アップデートというよりも根本のお話
じゃあ、あんたが作ってみろよ 谷口菜津子
見た目も収入も申し分ないけどモラハラ気質で古い男が、恋人にフラれたことをきっかけに自らをアップデートしていくストーリー。
恋人が仕事終わりに作ってくれたご飯に、色味がどうだ出汁がどうだバランスがどうだとケチ(アドバイス)をつけ、そりゃプロポーズしてもフラれるわ!ざまあみろ!
と思うものの、ちゃんと傷つきちゃんと学ぼうとする姿を見るとだんだん応援したくなってくる。
そして変わろうとするのは何も男ばかりじゃない。勝男をフった鮎美も、自分が本当に好きなものを見つけ人生を変化させていく。
読んでいくと2人はお似合いのカップルだったんだなあ、と皮肉じゃなくて本当に思う。
理屈じゃなく惹かれあった男女が、結婚という目的や男と女という役割に縛られてお互いが見えなくなっていく、なんて悲しい話。
そうさせているのは世間の空気や常識や今まで歩んできた人生など要因は様々だけど、「わたし」と「あなた」だけをしっかり見ていれば起こらないはずなのになあ……。でもそれが難しいんだよね。
勝男と鮎美の人生が再び交わるかどうかはさておき、2人もわたしもみなさんも、自分と相手の好きを大切にして人間関係を築いていけたらいいなと思った。
醤油と味醂だけで、野菜と肉から出る旨味でキメるのが煮物なんだよ!割と作りやすいレシピはコレかな。
今回稲田さんが提案する“フライパン煮物”は、「がめ煮」。フライパンは炒める、焼くだけでなく、実は煮物を作るのにもとても便利。底面積が広いので素材全体に火が通りやすく、料理時間短縮につながる上、深さのある鍋よりも煮汁が全体に行きわたって味のしみもよくなります!