昭和まんが史を刻む快作
双葉社「漫画アクション」の初代編集長の話。 いわゆる、漫画家漫画の派生、漫画関係者漫画ともいえるジャンル。 編集者とか出版業界系を扱ったこの手のジャンル、自分好きなんですよね。 非効率でアナログな時代に、それでも何かを表現したくてたまらない人間たちの情熱とか、それを見抜くセンスとか読んでいて熱くなるのです。 本作も、そんな内容。 モンキー・パンチをみて何かを感じ、後に漫画アクションをつくり、はては双葉社の社長にまでなる男の話。 双葉社。控えめにいっても、大手ではない中堅出版社ですが、だからこそ飛び道具といいますが、王道ではないところで勝負にでて、結果を出していく様は、読んでいて痛快でした。 自分の価値観やセンスを信じるしかない。 これは、別に編集者だけではないと思います。 仕事も全て、最後は、自分の価値観、センス、いわゆる自分の中にある美学的なもので腹をくくるシーンが必ずでてくると思います。 特に、サラリーマンでも中堅を超えてくると決断を迫られるシーンが多々あるので。 そうした意思決定のプロセスも垣間見える作品で、読んでいてグッとくるものがありました。 自分の価値観を信じて動くって、実はとても怖いことなんですけどね。 だからこそ、最後は大きくはっていくしかないんでしょうね。 情熱を武器に、仲間を集め、自分の信じる道を行く。 昭和の激動のなか、小さくもアツい男たちの生き様に感動しました。
わたしそこまでマンガに詳しいというわけではないので、失礼ながら「漫画アクション」なる雑誌を明確に意識したことはありませんでした。多分コンビニなどで見かけたことはあったと思うのですが、日本初の青年漫画誌なのですね。本当にすいません。
すでに少年向けのマンガ週刊誌はマガジンやサンデーなどいくつかあったようですが、青年向けのものを出そう!と主人公はじめ双葉社の方がベンチャー精神たっぷりに突き進むストーリーです!
読んでて本当に面白く、わたしもこういう人生を歩きたいな、と思わせてもらえます。
作中で登場するモンキー・パンチ先生やバロン吉元先生の作品は読んだことなかったので(ルパンのアニメは見たことがありました!!)、機会があれば読んでみたいと思いました!