としての役割も果たす。
  • レミファ2号 … 2号。
  • レミファ3号 … 全身30mのロボット。 レベル4以上の巨大怪獣対応。
  • ショウちゃん … 小学生。 都内(江東区?)の団地に住んでいる。 レミファの操縦士、と言う体で作戦にあたる。
  • サトミ … ショウちゃんの母親。 (明示はされないけど)レミファを設計した工学博士。
  • 鈴木パイセン … レミファ1号の1年先輩にして、爽やかイケメン、ドM気質、メカフェチクソ野郎。
  • ヨウちゃん … レミファ1号のクラスメイト。 朗らかで優しい子。
  • 担任の先生 … 真面目だけど、レミファ1号のことをいつも気にかけてくれる。

ここら辺のメンバーが悲喜こもごもな日常を送ったりします。


この作者の作風なんですけど、登場人物それぞれが、とにかく空きあらばボケを入れてきます。 で、ツッコミ役もよく分からんリアクションで流したりします。
この作品は、そのよく分からんボケ/ツッコミの中にも、もうこの街が終わってしまう、と言う足音がヒタヒタと近づいていく様が合間合間に挟まれます。

ショウちゃんの「お父さん死んでずいぶん経つし慣れた」ってセリフは、先のレベル7上陸時に巻き込まれて亡くなったんだな、とか、街中でロボットと怪獣がプロレス(?)して、もっと街を壊してしまうことへの住民感情だったり、湾岸地帯から内陸部に疎開する世帯が大半になって、レミファ1号が通う学校のクラスも半分しか残ってなかったり、ヨウちゃんも来月には疎開してしまうし、5月に打ち上げ花火が上がるのも、もう住民が残っていないことの示唆、等々の残酷な描写が、この優しい筆致で描かれます。


だからこそ!後半40頁を使って描かれる、レベル7再上陸時での死闘は手に汗を握りますし、その終わりの切なさもまた良いものです。
(見開きのダイナミックさがマジ爽快なので、iPadか、PCのリーダー機能で読んで欲しい!)

たった78頁にしてこの読後感。 Kindle Unlimitedにも入っているので、読める人はぜひ読んで欲しいですよねー。

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妖精公団の終わり

妖精公団の終わり

高校で民俗学部に所属する利根梨子。彼女は霊感の強い後輩の西条から傍らに妖精のようなものが見えると言われ驚くが程なく自らも妖精の姿を認知出来るようになる。そして同様に妖精が見えるという祖母やオカルト好きの民俗学部の面々と共にケルトの妖精や土地神をめぐる騒動に巻き込まれていくのであった。モノレールが行き交う町の取り壊し寸前の団地を舞台にしたちょっと切ない日常ファンタジー。本文86P

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