救われないなあと思ってしまったけど、そうではなくて、空母もいずれは港に着く。止まない雨はないということだろうか。
空母にある郵便局。そこで乗員と同じく陸を待つ手紙たち。
そして、ゲームと現実の境目で、気持ちだけは本当になってしまった瞬間について話したことを回顧しながら、現実と思い出の境目を思い出している。
思い出しては、hitと入力したも同然の自分を酒に溶かしている。
コナリ先生の漫画だけど、ちょっと違う。
「芥川賞・大江賞受賞作家・長嶋有先生の小説を、21組の豪華漫画家陣がコミカライズする」という企画の読み切り漫画なので、当然といえば当然なのだけど。
もとの小説を読んだことがないのだけど、有名人や身近な人の訃報をどう受け取ったかという短編集らしく、原作もなかなか癖が強そうな感じがする。
ポジティブな根っこがあるのかもしれないけど、私はただ悲しみに浸っている春奈の現状に引きづられてしまう。
空母のように巨大な大学で働いていた春菜は、夫を事故で亡くし酒浸りの日々を送っている。